Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2020/12/22
Update

【女性におすすめ】2020年映画ランキングベスト5で泣ける胸キュンから見るべき話題作まで《シネマダイバー:石井夏子選》

  • Writer :
  • 石井夏子

2020年の映画おすすめランキングベスト5
選者:シネマダイバー石井夏子

日常生活すらままならない状況になってしまった2020年。

中でも、映画や舞台や音楽など、エンターテインメント業は軒並み中止や延期の判断を下さねばならず、苦しい時期が続きました。

劇場が再開され、久しぶりに足を踏み入れた映画館の大スクリーンで映画を再び観られた時の感動は忘れられません。

配信によりどこでも気軽に映画を観られるようになった良さはもちろんありますが、映画館で観るという体験は特別なものだと改めて感じました。

そこで、束の間でも現実を忘れさせてくれた5作品をランキングしました。

【連載コラム】『2020年映画ランキングベスト5』一覧はこちら

スポンサーリンク

第5位『サイレント・トーキョー』

【おすすめポイント】
渋谷を中心とした東京都心で起きた爆発テロ事件と、それに関わる人々を描く、緊迫感あふれるサスペンス作品です。

原作の設定を映像にあわせて大幅にカット・改変。クリスマス・イヴの一夜の事件として、99分の上映時間を突っ走ります。

爆破予告があったにもかかわらず賑わう渋谷の街並みには、他人事ではない恐ろしさがありました。

第4位『マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット』

【おすすめポイント】
マシュー・ボーンが演出・振付を手掛けたバレエの舞台『ロミオとジュリエット』をスクリーン用に撮影。

古典音楽と、斬新な近未来設定が見事にマッチ。ダンサーたちの雄弁な肉体に圧倒されました。

スポンサーリンク

第3位『ハニーボーイ』

【おすすめポイント】
シャイア・ラブーフが、リハビリ施設で治療の一環として書き上げた自伝的脚本を、親友でありコラボレーターでもあるアルマ・ハレル監督が映像化。

ラブーフ自身が彼のトラウマの元となった父親役を演じ、主人公である12歳の少年オーティスをノア・ジュプが、22歳となった青年オーティスをルーカス・ヘッジズがそれぞれ演じました。

ドキュメンタリーのような生の手触りと、劇映画ならではの幻想的な色彩と時空の超越が、深く余韻を残す珠玉の作品となっています。

第2位『82年生まれ、キム・ジヨン』

【おすすめポイント】
韓国の1982年生まれの女性で最も多い名前“ジヨン”を主人公に配しながら、女性の生きづらさと社会問題に向き合った一作。

原作の持つ残酷さは少しソフトになっていたのが残念ではありましたが、それでもキャストの演技力の高さから、胸打つ作品になっています。

ジヨン役のチョン・ユミが、若さで輝いていた大学生時代から、やる気で満ちていた社会人時代、そして、現在のうつろなジヨンを演じ分け、人生の悲しみとやるせなさを体現。

夫役のコン・ユの誠実な鈍感さ、母役のキム・ミギョンの慈愛に満ちた温かさは映像ならではのキャラクター造形でした。

スポンサーリンク

第1位『きみの瞳が問いかけている』

【おすすめポイント】
不慮の事故で視力と家族を失った女性と、罪を犯し、キックボクサーとしての未来を絶たれた男性が出会い、惹かれ合うさまを描いたラブストーリー。

韓国映画『ただ君だけ』のリメイクであり、ストーリーの本筋もほぼ原作通りですが、吉高由里子演じるヒロインを年上にしたことで、新たな胸キュン展開になっています。

横浜流星演じる主人公が、彼女にだけ甘える様子はたまりません。

甘酸っぱい出会い、切ないすれ違い、手に汗握るアクション、どの場面を切り取っても素晴らしく仕上がっています。

2020年注目の監督とキャスト

(C)2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会

監督賞:三木孝浩
女優賞:チョン・ユミ
男優賞:シャイア・ラブーフ

【コメント】
単なるリメイクに終わらせず、原作に真摯に向き合い、作品のテーマである「罪と愛」をより克明に描き出した三木孝浩監督。爽やかで前向きな恋愛映画をこれからも作り続けていただきたいです。

女優賞は、観客自身でもある「キム・ジヨン」を演じ切って共感させてくれたチョン・ユミに。

男優賞は、自らの経験を曝け出し「元子役」から演技派へと成長を遂げたシャイア・ラブーフに贈ります。俳優としてはもちろん、脚本家としての彼の次回作にも期待しています。

まとめ

(C)2019 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

ランキングに入れたどの作品も、登場する女性キャラクターが魅力的で、自分の意思を持って動いているのが好ましかったです。

1位に選んだ『きみの瞳が問いかけている』は、元気がない時、ときめきが欲しい時に寄り添ってくれる作品。本作のタイトルは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のセリフから取られています。

はるか昔の劇作家が生み出した作品が、『マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット』と『きみの瞳が問いかけている』につながっていると思うと、芸術の持つ偉大な力を感じざるをえません。

2021年も、多くの作品が劇場で公開されることを願っています。

【連載コラム】『2020年映画ランキングベスト5』一覧はこちら












関連記事

連載コラム

映画『あの頃。』ネタバレあらすじ感想と評価解説。原作から松坂桃李と山崎夢羽は“ハロオタ”の絆を表現|映画という星空を知るひとよ54

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第54回 ハロプロのアイドルを推し続ける。それに青春を捧げた仲間たちとの愛おしい日々を描いた映画『あの頃。』。 バンドや音楽ユニットにかかかわってきた劔樹人の自 …

連載コラム

映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』あらすじと感想レビュー。キャスト清原果耶の才覚を活かした藤井道人監督の意欲作|2020広島国際映画祭リポート1

広島国際映画祭2020 特別招待作品『宇宙でいちばんあかるい屋根』 作家・野中ともその人気小説が原作の藤井道人監督の映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』。 家族のさまざまな境遇にまつわる変化や将来に迷う …

連載コラム

映画『オキシジェン』ネタバレあらすじ感想と結末解説。タイトルの意味がメラニーロランの熱演で体現される|Netflix映画おすすめ37

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第37回 記憶喪失の主人公が閉じ込められた極低温ポッドからの脱出を目指すシチュエーションスリラー映画『オキシジェン』。 記憶を失い、極低温ポ …

連載コラム

映画『エスケイプ・ゲーム』あらすじネタバレと感想。サイコな犯人を生んだ環境が胸に刺さる|未体験ゾーンの映画たち2020見破録3

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第3回 映画ファンを正月明けから騒がせる、劇場発の映画祭「未体験ゾーンの映画たち2020」が、今年も1月3日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷で開 …

連載コラム

コリン・ファレル映画『ダンボ』主演ホルト役のインタビュー【ダンボの明快なビジョン】FILMINK-vol.5

FILMINK-vol.5「Colin Farrell: Dumbo’s Clarity of Vision」 オーストラリアの映画サイト「FILMINK」が配信したコンテンツから「Cinemarch …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学