腕利きのトラックドライバーたちが死のロードを走りきるレスキューアクション!
ジョナサン・ヘンズリーが脚本・監督を務めた、2021年製作のアメリカのレスキューアクション映画『アイス・ロード』。
カナダ北部のダイヤモンド鉱山でメタンガスが爆発し、26人の作業員が閉じ込められてしまった事故が発生。
彼らの酸素が切れるまであと30時間、空軍から依頼された運輸会社の腕利きのトラックドライバーたちが、最短かつ最も危険なルート「氷の道(アイス・ロード)」を通って救出機材を届けに行くという物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
リーアム・ニーソン主演のレスキューアクション映画『アイス・ロード』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『アイス・ロード』の作品情報
(C)2021 ICE ROAD PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
【公開】
2021年(アメリカ映画)
【脚本・監督】
ジョナサン・ヘンズリー
【キャスト】
リーアム・ニーソン、ローレンス・フィッシュバーン、ベンジャミン・ウォーカー、アンバー・ミッドサンダー、マーカス・トーマス、ホルト・マッキャラニー、マーティン・センスマイヤー、マット・マッコイ、マット・サリンジャー
【作品概要】
『アルマゲドン』(1998)や『ザ・ロック』(1996)などの脚本家であるジョナサン・ヘンズリーが脚本・監督を務めた、アメリカのレスキューアクション作品です。
「96時間」シリーズのリーアム・ニーソンが主演を務め、『TINA ティナ』(1993)のローレンス・フィッシュバーンや、『父親たちの星条旗』(2006)のベンジャミン・ウォーカーら豪華キャスト陣が出演しています。
映画『アイス・ロード』のあらすじとネタバレ
(C)2021 ICE ROAD PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
北アメリカの極寒地では、冬季に凍った川や湖の道を30tのトラックが往来します。そのウィニペグ湖の氷の厚さは80㎝足らずしかありません。
トラックドライバーはここを走ることを「死のミッション」だと呼び、恐れていました。通称「氷の道(アイスロード)」です。
雪に覆われたカナダ・マニトバ州にあるダイヤモンド鉱山「カトカ」で、メタンガスが2度爆発。
作業員8人が死亡し、26人が安否不明となったこの鉱山事故について、カトカを所有する会社「カトカ社」のゼネラルマネージャーのシックルと、オペレーション担当のテイガーは、ガス突出の予兆はなかったため突発事故だったとの見解を示しています。
しかし会社には、坑道に充満したメタンガスを抜くために必要な坑口装置(ウェルヘッド)がありません。
これを聞いた天然資源省の次官オトゥールは、ウィニペグ空軍基地の民間緊急事態担当官に坑口装置の輸送を要請。しかし長さ5m、重さ25tもある坑口装置を空輸することも、大型ヘリで運ぶことも不可能、陸路しかないと回答されました。
そこで今度は、アイスロードに詳しいウィニペグの若い役人マックス・タリーに連絡を取ってみることに。
連絡を受けたタリーは、運輸会社の経営者ジム・ゴールデンロッドの元を訪れ、「鉱山事故があったカトカに、坑口装置と90mのパイプをトラックで30時間以内に運んでほしい」と頼みました。
しかし4月半ばの今はアイスロードは閉鎖されており、トラックドライバーたちはほとんど休暇中のため人員確保も厳しい状況でした。
ジムは悩んだ末、自分がトラックドライバーと整備士を確保する代わりに、政府にアイスロードを開くよう許可を求めてきてほしいと言いました。
集まった腕利きのトラックドライバーたちの中から、ジムはアメリカ・ノースダコタ州ベンビナ郡から来たアイスロード経験者のマイク・マッキャンと、彼の弟で整備士のガーティを指名しました。
イラク戦争の帰還兵である彼ら兄弟は、トラックドライバーと整備士として生計を立てていました。
しかしこの8年間、ガーティはイラクでの負傷で患った失語症が原因で職場でいじめられ、マイクが弟をいじめる同僚とトラブルを起こしてしまうため、仕事が長続きしませんでした。
限界を感じたマイクは一度、ガーティを退役軍人病院に連れて行き、自立のためのリハビリをさせようとしましたが、医者が投薬による治療だけしかしないため諦めました。
そんな中、マイクの元に飛び込んできたのが、ジムが出したアイスロード運転手の募集でした。
さらにもう1人、ジムの元部下タントゥーがチームに加わります。先住民としての誇りと怒りから、彼女は何かとトラブルを起こしていますが、ドライブテクニックは一流です。
しかもタントゥーの異父の兄コーデ・マントゥースィは、安否不明の作業員のうちの一人でした。運輸会社は坑口装置を3基用意し、3台の大型トラックにそれぞれ載せました。
ジムはマイクたちに、「猛牛走り(牛を立たせて運ぶ家畜運搬車が、中で横になった牛が他の牛に踏み殺されないように、休まず急いで走ったこと)」による戦略的重複輸送を行うと言いました。
要するに、坑口装置と救急袋を載せた総重量30tの巨大トラックが1台でも到着すればいいという作戦です。
この作戦の成功報酬は20万ドル、ですが脱落者が出た場合は、残ったメンバーで分配されます。
さらにカトカ社側の人間として、保険会社「カトカ保険」のトム・バルネイが同行することに。
金のトラックにジム、赤いトラックにマイクたち兄弟、黒いトラックにタントゥーとバルネイがそれぞれ乗り込み、給油したのち、ついに氷の上へと滑り出します。
アイスロードを夜通し走るマイクたち。翌朝、目の前に広がる美しい氷の世界を見たバルネイが「絶景だ、それほど危険な道には見えない」と言いました。
しかしそれに対するタントゥーの答えは、「トラックの速度が速いと圧力波で氷が割れて水没、逆に遅いとタイヤにかかる重みで水没する」という厳しいものでした。
さらに太陽が昇り、水温が80度から127度にまで上がり始めたその時、ジムのトラックが異音を発して急停車してしまいます。
すぐにバックして助けに行こうとするマイクに、タントゥーは「突き進むんだろ?」と不満を唱えたものの、「いいから下がれ」と言われて渋々従いました。
ガーティがジムのトラックを調べる間、マイクは牽引の準備をすることに。するとトラックの重みに氷が耐え切れず、あっという間にトラックの後輪が沈んでしまったのです。
既に牽引ロープで繋がっていた他の2台のトラックも、ジムのトラックに引き摺られていきました。
ジム自身も牽引ロープに片足が絡まってしまい、トラックと共に氷の中へ。このままでは皆助からないと判断した彼は、助けに駆けつけたタントゥーに牽引ロープを切るよう命じます。
タントゥーが泣く泣く牽引ロープを切断した直後、ジムもろとも彼のトラックは水没しました。
さらに氷が割れ始めたため、マイクたちは急いでトラックに乗り込み、その場から離れようとします。
しかし氷泥で車体が左右に振られ、2台とも横転してしまいました。ですが横転しタイヤにかかる重みが分散したことで、マイクたちの足元にある氷は割れませんでした。
以下、『アイス・ロード』ネタバレ・結末の記載がございます。『アイス・ロード』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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嵐が迫ってるのもあり引き返すこともできず、作戦の続行を決断したマイクたち。トラックを起こそうとしたその時、バルネイはマイクに「トラックの故障原因を知りたくないか?」と言いました。
ここまでの道中、タントゥーがジムと揉めて彼の会社をクビになったことを知ったバルネイは、トラックが故障したのはその怨恨からくるものではないかと思ったのです。
現にバルネイは出発前、皆が荷物を積んでいる中、タントゥーがガソリン給油機の横でタイヤの空気圧を測るフリをしていたのを見ていました。
マイク自身も、走行距離1万㎞未満のトラック「ケンワース」が故障したことを不審に思っていました。もし故障するとしたら、軽油ではなくガソリンを給油した場合のみです。
バルネイから話を聞いたマイクは、タントゥーが全員を脱落させ、20万ドルを独り占めにしようとしているのではないかと推測しました。
タントゥーは「クビになったのは抗議デモの旗を運ぶために無断で会社のトラックを使ったから」、「金のためではなく、兄を助け出したいからここにいる」と容疑を否認。
しかし「先住民の言葉を信じるな」というバルネイの先住民差別発言を聞いて激怒、思わず隠していた銃を取り出します。
それを見たガーティは、すかさずタントゥーから銃を取り上げました。タントゥーの話が真実かどうか確かめるべくカトカ社に問い合わせている間、マイク・ガーティ・バルネイの3人で2台のトラックを起こしました。
一方カトカの地下では、作業員のレネ・ランバードが、「ガス突出なんてありえない」と2度目の爆発前に言っていたコーディに、その理由を尋ねていました。
しかしコーディがその答えを言いかけた時、地上にいるシックルと作業員のフレッドから、安否を問うタップコードが届きます。
コーディが26人全員の生存を伝えると、「坑口装置を使ってメタンガスを抜き、坑道を爆破。坑口装置はすぐに到着するから」と返ってきました。
これを聞いた作業員のマンキンスが、作業員のバーニーとクロードほか3人が重症で朝まで保ちそうにないと判断し、2人にトリアージによる人数減らしを提案します。
多くの病人・怪我人がいる状況において優先治療される人を選別する「トリアージ」は、本来助からない患者に対して行われていることです。
酸素の残量確保のため、3分の2の仲間を切り捨てようとしているマンキンスの案に、コーディたちは当然反対しました。
しかしマンキンス側についた作業員が、タップコードを使って人数減らしを行うと、シックルたちに伝えてしまったのです。
一方マイクたちは、どうにか起こしたトラック2台を発進させる前に、積荷が無事か調べていました。
しかしバルネイは、マイクたち兄弟を赤いトラックのトレーラーの中に閉じ込めてしまったのです。
さらにバルネイは運転席からマイクたちの荷物と工具、無線機を奪い、平然とした顔で黒いトラックの運転席に乗り込みます。
助手席にいたタントゥーは、バルネイが金色のトラックに細工しジムを殺したと悟り激怒するも、彼に殴られて気絶してしまいました。
実はバルネイは保険会社の人間ではなく、カトカ社の別部署の人間でした。本性を表したバルネイは、赤いトラックの下にダイナマイトを仕掛け、黒いトラックで逃走。
マイクたち兄弟はパイプで穴を開けて脱出。間一髪のところでダイナマイトによるトラック爆破を阻止します。
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しかし爆発の衝撃で氷が割れ、前輪が沈んでしまったのです。なんとか引き上げようとするもなかなか上手くいかず、おまけにバルネイに騙されたこともあり、マイクの不満は爆発。ガーティにその怒りをぶつけてしまいます。
前輪がなんとか引き上げられたものの喜びは束の間、ガーティの不安は的中し、溶接が折れトレーラーが沈んでしまったのです。
異変に気づいたマイクは、氷の中に落ちたガーディの救出に向かいます。氷から引き揚げ、助手席に戻して心臓マッサージをした結果、ガーティは息を引き返しました。
ガーディが死ななかったことに心底安堵したマイク。怒鳴ってしたことや殴ってしまったことを謝り和解します。
そして冷静になったところで、自分たちを雇ったカトカ社の人間がなぜ、自分たちを妨害しようとしているのか考えました。
その結果、このミッションを失敗させたい、マイクたちにしくじらせたいというカトカ社の思惑があったことが発覚。
そんなカトカ社に頭にきたマイクは、トラックを発進させバルネイを追いかけるべく、アイスロードを突っ走ります。
一方岸にたどり着いたバルネイは、シックルとその部下たちと合流。トラック2台が水没し、トラックドライバーも整備士も死んだと報告しました。
シックルはバルネイに、「この先の山道のガードレールからトラックを落として女も始末しろ。彼女がハンドルを切り損ねた」、「君は命からがら飛び降りた」と、タントゥー暗殺を命じました。
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その頃カトカでは、マンキースが提案した人数減らしをするべきか否か多数決をとろうとしていました。
レネに責任を問われたマンキースは、「責めるなら地上にいる会社の幹部を責めろ」と言いました。
レネがなぜ幹部が出てくるのか尋ねると、コーディが「メタンガスセンサー(メタンガスを検知するセンサー)をマンキースに切らせたのは幹部だ」と答えました。
バーニーとクロードも、「上層部からの新ノルマがキツくて作業を止める余裕がない」、「極北じゃメタンガスは出ないから大丈夫だって言われたよ。んで俺たちを金で釣った」と隠していた事実を打ち明けます。
レネ以外の作業員は皆、1人月100ドルの報酬のために、メタンガスセンサーを切っていたのです。
このことを告発すればクビにされるので、マンキンスたちに断る選択肢はありませんでした。
真実を知ったレネは起爆装置に手をかけ、皆で生きて外に戻るか、酸欠になる前に皆でここで死ぬかと迫ります。
一方バルネイは、シックルの命令どおりにタントゥーを事故に見せかけて殺そうとするも、マイクたちの荷物に入っていた飼いネズミに噛まれ、タントゥーに車内から追い出されてしまいました。
バルネイはシックルの部下が運転する車を奪い、逃げるタントゥーを追跡。タントゥーは無線機を使って、岸に辿り着き山道を走り出したマイクたちに助けを求めました。
その際、タントゥーは「カトカ社はメタンガスを放置してるってコーディが言ってた。鉱山事故が起きたのはそのせいだから、作業員を葬って隠蔽したいんだよ」と言いました。
彼らの会話を無線で聞いていたバルネイは、スノーモービルに乗ったシックルの部下たちに、マイクたちの始末を命じます。
タントゥーをバルネイが追跡し、マイクたちをシックルの部下たちが襲撃。トラックを走らせながら激闘を繰り広げた末、マイクはトラックに乗り込んできた敵2人を倒し、敵もろとも途中で助手席から山道に放り出されてしまったガーティを迎えに行きました。
ガーティも一緒にトラックから落ちた敵2人を倒していたため、残る敵はバルネイだけです。
しかしタントゥーは、バルネイが落ちた際に燃料ホースを引き抜いたせいで、トラックはあともう少しのところで停まってしまうのです。
追いついたバルネイと対峙したタントゥーは、彼の目的はなんなのか、地下の酸素が尽きるまでの時間稼ぎをしているのかと尋ねると、彼の答えはイエスでした。
残ってる坑口装置はもう黒いトラックに積まれたものしかありません。総重量30tのトラックを手で押していくなんて不可能です。
するとそこへ、マイクたちが乗った赤いトラックが登場。慌てて車に乗り込んだバルネイでしたが、そのまま追突されガードレールの下へ転落しました。
マイクはタントゥーに謝罪して和解し、ガーティに燃料ホースの修理を指示しました。修理後、彼女のトラックに燃料を分け、一緒にカトカへ向かおうとしました。
そこへ、かろうじて生き延びたバルネイの魔の手が迫ります。ダイナマイトを使って故意に雪崩を起こしたのです。
マイクたちはなんとか免れたものの、タントゥーはトラックもろとも雪崩に巻き込まれ、木の枝が胸に突き刺さり重傷を負ってしまいました。
タイムリミットまで刻一刻と迫る中、マイクたちはタントゥーのトラックからトレーラーを引き離し、自分たちのトラックに繋げ、3人でカトカへ向かいました。
しかしバルネイもまだ諦めていませんでした。乗り捨てられた黒いトラックに乗り込み、マイクたちを追跡します。
カーチェイスの末、マイクはガーティに運転をかわってもらい、銃を手に黒いトラックに乗り込みました。
マイクとバルネイが死闘を繰り広げているなか、ガーティたちは最後の難所、最大で35t耐えられるカトカ鉱山道内にあるマニトンカ橋へ。
死闘の末、マイクがわざと黒いトラックのスピードを上げたことにより、路面の氷に圧力波が生じ、バルネイもろとも黒いトラックは水没しました。
直前で黒いトラックの運転席から脱出していたマイク。ですがガーティたちがマニトンカ橋を無事突破したと同時に、トラックの重さに耐えきれずケーブルが切れてしまったため、橋は崩落。
赤いトラックも落ちそうになったものの、ガーディが身を挺してゲートを閉じトラックを止めたため無事でした。
しかしガーティは体を押し潰されていたため瀕死状態に。駆けつけたマイクの腕の中で、静かに息を引き取りました。
一方シックルとテイガーは、状況把握のために現場を訪れたカトカ社のCEOのトマソンとオトゥールに、「救出チームと連絡が取れなくなった」と報告。
それを聞いたトマソンが、作業員を生きて地上に戻すことは不可能だと判断したその時、マイクたちがカトカに無事到着しました。
フレッドたち地上にいる作業員たちはすぐさま坑口装置を設置および稼働させ、坑道の爆破を行いました。
その結果、レネたちは無事救出されました。そしてレネは、トマソンにシックルたちの悪事を告発しました。トマソンに糾弾されているシックルに、マイクは一発顔面にぶち込みました。
その後、オトゥールは鉱山内の診療所にいたマイクに謝罪をし、「カトカ社の契約書にサインをして小切手を受け取り、警察の聴取を受けてください」と言いました。
それに素直に従い歩き出したマイクに、診療所の人間がガーディの服のポケットに入っていたものを手渡します。
それはこの仕事を受ける前に、ガーティが兄弟でトラックドライバーの仕事をすると言って欲しがっていた、ケンワースのチラシでした。
それから3ヶ月後。ジムの後を引き継いだタントゥーの元に、金色の新車のケンワース「トラックトラックトラック」に乗ったマイクが訪ねてきました。
マイクは今、フリーのトラックドライバーとして働いています。そしてマイクはタントゥーに別れを告げ、ガーティが可愛がっていた飼いネズミと共に、配達先までの道のりを走り出したのでした。
映画『アイス・ロード』の感想と評価
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アイスロードを爆走するトラックドライバーたち
腕利きのトラックドライバーたちですら恐れる場所「氷の道(アイスロード)」。
晴天で水温も上昇していくという最悪な状況下での走行は、アイスロード経験者であるマイクたちであっても難しいミッションだったに違いありません。
そんなアイスロードを総重量30tのトラックで突っ走る場面は、観ているこちらもヒヤヒヤさせられます。
しかも脱落者がジムだったなんて、予想していなかった人物の退場に驚きで開いた口が塞がりません。
さらにバルネイたちカトカ社による妨害という、さらなる試練が待ち受けていたのです。それを乗り越えようと奮闘するマイクたちの姿はとても格好良いです。
ですが、カトカまであと少しというところで、ガーティが落ちそうなトラックを守り死んでしまったのはショックで、死ぬなと祈りながら抱き抱えたマイクの心情を思うと余計に悲しくて涙が止まりません。
シックルたちの鉱山事故隠蔽工作
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鉱山事故で地下に閉じ込められてしまった26人の作業員を救い出すため、坑口装置の輸送をマイクたちに依頼したバルネイたちカトカ社。
しかし彼らは、最初からレネたちを救う気などなかったことが物語の後半で明かされます。
そもそも鉱山事故の原因は、ノルマがきついが作業を止める余裕もないと焦ったシックルたち幹部が、レネ以外の作業員を買収して故意にメタンガスセンサーを切らせていたことだったのです。
しかもシックルたちは、この鉱山事故と自分たちの悪事を隠蔽するため、マイクたちとレネたちを事故を装って殺し、「救出チームは間に合わず、作業員たちを救うことができなかった」ということにしようとするのです。
ですがそれは、カトカ社というよりシックルたち一部の幹部の企みでしかなかったようで、物語の終盤に現れたCEOのトマソンはこれに激怒し、彼らにきっちりお灸を据えたことでしょう。
まとめ
(C)2021 ICE ROAD PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
イラク戦争の帰還兵である兄弟と腕利きのトラックドライバー2人が、鉱山の地下に閉じ込められた26人の作業員を救い出すため、死のミッション「氷の道(アイスロード)」を爆走する、アメリカのレスキューアクション作品でした。
本作の最大の見どころであるアイスロードは、陸の上にアイスロードを作ってその周りをCGで生成した画像が施されている映像ではなく、湖の上に作られた2㎞の本物のアイスロードです。
氷が割れていく場面もアイスリンクの中に大きな穴を掘って水を張って凍らせたもので、デジタル処理はされていません。
さらに作中でマイクたちが運転するトラックの窓の外の風景は合成一切なし。ケンワース社製の2020年型の18輪のトラックを寄付してもらい、それをフォードF-550でグライダーのように牽引。
下でスタントマンが運転し、上ではリーアム・ニーソンら俳優たちが本当に運転しているように演技をするという、驚きの撮影方法で撮影したといいます。
何もかも本物だからこその臨場感とスリルを、登場人物たち同様、観ている人たちも味わうことができるのでしょう。
強い絆で結ばれた兄弟と腕利きのトラックドライバーが、自然の猛威と鉱山事故の裏に隠された陰謀に立ち向かう、リアルさを追求したハラハラドキドキのレスキューアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。