マイケル・クライトンの原作小説を映画化した『ジュラシック・パーク』の続編。
スティーブン・スピルバーグが監督を務めた、1997年製作のアメリカの冒険SF映画、『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』。
人知れず恐竜たちが生き延びて繁殖している島「イスナ・ソルナ島」。
4年前に悲劇を巻き起こしたジュラシック・パークの再建を目論む恐竜ハンター団と、島の調査に来た恐竜調査隊が、暴走した島の恐竜たちから逃げ惑う物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
前作『ジュラシック・パーク』の続編となる、アメリカの冒険SF映画『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』の作品情報
(C)1997 Universal Studios – All Rights Reserved
【公開】
1997年(アメリカ映画)
【原作】
マイケル・クライトンの『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』
【監督】
スティーブン・スピルバーグ
【キャスト】
ジェフ・ゴールドブラム、ジュリアン・ムーア、ピート・ポスルスウェイト、アーリス・ハワード、リチャード・アッテンボロー、ビンス・ボーン、バネッサ・リー・チェスター、ピーター・ストーメア、ハーヴェイ・ジェイソン、リチャード・シフ、トーマス・エフ・ダフィ
【作品概要】
「ジュラシック・パーク」シリーズや「トランスフォーマー」シリーズ、「インディ・ジョーンズ」シリーズなど数多くのヒット作を手掛ける、スティーブン・スピルバーグが監督を務めた、アメリカの冒険SF作品です。
マイケル・クライトンの小説『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化した作品でもあります。
前作「ジュラシック・パーク」(1993)に引き続き、ジェフ・ゴールドブラムとリチャード・アッテンボローが出演し、『アリスのままで』(2015)のジュリアン・ムーアや、『インセプション』(2010)のピート・ポスルスウェイトら豪華俳優陣が共演しています。
映画『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』のあらすじとネタバレ
(C)1997 Universal Studios – All Rights Reserved
コスタリカ沖のヌブラル島の南西140キロに位置するソルナ島。その海岸には、旅行者ボール・ボーマンとその家族が、ひと夏のバカンスに訪れていました。
両親と離れ、島の探索に出かけた幼い娘キャシーは、小さい恐竜コンプソグナトゥス・トリアシクスの群れと遭遇し、襲われてしまいます。
コンプソグナトゥス・トリアシクスの群れに襲われているキャシーの姿を見た、彼女の母親デアドアが悲鳴を上げたところで、物語は始まりました。
場面転換。数学者(カオス理論学者)イアン・マルコムは、かつてジュラシック・パークを建設した実業家であり、当時インジェン社の社長を務めていたジョン・ハモンドに呼ばれ、彼の屋敷を訪れます。
ハモンドはマルコム博士に、4年前のジュラシック・パークでの事件のことは謝罪しないことを述べたのち、ソルナ島には「サイトB」という、恐竜たちの飼育地があることを明かしました。
ハモンドの話によると、このサイトBで数ヶ月間飼育された恐竜たちは、ジュラシック・パークに移送されていたのですが、突如襲ったハリケーンによってサイトBは壊滅状態になってしまったのです。
サイトBにいたインジェン社の従業員が島から撤退後、自然に帰った恐竜たちはそれぞれグループを作り、自らの力だけで生き延び、繁殖を続けていたといいます。
俄かに信じがたい話に困惑するマルコム博士に、ハモンドは「恐竜たちの野生のままの生態を研究したいから、島へ行って調査して来て欲しい」と頼みました。
ハモンドはマルコム博士に、島をうつす衛星の赤外線写真を見せ、恐竜たちは、自分たちが決めた縄張りから出ていないことが分かっていること。
肉食恐竜は島の中心部にいるから、島の外側を歩けば命の危険はないということを伝えた上で、「マルコム博士たち恐竜調査隊には、恐竜たちに手で触れることなく、隠れて恐竜たちの生態を観察して欲しい」とお願いしました。
そうお願いするハモンドは、既に恐竜調査隊のメンバーを選出済みでした。
1人目は、ドキュメンタリー映像作家のニック・ヴァン・オーウェン、彼には恐竜の写真を撮影してもらいます。
2人目は、野外装備専門家のエディ・カー。3人目は古生物学者のサラ・ハーディングです。そして最後の1人が、マルコム博士でした。
さらにハモンドは、マルコム博士にインジェン社の現状を伝えます。インジェン社は現在、4年前のジュラシック・パークでの事件をきっかけに、倒産の危機に陥っていました。
インジェン社の内部では、そんな会社を立て直すため、サイトBで飼育された恐竜たちを使って一儲けしようとする連中もいるといいます。
ハモンドはそれを阻止しようと、島に近づけさせないように画策していましたが、数週間前にボーマン一家が島の海岸に上陸。
娘のキャシーが襲われてしまったものの、軽いケガですみました。インジェン社の役員会はそれを理由に、ハモンドを社長の座から引きずり下ろし、彼の甥であるピーター・ルドローを社長の座に据えることに。
そう話すハモンドは、「“失われた世界(ロストワールド)”が世間に知られるのも時間の問題。島とそこに住む恐竜たちを守るためには、生きた恐竜の生態記録を世間に公表するしか方法はない。それが、4年前の事件を起こしてしまった我々インジェン社にとっての、せめてもの償いなんだ」と言いました。
ハモンドの話を一通り聞いたマルコム博士は、それでもそんな危険な島に、たった4人で行くのは無謀だと言い、計画の中止を訴えました。
しかし既に、一足早くマルコム博士の恋人でもあるサラが、「何があっても1人で先に島へ行って、誰にも邪魔されずに恐竜たちを観察したい」と言い、ソルナ島へ旅立ってしまったのです。
ハモンドの口からそう聞かされたマルコム博士は、葛藤の末、サラの救出のために、恐竜たちの調査に赴くことにしました。
その後、マルコム博士はニックとエディと合流し、急ピッチで準備を進めていきます。サイトBの探索のために、マルコム博士たちが用意したものは、特別改造したサバイバル用の車両メルセデス・ベンツのML 320。
2連結型のキャンピングカーのシボレー・フリーウッドRV・モバイル・ラボと、神経の伝達速度より早く効くという最強の神経毒、イモガイの高濃度の毒を仕込んだエアライフルです。
それから3日後。マルコム博士たちは船に車と武器、食料を積み、無事ソルナ島へ到着。彼らは早速、サラの衛星電話の位置センサーを辿って、彼女の捜索に向かいました。
マルコム博士たちが、衛星電話が入ったサラのリュックを見つけた直後、群れで行動する大人しい性質の恐竜ステゴサウルスの群れに遭遇。
ステゴサウルスの群れを撮影しようとしたニックに、声をかけてきたのは、探していたサラでした。
サラはマルコム博士の心配をよそに、ステゴサウルスの子供に近づき、カメラにその姿を収めようとします。
するとそこへ、ステゴサウルスの親が登場。ステゴサウルスは自分の子供を守るべく、尾のスパイクを武器に、サラに激しい攻撃を加えてきました。
何とか難を逃れたサラは、マルコム博士たちと合流し、島内を探索していきます。すると恐竜調査隊のベースキャンプに、火が灯っているのを発見。
マルコム博士たちが急いで消火すると、そこへマルコム博士の娘ケリー・カーティスが、申し訳なさそうにキャンピングカーから出てきます。
ケリーはマルコム博士の反対を押し切って、キャンピングカーに忍び込み、彼らが戻ってくる前に夕食を作ろうとしていたのです。
サラとケリーが大事なあまり、心配で仕方ないマルコム博士は、2人に島から出るように促します。しかしサラは、普段全く気にかけてくれないマルコム博士への不満をぶつけ、2人は喧嘩してしまいます。
映画『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』の感想と評価
(C)1997 Universal Studios – All Rights Reserved
インジェン社の従業員がハリケーンで撤退し、自然豊かで人間のいないソルナ島で、のびのびと自由に暮らしてきた恐竜たち。
本来、アミノ酸が取れない恐竜たちは、酸素を与えられなければ、7日間で死んでしまうはずでした。
しかし恐竜たちは、自力で4年間生き延び続け、繁殖を続けてきたという奇跡に、まず感動することでしょう。
ただ、ティラノサウルス・レックスやヴェロキラプトルたち恐竜が、島でのんびり暮らしている姿は、ほんの少しだけです。
それもこれも、私利私欲にまみれたルドローたち恐竜ハンター団が、彼らを捕まえて一儲けしようとするからでした。
自分たちの縄張りを侵された挙句、子供まで危害を加えた人間たちに対する、恐竜たちの怒りの報復劇。それは観ているこちらもゾッと背筋が凍るほど、恐ろしいものばかりです。
マルコム博士たち恐竜調査隊が、幾度となくティラノサウルス・レックスやヴェロキラプトルと戦い、生き延びようと奮闘する姿は、終始ハラハラドキドキします。
マルコム博士たちを助けようと必死だったエディや、ディーターたち大勢の恐竜ハンター団員の死は、少しグロテスクな描写があるので、鑑賞の際は注意してください。
ただ最後に、大勢の仲間を失い傷心したローランドが、これまで協力してきたルドローと袂を分かったのは、予想外な展開で驚きます。
まとめ
(C)1997 Universal Studios – All Rights Reserved
島で独自に繁殖を続け、生き延びてきた恐竜たちと、別々の目的を持つ恐竜調査隊と恐竜ハンター団が対峙し、襲われ逃げ惑う冒険SF作品でした。
本作の見どころは、ティラノサウルス・レックスやヴェロキラプトルたち恐竜vs人間たちの戦いと、恐竜調査隊による恐竜の救出劇です。
島で暮らす恐竜たちをビジネス道具としか思っておらず、捕まえて一儲けしようとするルドローとは違い、マルコム博士たち恐竜調査隊は恐竜に襲われてもなお、捕まった恐竜たちを救おうとします。
それを物語の最後まで貫き通したマルコム博士たちによって、恐竜の安全は守られただけでなく、また島で自由に暮らすことが出来ました。
私利私欲に溺れたために、恐竜調査隊と明暗が分かれてしまった恐竜ハンター団。特に今回の黒幕ルドローの死は、悪を成敗したスカッとした気持ちになれます。
また本編を通して描かれる、子供を想う恐竜の親たちの愛情は、観ていて感動しますし、微笑ましいです。
スリルと恐怖が味わえる恐竜vs人間たちの戦いと、恐竜たち家族の愛が描かれた、冒険SF映画が観たい人に、特にオススメな作品となっています。