2019年7月5日(金)公開、蜷川実花監督・藤原竜也主演の映画『Diner ダイナー』
映画『Diner ダイナー』の原作は平山夢明の小説『ダイナー』です。
文庫にして500ページを超える、凄惨でブラックユーモアあふれるこの原作『ダイナー』をネタバレありで登場人物やラストまでのあらすじをご紹介。
そして映画版のキャスト予想を含めてお伝えしていきます。
CONTENTS
小説『ダイナー』の登場人物
オオバカナコ
30歳女性。
離婚し実家の仕事を手伝っていたものの、出来心から闇サイトの求人に応募、ボンベロの店に売られる羽目に。
ボンベロのボス、コフィが大事にしている高額なディーヴァ・ウォッカ『歌姫』の瓶を“人質”にとり、なんとかこの危険な店で生きながらえようとあがきます。
ボンベロ
年齢不詳の元殺し屋の男性で、殺し屋専用の会員制食堂『キャンティーン』のシェフ。
料理の腕は超一流ですが、使えないウェイトレスや迷惑な客はすぐに始末します。
“組織”の前ボス、デルモニコへの恩義があります。
ディーディー
カナコが『キャンティーン』で働かざるを得なくなった事件を引き起こした女性。
カウボーイと呼ばれる男性とコンビを組んでいました。
カウボーイ
ディーディーの相棒で恋人。
常に棒付きキャンディをなめています。
小説冒頭で拷問により死亡。
スキン
全身つぎはぎだらけの爆破屋。
見た目と違い、普段は穏やかでカナコのことを気に掛け、彼女を買い取って自由にさせると約束をします。
母の思い出の味と寸分たがわないボンベロの作るスフレが大好物。
ブロウ
スキンヘッドの3人組の兄貴格。
カナコの前任のウェイトレスを殺害したことがあるらしい。
目つきの悪い巨体の男性。
キッド
見た目は少年ですが、カナコよりも年上の、全身ホルモン注射と整形漬けの男性。
売春をしていた祖母と母とともに、赤ん坊の頃より身体を売らされていました。
それによって精神は歪み、殺し屋が避けたがる、女子どもの殺害を好んで行うように。
菊千代
ボンベロの相棒のブルドッグ犬。
ボンベロに忠義を尽くし、少しでも怪しい動きをするものを見たら強烈な頭突きや噛みつきを繰り出します。
炎眉
容姿端麗、スタイル抜群の女性暗殺者。
ボンベロの殺しの弟子で、男女としても深い仲だったことも。
ソーハ
元産婦人科医で堕胎が趣味。
ミコト
ソーハに連れられてきたカナコの次のウェイトレス候補。
オヅ
白髪と白い口ひげの年配の男。
ボンベロの命の恩人で、菊千代の元の飼い主。
無礼図
40代後半の目つきが鋭い筋肉質な男性。
組織の幹部で炎眉の伯父。
九
アル中。
始末される為『キャンティーン』に連れてこられました。
コフィ
60がらみの痩せた男。
組織のボスで、『キャンティーン』のオーナー。
前ボス・デルモニコの甥。
小説『ダイナー』のあらすじとネタバレ
オオバカナコは離婚後、親のコネで地元の文具店になんとか就職。
少ない給料で生活を送っていましたが、携帯の闇サイトでみつけた怪しい仕事を引き受けてしまいます。
『求む運転手。報酬三十万。軽リスクあり。』
当日指定の場所に車と共に現れた、“ディーディー”と“カウボーイ”という男女。
彼らが出かけて戻ってきたら待機していた車に乗せ、トーキョー駅まで運ぶだけの簡単な仕事だったはずでした。
しかしディーディーとカウボーイはどうやら失敗したらしくガラの悪い男たちに追われ、カナコも彼らと一緒に捕まります。
待ち受ける拷問の数々。
カウボーイは無残に殺され、カナコとディーディーは生きたまま土に埋められます。
料理だったらなんでもできるから殺さないでと命乞いするカナコ。
その場にいたガタイの良い男が、カナコの買い手がついたと彼女を助け、ある場所へ連れて行きます。
強固な鉄扉に守られた『キャンティーン』という名の殺し屋専用の会員制食堂でした。
オーナーで、“組織”のボス・コフィがカナコをウェイトレスとして買い取ったんです。
『キャンティーン』の店長兼シェフはボンベロという無愛想な男。
彼も元殺し屋で、ウェイトレスはカナコが9人目。
以前の8人は、客やボンベロに殺されてしまったそうです。
カナコは生きるため、ボンベロの指示のもと、店の掃除などの下働きを始めますが、いつ彼に殺されてもおかしくない状況でした。
ボンベロが厨房を離れた隙にカナコは冷蔵庫を開け、その中で一番高そうな酒瓶をいざという時の人質として隠します。
それは1億5千万円もの価値がある、“歌姫”と呼ばれている酒で、オーナーのコフィが楽しみにしている逸品でした。
隠し場所がわからないボンベロは仕方なくカナコを生かすことにします。
カナコがウェイトレスになって初めて訪れた客は、全身傷だらけの爆破屋“スキン”。
直後にやってきた“ブロウ”ら3人組にカナコは絡まれますが、スキンが救ってくれます。
スキンからボンベロの作ったハンバーガーを御馳走されるカナコは、その美味しさに驚きました。
次にやってきたのは、老人と少年“キッド”でした。
カナコはスキンが注文したスフレを運びます。
スキンはそれを心待ちにしており喜んで食べますが、カップの底には吸殻が。
聞けば毎回異物が入っているとのことで、スキンは落胆して帰って行きました。
会員制の『キャンティーン』に一見の客が訪れ、ボスの名刺を紹介状替わりに見せます。
しかしそれは「持ち主を始末しろ」という合図。
その客はキッドを人質にとりましたが、あっさりとキッドに殺されてしまいます。
後始末も自分がやると興奮するキッド。
ボンベロによると、キッドは実は大人で、ホルモン注射や全身整形で子どもの姿になっているとのこと。
子どもの姿をして女子どもを油断させ、惨殺するのが好きなキッド。
壮絶な生い立ちから、そうしなければ生きていけないように育てられてしまったんです。
ボンベロに一服盛られ気絶したカナコが意識を取り戻すと、倉庫の椅子に縛られていました。
オーナーのコフィが店で懇親会を開くから“歌姫”を返せと脅すボンベロ。
そこへスキンが来店し、事情を聴いた彼は、自分と一緒に来るならカナコを自由にするという条件付きで彼女を買い取ります。
懇親会でカナコは“歌姫”を返し、彼女はスキンと店を出るということで話はまとまりました。
会で提供する料理の仕込みが始まります。
入院していたボンベロの相棒、ブルドッグ犬の“菊千代”が店に帰って来て、ボンベロが店を空けている間もカナコを見張ります。
頼まれた仕込みをしている間、何度も店の電話が鳴り、カナコは電話を取りました。
電波が悪い中、キッドが来るから待たせておけというボンベロの声。
しばらくするとキッドが来店しますが、そこで再びボンベロから入電が。
ボンベロはキッドの来店のことも知らず電話もかけていないと言います。
キッドは声帯模写が得意で、仕事で失敗し自暴自棄になっているから殺されるぞとカナコに伝え、菊千代から離れるなと忠告。
案の定キッドはカナコを殺そうと襲ってきますが、菊千代がキッドに噛みつきました。
頭をかじりとられる寸前で止められたキッドは、自らの生い立ちを話します。
そしてカナコも子どもを殺したことがあるだろと指摘するキッド。
店に戻ったボンベロが、死にたがっていたキッドを生かしたまま帰します。
映画『Diner ダイナー』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
平山夢明『ダイナー』(ポプラ社刊)
【監督】
蜷川実花
【キャスト】
藤原竜也、窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二、玉城ティナ
【作品概要】
平山夢明の小説『ダイナー』(ポプラ社刊)を実写映画化。
多くの個性的なキャラクターを体現し、「デスノート」「カイジ」シリーズをヒットに導いてきた藤原竜也が、元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ役で主演を務めます。
『人間失格』(2019)公開を控える蜷川監督が、極彩色に輝く独特の世界観を作り上げました。
個性豊かな殺し屋役には、窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二という豪華キャスト陣が集結。
“全員殺し屋”という設定から生まれる予測不能な物語を紡ぎます。
映画『Diner ダイナー』の配役予想
配役で発表されているのは、藤原竜也がボンベロということだけ。
ヒロイン・オオバカナコについては、演じる女優も明かされていません。
ほかの10人のキャストについては“殺し屋”役とだけ発表されていますが、誰がどのキャラクターを演じるのかは明かされていませんし、原作のキャラクターがどこまで登場するかも発表されていません。
ここでは原作のイメージと役者のイメージから、だれがどの役を演じるのかの予想をしていきます。
※このキャスト予想は2019年2月の時点で書かれたものです。大いに外した予想をお楽しみください※
炎眉役は?
容姿端麗でスタイル抜群そしてボンベロと過去にただならぬ関係だった炎眉。
これは発表された女性キャストですと、佐藤江梨子でしょう!
そのスタイルの良さは言うまでもありませんし、嫉妬に狂う佐藤江梨子の演技を見てみたい、その一言です。
ミコト役は?
登場時の怯えた演技と、毒蛇のような正体を併せ持つミコトは、蜷川監督デビュー作『さくらん』でヒロインを演じ、その強さと儚さで魅了してくれた土屋アンナしかいません。
振り切った化け物ぶりをみせて欲しいものです。
オヅ役は?
これも一択しかありません、奥田瑛二です。
奥田瑛二ならオヅの悔恨を見事に体現してくれるはず。
九役は?
物語終盤に登場するトリックスター、九。
アル中ですぐに寝がえり、脱糞をする九ですが、どこか憎めず、彼の最期の姿は尊くもあります。
これは小栗旬にしかできないでしょう。
姑・蜷川幸雄演出の舞台『ムサシ』(2009)で宮本武蔵を藤原竜也、佐々木小次郎を小栗旬が演じていたのも何かの縁。
10年経ったいま、共闘する2人を見たいものです。
スキン役は?
見た目はフランケンシュタインのようにつぎはぎだらけのスキン。
完璧なスフレさえなければ穏やかで紳士的な彼はとても魅力的です。
年齢とキャラクターからすると、武田真治、斎藤工この2名に絞られました。
ここは武田真治を推したいです。
なぜなら、藤原竜也がデビューするきっかけとなった蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』、蜷川演出の初演で身毒丸を演じていたのは武田真治だったからです。
スキンの遺志を継ぐボンベロと、武田真治から大役を継いだ藤原竜也。
なんだか重なって見えてきませんか。
キッド役は?
映像化するのに一番難しいであろうキッド。
その壮絶な過去も設定も含め、改変しなければ上映はできないでしょう。
少年ではなく、無垢そうに装った青年という風に変えたら、窪田正孝や本郷奏多がはまりそうです。
また、男から女性になったという設定ならば、元宝塚男役トップの真矢ミキの右に出るものはいないでしょう。
しかし真矢ミキにはコフィを演じて欲しい気持ちもあります。
キッドについては続報を待つしかありませんね。
オオバカナコ役は?
原作では30歳のオオバカナコ。
無知ゆえに巻き込まれる彼女は不思議と周りを魅了し、動かして行きます。
30歳前後でそんな役を体当たりで演じきれる女優は1人しかいません。
満島ひかりです。
満島ひかりは蜷川幸雄演出の舞台『ハムレット』にて、ヒロインのオフィーリアを演じ、藤原竜也のハムレットとの儚い恋模様を紡いでくれました。
彼女なら魅力的かつリアリティの溢れるオオバカナコを演じてくれると信じています。
まとめ
映画『Diner ダイナー』の原作である、平山夢明の小説『ダイナー』に触れながら映画版のキャストを想像してみました。
ここまでしつこく蜷川実花監督の父である故・蜷川幸雄の舞台にこだわるにはわけがあります。
原作者・平山夢明が映画化に向けてこうコメントしているからです。
まったく人生、何が起きるか油断がならない。まさか自分の小説を原作に蜷川実花さんが監督をし、藤原竜也さんが主演してくださるとは未だに信じられない。これは同時に蜷川幸雄先生の娘、愛弟子による真剣勝負の舞台に本作が選ばれたことも意味しているのだ。
このコメントを聞いたら、蜷川幸雄と縁深いキャストが重要なポジションを担うと期待してしまいます。
また、その克明な描写により、残酷な拷問や殺害の様子、辛い過去などが嫌でもイメージさせられ、読み進めるのをためらう程だった小説『ダイナー』。
読後は不思議な感動に胸震わせる傑作小説でもありますが、その残酷描写をどこまで映像化するんでしょうか。
蜷川実花監督が原作という素材をどう捉え、料理してくれるのか、観客は待ちわびるしかありません。
映画『Diner ダイナー』は2019年7月5日(金)から全国ロードショーです。