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Entry 2020/03/31
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【イップ・マン完結の映画感想とレビュー評価】ドニーイェン扮する詠春拳の達人が最後の闘いに挑む|すべての映画はアクションから始まる10

  • Writer :
  • 松平光冬

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第10回

日本公開を控える新作から、カルト的評価を得ている知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はアクションから始まる』。

第10回は、新宿武蔵野館ほかにて2020年7月3日(金)より公開予定の、『イップ・マン 完結』の見どころを徹底紹介します。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

映画『イップ・マン 完結』の作品情報


(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

【日本公開】
2020年(中国・香港合作映画)

【原題】
葉問4 完結篇(英題:IP MAN4)

【監督・製作】
ウィルソン・イップ(葉偉信)

【製作】
ドニー・イェン、レイモンド・ウォン

【アクション監督】
ユエン・ウーピン(袁和平)

【音楽】
川井憲次

【キャスト】
ドニー・イェン、スコット・アドキンス、ルシアン、チャン・クォックワン、ウー・ユエ、ヴァネス・ウー、クリス・コリンズ、ケント・チェン

【作品概要】
世界的アクションスター、ブルース・リーの師匠で、中国武術・詠春拳の達人として知られるイップ・マン(葉問)の活躍を描いた、ドニー・イェン主演の人気シリーズ最終作。

監督は、アクションとドラマの感情表現の両方に手腕を発揮し、シリーズ全作品を成功に導いた俊英ウィルソン・イップ。

前作『イップ・マン 継承』(2016)に続きアクション監督を担うのは、「マトリックス」シリーズ(1999~2003)のコレオグラフィーで知られ、スピンオフ『イップ・マン外伝 マスターZ』(2019)では監督を務めたユエン・ウーピン。

音楽も、これまでと同様にシリーズ全作を手がけてきた川井憲次が担当。

本国の中国では、2019年12月20日に公開されるや『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)を押さえて初登場1位となり、シリーズ最大の世界興行収入を樹立しました。

映画『イップ・マン 完結』のあらすじ

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

1964年、愛する妻ウィンシンを亡くした詠春拳の達人イップ・マンは、弟子のブルース・リーから、彼が暮らすアメリカ・サンフランシスコで開かれる国際空手道大会への招待状を受け取ります。

実はイップは、その少し前に“がん”を宣告され、命の期限を意識し始めていました。

しかし、反抗期を迎えて退学となった息子のイップ・チン(葉正)の将来を思い、彼の留学先を見つけるべく、病をひた隠しにして渡米することに。

そこでイップは、ブルースとの再会や、中華総会会長にして太極拳の達人ワンとの対立を経て、アメリカで生きる中国人への差別と不平等を目の当たりにします。

やがて中国武術を敵視する海兵隊軍曹バートンと、中華総会とのいざこざが勃発。

香港に残して来た息子チンにある思いを伝え、中国人の尊厳と未来のために立ち上がることを決意したイップは、単身で最後の闘いへ挑むのでした……。

“宇宙最強”ドニー・イェンの人気シリーズ最終作

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

本作『イップ・マン 完結』は、2008年の『イップ・マン 序章』からなる、ドニー・イェン主演の「イップ・マン」シリーズ最終作となります。

戦時下の日本軍の横暴に抗う中国人の誇りを描いた第1作『序章』、中国拳法の名誉をかけて他流試合に挑む第2作『イップ・マン 葉問』(2010)、永遠の夫婦愛と詠春拳の永劫を感動的に綴った第3作『イップ・マン 継承』(2016)。

また、『継承』での好敵手チョン・ティンチを主人公としたスピンオフ『イップ・マン外伝 マスターZ』(2019)も製作されるなど、回を重ねる度にファンを魅了してきた本シリーズ。

そして集大成となる『イップ・マン 完結』では、人生の終幕を迎えようとするイップ・マンが、最後の闘いに臨みます。

圧倒的強さを持ちながら、比類なき人格者でもあるイップ・マンとして、世界を虜にしてきたドニー。

“宇宙最強”という称号を欲しいままに、物語を完結へと導きます。

生誕80周年、よみがえるブルース・リーのアクション

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

本作の大きな見どころの一つが、イップ・マンの弟子ブルース・リーの再登場です。

前作『継承』ではゲスト的な扱いだったブルースでしたが、本作でいよいよ本領発揮。

実際のブルースがアメリカ在住時に行ったとされる模範演武を再現すれば、『ドラゴンへの道』(1972)にオマージュを捧げたバトルシーンでは、巧みなヌンチャクさばきも披露。

さらには、『燃えよドラゴン』(1973)を彷彿とさせるセリフまで飛び出します。

「ウィルソン・イップとドニー・イェン、あなた方はどれだけブルース・リーが好きなのか」とツッコミたくなるほど、ファンなら喜ばずにはいられないサービスが満載です。

『継承』に続いてブルースを演じるチャン・クォックワンは、チャウ・シンチー監督・主演の『少林サッカー』(2002)で、ブルースのモノマネをするゴールキーパー役でデビューしました。

しかし、そのソックリぶりが評判を呼び、2008年の伝記ドラマ『ブルース・リー伝説』では主役に抜擢され、アクション面でも、今やブルースを演じさせたら右に出る者はいないと言っても過言ではありません。

奇しくも、本作が日本公開される今年は、ブルース・リー生誕80週年。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)を観て大いに不満を感じた方は、『イップ・マン 完結』でそのうっ憤を晴らしましょう。

ラストを飾るにふさわしいイップ・マンと強敵たちとの死闘

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

もちろん、主人公イップ・マンのアクションも見逃せません。

まずは、イップ・マンと中華総会会長ワンによる、力強さと優雅さを合わせた詠春拳vs.太極拳の対決。

ワン役のウー・ユエは、実際に八極拳の達人であることから、ごまかしナシのトラディショナルな闘いが繰り広げられます。

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

続く空手教官コリンとの一騎打ちでは、重い正拳突きを繰り出すコリンに対し、拳に気を込めて放つ一撃“寸勁”(ブルース・リーのワンインチ・パンチの原型)で応戦。

コリンを演じるクリス・コリンズは、アクション・コンサルタントとしても活躍しており、ドニーとは20年来の友人。

実は本物の詠春拳の師範でもあり、自身の公式YouTubeでは、見事としか言いようのない拳術を披露しています。

参考:クリス・コリンズによる詠春拳

そしてラストバトルでは、病を押しながらも、荒々しいコンバットファイターの米海軍兵バートンに立ち向かっていきます。

バートン役のスコット・アドキンスは、『エクスペンダブルズ2』(2012)や『ドクター・ストレンジ』(2016)でも敵役を演じていますが、「ニンジャ」シリーズ(2008~2013)や『アクシデント・マン』(2018)などの主演作もあります。

撮影では、ドニーのスピーディーな詠春拳に合わせるのに苦労したそうですが、「子どものころから憧れていたスターの一人」だったという彼と、ようやく共演できて嬉しかったと語っています。

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

前3作でこだわっていた1対1の図式をさらに深化させ、和(空手)、洋(コンバットファイティング)、中(拳法)の相手と闘うという展開に、一瞬たりとも目が離せません。

ドニー“葉問”イェンの有終の美を見逃すな

(c)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.

第1作『序章』のヒット以降、さまざまなバリエーションのイップ・マン映画が作られました。

しかし、長期シリーズ化に至ったのは、元祖ともいえるこのドニー・イェン主演版のみ。

これほどまでに成功したのは、ドニー“葉問”イェンの魅力によるものが大きいでしょうが、それ以外にも、製作のレイモンド・ウォン、監督のウィルソン・イップ、さらには音楽の川井憲次といった、長年携わってきたスタッフの尽力も外すことはできません。

名だたる才能の集結が生んだ本シリーズの有終の美を、お見逃しなきよう。

映画『イップ・マン 完結』は、新宿武蔵野館ほかにて2020年7月3日(金)より公開予定。

次回の連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』もお楽しみに。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら





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