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Entry 2022/05/02
Update

映画『バブル』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。ネットフリックスで荒木哲郎監督らがアニメで描く首都滅亡の危機|Netflix映画おすすめ98

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第98回

映画『バブル』は「進撃の巨人」シリーズの荒木哲郎監督とWIT STUDが再びタッグを組み、東京に突然降ってきた、泡状の未知の生態によって、機能不能となった首都を描きます。

未知の泡は重力を操るため「バブル」と呼ばれるようになり、重力が壊れた東京では家族を失い、行き場のなくなった若者たちが居住していました。

若者は廃ビルからビルへ跳び競い合う、パルクールチームを組み、生活物資を賭けてバトルを繰り返していました。

渋谷を拠点とする“ブルーブレイズ(BB)”のエース、ヒビキは特異な聴覚を持っているがゆえに、仲間とコミュニケーションがうまくとれずにいます。

ある日、ヒビキは練習中に強風に煽られ、漆黒の渦の中へ吸い込まれてしまいます。ところがそこで彼は、謎の少女に助けられ、その出会いが世界の運命を変えていきます。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

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映画『バブル』の作品情報

(C)2022 Netflix

【公開】
2022年(日本映画)

【監督】
荒木哲郎

【脚本】
虚淵玄、大樹連司、佐藤直子

【キャスト】
志尊淳、りりあ。、広瀬アリス、宮野真守、梶裕貴、畠中祐、千本木彩花、逢坂良太、羽多野渉、井上麻里奈、三木眞一郎

【作品概要】
脚本には『魔法少女まどか☆マギカ』で一斉風靡した虚淵玄、キャラクターデザインに『DEATH NOTE』の作画、小畑健など日本が誇るクリエーターが終結しました。

声の出演は主人公ヒビキに戦隊シリーズ「烈車戦隊トッキュウジャー」(2014)、『さんかく窓の外側は夜』(2021)の志尊淳。

謎の少女ウタ役には、TikTokやYouTubeで顔だしせず、豊かな表現力の歌声を披露し、ミステリアスな人気を集めている‟りりあ。”が、演じました。

若者たちを見守り、バブルを調査する科学者、マコトの声を『地獄の花園』(2021)、『劇場版ラジエーションハウス』(2022)など、話題作に出演している広瀬アリスが演じました。

映画『バブル』のあらすじとネタバレ

(C)2022 Netflix

首都東京は巨大な泡のドームに囲まれ、外部と隔離される形で衰退をしていました。泡の中の東京は泡の生んだ水で水没し、やがて首都としての機能を奪われ、孤立した地域になりました。

しかし、そこには家族を亡くし行き場を失った若者が、コミュニティーを作り住み家として存続しています。

泡はドーム内の重力を操り、若者たちはその無重力を使って、廃虚ビルを跳び回り、フラッグを奪うゲーム、“パルクール”のチームを結成して、生活物資を賭けたバトルを展開していました。

そんなバトルクールの若者の生活を支援し、バトルジャッジをするシンと、泡の降泡現象の研究をしながら、若者と生活を共にしているマコトがいます。

居住禁止区域となった首都はこうして、なんとか平穏が保たれていました。

渋谷を拠点とした“ブルーブレイズ(BB)”は、秋葉原を拠点とする“電気ニンジャ”とバトルします。

バトルエリアには“アリジゴク”と呼ばれる、危険なフィールドもあり、老朽化し腐食の進んだ、建築物の崩壊で吸い込まれていくこともありました。

ヒビキはメンバーのウサギが危険な状況になった時、彼が持っている優れた身体能力で助けることに成功し、勝利も手に入れます。

BB達は巡視船を居住に使っています。ヒビキは仲間たちと群れずに、常にヘッドフォンをして距離を置いていました。

マコトはそんな無鉄砲で孤独なヒビキを人一倍心配します。しかし、ヒビキにはどうしても気になることがありました。

夜の闇に怪しく光る東京タワー、ヒビキはそこからある“声”を感じていました。すると心配するマコトを避けるように、ボートでどこかへ出かけていきました。

巡回していたシンはヒビキが東京タワーに行ったことを聞き、あとを追いかけていきます。

5年前、世界中に謎の泡が降り、未知の力を有した泡に人類は混乱しました。ところがある日、東京タワーで原因不明の大爆発が発生し、東京はドーム状の泡で覆われました。

泡はドームの中だけで降り続け、地面に落ちると水となり首都は水没します。世界中から研究者が訪れますが、原因や生態などは解明されず、やがて見捨てられたように孤立しました。

ヒビキには東京タワーから“歌”が聞こえていました。爆心地であるタワーの展望室周辺には、赤い雲がかかり複雑な重力場が発生していました。

その赤い雲もあらゆる機器をもってしても、謎が解明されずに、非科学的な“噂”だけを生みだしていました。

ヒビキは歌声の謎を探しに、東京タワーへ何度も挑戦していましたが、赤い雲の重力場に苦戦します。

すると空間で漂う1つの泡が、まるで意思をもっているかのように、ヒビキの姿を察知する鉄骨の影にかくれます。

この日もヒビキは難所の手前まで到達します。彼は意識を研ぎ澄ませ、泡の歌を聞こうとし、上を目指してジャンプしました。

しかし、赤い雲がひらけ展望室が見えると、そこにはガラスに手をかざす、子供の姿が見え、ヒビキはそれに気を取られて、黒い渦に巻き込まれそうになります。

意思を持った泡はヒビキを追います。なんとか黒い渦を回避できたヒビキは、水の中に投げ出され、急流にのまれていきます。

水中の障害物にぶつかり、ヒビキは意識がもうろうとなります。追いかけてきた泡は、ヒビキの吐き出した空気と融合し、アイドルのような姿を作りだしました。

薄れゆく意識の中、ヒビキの目の前に現れた謎の少女は、まるで人魚のように見えます。彼女は口移しで、ヒビキに空気をおくりました。

以下、『バブル』ネタバレ・結末の記載がございます。『バブル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)2022 Netflix

ヒビキは崩壊したコンクリートに横たわり、謎の少女は彼の寝顔をみつめ、ふとヒビキの唇に指で触れると、彼女の指はたちまち泡になりました。

目が覚めたヒビキは少女を見て驚きます。しばらくするとシンに発見された2人は、仲間のいる船に戻ります。

少女の動きはすばしこく、まるで猫のようで周囲を驚かせます。煮えたぎった鍋の湯に手を突っ込んでも、火傷にならずマコトに触れても、泡にはなりませんでした。

シンはそんな少女をBBで保護してほしいと頼み、ヒビキにパルクールの戦力になるよう、面倒をみてあげるよう言います。

その晩、ヒビキに触れて指が泡になった部分をみつめる少女に、マコトは手袋をあげます。少女は寝静まった頃にヒビキの部屋に行き、再び唇にふれてみると泡が増えました。

他の人間に触れても平気なのが、ヒビキにだけ反応し触れると、泡になってしまうことを彼女は知り、深いため息をつきます。

翌朝、BBのメンバーはデッキに出て、ストレッチなど軽い運動をします。少女はそれを眺めていますが、ヒビキは自主トレで外には出てきません。

ヒビキはウサギに呼びだされ、しぶしぶ外に出ます。少女はヒビキを待ちわびていて、いたずらをしながら、支柱の上まで登っていきます。

少女は街の風景をながめ、そよぐ風を感じながら鼻歌を歌います。ヒビキはそのハミングを聞き、少女への興味を抱きはじめました。

朝食の時、マコトはヒビキに少女の名前を聞きますが、少女は言葉を発せず名前も知りません。ヒビキは「唄を歌っていたから“ウタ”」と名づけました。

それをゼスチャーしながら、名前のことをウタに教えるとウタは嬉しそうにし、どんどん皆に懐いていきました。

少女の様子を聞きに来たシンは安心します。マコトがシンにパルクールはもうやらないのか聞くと、義足になった右足を見せます。

ヒビキのように東京タワーの登頂を目指した時に、事故で失ってしまいました。ヒビキもまたタワーでの被害者だと言います。シンはヒビキの行動を黙認しながら見守っていました。

ある日、“電気ニンジャ”とお台場を拠点にしている“アンダーテイカー”とのバトルで、アンダーテイカーがドローンやブースター付のシューズなど、最新機器を装備して参戦します。

その晩、マコトはウタに本の読み聞かせをするため、本を選んでいるとウタはアンデルセン童話の『人魚姫』を手に取りました。

マコトは王子を助けたのに、泡になってしまう人魚の悲恋が残酷だと話します。ウタはその内容にひかれて、マコトに読んでもらうことにします。

ウタは物語に自分を重ね、ヒビキに「王子様、ウタ、人魚姫」と話しかけます。ヒビキは水中でのできごとを思い出し、ドギマギしウタが言葉を発したことにも驚きます。

BBがパルクールに行っている間、ウタは生物や天体の図鑑を見て、地球のことを知っていきます。戦争がひきおこす悲劇の歴史も見ました。

マコトは45億年後の地球はアンドロメダ銀河に吸収され爆発し、宇宙の塵となりその塵が再び集まり、星になるとウタとヒビキに話します。

「渦」に興味をもったウタ、マコトは生体分子の構造のひとつで、生命の決まったフォームだと教えます。

ヒビキは東京タワーの爆発で被災した少年でした。そのことに傷つきながら、皆には内緒で廃ビルの屋上でガーデニングをしていました。

ヒビキの後を追いかけたウタは、秘密の花園を知ります。ヒビキがウタに「秘密だ」というと、2人だけの秘密にウタは心を躍らせます。

ガーデンはヒビキにとって穏やかな静寂を与える場所でした。ヘッドフォンをしているのは子供の頃から、聴覚過敏症だったからです。

彼はそのことで母親の手をわずらわせていたと感じていました。方々の病院で検査しても原因がわからず、母親は精神的に疲れヒビキを施設に入れてしまいました。

ヒビキは施設の遠足で東京タワーに行った時、大爆発に巻き込まれ奇跡的に命が助かりました。その時の記憶を失いましたが、聞こえてきた「歌」のことは覚えていると言います。

そして、ヒビキは不思議とウタに心を開き、ずっとその音を探し求めていると話しました。ウタは屋上の端へ走り、「ララ〜ララ・・・」と歌いだします。

(C)2022 Netflix

ヒビキは歌の主がウタではないかと思い始めます。2人はウタの歌声に合わせて、アクロバットで見事なシンクロを見せます。

しかし、ヒビキがハイタッチを求めると、ウタは悲しい顔をしてそれを拒みました。

その日の晩、事件が起こります。アンダーテイカーがマコトを拉致し、パルクールの報酬として、巡視船をかけてバトルを挑んできたのです。

ウタはウサギの言葉を真似て「ヒビキ、ボコす」と、マコトの奪還に意欲を燃やします。

ところがAI搭載の装置を駆使したアンダーテイカーの戦略にはまり、BBは渦巻くアリジゴクに誘い込まれ、ピンチとなってしまいます。

渦巻くアリジゴクを見たウタはその渦にダイブし、あの歌を歌いだしアリジゴクの重力をうまく交わしながら、電波塔の天辺にたどり着き、ヒビキの名前を叫びます。

そして、ヒビキはウタの歌に導かれるように、電波塔の天辺までたどりつき、2人は息の合った、パルクールでマコトのいる場所まで跳び、ウタがフラッグを掴みました。

勝利を祝うBBと応援してくれたライバル達でしたが、そこにはウタの姿はありません。ヒビキの秘密の花園にいたウタは、タワーでうごめく渦の力を感じていました。

そして、人魚姫のストーリーと重ね合わせ、そこに戻らなければならない気持ちにかられていると、背後からヒビキがウタの名前を呼びます。

ヒビキはウタに出会ったことで、否定してきた自分ではなく、本来の自分を思い出したと話し、ウタの頬に触れようとします。

ウタがとっさにそれを避けようとしたとき、周辺に赤い泡が降り始め、それが東京タワーの赤い雲から、発せられていることに気がつきます。

巡視船でもマコトがその異変に気がつき、追跡調査をすると、5年前の爆発の際に察知した、降泡の重力波と同じ波が起きています。

降泡現象でヒビキたちのいるビルも傾きはじめ、よろけたウタの腕をヒビキが掴むと、ウタの腕は泡となって消え、飛び散った泡がヒビキの眉間で割れます。

ヒビキは5年前に起きたできごとを思い出し始めます。東京タワーの展望室で降泡現象を見たヒビキは、泡のひとつから歌声がすることに気づきます。

ヒビキがその泡に「君だったんだね」と声をかけ、ガラスに手の平をつけると、泡もそれに反応してガラス越しに手に合わせました。

その瞬間に、東京タワーが大爆発を起こしたことをヒビキは思い出しました。

ウタは再び赤い雲の渦が暴走し始めた原因が、自分であることに気づき、暴走を止めるためにヒビキに別れを告げて戻っていきます。

また、マコトはその異変が起き始めたのが、ウタが現れた直後からだと気づき、ヒビキとウタにしか聞こえない歌と、何が関係があるのではと考えます。

渦の勢力は大きくなり東京を覆った泡の頂点から、竜巻のように吸い上げていき、水面は激流に変わり、暴風が吹き荒れます。

ウタは赤い雲の前で歌を歌うと中に吸い込まれていきます。ヒビキはタワーにウタがいることがわかっているため、救出しに向かおうと仲間に応援を頼みました。

シンは危険が伴うと止めますが、マコトは降泡現象の真相のカギは、ウタとヒビキが持っていると、彼らの自主性を優先して行かせました。

救助されたアンダーテイカーは、ブースターシューズを提供し、BBメンバーはウタを救助しに出発します。

タワーに到着すると赤い雲の中で発生している赤い泡、黒い渦の力は増幅し危険な状態でした。セットポイントまで30メートルまで迫った時、シンが現れ先導をかって出ます。

彼はヒビキよりもセットポイントに挑戦し、近いルートを熟知していました。仲間達の協力で、ウタの歌声が聞こえるポイントにたどりついたヒビキ・・・。

赤い泡の嵐と黒い渦は瞬く間に消滅し、周辺には凪のような静けさが訪れました。展望室の中に入ったヒビキは、5年前に止まった光景を目にします。

そこには自分の姿もありました。ヒビキはウタの声に気づきコンタクトをとったことで、泡の怒りに触れたと考えました。

爆風で周囲の人たちが飛ばされる中、ヒビキは歌声のする泡に守られ生還したのです。それ以降、ウタの分身の泡は本体から離れ、隠れてすごしました。

ヒビキが記憶の自分に触れると、見えていた光景は赤い泡となり、振り返るとそこには闇の本体が現れ、中心に囚われたウタの姿がありました。

ヒビキが助けに向かいますが、赤い泡の襲撃にあい、彼は泡に飲み込まれてしまいます。ウタはヒビキを助けるために、掴まれた腕をちぎり身を投げるようにヒビキに向かいます。

ウタの体は泡となりどんどん消えてなくなっていきます。その青い泡は赤い泡の渦を切り裂き、黒い渦を消滅させました。

ヒビキは泡になっていくウタを抱え走り飛び続けました。やがて、2人を襲う赤い泡はウタの涙で浄化されるように、青に変わり東京を覆っていた泡も破れて消滅します。

ヒビキはウタを救い出しましたが、それはウタとの別れも意味していました。泡となって消えて行くウタは、ヒビキに言います。

「ヒビキに会えたから、私は私になれた・・・これが人の心」

ウタは泡となって消えますが、残った赤い泡は全て青い泡となって、降り注ぎます。マコトにはそれがウタだとわかりました。そして、空からウタの歌声が聞こえてきます。

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映画『バブル』の感想と評価

(C)2022 Netflix

映画『バブル』のストーリーは、アンデルセンの『人魚姫』がモチーフになっていますが、未知の生態をもつ「泡」や「渦」といったものにイメージできるものが、古事記や日本書紀にもあると感じました。

日本国の誕生は“イザナギ”という神と“イザナミ”という女神が、“アメノヌボコ”という矛を使って、天の浮橋から地上をかき回して創造したと言われるからです。

逆に本作は渦によって地球を破壊しにきた、未確認生命体の泡が登場します。その分子であるウタが離脱したことで、計画がとん挫してしまったのでしょう。

そして、地球を破壊するために来たであろうウタが、ヒビキに恋をして彼を危機から守ることで、地球を危機から救います。

「重力は壊れた、好きに跳べ。」

この映画のテーマは「重力は壊れた、好きに跳べ。」です。行き場のない若者と、泡の集団から離脱したウタ。

若者たちは“足枷のない世界”でパルクールを通じて、仲間意識や繋がりの大切さを学びました。自立心や向上心、誰も教えてくれない代わりに、自らで学ぶ環境です。

ただ、見放して自由にやらせているのではなく、マコトやシンの存在が若いパワーを制御し、精神を良い方向に育んでいたと思います。

観賞した側も自由な発想で観ることができました。

年齢が上の世代になると、ヒビキのヘッドフォン姿を見て、『地球へ・・・』(1980)というアニメのソルジャー・ブルーという、キャラクターを思い出した人も多いかと思います。

その『地球へ・・・』は、環境破壊の末に一部の人間しか地球で暮せなくなり、身体的なハンディと引き換えに、特殊能力を得た“ミュウ”と呼ばれる人種も誕生します。

ソルジャー・ブルーは聴覚に障害があり、ヘッドフォン型の補聴器を装着し300年生きています。人類から迫害され、宇宙に排除されたミュウ・・・。

『バブル』にも、人間のエゴによって、生態系の変化や戦争などの争いによる、地球の危機を訴えている側面があります。

ヒビキは聴覚過敏症だったために、ウタの歌声にシンクロできました。成長し本当はヘッドフォンなど、必要なくなっていたのかもしれませんが、心は閉ざされていて周囲をシャットアウトする手段だったのでしょう。

ウタの姿はアイドルポスターからの模倣でした。歌うヒロインといえば『超時空要塞マクロス』(1982)のリン・ミンメイです。

普通の女の子から歌で軍人を鼓舞するアイドルになるキャラクターですが、ヒビキもウタの歌声にシンクロして、自分の身体能力を発揮します。

このようにちょっと上の世代にとって、『バブル』はさまざまな要素を含んだ作品、原点回帰している作品とも観ることができます。

最強クリエーター集結の既視感

(C)2022 Netflix

映画『バブル』は荒木監督をはじめとする、日本アニメ界の重鎮が総当たりした作品です。

過去に荒木監督と仕事をした人、荒木監督といつか作品を作りたかった人が集結し、できあがった本作を“荒木フェス”と呼ぶほどです。

したがって、随所に日本のアニメーションの良いとこどりをお感じになることでしょう。

荒木監督自身がヒットメーカーではありますが、『進撃の巨人』の荒廃した絶望感と比較すると、『バブル』は未知の生命体が出現する以外は、精神的な健全さを感じました。

それは本作に『君の名は』や『天気の子』のテイストを感じたからです。企画・プロデュースの川村元気氏は両作品に携わっていました。

そんな川村元気氏は観る者の、“ツボ”を知り尽くしているクリエーターと言えます。随所に既視感を覚えてしまうのも、致し方無いことでしょう。

映像美やスピード感、泡に感情を持たせた表現や声など、彼らならではのこだわりと技術が、たくさん込められた作品でした。

まとめ

(C)2022 Netflix

映画『バブル』は、ヒビキだけに聴こえる音に反応したことで、不思議な力を持つウタと出会い、未知の世界となった東京を真実へとつなげていく物語でした。

日本はコロナ禍で制限や規制されていましたが、いよいよ重力は壊れた(規制解除)、自由に跳ぶ時です。

作品のラストシーンからは、再生し立て直す今だからこそ見えてくる、今後課せられる若者や国民へのテーマが見えてきます。

映画『バブル』はNetflixで先行配信され、2022年5月13日より劇場公開されます

テレビやパソコン画面ではなく、劇場の大画面、音響設備の中で鑑賞すると、制作者たちが作品に込めた、見どころが存分に感じられる作品です。

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