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Entry 2016/12/25
Update

【ネタバレ】君の名は。|感想解説と結末ラスト評価。わかりやすく“映画的エンタメ”が盛り込まれたストーリーとは?

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

2016年を席巻するメガヒットアニメ映画『君の名は。』!

2016年の日本映画界は大豊の収穫祭ですね。中でも年間の映画興行ランキングの第1位は、もちろん歴代邦画興収ランキング2位にとなる快挙。

ちなみに、12月初旬現在『君の名は。』は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にダブルスコアに近い興行成績をつけています。

今回は、話題を一点に集める、人気アニメ映画『君の名は。』を、ご紹介します。

映画『君の名は。』の作品情報

【公開】
2016年(日本映画)

【原作・脚本・監督】
新海誠

【キャスト】
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌勅、悠木碧、島崎信、石川界人、谷花音

【作品概要】
『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』など、若い男女の心の機微を、美しい風景描写と共に描き出すアニメ監督の新海誠監督のオリジナル長編アニメ作品。

また、企画やプロデュースは、『電車男』『モテキ』の川村元気。キャラクターデザインは、田中将賀。『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』などのスタジオジブリ作品に、数多く参加してきた安藤雅司が作画監督。

主題歌をはじめ音楽担当は、人気のロックバンド「RADWIMPS」と豪華スタッフの集結作品です。

映画『君の名は。』のあらすじとネタバレ

君の名は。
(C)2016「君の名は。」製作委員会

地方の田舎町に住む高校3年生の宮水三葉は、古くから続く宮水神社の娘で、祖母の宮水一葉と妹四葉と3人暮らしをしています。

幼い時に母の二葉を亡くし、父は家を出て行き、現在では町長を務めています。

一方で、新宿にある高校に通う立花瀧。父親と2人暮らしで、学校とバイトに追われる生活。

バイト先の先輩の奥寺ミキに憧れている、普通の高校生。

この2人が、ある日、夢の中で入れ替わってしまうのです。

最初は戸惑っていた三葉と瀧でしたが、その日あった出来事をそれぞれのスマホに日記を付けることで、お互いの生活に支障が出ないようにします。

目が覚めて入れ替わる頻度は、週に2日。次第にペースをつかんでいく2人。

夏休み、滝の身体と入れ替わった三葉の努力のおかげで、瀧は憧れの先輩と初デート。

しかし、瀧はデートに集中できません。別れ際に奥寺先輩から「他に好きな子がいるでしょ」と指摘されてしまいます。

そのデート後、瀧は、三葉に初めて電話を掛けますが、三葉は電話に出ません。

その日以来、三葉とは音信不通。入れ替わることもなくなってしまうのです。

三葉の様子が心配になった瀧は、入れ替わった時に見た記憶を頼りに、三葉の住む町の風景を描き、彼女を探すのですが…。

以下、『君の名は。』ネタバレ・結末の記載がございます。『君の名は。』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
瀧が、入れ替わった先は、3年前に隕石が落ちた町だったのです。

隕石のかけらが落下によって、町民550名が死亡。その中には、三葉の名前も…。

瀧は、徐々に薄れゆく記憶の中で、入れ替わっていたことが現実のものだったどうか確かめるため、宮水神社の奥宮に行き事実を確認しようとします。

そして、奥宮のほこらにある三葉の片割れである「噛み酒」を発見した瀧は、実在の出来事だと確信します。

「噛み酒」を呑んだ瀧は、隕石落下の当日の朝の三葉と入れ替わります。

同級生の勅使河原克彦と名取早耶香らと共に、町民を隕石落下から免れた高校の校庭に避難させようと変電所の爆破事故と防災無線の電波ジャックを計画。

計画に奔走する中、妹の四葉から、三葉が前日に東京に行ったことを聞きます。

そこで瀧は、3年前の夏、電車の中である少女(出会う前の三葉)に声を掛けられ、組紐を手渡されていた記憶を思い出す。

三葉(瀧)は、勅使河原と早耶香らに計画を準備させ、再び滝(三葉)に逢うため、奥宮を目指します。

黄昏時の山頂で、瀧を呼ぶ三葉の声を頼りに、2人は巡り合います。

黄昏時が暮れてしまうと、別れの衝撃で再び元の身体に戻った三葉。

住民を避難させようとするが、天空に流星が美しく輝き始めると、町の人々はその景色に見とれ一向に動こうとしません。

町長である父親を説得するため、三葉は町役場に向かいます。

やがて、数年後、瀧は大学四年生。建築関係の仕事を目指し就職活動中。

隕石落下から8年が経ち、瀧も三葉もお互いの名前はおろかその記憶も、すでにない。

ただ、いつも誰かを探している、誰かを見つけ出そうとしている。

そして、神社の向かう階段で2人はすれ違うと、「誰か」をようやく発見。

「あの、君のことを知っているような気がする」

声をかけられた女性は、それに目に涙を浮かべ笑顔で答える。「私も」

そして「君の名は」…。

映画『君の名は。』の感想と評価

君の名は。
(C)2016「君の名は。」製作委員会

2016年に、映画大ヒット記録を樹立した業績は、誰もが認めることでしょう。

「映画は儲からない」「邦画はつまらない」「しょせんはアニメ映画でしょ」という批判は、この作品を前には無意味と言えるでしょう。

歴代興行成績の記録的なヒットしたことを素直に認めたい映画です。

例えば、その風景描写の美しさは、お笑いタレントの永野のギャグではないが、「ゴッホより、普通にラッセン(クリスチャン・ラッセン)が好〜き!」と同じく、普通に観客にわかりやすいのでしょう。

物語の先の読めない展開は、ストーリー性を楽しむ観客にとっては受け入れやすいものです。

また、この作品は、大庭秀雄監督の『君の名は』と、(ほぼ)同じタイトル。大ヒットしたことも、“すれ違い映画”であることも、同じです。

また、男女が入れ替わる映画といえば、大林宣彦監督の『転校生』があり、タイムトラベルものでは同監督の『時をかける少女』(細田守監督のアニメ映画『時を書ける少女』)を指摘できます。まさに、これまでの日本映画の代表作をリミックスしたものと言えます。

さらに、彗星の落下や回避計画は、ディザスタームービーの『アルマゲドン』『ディープ・インパクト』などであり、近年では、そのパロディ的要素を持っていた『インターステラー』も入るでしょう。

クリストファー・ノーラン監督をもう1本あげるなら、記憶を忘れてしまうことを身体に記録する点は、『メメント』ですね。

黄昏時といえば、『トワイライトゾーン』もしくは、テレビ版『ミステリー・ゾーン』を挙げられます。

『君の名は。』は、これらの映画的な物語が盛り上がる要素を、テンコ盛りにリミックスしたフルコース料理のような作品なのです。

これは、新海誠監督らしさというよりも、流石の敏腕プロデューサーの川村元気の作品ではないかとも思います。

まとめ

君の名は。
(C)2016「君の名は。」製作委員会

1953年に公開された『君の名は』の大庭秀雄監督は、「映画とはポエジー(詩)」と言いました。

「詩」という観点で、新海誠監督の『君の名は。』を観たときに、どの場面に「ポエジー」を感じるでしょうか。

新海誠監督は、今後どのようなアニメ作品を作っていくのか?目を離せません。

興行成績を塗り替え中の映画の名は、「君の名は。』、ぜひご覧下さい!

おまけ

大庭秀雄監督のメロドラマ『君の名は』の映像も参考にして観るのはいかがでしょうか?

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