阿部寛が爆弾犯と対峙する個性派キャスターを熱演
「テルマエ・ロマエ」シリーズの阿部寛が主演を務めるサスペンスドラマ。テレビの生放送中に爆弾犯との命がけの交渉に挑むキャスターの姿をリアルタイムで描きます。
2013年製作の韓国映画「テロ,ライブ」を原作に、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)の渡辺一貴が監督を務め、オリジナル展開を盛り込みながら緊張感たっぷりに映し出します。
共演は竜星涼、生見愛瑠、井川遥、吉田鋼太郎。
突然かかってきた爆弾予告の電話。交渉役となったのは、左遷された元人気キャスターでした。駆け引きの行方がサスペンスフルに描かれる本作の魅力をご紹介します。
映画『ショウタイムセブン』の作品情報

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
【公開】
2025年(日本映画)
【オリジナル脚本】
キム・ビョンウ
【監督・脚本】
渡辺一貴
【キャスト】
阿部寛、竜星涼、生見愛瑠、前原瑞樹、平原テツ、内山昂輝、安藤玉恵、平田満、井川遥、吉田鋼太郎、錦戸亮
【作品概要】
2013年公開の韓国映画『テロ,ライブ』の日本リメイク版です。
監督は、「岸辺露伴は動かない」シリーズをサスペンスフルで高クオリティに作り上げた渡辺一貴。
彼はメイン舞台の報道番組「ショウタイム7」は2時間の生放送番組と設定。放送と事件が同時進行し、登場人物たちが次々に予想外のアクシデントに巻き込まれていく緊迫感を表現しています。
主演に「テルマエ・ロマエ」シリーズや『護られなかった者たちへ』(2021)『異動辞令は音楽隊』(2022)の阿部寛。
共演に竜星涼、生見愛瑠、井川遥、吉田鋼太郎、平田満らベテラン俳優に加え、爆破犯役の錦戸亮も顔を揃えます。
映画『ショウタイムセブン』のあらすじとネタバレ

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
午後7時、ラジオ局に1本の電話が入ります。ラジオ局に左遷された国民的ニュース番組「ショウタイム7」の元キャスター・折本眞之輔のラジオ番組宛てでした。
電話口の男は大和電力や政府への不満をぶちまけた後、大和電力城東発電所の爆破予告をします・しかし、折本は相手にせず、相手を罵ってから電話を切りました。
ところがその直後、予告通りに発電所が爆破されます。
電話をかけてきた謎の男は交渉人として、折本を指名。番組復帰のチャンスと考えた折本は、「ショウタイム7」プロデューサーの東海林直談判し、自分をキャスター復帰させることと引き換えに「ショウタイム7」で犯人との通話を生放送することを強行します。
しかしそのスタジオにも、すでにどこかに爆弾が設置されていました。自身のすべての発言が生死を分ける極限状態に追い込まれた折本の姿は、リアルタイムで国民に拡散されていきます。
映画『ショウタイムセブン』の感想と評価

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
主人公と犯人のスリリングな駆け引き
突然ラジオ局に爆破予告電話をしてきた謎の犯人と、左遷された元キャスターとの、手に汗握る交渉を描くサスペンスです。
本作の魅力は、何といっても迫力ある駆け引きが「生放送」で進行していく臨場感にあります。
阿部寛演じる元キャスターの折本は、とある事情で花形ニュースキャスターから左遷され、ラジオ番組の司会を務めていました。そこに、匿名で爆破予告を告げる電話がかかってきます。
当然、折本は相手にしませんでしたが、実際に発電所が爆破されたことにより状況は一変。折本は自身がもう一度這い上がるために、生放送ニュース番組内で犯人と直接交渉することを選びます。
犯人の要求は二転三転し、本当の目的がいったい何なのかわかりません。そんな中、2回目の爆破が起こったり、犯人の元担任教師と名乗る男が登場したりと、様々な事態が起こります。
スタジオにも事前に爆弾が仕掛けられており、折本をはじめ大勢の人々がスタジオに閉じ込められてしまうという事態も、観る者の恐怖心をあおります。
しかし、犯人の話は徐々に折本だけに集中し始め、犯人の真の目的は折本自身にあることが浮き彫りとなっていくのです。
東海林プロデューサー、伊東リポーター、安積キャスターら、折本をめぐる人々のとまどいや恐怖からも目が離せません。
果たして、折本だけが知る真実とは何なのか。この謎が大きな求心力となり、物語はうねるようにクライマックスへと向かいます。
阿部寛の圧倒的存在感

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
圧倒的な阿部寛の存在感を堪能できる一作です。
阿部が演じるのは、クセの強い元キャスターの折本です。
生放送の花形ニュースキャスターだった彼は、ある事情から左遷され、現在はラジオを受け持っていました。くすぶっていた彼は、爆破予告を受けても動じず、それどころか自身が浮上する大チャンスととらえて即行動にうつります。
すぐさま「ショウタイム7」プロデューサー・東海林に掛け合い、犯人との交渉を生放送することに成功。その後も、犯人が望んでいるのは自分だと言い切り、現在のメインキャスター2人を押しのけ、自らキャスター席に座ります。
この強引な手法を見れば、過去に何かしらの問題を起こしてきたことは明らかです。左遷されたのにも理由があるだろうことが透けて見えてきます。
追い詰められ冷や汗をかいているというのに、どこかわくわくする思いを隠しきれない折本の様子を、阿部寛は見事に表現しています。
折本の目はギラギラと輝き、生きているという実感に満たされていることが手に取るように伝わってくるのです。
折本は生きるべきか死ぬべきか。公開世論調査の結果は映し出されません。折本は不適な笑みを浮かべ、起爆スイッチを押します。
いったい折本が押したのは、どこの爆弾の起爆スイッチだったのでしょうか。実際に爆発したのか、それとも不発だったのか。それすらもわからぬまま、物語はエンディングを迎えます。
観る者の想像力に任せたまま迎えた終焉。興奮の末に狂気の世界に落ちた折本の笑顔だけが脳裏に残るラストシーンです。
まとめ

(C)2025「ショウタイムセブン」製作委員会
阿部寛が圧巻の演技で魅せるノンストップ心理サスペンス『ショウタイムセブン』。
爆弾犯と元キャスターとの交渉が生放送で映し出されるスリリングな展開から目が離せません。
リアルタイムのニュースを固唾を飲んで見つめる視聴者と、いつの間にか自分が一体化していることに気づかされることでしょう。
主人公の折本が命をかけて、崖に向かってまっしぐらに走って行く姿に、恐怖と共に羨望の思いを抱いてしまいます。
ラストシーンを見届けた後、様々な思いが交錯するに違いありません。




































