Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2022/02/28
Update

仮面ライダーオーズ(映画2011)ネタバレあらすじと結末の感想解説。WONDERFULの暴れん坊将軍とコアメダルがヒーロー復活を招く話題作|邦画特撮大全105

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第105章

今回の邦画特撮大全は、映画『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』(2011)を紹介します。

2022年3月12日から期間限定上映されるVシネクスト『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』。放送から10周年を迎えた『仮面ライダーオーズ』(2011~2012)の復活作品です。

2021年11月5日(金)、東京国際映画祭で本作『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』が上映された際に、『仮面ライダーオーズ』の復活が発表されました。

それに先駆けて、今回の邦画特撮大全では『仮面ライダーオーズ』の劇場版である『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』を解説していきます。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』の作品概要


(C)劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映

【公開】
2011年(日本映画)

【原作】
石ノ森章太郎

【脚本】
小林靖子

【監督】
柴﨑貴行

【キャスト】
渡部秀、三浦涼介、高田里穂、岩永洋昭、君嶋麻耶、有末麻祐子、山田悠介、橋本汰斗、松本博之、未来穂香(現:矢作穂香)、神尾佑、甲斐まり恵、酒井美紀、荻野可鈴、根岸泰樹、ゆかな、大友龍三郎、中田譲治、福士蒼汰、宇梶剛士、松平健

【作品概要】
平成仮面ライダー第12作目『仮面ライダーオーズ』の劇場用オリジナル作品。

渡部秀、三浦涼介らテレビシリーズのキャスト総出演したほか、敵役・錬金術師ガラに『Love Letter』(1995)の酒井美紀、時代劇「暴れん坊将軍」シリーズの松平健が徳川吉宗として客演。

脚本はアニメ『進撃の巨人』(2013)『ジョジョの奇妙な冒険』(2012)の小林靖子。監督は『仮面ライダーリバイス』(2021)を手掛ける柴崎貴行。

『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』のあらすじとネタバレ


(C)劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映

2011年6月、ドイツ・テューリンゲン州の森の奥にある遺跡には、800年前にコアメダルを創り出した錬金術師のひとりとコアメダルが封じられており、鴻上ファウンデーションの研究チームはその発掘の最中でした。

しかし石板の封印を解くと、大地がメダルのように裏返り、テューリンゲンの森が東京に出現。そして封じられていた錬金術師ガラが復活します。現場にいた鴻上会長と秘書の里中はガラに囚われてしまいました。

火野映司/仮面ライダーオーズ、伊達明/仮面ライダーバースは変身して戦いますが、ガラは映司たち、さらには敵怪人のグリードたちから力の源であるコアメダルを奪ってしまいます。

映司たちは何故かその場に居合わせた少年・若葉駿を助けますが、森には結界が張られ、変身することもガラに手出しすることも出来なくなってしまいました。

ガラは使い魔ベルを人間社会に放ちます。ベルは「チャンスタイム」と称する2択クイズを迫り、人々の欲望を叶える代りにその欲望をメダル化していきます。

メダル化された欲望はガラの元に貯まっていきます。そしてまた町がメダルのようにひっくり返り、現代の東京の町に江戸の町が出現しました。映司と相棒アンク、泉比奈、駿、多くの現代の人々は江戸の町の中に閉じ込められてしまいます。

ガラの目的はこの世界を破壊した後、新たな世界の王となることだったのです。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』ネタバレ・結末の記載がございます。『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映

ガラは映司たちが持つ残りのコアメダルを狙い、江戸の町に鵺ヤミーを放ちます。映司は伊達のメダルタンクを持っていたことから仮面ライダーバースに変身して応戦。

しかし鵺ヤミーはアンクの腕からコアメダルを2枚奪い、変身を見た江戸の町民たちは映司を化物扱いします。その仲裁をしたのは貧乏旗本の徳田新之助でした。

新之助の仲立ちでひとまず江戸の町に受け入れられた映司たち4人。実は駿の母親は肉体をガラに乗っ取られていたのです。映司は比奈と駿と手をつなぎ、駿の母親を救い出す約束をしました。

再び映司のコアメダルを狙ってやって来る鵺ヤミー。アンクは自らの肉体に残っていた最後のコアメダルを映司に託します。

映司は仮面ライダーオーズに変身。しかしオーズは鵺ヤミーに追い詰められてしまいます。そこへ加勢に現れたのは徳田新之助こと8代将軍徳川吉宗でした。

吉宗は徳川家に献上されたコブラ・カメ・ワニの3枚のメダルを映司に渡します。さらに江戸の人々、この世界にやって来た現代の人々も一緒に戦います。そして仮面ライダーオーズ・ブラカワニコンボに変身し、鵺ヤミーを撃破しました。

一方、囚われの鴻上はガラへ映司の欲望を試すチャンスタイムを与えてはと提言します。戦いの後、映司たちの前にガラの使者であるベルが現れ、「映司だけが元の世界に戻り、その代わりに他の人々が消滅する」2択のチャンスタイムを迫ります。

映司は“家族を連れて行く”ことを条件に、YESの答えを出しました。大量のメダルがガラの元へ貯まりますが、消えるはずの人々は消えません。映司は助けてくれた全員が自分の家族だと言い切りました。そして絆の証にみんな手を繋ぎます。

元の世界に戻った映司は仮面ライダーオーズに変身して、ガラの潜む塔を目指します。一方、伊達明と後藤慎太郎の2人はフルパワーの砲撃で森のバリアーを破りました。

塔に辿り着いたオーズ。鴻上と里中はこの混乱に乗じて脱出しました。ガラは大量のメダルを吸収し怪人態となりオーズへ反撃。

そこへオーズを追って来た駿が現れました。駿を見たガラの体から、駿の母親の腕が抜け出します。オーズは駿の母親の手を取って、ガラの肉体から引き抜いて彼女を救います。

突如現れた仮面ライダーフォーゼの加勢もあり、オーズはガラを撃退します。しかし生きていたガラは腕を伸ばして、映司の持つコアメダルを奪ってしまいました。

ガラは石板に全てのコアメダルをはめます。すると塔の最上部とガラは一体化し魔竜のような怪物態へと変化しました。コアメダルを失い変身できない映司に、敵であるグリードたちがメダルを渡します。

映司は仮面ライダーオーズ・ガタキリバコンボに変身。8人に分身してタトバ、ガタキリバ、ラトラーター、サゴーゾ、シャウタ、タジャドル、プトティラ、ブラカワニの計8人8形態のコンボに変身‼ そして仮面ライダーオーズは伊達明が変身した仮面ライダーバースと共にガラを撃破しました。

仮面ライダーによって世界は危機から救われました。駿は母親と手をつないで、アンクと比奈、そして映司の3人も手をつないで帰って行きました。

スポンサーリンク

『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』の感想と評価


(C)劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映

『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』は当時、2011年3月11日に東日本大震災が発生したこともあり、「絆」をテーマにした明るく楽しいファミリー映画として製作されています。

『仮面ライダーオーズ』のテレビシリーズのテーマは「欲望」で、主人公サイドと怪人がその欲望の象徴である「メダル」の争奪戦を繰り広げる物語です。

シリーズ終盤では主人公の火野映司が異形の怪人へ変貌していく様とその葛藤を描いており、シリアスな要素も多分に含んだ作品となっています。……とは言え、物語の根幹である要素を簡単に外すことはできません。

「メダル争奪戦」は主人公たちとゲストキャラクターのガラの戦いに集約され、テレビシリーズの敵グリードたちは本作では映司たちに協力する展開となっています。「欲望」という要素自体も全く扱わないのではなく、映画のテーマである「絆」と併せることで終盤に大きな展開を起こします。

そもそも『オーズ』という作品は欲望そのものを否定する作品ではありませんでした。

本作で非常に巧みなのがテーマである「絆」の描き方です。目には見えない「絆」は、登場人物の関係性で見せていく訳ですが、本作では「手を繋ぐ」という動作に集約して描かれています。

中盤で主人公の火野映司とゲストの少年・駿が手を繋いでいるのを見て、ヒロインの泉比奈が「親子みたい」と言い比奈も駿と手を繋ぎます。

ここで「手を繋ぐ」ことが家族、つまり「絆」と明言することでテーマを明確にすると同時に終盤の展開の伏線にもなっているのです。

火野映司/仮面ライダーオーズの相棒・アンクは、本体が右腕のみで肉体は比奈の兄・泉信吾の体に憑依しています。この点から「手」とテーマをリンクさせる発想となったのでしょう。

松平健が代表作である『暴れん坊将軍』の徳川吉宗役で登場するのは大きな話題となりました。

『暴れん坊将軍』は連続ドラマが2002年に終了、その後スペシャルが3本製作されましたが、それも2008年で終了していました。

およそ3年ぶりの『暴れん坊将軍』の復活がまさか『仮面ライダーオーズ』になるとは誰も予想していなかったでしょう。また有名な『暴れん坊将軍』のテーマ曲も本編用にアレンジされたものが使用されています。

まとめ


(C)劇場版「オーズ・ゴーカイジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・東映AG・東映

『仮面ライダーオーズ』が本来描いていた「欲望」というテーマを損なうことなく、映画そのものの「絆」とリンクさせて見事に“ファミリー映画”として成立させた本作『仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル』。

松平健演じる“暴れん坊将軍”の登場や、次作『仮面ライダーフォーゼ』のキャラクターたちの顔見世など、さまざまな要素が1時間ほどの上映時間に詰め込まれています。

しかし本作は『仮面ライダーオーズ』の映画作品としても、またファミリー映画としても過不足のない仕上がりとなっています。

エンターテインメントの作り手として仮面ライダーシリーズのスタッフたちの手腕に感服します。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら





関連記事

連載コラム

映画『フロッグ』ネタバレあらすじと感想評価。ラスト結末のどんでん返しに本格ミステリーの極上の仕掛けある|未体験ゾーンの映画たち2021見破録31

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」第31回 世界各国で誕生した掘り出し物の、まだ見ぬ傑作映画を紹介する「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」。第31回で紹介するのは『フロッグ』。 ホ …

連載コラム

【ネタバレ】哭悲(こくひ)結末ラストの考察解説。“グロホラー映画”として最凶最悪のパンデミック爆誕|増田健の映画屋ジョンと呼んでくれ!8

連載コラム『増田健の映画屋ジョンと呼んでくれ!』第8回 この世には見るべき映画が無数にある。あなたが見なければ、誰がこの映画を見るのか。そんな映画が存在するという信念に従い、独断と偏見で様々な映画を紹 …

連載コラム

映画『ある船頭の話』感想レビューと評価解説。オダギリジョー×柄本明の問題作を“風”によって見つめる|シニンは映画に生かされて16

連載コラム『シニンは映画に生かされて』第16回 はじめましての方は、はじめまして。河合のびです。 今日も今日とて、映画に生かされているシニンです。 第16回にてご紹介させていただく作品は、俳優として世 …

連載コラム

映画『願い』あらすじと感想評価レビュー。SKIP映画祭の最優秀作品賞に輝いたマリアセーダル監督自身の経験から得た死への思い|2020SKIPシティ映画祭9

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020エントリー・マリア・セーダル監督作品『願い』がオンラインにて映画祭上映 埼玉県・川口市にある映像拠点の一つ、SKIPシティにて行われるデジタルシネマの祭典が、2 …

連載コラム

『アドレノクロム』ネタバレ結末あらすじと感想評価解説。トレバー・シムズ監督主演をするサイケデリックドラッグムービー|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー84

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第84回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学