Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

Entry 2022/01/01
Update

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム|あらすじ感想と評価解説。過去作のヴィランたち映画再登場にサムライミやマークウェブ版も事前鑑賞はオススメ!

  • Writer :
  • ほりきみき

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が2022年1月7日(金)に公開されます。

スパイダーマン:ホームカミング』(2017)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)に続く、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する「スパイダーマン」シリーズの第3弾です。

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』で共闘したドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が登場。

魔術に失敗してマルチバースが開かれ、過去のシリーズ作品の悪役たちが時空を超えて集まってきてしまいます。

スパイダーマンとドクター・ストレンジは元の世界に戻すことができるのでしょうか。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の作品情報


(C)2021 CTMG.(C)& ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

【日本公開】
2021年(アメリカ映画)

【監督】
ジョン・ワッツ

【脚本】
クリス・マッケンナ、エリック・ソマーズ

【キャスト】
トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ、ウィレム・デフォー、ジェイミー・フォックス

【日本語吹替版キャスト】
榎木淳弥、銀河万丈、山路和弘、中村獅童、三上哲、真壁かずみ

【作品概要】
スパイダーマン:ホームカミング』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に続く、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する「スパイダーマン」シリーズ三部作の最終章。

監督は前2作のジョン・ワッツが続投。キャストもこれまでと変更はなく、主人公のスパイダーマン/ピーター・パーカーにトム・ホランド、ピーターの恋人MJ役をゼンデイヤ、ピーターの親友ネッド役をジェイコブ・バタロンが演じます。そして本作のキーマンであるドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチが加わりました。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のあらすじ


(C)2021 CTMG.(C)& ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

前作の最後でピーター・パーカー(トム・ホランド)はミステリオ(ジェイク・ギレンホール)を倒しましたが、ミステリオは自分がスパイダーマンに殺され、スパイダーマンの正体はピーター・パーカーであると動画に残し、その映像をデイリー・ビューグル紙が世界に向け公開してしまいました。

本作は前作の終わりにそのまま繋がっています。ピーターはミステリオ殺害の容疑がかけられてしまったうえ、正体も暴かれてしまいました。

大切な人に危険が及ぶことを危惧したピーターはドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)に自分がスパイダーマンだと知られていない世界に魔術で変えてほしいと頼みます。

ところがドクター・ストレンジが呪文を唱えると時空に歪みが引き起こり、マルチバースが出現。それぞれのユニバースから、スパイダーマンのヴィランたちが集まってきてしまいました。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の感想と評価


(C)2021 CTMG.(C)& ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

トム・ホランドが演じるスパイダーマンは、MCUシリーズの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で初登場を飾りました。

その後、「スパイダーマン」単独シリーズが作られたほか『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)にも登場。そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は単独シリーズ3部作の最終章です。

スパイダーマン:ホームカミング』でヒーローとして認められたい一心でちょっと暴走してしまったピーター。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ではトニー・スタークの形見として渡された “イーディー”というAIとハイテク技術が組み込まれたサングラスを正義のために使うのではなく、恋敵の撃退に使ってしまうなど、ヒーローながら私たちと変わらない一面を持つキャラクターとして描かれてきました。

本作は2作目の最後でスパイダーマンの正体が暴かれ、自分だけでなく大切な仲間までもが危険な状況に陥ったところから始まり、ピーターは自分がスパイダーマンだという記憶を人々から魔術で消してほしいとドクター・ストレンジに頼みます。

それに対して、ドクター・ストレンジは頼る前に自分で努力をしてみたのかと尋ねました。

経験値の高いドクター・ストレンジの言い分はもっともですが、魔術で何とかなるなら頼ってしまいたいと思う気持ちはとてもよくわかります。とはいえ頼んでおきながら、細かな注文をつけてドクター・ストレンジを困惑させてしまうピーターはまだまだ幼さを感じさせます。

その結果、このユニバースに、

スパイダーマン』(2002)のグリーン・ゴブリン
スパイダーマン2』(2004)のドック・オク
スパイダーマン3』(2007)のサンドマン
アメイジング・スパイダーマン』(2012)のリザード
アメイジング・スパイダーマン2』(2014)のエレクトロ

といったヴィランたちが呼び寄せられてしまったのです。


(C)2021 CTMG.(C)& ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

しかもヴィランたちをそれぞれのユニバースに戻そうとするドクター・ストレンジに対して、ピーターは駄々っ子にように反抗。その行動は年配者から見れば短絡的で、問題をさらに深刻化させてしまいました。

しかし、ピーターなりにヴィランたちと向き合い、問題解決に向けて奮闘します。スパイダーマンはヴィランをやっつけるヒーローなのではなく、問題を解決する親愛なる隣人であることを改めて感じさせてくれました。

その結果、ドクター・ストレンジもピーターの考えに共鳴。ドクター・ストレンジが考えていた以上の結果をもたらしたのです。

年配者から見ると「何にもわかっていない」ように見える若者の考えも一蹴せずに検討することが大事なのかもしれません。

まとめ


(C)2021 CTMG.(C)& ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

過去のシリーズ作品からヴィランたちが時空を超えて登場するため、ジョン・ワッツ監督版の過去作だけでなく、サム・ライミ監督版やマーク・ウェブ監督版も予習を兼ねて見ておくことを勧める人が多いです。

もちろん、それらを見る余裕があるのならば、見ておくことに越したことはありません。しかし、本作だけでも十分楽しめるように作られています。

マルチバースが出現し、それぞれのユニバースから、さまざまなスパイダーマンのヴィランたちが集まってきたということさえ理解していれば大丈夫。

スパイダーマン:ホームカミング』で認められたがっていたピーターが今の自分がすべきことを知り、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で恋とヒーローとしての責任の両立に苦慮し、本作ではヒーローとしてすべきことに気づき、やり遂げるまでを描いています。

トム・ホランドが演じるピーターの成長をしっかり見届けられる作品です。そして、若者の考えに耳を傾けることも時には必要ということを教えられます。








関連記事

アクション映画

アトミックブロンド|ネタバレあらすじ感想解説と結末評価。シャーリーズセロンの凄まじいアクション光る新たなスパイ映画

シャーリーズ・セロンが凄腕女性エージェント演じる話題作! 痛々しくも、華麗な超絶アクションから目が離せない……。 それが、スパイ映画の新たな快作『アトミック・ブロンド』です。 凄腕女性エージェントの主 …

アクション映画

映画『ザ・アウトロー』ネタバレ結末感想とあらすじの解説考察。最後の伏線回収とラストどんでん返しまで続く刑事vs銀行強盗の頭脳戦

犯罪都市ロサンゼルスで繰り広げられる、刑事VS銀行強盗団のクライムアクション! クリスチャン・グーデガストが原案・脚本・監督を務めた、2018年製作のアメリカのクライムアクション映画『ザ・アウトロー』 …

アクション映画

映画『脱出』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も【ジョン・ブアマン監督×ジョン・ヴォイト代表作】

第45回米国アカデミー作品賞・監督賞・編集賞ノミネート作品! 都会の喧騒を逃れ、大自然の中で休暇を楽しむはずだった4人の男…。彼らを待ち受けていた恐怖の正体とは?! 自分の男らしさを試すためにすすんで …

アクション映画

キングアーサー2017ネタバレ考察!聖剣エクスカリバーは40本存在する?

2017年6月17日公開の待望のガイ・リッチー監督の『キング・アーサー』。 ガイ監督ならではのアーサー王伝説の物語を見せてくれるソードアクション・エンターテインメント! 今作の「聖剣エクスカリバー」に …

アクション映画

ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!ネタバレ感想とラスト結末も

映画『レオン』や『LUCY/ルーシー』などで知られるリュック・ベッソンが原案・脚本・製作を担当。 戦争に苦しむ避難民を救う為に、不可能とも思われるミッションに挑む、5人の男達の戦いを描いた『ネイビーシ …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学