Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2023/03/25
Update

【ネタバレ】シン仮面ライダー続編は?ラスト/エンドロール×石ノ森漫画版の“原作”展開が予感させる“1号の復活”|仮面の男の名はシン7

  • Writer :
  • 河合のび

連載コラム『仮面の男の名はシン』第7回

『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『シン・ウルトラマン』に続く新たな“シン”映画『シン・仮面ライダー』。

原作・石ノ森章太郎の特撮テレビドラマ『仮面ライダー』(1971〜1973)及び関連作品群を基に、庵野秀明が監督・脚本を手がけた作品です。

本記事では、映画『シン・仮面ライダー』の続編の可能性とその内容予想についてクローズアップ。

映画作中の“未回収の設定”から想像できる「SHOCKERの組織改革」という続編展開、エンドクレジットにて流れたテレビドラマ『仮面ライダー』の挿入歌『かえってくるライダー』、そして石ノ森漫画版から浮かんでくる「復活」の展開を考察・解説していきます。

【連載コラム】『仮面の男の名はシン』記事一覧はこちら

映画『シン・仮面ライダー』の作品情報


(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

【公開】
2023年(日本映画)

【原作】
石ノ森章太郎

【脚本・監督】
庵野秀明

【キャスト】
池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、西野七瀬、本郷奏多、塚本晋也、手塚とおる、松尾スズキ、仲村トオル、安田顕、市川実日子、松坂桃李、大森南朋、竹野内豊、斎藤工、森山未來

【作品概要】
1971年4月に第1作目『仮面ライダー』の放送が開始され、今年2021年で50周年を迎える「仮面ライダー」シリーズの生誕50周年作品として企画された映画作品。

脚本・監督は『シン・ゴジラ』(2016)と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021)にて総監督を、『シン・ウルトラマン』にて脚本・総監修を務めた庵野秀明。

主人公の本郷猛/仮面ライダーを池松壮亮、ヒロイン・緑川ルリ子を浜辺美波、一文字隼人/仮面ライダー第2号を柄本佑が演じる。


映画『シン・仮面ライダー』続編の可能性を考察・解説!


(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

“未回収設定”が想像させる「組織改革」の展開

緑川ルリ子の異母兄・イチロー/チョウオーグとの決戦により肉体を失い、魂だけの存在となった本郷猛/仮面ライダーとともに、一文字隼人/仮面ライダー第2号がSHOCKERと戦い続けることを決意する『シン・仮面ライダー』の結末。

その結末を見届けた上で「『シン・仮面ライダー』の続編の可能性は?」を考えた時、多くの方が“未回収の設定”……「組織初の3種合成型オーグメント」であるK.K(カマキリ・カメレオン)オーグを開発した「死神グループ」の存在が気になったはずです。

「死神」の名で『仮面ライダー』を観たことのある方なら誰もが思い出すのが、テレビドラマ版におけるショッカー第二の大幹部・死神博士(演:天本英世)。映画スピンオフ漫画でも“死神”とあだ名されるイワン博士が登場したことからも、「死神グループ」が死神博士の指揮する開発グループであるのは明らかでしょう。

果たして死神グループとの全面対決、そして自らも「頭部の誘導装置により、隕石を自在に落下可能」「仮面ライダーたちの必殺技ライダーキックを封じる“キック殺し”なる技を持つ」(ともにテレビドラマ版設定)というトンデモ能力を持つ怪人・イカデビルでもある死神博士との戦闘は描かれるのか。それだけで、シリーズファンはワクワクしてしまうはずです。

また「2種類の生物を合成したオーグメント」という3種合成型オーグメントの設定からも、テレビドラマ『仮面ライダー』後期の第80話〜98話に登場し、首領が組織改革のためにショッカーと密教集団「ゲルダム団」と合併させ創設した新組織「ゲルショッカー」が生み出したゲルショッカー怪人を思い出した方も多いでしょう。

たとえゲルショッカーという設定自体は登場しなかったとしても、「ケイによる外世界観測の結果として人工知能アイが“人類の幸福実現の機構”の修正した結果、現存のSHOCKERの組織改革ならびにオーグ間での大規模な粛清活動が行われる」という『シン・仮面ライダー』続編の展開は、決して想像に難くないでしょう。

『かえってくるライダー』は続編の伏線?

テレビドラマ『仮面ライダー 4Kリマスター版』作品画像より


『仮面ライダー 4Kリマスター版』/(C)石森プロ・東映

『シン・仮面ライダー』のエンドクレジット中にエンディング曲として流れた、テレビドラマ版『仮面ライダー』の主題歌・挿入歌たち。

テレビドラマ版の初代OPテーマ『レッツゴー!!ライダーキック』、第89話〜最終話の98話まで使用された第3代EDテーマ『ロンリー仮面ライダー』に続き、メドレーの最後を飾ったのが挿入歌『かえってくるライダー』でした。

「たたかいおえてあさがきた」「かえってくる仮面ライダー」……「怪人・ショッカーとの戦いを終えて友も無事に助け出した仮面ライダーが、青い空・海など美しき世界に見守られながらも、戦いに向かう彼を見送ったのち、その帰りを待ち続ける人々の元へ帰ってくる」という光景をイメージさせる『かえってくるライダー』の歌詞。

いつか訪れるであろう「ショッカーとの戦いが終わる時」を願う仮面ライダーの“真の安らぎ”を描いた歌とも捉えられる一方で、「主題歌・挿入歌メドレーのラストを飾った」という点からも「続編の伏線なのでは?」という想像が膨らんでしまうのです。

まとめ/石ノ森漫画版から見えてくる「1号の復活」


(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

テレビドラマ『仮面ライダー』の原作者・石ノ森章太郎が1971年に全6話にて連載した漫画『仮面ライダー』。

『シン・仮面ライダー』でも「一文字隼人は当初ショッカーの洗脳により“敵”として登場し、のち洗脳が解けたのを機に『仮面ライダー』を名乗るようになった」「本郷猛はショッカーとの戦いの中で命を落としてしまう」といった物語展開など、石ノ森漫画版の設定へのオマージュとされる描写が多々登場します。

石ノ森漫画版では、ショッカーライダー(映画にも「大量発生相型変異バッタオーグ」として登場)との戦いの果てに絶命するも脳自体は無事であったため、のちに研究所へ脳が保管されテレパシーを通じて一文字をサポートするようになった本郷。その展開自体は、『シン・仮面ライダー』のラストシーンと重なります。


(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

しかし石ノ森漫画版では、その後「全身機械仕掛けのボディを手に入れた本郷が、再び一文字たちとともに戦いの前線へ復帰する」という展開も描かれています。

もし、そうした石ノ森漫画版の展開という“原作”までも『シン・仮面ライダー』が掬い取るとしたら、「新たな肉体を手に入れた本郷が再び“仮面ライダー”として復活し、一文字との“ダブルライダー”の姿を再び人々に見せてくれるのではないか」という続編の展開に期待せざるを得ないのです。

【連載コラム】『仮面の男の名はシン』記事一覧はこちら

ライター:河合のびプロフィール

1995年生まれ、静岡県出身の詩人。

2019年に日本映画大学・理論コースを卒業後、映画情報サイト「Cinemarche」編集部へ加入。主にレビュー記事を執筆する一方で、草彅剛など多数の映画人へのインタビューも手がける(@youzo_kawai)。


photo by 田中舘裕介











関連記事

連載コラム

映画『THE LAW 刑事の掟』ネタバレ感想と考察評価。ブルースウィリスの“ダイハードを彷彿”させる作品|未体験ゾーンの映画たち2020【延長戦】見破録16

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020【延長戦】見破録」第16回 様々な事情で日本劇場公開が危ぶまれた、埋もれかけた映画を紹介する劇場発の映画祭「未体験ゾーンの映画たち2020【延長戦】見破録」。 …

連載コラム

地獄が呼んでいる1話ネタバレあらすじ感想とラスト結末解説。Netflix配信にて激コワホラーに新感染シリーズのヨンサンホ監督が挑む

Netflixドラマ『地獄が呼んでいる』を各話完全紹介 『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)を発表し、ホラー映画ファンの注目を集めたヨン・サンホ。その前日譚となる長編アニメーション映画『ソ …

連載コラム

アジアンホラー映画『モーテル・アカシア』あらすじと感想。ラストには観客へ怖さのリアリティではなく“不合理性”でメッセージを残す|TIFF2019リポート27

第32回東京国際映画祭・アジアの未来『モーテル・アカシア』 2019年にて32回目を迎える東京国際映画祭。令和初となる本映画祭が2019年10月28日(月)に開会され、11月5日(火)までの10日間を …

連載コラム

【ネタバレ】スパイダーヘッド|あらすじ結末ラストと解説評価。サイコパスをクリス・ヘムズワースが演じるSF近未来の刑務所スリラー|Netflix映画おすすめ102

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第102回 未承認の医薬品や医療機器を、被験者の同意の上で人体を使った臨床試験を行う「治験」。 通常医療での回復が困難なケースで行われる試験 …

連載コラム

映画監督の二宮健が広島尾道でイベント開催!スペシャルライブ企画などで濃密な時間を【SHINPA Vol.12後編】シネマ尾道の名もなき映画イベント2

第4回尾道映画祭中止なるも、ファンの要望に応え一部開催 新型コロナウイルス感染拡大防止のあおりをうけ、2020年2月28日~3月1日にかけて開催予定となっていた第4回尾道映画祭は中止することが決定。 …

『還り花』
Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学