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Entry 2021/09/30
Update

『ゼロ・ダーク・サーティ』ネタバレ結末あらすじと感想解説評価。実話と真実を基にキャスリンビグロー監督がテロに立ち向かう女性分析官を描く

  • Writer :
  • 秋國まゆ

第85回アカデミー賞で作品賞ほか5部門ノミネート、音響編集賞受賞作品!

キャスリン・ビグローが製作・監督を務めた、2012年製作のアメリカのPG12指定の政治サスペンス映画『ゼロ・ダーク・サーティ』。

国際テロ組織アルカイダの指導者、オサマ・ビンラディンの捕縛・暗殺作戦に挑む、アメリカ海軍の対テロ特殊部隊「DEVGRU」と若き女性CIA分析官の姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

2011年5月12日に実行された、ビンラディンの殺害に至る経緯を実話をもとに映画化した、政治サスペンス映画『ゼロ・ダーク・サーティ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

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映画『ゼロ・ダーク・サーティ』の作品情報


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

【公開】
2013年(アメリカ映画)

【脚本】
マーク・ボール

【監督】
キャスリン・ビグロー

【キャスト】
ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、ジェニファー・イーリー、マーク・ストロング、カイル・チャンドラー、エドガー・ラミレス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、クリス・プラット、フランク・グリロ、ハロルド・ペリノー、レダ・カテブ、ジェレミー・ストロング、スコット・アドキンス、マーク・デュプラス、ファレス・ファレス、テイラー・キニー、ヘンリー・ギャレット、ホマユン・エルシャディ、ジュリアン・ルイス・ジョーンズ、ジェシカ・コリンズ、フレドリック・レーン、ジョン・バロウマン、アリ・マルヤル、マイク・コルター、スティーヴン・ディレイン、シモン・アブカリアン、クリストファー・スタンリー、タシャール・メヘラ、ヨアヴ・レヴィ、カラン・マルヴェイ、リッキー・セコン

【作品概要】
ハート・ロッカー』(2008)や『デトロイト』(2017)などを手掛けた、キャスリン・ビグローが製作・監督を務めたアメリカの政治サスペンス作品です。

本作は2011年5月12日に起きた、ビンラディンの殺害に至る経緯を実話をもとに映画化した作品となっています。

2013年、第85回アカデミー賞で作品賞や主演女優賞など5部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞。同年の第70回ゴールデングローブ賞では、最優秀作品賞(ドラマ)ほか2部門ノミネートされました。

主演を務めるのは、『ツリー・オブ・ライフ』(2011)や『インターステラー』(2014)、『AVAエヴァ』(2020)などに出演するジェシカ・チャステインです。

ジェシカ・チャステインは本作に出演し、2013年の第70回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞(ドラマ)を受賞しました。

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』のあらすじとネタバレ


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

これは、当事者の証言に基づく物語です。

2001年9月11日火曜日の朝。イスラム過激派テロ組織「アルカイダ」によるアメリカへの4度のテロ攻撃のうち、ワールドトレードセンター(WTC)とアメリカ国防総省本庁舎が同時に攻撃を受け、3,000人のアメリカ市民の命が犠牲になってしまいました。

2003年。情報収集と分析に秀でた若き女性CIA分析官マヤは、CIAパキスタン支局に配属されました。

マヤは同僚であるCIA諜報専門家ダニエルと一緒に、アメリカ国外にある秘密軍事組織「ブラック・サイト」で、アメリカ同時多発テロ事件(以後、9.11テロ事件と表記)の資金調達者アマールを拷問・尋問します。

アマールは、9.11テロ事件を立案・実行したとされるアルカイダの幹部、ハリド・シェイク・モハメドの甥でもあったからです。

実際にアマール名義で、旅客機をハイジャックした犯人へ多額の金を送金された記録や、アマールの自宅から150キロもの爆発物が押収されたなど、彼がアルカイダに協力した証拠があります。

ところが、アマールは頑なにアルカイダについて話さないどころか、当時一緒にいた仲間の名前すら喋ろうとしません。

マヤたちはしばらくの間、アマールが根をあげるまで放置することにしました。

ダニエルはマヤを連れてパキスタン・イスラマバードにあるアメリカ大使館へ行き、パキスタン支局長ジョゼフ・ブラッドレイと、パキスタン支部で働く同僚たちを紹介することにしました。

パキスタン支部ではアルカイダの指導者であり、9.11テロ事件の首謀者とされるオサマ・ビンラディンを捜索するチームが組織されていました。

メンバーはダニエルの他に、CIA分析官のジェシカ、CIA諜報分析官のジャック。CIAのトーマスとJ.J.、CIA局員のジョン。マヤは今後、ビンラディン捜索チームの一員として、彼らと共に情報収集に取り組んでいきます。

2004年5月29日。サウジアラビア東部のアル・コバールで、アルカイダによる非イスラム系の外国人とアメリカ人を襲ったテロ事件が発生。

ダニエルたちは、このテロを事前に知っていたアマールとハリドの一味から、情報を聞き出せなかったことを悔やみました。

次のテロこそ未然に防ぐべく、ダニエルとマヤは96時間不眠で一部記憶喪失になったアマールに、今回のテロ事件の結果を偽って話し、今度こそ情報を吐かせようとします。

過酷な拷問とは打って変わり、豊富な料理と飲み物を与えられたアマールは、今まで頑なに閉ざしていた口を開き、2人にこう言いました。

「仲間のコンピューター技師アブ・アフメドが、導師の言葉を書いた手紙をアルカイダのメンバーに渡していた」

「9.11事件後、俺はペシャワールに戻ったが、アブ・アフメドは北部のクナルに向かった。アブ・アフメドの姓は知らない」

アマールの話を聞いたマヤたちは早速、アブ・アフメドとはビンラディンとどういう関係なのか、アルカイダでの役割は何だったのか知るため、捕虜にしたアルカイダメンバーを尋問・拷問していきました。

その結果、アブ・アフメドはアルカイダのNo.3アブ・ファラジと行動を共にしており、ファラジとビンラディンの連絡員だったことが判明しました。

マヤはダニエルとジェシカと一緒に、ブラッドレイにその事を報告しました。しかしブラッドレイは、確固たる証拠もない情報の信憑性を疑い、聞く耳を持ってくれませんでした。

2005年7月7日、イギリス・ロンドン。ユーストン駅付近を走行中だったバスが突如爆発し、地下鉄のトンネル内でも車両が爆発し、数十名が瀕死の重傷を負った事件が発生。

これにより、ロンドン有数の繁華街の日常は停止し、負傷者の救助が事件後も続いていました。

ダニエルはパキスタン警察と協力し、捕虜1人を使ってファラジを誘き寄せて逮捕。マヤはファラジを尋問しますが、これまで尋問してきた捕虜以上の情報を引き出すことができません。

精神的に参ってしまったマヤは、ダニエルに助けを求めましたが、彼は100人以上の捕虜を拷問・尋問して精神的に参ってしまい、近くまっとうな仕事に就くためにアメリカに帰国する予定でした。


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

2008年9月20日、パキスタン・イスラマバード。マヤは同僚のジェシカと、マリオット・ホテルで食事をしていました。

ジェシカは捜査に明け暮れ、精神的に追い詰められているマヤを心配し、アブ・アフメドについて追うのを諦めるよう言いますが、マヤは諦める気は全くありません。

そんなマヤが気になっているのは、ファラジが嘘をついていることです。ファラジはビンラディンの居所以外のアルカイダの情報は話したのに、アブ・アフメドのことも話そうとしません。

つまりファラジにとって、アブ・アフメドはビンラディンと同じくらい重要な存在であり、彼の居所は絶対に知られたくない情報なのです。

マヤたちと一緒に食事するはずのジャックが、ジェシカに連絡を取り渋滞で遅刻する旨を話していた瞬間、突然ホテル内が大爆発します。

これにより、ホテルの従業員やホテルにいた客に死傷者が多数出ましたが、マヤたちは何とか非常口から外へ脱出し、命に別状はありませんでした。

犯人は爆弾を積んだトラックを運転していた運転手で、ホテルの敷地内に入ろうとしましたが警備員に断られ、900キロの爆薬に点火し、ホテルを爆破したのです。

2009年12月30日。ヨルダン当局が買収したアルカイダの医師バラウィと面談するため、ジェシカやジョンほかCIA局員5人が、アフガニスタンのホースト州にあるチャップマン基地へ向かいました。

しかし、遅れて基地にやってきたバラウィは体に爆弾を巻きつけており、到着と同時に自爆。これによりジェシカたち7人が死亡、基地にいた6人が負傷しました。

同僚の死に悲しみに暮れるマヤに、追い打ちをかけるかのように、「既にアブ・アフメドは、2001年に死んでいたと尋問した捕虜が言っていた」との報告が届きます。

以下、『ゼロ・ダーク・サーティ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ゼロ・ダーク・サーティ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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後日、アメリカ大使館にいる国家安全保障顧問から激しく叱責されたマヤたちCIA。改めて膨大な情報を解析した結果、アブ・アフメドの本名が、9.11テロ事件後にモロッコで作成された要注意人物リストに記載されていた、「イブラヒム・サイード」であることが判明。

アブ・アフメドは、偽造書類で捕まった際に使った偽名「アブ・アフメド・アル・クウェーディ」のことでした。

アブ・アフメド(以後、イブラヒムと表記)が逮捕された当時、パキスタン支部には数百万の情報提供が届いており、膨大な数の中に情報が埋もれてしまったのです。

つまりマヤたちの人為的なミスにより、重要な情報を見落としてしまったことになります。

アメリカのヴァージニア州ラングレー。この地にあるCIA本部に異動したダニエルは、連絡してきたマヤから「イブラヒムは死んでなんかいない」と言われます。

マヤの推理によると、イブラヒムは8人兄弟の1人であり、兄弟は皆顔がそっくりなため、CIAはイブラヒムの兄ハビーブと見間違えてしまいました。

イブラヒムが死んだと証言した捕虜に見せた写真は、イブラヒムではなくハビーブであること。

その証拠は、「似た男を埋めた」というその捕虜の証言と、2001年はアマールと一緒にいたという情報があったからです。

そう話すマヤはダニエルに、「家族はハリドと繋がりがあるから、イブラヒムの母親の電話番号を調べてほしい」とお願いします。

ダニエルはイブラヒムの母親がいるという、中東の国クウェートに飛び、友人に頼んで電話番号を入手。

彼から教えてもらった電話番号を使って、ジャックがサイード家の電話を傍受した結果、母親がパキスタンのラワルピンディにあるラワル通話所にいる誰かと電話していることが判明しました。

ただイブラヒムは電話をかける際、電波状態の悪いパキスタン北部の部族地帯にいると思わせ、本当はペシャワールにいるなど、スパイ特有の行動を取っていました。

2010年5月1日。アメリカ・ニューヨークでは、タイムズスクエアで自動車爆破未遂事件が発生。

これを受け、ブラッドレイは自国を守るため、増え続けるテロリストによる自爆テロの阻止を優先しようとします。

マヤはそんなブラッドレイに啖呵を切り、電話を監視する技師を4名補強することを要請しました。

「アメリカを守るためにはビンラディンの逮捕が必須。そのビンラディン逮捕にはイブラヒムを探し出すことが鍵となる」

「あなたはテロリスト逮捕という実績欲しさに、ビンラディンを追っているのでしょう? でもあなたは、パキスタンもアルカイダも何も分かっていない」

「今すぐ私にチームをくれないならば、あなたは“ビンラディン発見を怠った支局長”という、不名誉な実績を残すことになりますよ」

「ラワルピンディとペシャワールに技師を4人ずつ下さい。それが出来ないなら私を本国に帰国させて、CIA長官にその理由を説明してください」

その日の夜、バーで1人飲んでいたマヤの元に、ジャックが携帯電話を持って訪ねてきます。それはイブラヒムが買った携帯電話が鳴るたびに、同時に鳴る携帯電話でした。

パキスタン・ラワルピンディ。マヤはジャックが見つけてくれた携帯電話を使い、電話の発信地がパキスタンにあることを突き止めます。

さらにマヤは、イブラヒムが電話をする時必ず、家から数ブロック離れたところで携帯電話の電源を入れることまで突き止めました。

ラワルピンディとペシャワールに絞り込めたことで、具体的な捜索場所が分かったCIAにおいて隠密作戦や準軍事作戦を行う特殊部隊「特別行動部(SAD)」は、両方行って発信場所の特定をしていきます。

その結果、ハイウェイ付近の道路で、パキスタンでは珍しい白のSUVを運転しながら、電話を発信しているイブラヒムを発見。

SADやCIAの現地局員ハキムがハイウェイの出入り口を連日監視し、追跡した結果、イブラヒムが運転する白のSUVがアルカイダゆかりの地、パキスタン北部のアボッターバードにある屋敷に入っていくのを目撃しました。

一方パキスタン支部では、CIAの捕虜への虐待について、多くのパキスタン人から激しく非難されていました。

なかでもブラッドレイは、空爆被害者の遺族に法廷で実名を出されたことから、パキスタン人から殺害予告を受けてしまいます。

この脅迫問題により、事態を重くみた上層部の判断で、ブラッドレイはパキスタン支部の支部局長を解任され、アメリカへの帰国を命じられました。

さらにマヤも、ビンラディンの居所を突き止めようとしているのがパキスタンのテロリストに知られてしまい、一度名前が載れば永遠に残ってしまうとされる抹殺対象のリストに、名前が載ってしまいました。

当然、そうなってしまえばマヤもテロリストから命を狙われてしまいます。実際、襲撃を受けたマヤは、アメリカへの帰国を余儀なくされてしまいました。


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

アメリカのCIA本部、無人偵察機司令室。アメリカに帰国しCIA本部に戻ったマヤは、CIA本部の分析官スティーヴと一緒に、無人偵察機を使って屋敷を監視することにしました。

無人偵察機で屋敷を監視して52日目、屋敷にイブラヒムと彼の親族、そしてイブラヒムの親族ではない別の男が1人いることが判明しました。

マヤたちはそれを見て、まるで要塞のようなこの屋敷に、イブラヒムとビンラディンがいると確信します。

無人偵察機で屋敷を監視して100日以上経った頃。マヤと彼女がCIA本部に戻ってきてからの上司ジョージは、懐疑心が強いCIA長官レオン・パネッタや彼の上級顧問ジェレミーら上層部と、ホワイトハウスの大統領危機管理センターに何度も掛け合い、屋敷への奇襲作戦決行の許可を得ようとします。

2011年5月1日。アフガニスタン・ジャララバードにある前進作戦基地に到着したマヤは、実際に屋敷に奇襲するアメリカ海軍の対テロ特殊部隊「DEVGRU」と合流。

その時、マヤはジョージから、懐疑心強い上層部から作戦決行の許可がおりたと連絡を受けます。

5月2日、マヤに見送られたDEVGRUは、ステルス型ブラックホークのプリンス51と52に乗り、基地を出発。マヤやDEVGRU司令官のレッド中隊司令官らは、基地から彼らをサポートしていきます。

ステルス型ブラックホークが敷地内の上空に差し掛かったその時、風の巻き返しがきつくてコントロールが効かず、プリンス51は墜落し屋敷の家畜小屋に激突。

プリンス52は作戦地域を離脱し、プリンス51に乗っていたDEVGRUの隊員たちは暗視装置をつけ、家畜小屋から邸内に侵入することにしました。

DEVGRUの隊員1人は、プリンス51の墜落した音で侵入に気づいたイブラヒムが、銃で撃ってきたのを見て外から狙撃し、射殺。他の隊員が彼の妻と子供を屋敷の外へ連れ出します。

続いて、DEVGRUは正門から施錠されていない扉から屋敷へ侵入し、こちらに機関銃を使って撃ってきたイブラヒムの兄アブラルと、彼を守ろうとした彼の妻を射殺しました。

DEVGRUはさらに屋敷の奥へと進み、塞がれていた2階へ続く階段の扉を爆破し、2階へ突入。2階にいた年配の女性と若い女性を捕まえ、無人偵察機による監視では発見されなかったハリドを3階に続く階段で射殺します。

残る敵はビンラディンただ1人。DEVGRUは物音が聞こえた3階の寝室へ突入し、そこにいたビンラディンを射殺。寝室にいた彼の親族4人を屋敷の外へ連れ出しました。

基地にいるマヤたちも、現場から送られてきた写真でビンラディンの死を確認。しかし、相次ぐ銃声と爆発音のせいで、屋敷の異変に気づいた近隣住民がパキスタン空軍に通報したのか、パキスタン空軍のF16戦闘機が屋敷へ向かってきます。

F16戦闘機が屋敷に到着するまであと14分。DEVGRUのチームリーダーであるパトリックは、DEVGRUの隊員に命じて屋敷にある全ての資料と、殺したビンラディンたちの遺体の回収を急がせます。

死体袋と回収した資料と共に、プリンス52に乗り込んだパトリックたちは、そのまま屋敷から離脱。それと同時に、証拠隠滅のために墜落したプリンス51を爆破しました。

パトリックたちは無事基地へ帰還し、すぐさま基地内で回収した資料の整理に取り掛かります。

遺体を確認したマヤは1人、アメリカの戦術輸送機C-130に乗り、基地を後にしました。その時、マヤはそっと静かに涙を流しました。

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映画『ゼロ・ダーク・サーティ』の感想と評価


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

ビンラディンとイブラヒムを追い詰めていくマヤ

ビンラディンとアルカイダについての調査期間中、マヤは精神的に参っていく自分を心配するダニエルたちや、不確かな情報に懐疑的なブラッドレイたち上層部から、何度もビンラディンの連絡員の調査をやめるよう言われます。

それでもマヤは諦めず、あらゆる手段を使ってビンラディンの連絡員イブラヒムがどんな人物なのか、どこに潜伏しているのかを突き止めていきました。

捕虜や捕まえたアブ・ファラジへの尋問、情報提供された膨大な数の資料の分析、イブラヒムの携帯電話や自宅の電話を傍聴し、発信場所を特定。連日ハイウェイの出入り口を監視するなど。

自爆テロによって信頼する同僚たちを失ってもなお、いや彼女たちを失ったからこそ、危険を冒してでも調査を続けたマヤの執念は計り知れません。

絶対に見つけ出すという狂気を孕んだ執念を燃やすマヤが、ついにビンラディンの居所を突き止めた瞬間、ここまで頑張ってきた彼女の努力を称賛したくなるぐらい嬉しくなります。

ビンラディンたちの殺害を実行する対テロ特殊部隊


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マヤたちCIAの長年にわたる情報収集と解析をした結果、ついにイブラヒムだけでなく、ハリドやビンラディンの居場所まで突き止めることが出来ました。

ビンラディンたち3人は、彼らの親族と共にアボッターバードにある屋敷に住んでいたのです。ただその屋敷は、無人偵察機で上空から中の様子が伺えないほど、鉄壁の要塞と化していました。

そこでCIAが協力を依頼したのが、アメリカ海軍の対テロ特殊部隊「DEVGRU」。DEVGRUはアメリカ海軍の特殊部隊「ネイビーシールズ」から独立した部隊です。

DEVGRUは物語の終盤、屋敷への奇襲作戦を掛ける時に登場します。もう少しDEVGRUの活躍を見ていたくなるほど、彼らの奇襲は迅速かつ慎重で、格好の良いものでした。

まとめ


Jonathan Olley (C)2012 CTMG. All rights reserved

情報収集と分析に秀でたCIA分析官と、アメリカ海軍の対テロ特殊部隊「DEVGRU」がタッグを組み、ビンラディンがいる屋敷を奇襲する姿を描いた、アメリカの政治サスペンス作品でした。

本作の見どころは、マヤたちCIAのビンラディン捜索チームの活躍と、マヤの狂気を孕んだ執念。ステルス型ブラックホークに乗って闇夜の山岳をぬって襲撃に向かったDEVGRUの緊張感ある奇襲作戦です。

捕虜への厳しい拷問や尋問、膨大な数と量の資料の分析・解析や電話の傍聴。そして狂気を孕んだマヤの執念が、懐疑的だった上層部とホワイトハウスを動かし、DEVGRUを動員することが出来たのです。

マヤたちCIAの活躍と努力は素晴らしく、彼らが危険を冒してビンラディンを捜査したおかげで、アルカイダに狙われた多くのアメリカ国民の命が救われたことでしょう。

その反面、テロリストやアルカイダの関係者による自爆テロによって、ジェシカたちCIA7人の命が失われてしまったことがとても悲しいです。

何としてでもビンラディンを見つけ出すというCIA分析官の狂気を孕んだ執念と、隠れ家に奇襲を仕掛ける対テロ特殊部隊の銃が火を噴く、緊張感たっぷりの政治サスペンス映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。

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