Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2020/07/15
Update

インド映画『WAR ウォー!!』あらすじ感想と考察評価レビュー。ボリウッド産スパイムービーはダンスもアクションも躍動的|銀幕の月光遊戯 65

  • Writer :
  • 西川ちょり

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第65回

映画『WAR ウォー!!』が2020年7月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田他にて全国順次ロードショーされます!

世界で一番映画が作られている国・インドから、最強のスパイアクション・ムービーがやってきた!

リティク・ローシャン、タイガー・シュロフというインドの次世代を担う2大スターの豪華共演が実現。2019年、インド国内興行収入第1位を記録し、世界30ヶ国を熱くした、“キング・オブ・ムービー”がいよいよ日本上陸です。

【連載コラム】『銀幕の月光遊戯』一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『WAR ウォー!!』の作品情報


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

【公開】
2020年公開(インド映画)

【原題】
War

【監督・脚本】
シッダールト・アーナンド

【キャスト】
リティック・ローシャン、タイガー・シュロフ、ヴァーニー・カプール、アーシュトーシュ・ラナー、アヌプリヤーニー・ゴーエンカー

【作品概要】
リティク・ローシャン、タイガー・シュロフというインドの大人気スターが共演したインド産スパイ・アクション映画。2019年、インド国内映画興行収入の第一位に輝き、世界30ヶ国で封切られ大ヒットを記録しました。

映画『WAR ウォー!!』のあらすじ


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

「カビールが裏切った!」 インド対外諜報を担う調査・分析部RAWに衝撃が走りました。

国際的なイスラム教過激派テロリストを追った、RAWの中でもNo.1の腕利きスパイであるカビールが、作戦決行中に味方の高官を射殺して逃亡したのです。

RAWはカビールを抹殺することを決定。優秀な若手スパイのハーリドは自身がその役割を果たすと名乗りを挙げますが、2人の上司であるルトラ大佐は、2人の関係は近すぎると心配します。

国家を裏切った父のせいで、ハーリドは母と共に長い間苦しんできたという過去がありました。汚名を返上し、自身は国家のために立派な諜報員になることを誓った彼のことを最も理解してくれていたのがカビールだったのです。

2人は指揮官と部下として数々の作戦を成功に導いてきた師弟コンビでした。

ハーリドは個人的な想いを封印し、使命感に燃えカビールの行方を追いますが、それでも心の片隅に「なぜ?」という疑念がくすぶり続けていました。

カビールの目的は何か? ハーリドは任務を遂行できるのか? 2人の凄腕スパイの死力を尽くしての戦い<WAR>が開始されました!

※RAW:(Research and Analysis Wing) -インドの対外諜報機関。

スポンサーリンク

映画『WAR ウォー!!』の感想と評価


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

一級のアクション映画

インド映画『WAR ウォー!!』は、「ミッション:インポッシブル」シリーズや、「ボーン」シリーズなどハリウッド作品を彷彿させる、スリリングなスパイ・アクション映画です。

当然、世界をまたにかけた展開が繰り広げられ、エキゾチックなロケーションが次々と登場してきます。

氷上のカーチェイスは「ワイルド・スピード」シリーズを意識したものでしょうし、飛行機に飛び移って敵陣に飛び込み、ドアが開いたままの状態で戦うシーンは「ミッション:インポッシブル」シリーズのいくつかの作品を思い出させます。

ポルトガルの山頂に続く道をオートバイで進む激しい追跡シーンは、映画の撮影のために道路を封鎖しているふうには見えず、普通に一般人の車が傍を走っている中、ロケしているのでは?と、別の意味でもハラハラさせられます。

オートバイから始まってカーチェイス、空中アクション、最後は砕氷船まで登場するという徹底ぶりで全てが見せ場ですが、それでもやはり最大のみどころは、人間と人間の肉弾戦にあります。

序盤から敵のアジトのど真ん中へ無防備に飛び込んでいく主人公。最初は銃をぶっ放していた敵もいつの間にか銃には触れなくなり、素手と素手の激しい応酬が始まります。

武器を捨てて最後は肉体の勝負へとなだれ込むのはアクション映画のひとつのセオリーであり、醍醐味です。その舞台も凝っており、とりわけラストの決戦はアクション映画ファンを“にやり”とさせるものになっています。

さらに、アクション映画というのは、単にアクションシーンがド迫力であればいいというものでもありません。

アクションをいかすも殺すも物語次第。その点でも本作は油断ならないストーリー展開を見せ、最後まで飽きさせません。

ゴージャスな美男美女たち


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

このように、ハリウッド映画顔負けのアクションを見せてくれる本作ですが、インド映画の面白さはここからといっても過言ではありません。

映画の中盤、タフな主人公たちが突然、笑顔で歌い踊る、ゴージャスなミュージカルシーンが登場! さっきまで華麗なガンアクションや武道を披露していた主演俳優、タイガー・シュロフ、リティク・ローシャンが滅茶滅茶高度なダンスを披露しています。

ヒンディー語の曲としては初めて、イタリア南部のアマルフィ海岸にあるポジターノのビーチで撮影されたというこのシーン。ミラノから150人を超えるダンサーを迎え、壮大なものとなりました。

これこそが“マサラ映画”の魅力です。歌、ダンスは勿論、人間ドラマ、ラブロマンスなど様々なジャンルがたっぷり詰め込まれたエンターテインメントのおもちゃ箱のようです。

出てくる人物は男性も女性も皆、ゴージャスな美男美女ぞろい。作り手は、誰よりも、彼ら彼女たちを魅力的に撮ってやろう、彼ら彼女たちを一番素敵に撮れるのは自分だ!という野心のもと撮影に挑んでいるはずです。

“スター映画”の魅力とはまさにそこにあり、スターはますます輝きを増していくのです。

インド映画を牽引する二大スター


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

では、この映画に出てくる2人のスター、リティク・ローシャン、タイガー・シュロフとはどのような人物なのでしょうか。

No.1の腕利き諜報員カビールに扮するリティク・ローシャンは、1974年生まれ。1970年代、80年代に一世を風靡したスター俳優で監督でもあるラーカーシュ・ローシャンを父に持つ二世俳優です。

父の監督作でインド版『E.T.』ともいわれる『Koi…Mil Gaya(誰かに…出会った)』(2003)や、仮面のヒーロー「クリシュ」シリーズ(2006~)が大ヒット! 『Jodhaha Akbar(ジョーダとアクバル)』(2008)では歴史劇に初挑戦し、主演男優賞に輝くなど、人気、実力を兼ね備えたトップ俳優のひとりです。

ハーリド役のタイガー・シュロフは、1990年生まれ。両親とも俳優の芸能一家に育ちました。テコンドーの黒帯所持者で、『WAR ウォー!!』でも素晴らしい格闘シーンを演じています。代表作に『タイガー・バレット/Baaghi 2』(2018)などがある人気若手俳優です。

2人共、甘いマスクと鍛えられた精悍な体を持ち、ダンスにも優れているのですから、インド映画俳優のスキルの高さにはまったく驚かされます。

リティク・ローシャンと絡むゴージャスな美女ナイナに扮するのは、ヴァーニー・カプール。彼女も素晴らしいダンスを披露しています。

また、アヌプリヤー・ゴーエンカ扮するアディティは麗しいウェディング姿を披露しています。

昨今のアクション映画における女性の役割は、「あっさり死ね」か「なくてはならぬ活躍をする」の両極端に分かれるようなところがありますが、2人の美女の動向にも注目です。

まとめ


WAR (C) Yash Raj Films Pvt. Ltd.

監督のシッダールト・アーナンドは、原案、脚本も担当。トム・クルーズの『ナイト&デイ』をリメイクした『バンバン!』(2014)などアクション映画を得意としている監督です。

興行収入トップ10の常連で、『WAR ウォー!!』で初めて1位を獲得しました。次回作は『ランボー』の正式なリメイクだそうで、また壮大な作品となりそうです。

映画『WAR ウォー!!』は、リティク・ローシャン、タイガー・シュロフのファンや、インド映画ファンの方は勿論のこと、あまりインド映画は馴染みがないという方にも観ていただきたい作品です。

大きなスクリーンでのご鑑賞をおすすめいたします。

次回の銀幕の月光遊戯は…


(C)国映株式会社

8月08日(土)より新宿 K’sシネマ、大阪 シネ・ヌーヴォ、神戸 元町映画館にて同時公開、以降全国順次公開予定の映画『れいこいるか』を取り上げる予定です。

お楽しみに。

【連載コラム】『銀幕の月光遊戯』一覧はこちら

関連記事

連載コラム

映画『シークレット・ヴォイス』ネタバレ感想。カルロス・ベルムト監督の「虚実皮膜」な歌謡サスペンス劇場⁈|未体験ゾーンの映画たち2019見破録7

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2019見破録」第7回 新年初旬よりヒューマントラストシネマ渋谷で始まった“劇場発の映画祭”ともいうべき、「未体験ゾーンの映画たち2019」では、貴重な58本の映画が …

連載コラム

鬼滅の刃二期|新キャラクターCV声優を予想考察!堕姫・妓夫太郎は誰が演じる?【鬼滅の刃全集中の考察2】

新キャラクターはだれが演じる? キャスティングを大胆予想! 2020年に公開された映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』以降も映像化が期待される大人気コミック『鬼滅の刃』を考察する連載コラム「鬼滅の刃全 …

連載コラム

映画『あらののはて』あらすじと感想考察。長谷川朋史監督独自の映像センスが光る痛快作|2020SKIPシティ映画祭3

緻密な画作りの中から迸る多様な感情を味わう 2004年に埼玉県川口市で誕生した「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」は、今や映画の新たなスタンダードとなったデジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コン …

連載コラム

映画『さくら』感想評価レビュー。キャスト北村匠海×⼩松菜奈×吉沢亮に共通する演技力の秘密|映画という星空を知るひとよ33

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第33回 映画『さくら』は、直木賞作家・西加奈子の同名小説を、その世界観に惹かれた矢崎仁司監督が映画化した作品です。 長男・次男・長女と両親の5人家族の長谷川一 …

連載コラム

映画『X 謀略都市』あらすじと感想評価レビュー。女性刑事が連続殺人事件と14年前の死の真相に挑む|サスペンスの神様の鼓動23

連載コラム『サスペンスの神様の鼓動』第23回 こんにちは、映画ライターの金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今回ご紹介 …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』2020年10月9日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開
映画『朝が来る』2020年10月23日(金)より全国公開
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP