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Entry 2021/09/12
Update

映画『ブラックホーク・ダウン』ネタバレ感想とあらすじラストの考察解説。実話を基にアメリカ最強特殊部隊の戦闘記録を描く

  • Writer :
  • 秋國まゆ

ソマリア内戦での米軍の「失敗」を描いた戦争アクション。

リドリー・スコットが監督を務めた、2001年製作のアメリカの戦争アクション映画『ブラックホーク・ダウン』。

内戦が泥沼化するソマリアにて実際に起こった、米軍特殊部隊の兵士約100名のよる要人強襲作戦とその「失敗」の顛末とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

30分足らずで終わるはずだった任務が、砲弾が乱れ飛ぶ戦場に取り残されてしまう事態にまで発展。取り残された米軍特殊部隊が、兵士と住民が錯綜する市街戦に挑む戦争アクション映画『ブラックホーク・ダウン』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

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映画『ブラックホーク・ダウン』の作品情報


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

【公開】
2001年(アメリカ映画)

【原作】
マーク・ボウデン『ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』

【監督】
リドリー・スコット

【キャスト】
ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、サム・シェパード、エリック・バナ、ジェイソン・アイザックス、ジョニー・ストロング、ウィリアム・フィクトナー、ロン・エルダード、ジェレミー・ピヴェン、ヒュー・ダンシー、ユエン・ブレムナー、ガブリエル・カソーズ、キム・コーツ、ジェリコ・イヴァネク、グレン・モーシャワー、ブレンダン・セクストン三世、リチャード・タイソン、ブライアン・ヴァン・ホルト、ニコライ・コスター・ワルドー、スティーヴン・フォード、オーランド・ブルーム、トーマス・グイリー、エンリケ・ムルシアーノ、ラザーク・アドティ、カーマイン・ジョヴィナッツォ、ジョージ・ハリス、グレゴリー・スポーレダー、ヨアン・グリフィズ、チャーリー・ホフハイマー、クリス・ビーテム、トーマス・ハーディ、ダニー・ホック、イアン・ヴァーゴ、マシュー・マースデン、マイケル・ルーフ、トレヴァ・エチエンヌ、タイ・バーレル、ボイド・ケストナー、パベル・ボーカン、トム・グアリー、ジャニーナ・ファシオ

【作品概要】
グラディエーター』(2000)や『オデッセイ』(2015)、『オリエント急行殺人事件』(2017)などを手掛けた巨匠リドリー・スコットが監督を務めた、アメリカの戦争アクション作品。

原作は、マーク・ボウデンのノンフィクション小説『ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録』。主演を務めるのは、『パール・ハーバー』(2001)や『30デイズ・ナイト』(2007)、『マイナス21℃』(2017)などに出演するジョシュ・ハートネットです。

映画『ブラックホーク・ダウン』のあらすじとネタバレ


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

1992年、東アフリカのソマリア。部族間の長年の抗争により、ソマリア全土に飢餓が生じ、30万もの民間人が餓死しました。

最強の部族と称される力ババルギディル族を率いる独裁者アイディード将軍は、ソマリアの首都モガディシオを制圧。国際援助の食料を奪い、それによってもたらされる飢餓を、敵対部族への武器に利用しました。

このソマリアの内戦に国際世論が動き、米国海兵隊2万人がソマリアへ出動。飢餓状態に陥った民間人に食料が配られ、ソマリアは一旦は秩序が回復します。

しかし1993年4月、海兵隊がソマリアから撤退するのを待ち、アイディード将軍は国連平和維持軍に宣戦布告したのです。そして1993年6月、アイディードの民兵が国連パキスタン兵24人を虐殺。米兵もアイディード将軍の攻撃対象となりました。

1993年8月下旬。米国の特殊部隊デルタ・フォースと陸軍レンジャー部隊、第160特殊作戦航空連隊(SOAR)などで構成された約100名の米兵が、アイディード拉致とソマリアの治安回復のために投入。当初は3週間だけの任務のはずでしたが、6週間経っても事態は進展せず、米国政府は焦り始めました。

1993年10月2日土曜日。デルタフォースの古参兵ノーマン・“フート”・ギブソン一等軍曹と、彼が率いるデルタフォースの活躍により、アイディードに武器を売る実業家オスマン・アットの拉致に成功。

彼の報告を受けた「UH-60 ブラックホーク(米軍の汎用ヘリコプター)」はアットを追跡し、ジープのエンジンを銃で撃ち無理矢理停車。アットを前線基地へ拉致します。

一方、米兵のトッド・ブラックバーン上等兵が新たにレンジャー隊員となり、レンジャーのチョーク4班の班長ジョン・ビールズ中尉の班に加わりました。しかしその晩、ビールズは発作を起こし倒れてしまい、彼はやむを得ず帰国することになります。

10月3日日曜日。ビールズの代わりに、レンジャーのチョーク4班の班員であるマット・エヴァーズマン二等軍曹が班長に就任しました。

前線基地司令官ウィリアム・F・ガリソン少将は、地元の情報屋アブディを金で雇い、アットの尋問では得られなかったアイディードの副官の情報を、そして午後3時に、アルディード派が支配する地区バカラ・マーケットにあるオリンピック・ホテルで幹部会合が行われるという重要な情報を入手しました。

ガリソンは早速作戦会議を開き、副官2人とオリンピック・ホテルにいる者を、捕虜として捕まえる強襲作戦について皆に話しました。標的は、アルディードの首席政治顧問を務めるオマール・サラドと、内務大臣のハッサン・アワレです。

15時45分、「AH-6/MH-6 リトルバード」に乗るデルタフォースが、オリンピック・ホテルに突入し、サラドたちとホテルにいる者全員を捕獲。

さらに15時46分、ブラックホークに乗るチョーク4班が、地上部隊指揮官マイク・スティール大尉の指揮で降下。オリンピック・ホテルの街区の四隅を確保し、アルディード派の民兵の拠点「ホールワディック・ロード」を完全封鎖。

15時47分、車輌部隊指揮官のダニー・マクナイト中佐率いる撤収班、通称「車輌隊(ハンヴィー)」がホールワディック・ロードを直進し、オリンピック・ホテルの裏に回り待機。彼らはデルタフォースからの合図で、オリンピック・ホテル前にトラックを移動させ、捕獲した副官たちと捕虜を乗せる。

レンジャーの全班もホテル前に集結し、地上部隊が全員トラックに乗って、3マイル離れた前線基地に戻る……という作戦内容でした。

この作戦は当初、強襲から撤収まで30分足らずで終わる予定でした。そのため完全武装のデルタフォースに比べて、レンジャーは水も暗視装置も抗弾パネルも持っていきません。

作戦会議後、これまで戦場に出たことがなく、ずっと兵士たちのコーヒー係をやらされていた特技下士官ジョン・グライムズは、卓球で手を負傷したチョーク4班のサイズモアの代わりに、機関銃M60の弾薬補給係として班に配属されることになりました。


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

午後2時29分。アブディが黒いテープを貼ったルーフが目印の車に乗り、上空を飛行する哨戒機にオリンピック・ホテルの場所を教えます。

哨戒機に乗る米兵は司令部にいるガリソンに報告したのち、地上部隊と航空支援を担当するSOAR指揮官トム・マシューズ中佐の率いる部隊に、「アイリーン」という進発の合図を送りました。

午後3時42分、デルタフォースがバカラ・マーケットの地に降り立ち、待ち構えていた民兵と交戦しながら、オリンピック・ホテルへ向かいました。

それに続き、ブラックホークのスーパー61と62、スーパー64と65に乗るレンジャーが続々とオリンピック・ホテル周辺に降下を開始。

ブラックバーンが降下しようとしたその時、彼が乗っているスーパー61が携帯対戦車擲弾発射器「RPG-7」による民兵の攻撃を受け、彼は真下に落ちてしまいます。

その直後、エヴァーズマンが降下し、近くにいた衛生兵カート・シュミッドを呼び寄せ、ブラックバーンを手当てするよう伝えます。さらにエヴァーズマンは、班員のグライムズやスコット・ギャレンタイン三等軍曹ら他3人を、担架に乗せたブラックバーンをハンヴィーまで運ぶよう指示しました。

地上に降り立ったレンジャー全班は、「撃たれるまで撃つな」という交戦規則を守り撃たずにいましたが、民兵1人の発砲を合図に戦闘を開始しました。

この間、デルタフォースは予定通りにオリンピック・ホテルを制圧し、ハンヴィーと合流。捕まえた副官たちを含めた捕虜の搬出作業に入っていました。そこへブラックバーンを運びながら、戦場を駆け抜けてきたグライムズたちが到着。ブラックバーンは無事ハンヴィーに乗せられ、他の捕虜たちと一緒に前線基地へ向かいます。

しかしその道中、銃座にいたハンヴィーのドミニク・ピラ三等軍曹が、路地から突如現れた民兵による奇襲攻撃を受け、戦死してしまいました。

何とか車輌3台が前線基地に帰還した後、車輌3台を航空支援していたスーパー61が、民兵が放ったRPG-7に被弾し、墜落。ガリソンは地上部隊に、スーパー61のパイロットであるクリフ・“エルヴィス”・ウォルコット准尉と、マイク・ゴフィーナ准尉と他2名の米兵の救出を命じます。

墜落現場から一番近い場所にいたチョーク4班。エヴァーズマンは、班員のランス・トゥオンブリー特技下士官とショーン・ネルソン特技下士官だけを残し、副官のジェイミー・スミス伍長とシュミッド、班員のエド・ユーレク二等軍曹とクースを連れて墜落現場へ向かいます。

以下、『ブラックホーク・ダウン』ネタバレ・結末の記載がございます。『ブラックホーク・ダウン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

しかしオリンピック・ホテル前で捕虜と負傷者をトラックに収容していた、デルタフォースとマクナイト率いるハンヴィーが、民兵からの襲撃を受けてしまいます。マクナイト率いるハンヴィーは、デルタフォースと墜落現場で落ち合うと約束し、二手に分かれその場を立ち去りました。

エヴァーズマンの元に帰還した班員とはぐれてしまったグライムズは、デルタフォースの古参兵ジェフ・サンダーソン一等軍曹はじめ、デルタフォースの他数名と行動を共にすることに。

マクナイトたちは航空支援を受けながら、墜落現場へ向かおうとしますが、次から次へと湧いて出て来る民兵に集中砲火を浴びせられ、死傷者が続出する一方でした。

同じくスティール率いる部隊も負傷者が続出してしまい、建物に避難してハンヴィーによる回収を待つことに。やがてサンダーソンたちはスティール率いる部隊と合流すると、すぐにその場を移動し、墜落現場へ向かいます。

一方その頃、墜落現場に到着したSOARによると、パイロットは2人とも戦死し、米兵2人は負傷しているとのことでした。

そこでまず、到着したSOARのヘリ1機で米兵1人を救出し、基地へ運びます。他の救助ヘリが到着するまでの間、SOARの次に墜落現場に到着したエヴァーズマンたちが、群がる暴徒たちと戦い時間を稼ぐことにしました。

それから間もなく、捜索救難ヘリのスーパー68が到着。救難員ティモシー・A・ウィルキンソンと他1名の衛生兵が降下し、もう1人の米兵を救出しようとしますが、下手に動かすと死んでしまうほどの重傷を負っていたため、ヘリの中から身動きが取れなくなってしまいます。

この間、待機していたネルソンとトゥオンブリーは、自分たちを無視してハンヴィーが墜落現場に向かったのを見て、自らの足で墜落現場に向かうことにしました。

その道中、トゥオンブリーはネルソンの忠告を無視し、彼の耳元で銃を発砲。結果ネルソンは両耳が聞こえなくなってしまい、トゥオンブリーはジェスチャーと読唇術で読み取りやすいように工夫しながら、彼を誘導して墜落現場に向かうことに。そこへ、エヴァーズマンたちと途中ではぐれてしまったユーレクが合流します。

民兵の攻撃を受けて、離脱せざるを得なかったスーパー68の代わりに、スーパー64が負傷した米兵の救助に向かいましたが、民兵の攻撃を受けて墜落。

ガリソンは、別の場所に墜落したスーパー64のパイロットであるマイク・デュラント准尉の救出も、地上部隊へ新たに命令。デュラントの救出に買って出たのは、デルタフォースの狙撃兵ランディ・シュガート一等軍曹と、デルタフォースのゲイリー・ゴードンでした。


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

ガリソンは最初、シュガートたちの「このままヘリから降下し、ハンヴィーが来るまで地上で暴徒たちと戦う」という提案に反対でしたが、スーパー64の墜落現場に暴徒が殺到しようとしているのを受け、彼らの降下を許可。

ヘリから降下したシュガートたちは、足を負傷し身動きが取れなくなっていたデュラントを、スーパー64から引き摺りだすことに成功します。後はハンヴィーが来るまでの間、押し寄せてくる大勢の暴徒たちを掃討するだけでしたが、彼らの善戦もむなしく戦死。デュラントは民兵に捕まり、捕虜となってしまいました。

司令部から地上部隊を指揮するゲイリー・ハレル中佐を経由して、マクナイトにホールワディック・ロードに戻るよう、命令が下されます。

来た道を引き返すことになったマクナイトたち。しかしその道中で彼らは民兵の襲撃に遭い、割れたフロントガラスの破片により、マクナイトの部下マドックスが両目を負傷してしまいます。

もうマクナイトとトラックを運転する兵士たちしか、戦える者がいません。マクナイトはやむを得ず、前線基地へ撤退することにしました。

無事前線基地へ帰還したマクナイトたちと入れ替わりで、前線基地内で再編成されたストルッカー率いるハンヴィーが、墜落現場に向けて出動。しかし、バリケードや大勢の民兵によって道を塞がれてしまい、ストルッカーたちは徒歩で、墜落現場に向かう羽目になりました。

午後5時50分。バカラ・マーケットにいた民兵と暴徒たちは、神への祈りを捧げる時間が来たため、忽然と戦場から姿を消しました。

静まり返った戦場に残るエヴァーズマンたちと、レンジャーのディトマソたちの元に、サンダーソンたちが無事到着。さらにそこへネルソンたちが墜落現場付近に到着し、南西角にいるエヴァーズマンたちの元へ合流しようとします。

しかし、最後に走り出したトゥオンブリーが敵に見つかってしまい、それを助けようとしたスミスも右の太ももに被弾。エヴァーズマンはギャレンタインに命じて、司令部に救護ヘリを要請しましたが、却下されてしまいます。

一方、捕虜になったデュラントに対し、彼を捕まえた民兵の1人はこう語っていました。

「アイディード将軍がいなくなれば殺し合いが終わり、ソマリアがアメリカの民主主義に従うと思っているのか? この国では殺し合いこそが交渉だ」

数千の民兵に避難した建物を襲撃されたエヴァーズマンたち。そこへ、フート率いるデルタフォースが救援に駆けつけます。

ガリソンはこの時、街を制圧しなければ地上部隊が全滅すると危惧し、リトルバードで終夜、敵を掃射しろとSOARに命じました。

午後11時22分。ガリソンからの救援要請を受け、アメリカ陸軍のジョー・クリップス率いる第10山岳師団と、マレーシア軍とパキスタン軍で構成された国連部隊は、安全地帯のパキスタン・スタジアムから戦場へ出発。

デルタフォースが民兵と交戦しているおかげで、スミスの治療に再び取り掛かることが出来たエヴァーズマンたちでしたが、彼らの懸命な治療もむなしく、スミスは死んでしまいました。

スミスの死後、SOARが乗るリトルバードが、エヴァーズマンたちがいる場所の上空に到着。それを見たエヴァーズマンは、フートたちデルタフォースのサポートの元、民兵がいる建物の屋上に赤外線ストロボを設置します。

敵を視認できたリトルバードは、ミニガンでの一斉射撃を開始し、数千いた民兵の大半を掃討しました。

10月4日月曜日の午前2時5分、国連部隊がエヴァーズマンたちの元へ到着。ガリソンから「1人も残すな」という命令のもと、エヴァーズマンたちはヘリの中で残骸に挟まれ、搬出が困難になっていた米軍兵士やパイロットの遺体を回収していきます。


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

午前5時45分。遺体の収容と部隊の合流が終わり、国連部隊は救出した地上部隊と一緒に戦場から撤退していきます。

装甲車両の搭載容量に空きがないため、動ける一部のレンジャー部隊とデルタフォースは、国連部隊の後ろを徒歩で着いていくことに。

しかし、国連部隊は戦地から一刻も早く脱出したい一心からか、どんどん速度を上げていってしまい、民兵と戦いながら走る彼らを置き去りにしてしまうのです。

置いていかれたエヴァーズマンたち一部のレンジャー部隊と、フートたちデルタフォースはひたすら走り続け、自力でバカラ・マーケットを脱出。また反アイディード派であろう民衆に歓迎され、彼らは無事パキスタン・スタジアムに辿り着くことが出来ました。

国連平和維持軍の拠点であるからか、医療設備が整ったパキスタン・スタジアム。足を負傷したグライムズや、重傷を負ったスティールの部下ロレンゾ・ルイス三等軍曹を含む、多くの負傷者が治療を受けることができ、一命を取り留めることが出来ました。

それでもまだ、捕虜になったデュラントや、シュガードたちの遺体が回収できていません。そのため、仲間の遺体と捕虜を取り戻すための再出発の準備が行われることに。

再出発の準備を行うフートは、心身共に疲弊したエヴァーズマンに、また戦場に戻るのかと問われ、こう答えました。

「故郷に戻ると皆に聞かれる、“お前は何故戦う? 戦争中毒なのか?”と。俺は何も答えない、連中には何故俺たちが戦うのか分からないからだ」

「俺たちは、一緒に戦う仲間のために戦っているんだ」……フートは捕虜にされた仲間、奪われた仲間の遺体を取り戻すべく、スティールや他のレンジャー隊員たちと共に戦場へ戻っていきました。

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映画『ブラックホーク・ダウン』の感想と評価


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米軍特殊部隊100人vs数千のアルディード派民兵

内戦が続くソマリアを舞台に繰り広げられた、米軍特殊部隊100人と、数千のアルディード派民兵による戦争。

あちらこちらで火花が散り、機関銃やRPG-7が飛び交い、砂煙と瓦礫の破片が舞い、そして血が流れる激しい銃撃戦からは、スリルを通り越して戦場という空間が一体どのようなものかが生々しく伝わってきます。

レンジャーとデルタフォースによる地上部隊と、航空支援をするSOARは兵士1人1人が強いのですが、それでも次から次へと現れる数千の民兵と暴徒には、苦戦を強いられてしまいます。

「時間が経てば経つほど、死傷者は増えていく」という至極当然の、しかし忘れがちな戦争の恐ろしさを体感させられ、仲間の死を悲しんでいる暇もなく戦い続ける米兵の姿は、観ているだけで辛く悲しいです。

中でもデルタフォースのシュガードとゴードン、デュラントの3人だけで戦う場面は、大勢の敵に襲われ撃たれ、死んでもなお攻撃され続ける姿に背筋が凍りくほどの恐怖を感じます

それでも深夜、国連部隊と前線基地からの援軍が駆けつけ、戦場に取り残されたエヴァーズマンたちが無事戦場から脱出できた場面には、悲しみと同時にやはり心を震わされます。

米軍特殊部隊の強い絆


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数千のアルディード派の民兵と暴徒たちと戦った、エヴァーズマンたち米軍特殊部隊約100名。激しい銃撃戦が繰り広げられる中、戦場で彼らが見せたのは「仲間」への想いです。

ヘリからの降下中に負傷したブラックバーンも、敵に撃たれてしまったスミスやルイスも皆、エヴァーズマンたちをはじめ仲間に見捨てられることは最後までありませんでした。

負傷した仲間も、死んでしまった仲間も誰1人見捨てない。それは戦場という空間において、敵兵という存在以上の脅威といえる「死」という絶対的な恐怖へ共に立ち向かう故に生じる、家族や友人以上に強い絆がもたらす想いなのかもしれません。

そして映画のラストでは、せっかく安心安全の場所に辿り着いたにもかかわらず、フートとスティールたちレンジャーは、捕虜にされた仲間や戦場で命を落とした仲間の遺体の奪還に向け再出発します。

最後まで徹底して「仲間」を想う信念は、戦場に氾濫する残酷や無情とは対極のものであり、兵士たちが「英雄」ではなく「人間」として戦い続けるためには不可欠なものといえます。

まとめ


(C)2001 Revolution Studios Distribution Company, LLC and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.

内戦が続くソマリアを舞台に繰り広げられる米軍特殊部隊約100名と、独裁者アルディードとアルディード派の数千の民兵による市街戦を描いた、アメリカの戦争アクション作品でした。

本作の見どころは、米軍特殊部隊100人vsアルディード派の数千の民兵と暴徒による市街戦と、米軍特殊部隊の「仲間」への想いです。

また本作のエンドロールでは、作中で描かれた作戦の「その後」が描かれています。

のちに「モガディシュの戦闘」と呼ばれたバカラ・マーケットでの戦いによって、ソマリア人1,000人以上、米軍兵士19人が死亡。戦場で命を落としたシュガードとゴードンは死後、ベトナム戦争以後初となる名誉勲章が授与され、捕虜となったデュラントは11日後に解放されました。

当時のアメリカ合衆国の大統領ビル・クリントンは、ソマリアから米兵を完全撤退を決定。アイディードも1996年8月2日に戦死し、その翌日には強襲作戦の全責任を引き受けたガリソンが退役しました。

仲間を誰1人として見捨てない、米軍特殊部隊のソマリアの内戦介入を描いた、戦争アクション映画が観たい人にとてもオススメな作品です。






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