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チョッとだけツウ好みな映画WEBマガジン【Cinemarche:シネマルシェ】
映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche(シネマルシェ)」で掲載している最新情報をまとめてご紹介!
☆今週末12月13日(金)14日(土)に劇場公開を迎える新作映画のオススメ情報。
★注目の映画人インタビューは、イラン映画『ある女優の不在』に出演した女優のべーナズ・ジャファリさんに新作映画に込めた思いを伺いました。
☆プレゼントは、アニメーション映画『ディリリとパリの時間旅行』斎藤工らサイン入りプレスシート、イーストウッド監督作『リチャード・ジュエル』一般試写会、R-18指定映画『性の劇薬』プレミア試写会、『前田建設ファンタジー営業部』一般試写会、『転がるビー玉』完成披露試写会、そして『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』クリアファイルプレゼントと盛りだくさん。
★Cinemarche編集部のつぶやきは「写真家・奈良原一高」についてなど、盛りだくさんの内容でお届けします。
CONTENTS
今週末【12月13日(金)公開】のおすすめ映画
『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』(KADOKAWA)
郵便配達員の男が33年もの歳月をかけ、たった独りで完成させた手作りの宮殿「シュヴァルの理想宮」の実話を映画化。
『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』で知られるニルス・タベルニエ監督と、主演のジャック・ガンブランが再タッグを組みました。また『ゲンスブールと女たち』のレティシア・カスタが主人公の妻役を務めています。
映画の撮影では、フランスに実在する理想宮において、ほぼ全編に渡りロケ撮影を敢行。アートに関心のある方には必見の作品です。
映画ライター:松平光冬イチオシ感想レビュー!
『パリの恋人たち』(サンリス)
フランスの名匠フィリップ・ガレルの息子で、『ドリーマーズ』『グッバイ・ゴダール!』などで知られたルイ・ガレルが監督・主演を務めた映画『パリの恋人たち』。
パリを舞台に、1人の男と2人の女が織り成す不器用な恋の行方を描いた、フランスらしいコミカルなラブストーリーです。
また、実生活でもルイ・ガレルのパートナーであるレティシア・カスタがマリアンヌ役を演じ、『プラネタリウム』のリリー=ローズ・デップがイヴ役を務めています。
第66回サンセバスチャン国際映画祭で脚本賞を受賞した作品で、フランス映画ファンにはオススメの作品です。
映画ライター:石井夏子イチオシ映画紹介!
『再会の夏』(コムストック・グループ)
『画家と庭師とカンパーニュ』で知られるジャン・ベッケル監督が、フランスの作家ジャン=クリストフ・リュファンのベストセラー歴史小説を映画化。
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、主人を待ち続ける1匹の犬と勲章をめぐるストーリーを、美しい田園風景とともに描いた作品。
『最強のふたり』のフランソワ・クリュゼがランティエ少佐役を演じ、『ダリダ あまい囁き』のニコラ・デュボシェルがモルラック役を務めています。
原作モノの映画化作品、何より犬が好きな映画ファンにはオススメの作品です。
映画ライター:石井夏子イチオシ映画紹介!
今週末【12月14日(土)公開】のおすすめ映画
『つつんで、ひらいて』(マジックアワー)
監督デビュー作『夜明け』で知られる広瀬奈々子監督が、ブックデザイン界の第一人者である菊地信義を追ったドキュメンタリー映画。
ブックデザイナーの菊地信義は、独立から40年が経ち、これまでに中上健次や俵万智などの著作をはじめ、1万5000冊以上の書籍の装幀を手がけてきました。
是枝裕和監督や西川美和監督の下で助監督を務めてきた広瀬監督が、3年間に渡り撮影し完成させました。
先に行われた東京フィルメックス2019にて「スペシャル・メンション」を受賞した注目の作品です!
注目の映画人【ベーナズ・ジャファリ】
『ある女優の不在』主演のベーナズ・ジャファリさん
過去・現在・未来の3つの時代を象徴する三人の女優の姿を通じて、イランにおける映画または芸術における表現の自由、「女優」そして「女性」の人生を描いた、ジャファル・パナヒ監督の映画『ある女優の不在』。
このたび、先に華やかに開催され、盛況のうちに閉幕した東京フィルメックス2019では審査員も務めた、本作の主演女優ベーナズ・ジャファリさんにインタビューを行いました。
イラン国内にて舞台・テレビ・映画と幅広い分野で活躍する人気女優の彼女に、映画『ある女優の不在』への出演経緯や、イラン映画界とそこで生きる女優たちの実情、それでも絶やすことのない“希望”についてなど、貴重なお話を伺いました。
12月劇場公開の掲載インタビュー
ユーロスペースにて公開中の映画『漫画誕生』
12月21日(土)からは名古屋シネマテークでの公開も決定(初日16時の回終了後、大木萠監督による舞台挨拶あり)
ユーロスペースにて公開中の映画『漫画誕生』主演のイッセー尾形さん
12月6日(金)より劇場公開『魔法少年☆ワイルドバージン』主演の前野朋哉さん
12月6日(金)より劇場公開『ゴーストマスター』ヤングポール監督と主演の三浦貴大さん
12月13日(金)より劇場公開『ある女優の不在』主演のベーナズ・ジャファリさん
12月20日(金)より劇場公開『テッド・バンディ』ジョー・バリンジャー監督
12月21日(土)より劇場公開『サイゴン・クチュール』グエン・ケイ監督
12月27日(金)より劇場公開『だれもが愛しいチャンピオン』ハビエル・フェセル監督
ドラマ作品(DVD-BOX発売記念)の特別掲載インタビュー
10月25日(金)DVD-BOX発売記念・ドラマ『ヴィレヴァン!』主演の岡山天音さんと最上もがさん
映画祭関連の掲載インタビュー
東京フィルメックスに登壇したオリヴィエ・アサイヤス監督
東京国際映画祭「アジアの未来部門」上映『ファストフード店の住人たち』主演のアーロン・クォックさん
東京国際映画祭「コンペティション部門」上映『湖上のリンゴ』レイス・チェリッキ監督
東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」作品賞『 i -新聞記者ドキュメント-』森達也監督
TIFF「日本映画スプラッシュ部門」上映『猿楽町で会いましょう』児山隆監督
東京フィルメックス「コンペティション部門」上映『波高』パク・ジョンボム
東京フィルメックス「コンペティション部門」観客賞『静かな雨』中川龍太郎監督
東京フィルメックス「特別招待作品」上映『HHH:侯孝賢』オリヴィエ・アサイヤス監督
2020年掲載予定のインタビュー
2020年1月10日(金)より劇場公開『シライサン』安達寛高監督
2020年1月10日(金)より劇場公開『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』クリス・フォギン監督
2020年1月11日(土)より劇場公開『あの群青の向こうへ』廣賢一郎監督
2020年1月17日(金)より劇場公開『コンプリシティ/優しい共犯』近浦啓監督
2020年1月18日(土)より劇場公開『東京不穏詩』アンシュル・チョウハン監督と主演の飯島珠奈さん
2020年1月24日(金)より劇場公開『his』今泉力哉監督
2020年1月31日(金)より劇場公開『転がるビー玉』主演の萩原みのりさん&吉川愛さん&今泉佑唯さん
2020年2月7日(金)より劇場公開『静かな雨』中川龍太郎監督と主演の仲野太賀さん&衛藤美彩さん
2020年2月14日〔金)より劇場公開『グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇』成島出監督
2020年2月22日(金)より劇場公開『恋恋豆花』主演のモトーラ世里奈さん
2020年2月28日(金)より劇場公開『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』ビー・ガン監督
12月おすすめ新着動画配信
2019年の上半期に注目された映画『パピヨン』、早くも動画配信!
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無料トライアル期間が31日間設定されており、この期間に解約をすれば料金は一切かかりません。
また、U-NEXTをおすすめする最大の理由として、無料登録時に600ポイントをもらえることが挙げられます。
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さらに、U-NEXTは映画だけではありません。
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なお、U-NEXTの場合はアカウントページの【解約】ボタンを押せば解約可能と非常に分かりやすい作りとなっているので、その点も安心ですね!
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お隣さんが連続殺人鬼?80年代の映画への熱いオマージュと青春ホラー
早くも登場、ウエスタンだからこそのサスペンス!
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映画プレゼント情報
【斎藤工らサイン入りプレスシートプレゼント】
『ディリリとパリの時間旅行』(チャイルド・フィルム)
『キリクと魔女』『アズールとアスマール』『夜のとばりの物語』など、アニメーションで独特の美しい世界を表現する、フランスの鬼才ミッシェル・オスロ監督。
そんなオスロ監督の最新作として2019年8月に日本公開を迎えた『ディリリとパリの時間旅行』が、2020年1月22日(水)にブルーレイ&DVDの発売およびレンタルが同時開始されます。
本作のブルーレイ&DVD発売を記念し、Cinemarche読者3名様にミッシェル・オスロ監督、日本語吹き替えキャストの新津ちせ、斎藤工のサイン入りプレスシート(非売品)をプレゼントいたします!
【一般試写会プレゼント】
『リチャード・ジュエル』(ワーナー・ブラザース映画)
『アメリカン・スナイパー』(2014)、『ハドソン川の奇跡』(2016)、『15時17分、パリ行き』(2018)、『運び屋』(2018)と、実話を基に“衝撃の真実”を描いてきたクリント・イーストウッド監督最新作『リチャード・ジュエル』が、2020年1月17日(金)より日本公開となります。
アカデミー賞俳優サム・ロックウェル、キャシー・ベイツらを迎えて贈る本作は、爆破テロ事件の容疑者と、真実を追う弁護士を描く実話を映画化した作品です。
劇場公開に先立ち、東京港区のニッショーホールで2020年1月7日(火)に開催される一般試写会へ20組40名様をご招待いたします!
【完成披露試写会プレゼント】
『転がるビー玉』(パルコ)
映画『転がるビー玉』は2020年1月31日(金)よりホワイトシネクイントにて先行公開、2月7日(金)より全国順次ロードショーされます。
本作のメインキャストは、吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯、監督・脚本は、映画『黒い暴動』、『サラバ静寂』、そして2019年12月に『魔法少年☆ワイルドバージン』の公開された宇賀那健一が務めました。
2020年1月14日(火)に開催される豪華キャスト&監督登壇の完成披露試写会に5組10名様をご招待いたします!
【プレミア試写会プレゼント】
『性の劇薬』(フューチャーコミックス)
2020年2月14日(金)より全国順次公開されるR-18指定映画『性の劇薬』。
原作は、水田ゆきによる累計販売数100万ダウンロードを超える大ヒットBL電子コミックです。
「性」によって「生」の意味を見つけるというストーリーで、重要となる性描写を余すところなく実写化するため、映画化にあたってR-18指定での制作を決断。
監督は、濃厚な性愛シーン演出と卓越したストーリーテリングで映画ファンから熱烈な支持を受ける城定秀夫。
劇場公開に先駆け、2020年1月31日(金)に実施される『性の劇薬』プレミア試写会に、18歳以上のCinemarche読者5名様をご招待します。
【一般試写会プレゼント】
『前田建設ファンタジー営業部』(バンダイナムコアーツ、東京テアトル)
映画『前田建設ファンタジー営業部』は2020年1月31日(金)より全国公開。サラリーマンたちの熱き戦いを描く「実話」から生まれた積算エンターテイメントです。
主演に高杉真宙、共演に上地雄輔、岸井ゆきのなど、今、最もノリに乗っている個性豊かな豪華キャスト陣が揃いました。
映画『前田建設ファンタジー営業部』の劇場公開に先立ち、東京港区のニッショーホールで2020年1月8日(水)に開催される一般試写会へ10組20名様をご招待いたします!
高杉真宙ファンの新春お年玉的なプレゼント、ぜひ奮ってご応募ください。
【クリアファイルプレゼント】
『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』(アルバトロス・フィルム)
日本でも大好評を博した『輝ける人生』(2017)の製作チームが、イギリスで活躍している実在の漁師バンド“フィッシャーマンズ・フレンズ”の実話を基に映画化した『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』。
映画『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』は2020年1月10日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて劇場公開されます。
映画の公開を記念して、本作のオリジナルクリアファイルを抽選で5名様にプレゼントいたします。
編集部のつぶやき「写真家・奈良原一高」
世田谷美術館・入口の展覧会告知ポスター
戦後、長きに渡り写真家の旗手として活動を続けて来た奈良原一高。彼の展覧会が「奈良原一高のスペイン―約束の旅」と銘打ち、東京・世田谷美術館にて11月23日〜2020年1月26日まで開催中です。
今回の展覧会は、これまで、あまり取り上げられることのなかった1960年代のシリーズ「スペイン 偉大なる午後」を中心に構成されたもので、写真家・奈良原の一端が理解できる作品群です。
奈良原の作品を理解する鍵となるのは、ひとことで言えば「対比」。
1枚の写真に切り取られたフレーム内に見られる「対比的な構図」、またシリーズ写真の「複数枚によって構成された対比」。そして作品意図として「異なる被写体を対比企画」したもの。
または、奈良原の写真集「スペイン 偉大なる午後」などのデザインを手がけた、グラフィックデザイナーの勝井三雄と奈良原による1960年代らしいコラボ作品も、「実験的な作家がぶつかり合う対比」という視点で鑑賞すると面白いかもしれません。
そして今回の展覧会で、美術館の第一室に展示されたシリーズ「ヨーロッパ・静止した時間」(1967)と、会場の中央からメインとして展示されたシリーズ「スペイン 偉大なる午後」(1969)の比較を試みて見ると。
前者はまるで版画のように作り込まれた構図で、モノクロームも重厚さがある。それは戦後ヨーロッパの孤独なのかもしれないが、奈良原自身が“自己を見つめ直した孤独”なのではないだろうか。被写体としての人の姿は少なく、静寂の匂いが強い。
それに対して後者では、スペインにおける闘牛や祭りなど人間たちの活気が溢れる作品だ。前者に比べるとルポルタージュ写真にも見える作品群は、旅行者である異邦人の奈良原が、現地の人々とコミュニケーションを図った痕跡が多々見られる。
しかし、この2つのシリーズを対比して見た時に、「静と動」という解釈のみならず、炭鉱の町であった大牟田の出身である奈良原の「石」へのアイデンティティも読み取るべきなのだろう。
しかも、前者のシリーズに写真にあった「石畳」と対比するなら、後者のシリーズでフレームに大写しで撮影された老婆の顔は、“魅力的”という意味で「石畳」にしか見えない。
それだけでも見る価値があり、知る価値もある展示だ。またデザイナー勝井とのコラボが見られるのも興味深い。
その上で2つのシリーズを総括するなら、対照的な作品だと考えがちではあるが、“奈良原の寂しさ”は一貫している。彼は異邦人だからだ。その証を述べるとするならば、後者のシリーズタイトルはスペイン語で“サヨウナラ”と付けられた宿命を持っているからだ。
「奈良原一高のスペイン―約束の旅」の開催概要
【会期】2019年11月23日~2020年1月26日
【会場】世田谷美術館 1階展示室
【住所】世田谷区砧公園1-2
【TEL】03-3415-6011
【開館時間】10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
【休館日】月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日休館)、12月29日〜1月3日
【料金】一般 1000円 / 65歳以上 800円 / 大学・高校生 800円 / 中・小学生 500円