Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2019/05/07
Update

『町田くんの世界』の映画監督 石井裕也プロフィール。過去作の評価と紹介も

  • Writer :
  • 谷川裕美子

第20回手塚治虫文化賞・新生賞を受賞した安藤ゆきの同名マンガ『町田くんの世界』を実写化した青春映画が2019年6月7日に公開されます。

監督は、『舟を編む』で史上最年少の30歳で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した天才・石井裕也

主演には1000人のオーディションを勝ち抜いた新人・細野佳央太(ほそだ かなた)と関水渚(せきみず なぎさ)。

そのほか岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子という驚愕の豪華キャストが共演しています。

この記事では、本作を生み出した天才・石井裕也監督について詳しくお伝えしていきます。

映画『町田くんの世界』の作品情報


(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
安藤ゆき『町田くんの世界』(集英社)

【監督】
石井裕也

【キャスト】
細野佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子

【作品概要】
運動も勉強もできないけれど、すべての人を分け隔てなく愛することのできる才能を持つ主人公・町田くん。しかし、人嫌いな少女・猪原さんと出会うことで、初めて「わからない感情」と向き合うようになります。

周囲の人々を巻き込んで、町田くんが大騒動を起こすハートフル・ストーリーです。

1000人のオーディションを勝ち抜いた新人の細野佳央太と関水渚が主演を務めます。

脇を固めるのは9人の驚愕の豪華俳優陣。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子といった、主役級キャストが共演します。

監督は『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞最優秀監督賞を史上最年少の30歳で受賞するという快挙を成し遂げた天才・石井裕也が務めます。

映画『町田くんの世界』のあらすじ


(C)安藤ゆき/集英社 (C)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

運動も勉強苦手で見た目も地味。何も取り柄のないように見える町田くんには、すべての人を分け隔てなく愛せるというずば抜けた才能がありました。

困った人を常に助け、関わった人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力を持っています。

そんな彼の前に現れた女子・猪原さんは人嫌いで、これまでの人とは違っていました。

「わからない」という感情を初めて味わう町田くんですが、父親に言われた「わからないことから目を背けてはいけない」という言葉を胸に、その答えを求めていき…。

映画『町田くんの世界』監督は石井裕也

参考映像:『舟を編む』(2013)

映画『町田くんの世界』の監督を務めたのは石井裕也。

1983年6月21日の35歳(2019年5月現在)で、埼玉県出身です。妻は女優の相楽樹。

7歳の時に母親を亡くしたことから、幼い頃から生と死に対する意識を強く感じていたそうです。

生きる実感を感じられるのが映画を撮ることであることに行きつき、大阪芸術大学進学後は映画制作のためにバイトで資金を稼いでは作り続けてきました。

2005年に『剥き出しにっぽん』を卒業制作として監督し、第24回そつせい祭グランプリ受賞。2007年には第29回ぴあフィルムフェスティバルでもグランプリを受賞します。

2008年に第37回ロッテルダム国際映画祭で、『剥き出しにっぽん』のほか、京都国際学生映画祭・TAMAシネマフォーラム・ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にノミネートされた『反逆次郎の恋』、『ガール・スパークス』『ばけもの模様』の計4作品が選出され、特集上映されました。

ほとんど知られていない新人監督の自主製作作品が上映されるという異例の待遇への前評判から、チケットは完売。

その後、続けて第32回香港国際映画祭でも長編4作品が特集上映されました。

さらにアジア・フィルム・アワードでは、第1回『エドワード・ヤン記念』アジア新人監督大賞を受賞。

2009年公開の『川の底からこんにちは』は、第60回ベルリン国際映画祭に正式出品され、モントリールオールファンタジア映画祭で作品賞受賞。商業映画デビュー作にして第53回ブルーリボン賞監督賞を史上最年少28歳で受賞します。

2013年公開の『舟を編む』は、史上最年少30歳で第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表に選出され、第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、芸術選奨新人賞など国内映画賞も多数受賞しています。

初期から家族に向き合った多くの作品を生み出してきましたが、2014年には余命宣告された母を救おうとする物語『ぼくたちの家族』を制作。

続けてカナダの日系人野球チームを描いた『バンクーバーの朝日』を監督。

2017年石井自身が物語を作った、東京にひっそりと生きる男女の物語『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が第91回キネマ旬報ベストテン 日本映画ベスト・テン第1位を獲得

同年、舞台『宇宙船ドリーム号』で舞台演出に初挑戦しました。

2010年に女優の満島ひかりと結婚しましたが、2016年に離婚。2018年に女優の相楽樹と再婚し、第1子が誕生しています。

石井裕也の演出の評価

参考映像:『川の底からこんにちは』(2009)

今もっとも世界中から新作が期待される監督・石井裕也。

高校時代にすでに映画監督になることを決意し、ずっと制作し続けてきたため、若くして10年以上のキャリアを持ちます。

観客の想像力に委ねられる作品を作り、多くの人たちの支持を得ています。

その才能は、世界でも高く評価されており、アジア・フィルム・アワードでは第1回『エドワード・ヤン記念』アジア新人監督大賞を受賞。

映画監督として食べていけるか」と考え、20歳位の頃は「海外の映画賞で賞を獲ればいいのではないか」と思っていたそうです。

そのため、撮り始めて数年間は、海外の観客を意識した作品作りをしてきたとのこと。

日本の観客に向き合って撮ろうと思い始めた作品、2009年『川の底からこんにちは』は第60回ベルリン国際映画祭に正式出品され、モントリールオールファンタジア映画祭で作品賞受賞。商業映画デビュー作にして第53回ブルーリボン賞監督賞を史上最年少28歳で受賞します。

2013年『舟を編む』は、史上最年少30歳で第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表に選出され、第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、芸術選奨新人賞など国内映画賞も多数受賞。

自分の作った作品は大好きだという石井裕也。どの作品にもこめている熱量は同じなので、世の中の評価によって愛情が変わることはないと語っています。

石井裕也の公式SNSの紹介

残念ながら石井裕也の公式SNSはみつけられませんでした。

まとめ

世界中から最も新作を期待されている天才監督・石井裕也が、初めて少女マンガ原作作品を取り上げた『町田くんの世界』。

主人公二人には、これまで演技経験がほとんどない新人の細田佳央太と関水渚が大抜擢されています。

新人二人の脇を固めるのは、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子といった超豪華俳優たち。

世界中から新作をもっとも期待されている天才・石井裕也監督が、”まっしろ”な新人の二人と、奇跡の顔合わせとも言える豪華キャストと共に、新しい日本映画を生み出しています。

青春ハートフル・ドラマ『町田くんの世界』は2019年6月7日より全国ロードショーです。


関連記事

新作映画ニュース

【大阪アジアン映画祭2021】オープニングは『映画をつづける』/クロージングは『アジアの天使』に決定!

オープニング作品とクロージング作品が発表! 2021年で16回目を迎える大阪アジアン映画祭。この度、オープニング作品とクロージング作品が発表されました。 オープニング作品に、香港映画界の巨匠、アン・ホ …

新作映画ニュース

映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』あらすじ。公開日は2020年2月8日と決定のアレックス・プロヤスのデビュー作

“日本人の心に残り続けた”幻のファンタジー映画。 アレックス・プロヤス監督の“失われた傑作”が30年の時を越えてデジタル・リマスター版で日本に帰ってきます。 ©1988 COMPANY BIZARRE …

新作映画ニュース

アカデミー賞オスカー授与はシリーズ初。映画『スパイダーマン:スパイダーバース』が快挙

『スパイダーマン:スパイダーバース』長編アニメーション賞受賞!! 全米初登場第1位を獲得し、各国メディアから「スパイダーマン映画史上、最高傑作!」と空前の大絶賛を受けた新たなるスパイダーマンの誕生を描 …

新作映画ニュース

映画『名もなき歌』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。実話事件を基に衝撃のドラマを描く!

カンヌ国際映画祭2019の監督週間で注⽬を集め、 アカデミー賞2020では国際映画賞・ペルー代表に選出。 ペルーの新鋭メリーナ・レオン監督が実際に起きた事件を基にした衝撃のドラマを描き出しました。 ( …

新作映画ニュース

映画『ラストムービー』キャストと監督をデニス・ホッパーが務めた怪作!予告編とメインビジュアルが解禁

ハリウッドの異端者にして鬼才、デニス・ホッパーによる革命的傑作が31年ぶりの劇場公開。 『イージー★ライダー』製作50周年にあたる2019年、1988年以来31年ぶりの公開が決定したデニス・ホッパー監 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学