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Entry 2021/08/26
Update

映画『マディソン郡の橋』ネタバレ結末感想とあらすじ評価解説。大人のラブストーリーをイーストウッド演出×メリルストリープの演技で紐解く

  • Writer :
  • 山田あゆみ

4日間の運命の出会いを描く名作ラブストーリー『マディソン郡の橋』!

『マディソン郡の橋』は、アメリカのアイオワ州の田舎町に住む主婦と、そこへ訪れた写真家との不倫関係の4日間をラブストーリーとして描いています。

クリント・イーストウッドが監督・製作を務め、メリル・ストリープとともに主演を務めました。

たった4日間の、中年の男女の恋愛。家族を捨てて彼と新しい生活をするのか、彼と別れて今まで通りの生活に戻るのか……女性にとって究極の選択を迫られる大人のラブストーリーです。

本作は1995年の作品ですが、今でも多くの人の心に残る名作として知られています。「不倫」を題材として描きながらもなぜ多くの人の共感と感動を呼んだのか、その理由を解説していきます。

映画『マディソン郡の橋』の作品情報


TM & (C)Warner Bros. Entertainment Inc.(s06)

【日本公開】
1995年(アメリカ映画)

【原作】
ロバート・ジェームズ・ウォラー

【監督】
クリント・イーストウッド

【キャスト】
クリント・イーストウッド、メリル・ストリープ、アニー・コーレイ、ヴィクター・スレザック、ジム・ヘイニー、サラ・キャスリン・シュミット、クリストファー・クルーン、ミシェル・べネス

【作品概要】
主演を務めたメリル・ストリープは本作で、アカデミー賞主演女優賞にノミネート。彼女はアカデミー賞に歴代最多21回ノミネートされ、ゴールデングローブ賞は8回受賞している誰しもが認める名女優のひとりです。

ロバート・ジェームズ・ウォラーの同名ベストセラーを原作に、クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務めた本作。また共同製作者として、アメリカの名プロデューサーのひとりであるキャスリーン・ケネディが関わっており、彼女は『E.T.』(1982)や『シンドラーのリスト』(1993)『ジュラシック・パーク』(1993)などスティーブン・スピルバーグ作品など数々の作品のプロデュースや製作総指揮を務めています。

脚本は、『フィッシャー・キング』(1991)の脚本や『P.S.アイラヴユー』(2007)の監督兼脚本のリチャード・ラグラヴェネーズ。また撮影を務めたジャック・N・グリーンは『許されざる者』(1992)でもイーストウッドとともに仕事をし、アカデミー賞撮影賞にノミネートされています。

映画『マディソン郡の橋』のあらすじとネタバレ


TM & (C)Warner Bros. Entertainment Inc.(s06)

1989年の冬、フランチェスカという女性が亡くなりました。彼女の死後、娘キャロリンと息子マイケルは弁護士立会いの下、遺品整理のために実家へと向かいました。

遺品整理を進める中、母フランチェスカが「自身の遺体を火葬し、ローズマン橋から遺灰を撒いてほしい」と遺言を残していたことに、キャロリンとマイケルは驚きます。彼女の家系は代々土葬であり、フランチェスカの夫も土葬により墓へ眠っているからです。

また、遺品の中に手紙があるのを見つけたキャロリンは、母にはかつて大恋愛をした思い出があり、そこに火葬にしてほしい理由があることを知ります。そしてマイケルと二人で、その手紙と母が書き残した日記を読み始めました。

フランチェスカが恋をした相手は、「ナショナルジオグラフィック」のカメラマンとして活動するロバート・キンケイドでした。

二人の出会いは、1965年の秋。州祭りで行われる子牛の品評会へ夫と子どもたちが出かけ、フランチェスカは4日間を一人きりで過ごすことになった中、仕事のためにロバートは町へやって来ました。

フランチェスカが暮らす町にあるローズマン橋を撮りに来たロバートは、フランチェスカの家に偶然立ち寄り、橋への道順を尋ねました。説明をしたもののうまく伝えられないフランチェスカは、結局車に同乗して彼を案内することにしました。

車中で2人は、故郷の話などをしました。フランチェスカの故郷イタリアのバリという小さな町に、ロバートもかつて行ったことがあるという話に盛り上がります。

橋に到着し、カメラテストをするロバート。ロバートは花を摘んでフランチェスカにプレゼントします。その花は毒草だと冗談を言ったり、打ち解けていく二人。家に戻り別れを告げたものの、フランチェスカはアイスティーを一緒に飲まないかと誘いました。

アイスティーを飲みながら、ふたりで様々な話をします。フランチェスカの娘は16歳で、息子は17歳。二人はもう子供でなく、様々なことが変わっていくことが怖いと彼女は話します。

夫も非常にまっとうで、優しく誠実な人だとロバートに言うフランチェスカ。しかしその一方で、夫のリチャードに連れられてアイオワへやってきたことについて、少女のころ抱いていた夢ではないと語ります。

すると、ロバートは「昔の夢は良い夢。かなわなかったがいい思い出」と、以前思いついたというフレーズを話して、共感を伝えます。フランチェスカはその言葉を噛み締めるように聞いていたのでした。

街のモーテルに泊まるというロバートを、フランチェスカは夕食に誘います。

庭で水浴びをするロバートの姿に、思わず見とれてしまうフランチェスカ。ピアスを着けて、食事の準備を始めます。そして夫とは違い、食事の準備を手伝うロバートに驚きつつも、二人は一緒に支度を進めます。

夕食の時、フランチェスカは教師の仕事を妊娠をきっかけに辞めなければいけなかった過去を、ロバートは仕事で行ったアフリカの素晴らしさを話しました。善悪が存在しない、自然のままの姿。傍観者の天国だと言うロバートに、行ってみたいと言うフランチェスカ。

やがてロバートの提案で外に散歩に出た2人でしたが、フランチェスカは落ち着かなくなり、家に戻ってブランデーかコーヒーを飲もうと誘います。罪悪感で戸惑っているフランチェスカに対し「何も悪いことはしていない。子供にも話せる」とロバートは伝えます。二人は一緒にブランデーを飲みました。

今は亡き母フランチェスカの秘密を読み進めていく、娘のキャロリンと息子マイケル。キャロリンは自分の夫は浮気をしているが別れられないのだと、マイケルに打ち明けます。

時は再び1965年へ。旅をすることが自分の人生だと悟り、離婚を経験したと語るロバート。世界中に友達がいるから立ち寄れるという彼の話に、フランチェスカは女性もいるのかと尋ねます。ロバートは「自分は僧侶ではない」とだけ答えました。

ひとりで生きることが寂しくないのかと尋ねるフランチェスカ。ロバートは自分でも謎だが、離婚したことに後悔はないと話します。

アメリカ人には家族礼賛の倫理がしみ込んでいるのだと言うロバートに対し、無理に結婚したわけではないし、アフリカを知らなくても生きていけると言い返すフランチェスカ。しかし、思わず「離婚もできる?」と尋ねてしまったロバートに彼女は怒ってしまいました。

お互いに気まずい空気の中で二人は別れます。ロバートは「あなたは単純じゃない」と言い残して帰っていきました。

寝支度をしてW・B・イェーツの本を手に取り、玄関先で風にあたるフランチェスカ。その後、彼女は「白い蛾が羽を広げるころ、また夕食にどうぞ。お仕事が終わった後、何時でも構いません」というロバート宛ての置き手紙をローズマン橋に置いて家に帰りました。

翌朝、ローズマン橋で置き手紙を見つけたロバートはフランチェスカに電話をし、ホリウェル橋の撮影に誘います。喜んで行くと言って、フランチェスカは電話を切ります。

夕食の買い出しの後、ドレスを買いにお店に入るフランチェスカ。どれにしようか迷いながらショッピングします。一方のロバートは、不倫をして村八分にされているルーシーにレストランで偶然会います。街の人々のあまりの冷たさに驚き、車で一人泣き続けるルーシーの姿を見て、もう一度ロバートはフランチェスカに電話をします。

二人で会うことがまずいなら、やめても良いと話すロバート。フランチェスカはそれでも会いたい、そのあとのことはなりゆきに任せようと答えました。

ホリウェル橋で会った二人。ロバートははにかむフランチェスカの写真を撮ります。

家に帰り、お互いがそれぞれお風呂に入ります。数分前にロバートが汗を流した浴室でぼんやりとするフランチェスカ。上がってから、昼間に買ったドレスに着替えます。

フランチェスカのドレス姿に息をのみ褒めるロバート。近所の友人からの電話を早々に切り上げたフランチェスカは、ロバートと体を寄せ合い踊ります。そして「嫌ならやめるよ」と言うロバートに対して、「私がそう言った?」と答えてそっとキスをしました。

裸で布団にくるまりながら、どこかへ連れて行ってほしいと話すフランチェスカ。また彼女の故郷イタリアのバリで、互いに同じカフェに行っていたことを話します。

水曜日には町から離れ、芝生の上で話したり、夜にはジャズバーで楽しい時間を過ごしました。フランチェスカはロバートに、若いころのことや両親について質問しますが、ロバートは「僕にはできない。一生を数日で生きることさ」と答えます。

ダンスをした後、ベッドで体を重ねるフランチェスカとロバート。

一方の現在。息子のマイケルは、ルーシーがのちに不倫相手だったディレイニーと再婚したことを町で知ったと話します。母フランチェスカの不倫に戸惑うマイケル。娘のキャロリンは今自分は40歳で、離婚はしてはいけないものだと刷り込まれてきたから、今更どうしようもないと話します。

やはり母の不倫という行為は、受け入れられないと互いに話すキャロリンとマイケル。それでも二人は、日記の続きを読むことにします。

フランチェスカとロバートが出会ってから3日目。ついに翌日には家族が帰ってくることになり、朝食を一緒に食べながら話をするロバートとフランチェスカ。

フランチェスカは家族を捨てられない一方で、ロバートと一緒に町を出ていけないもどかしさに苛立ち、それを彼にぶつけます。気分次第で傍観者にも世捨て人にも、また愛人にでもなれる人だとロバートをなじります。 

ロバートは「僕がなぜ写真を作るのか、ここで君と出会うためだった。僕の今までの人生は君と出会うためのものだった。なのに僕は明日去る。君を残して」と答えます。泣きながら抱き合う二人。

そこへ、近所の友人であるマッジがケーキを持って訪ねてきたため、ひとまずロバートは2階に隠れました。マッジが帰った後、ベッドで横たわるロバートに寄り添うフランチェスカ。

ロバートは、一緒に行こうと彼女に告げます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『マディソン郡の橋』ネタバレ・結末の記載がございます。『マディソン郡の橋』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

トランクケースを二人分用意し、夕食の席につくフランチェスカ。

ろうそくを灯し、食事を進める二人。ロバートは、フランチェスカが自分と一緒に行かないのだと察します。

フランチェスカは何度も考えたが、家族のために良くないことで、夫を傷つけたくないのだと話しました。そして、この町から離れてもずっと家族のことを考えて罪悪感にさいなまれ、それをロバートにぶつけてしまう。そしてこの4日間もばかばかしく思えてしまうかもしれないと言います。

さらに、フランチェスカは続けます。人生はどう選択するかによって変わる。子どものために尽くしても、いざ手を離れるとどう生きたらいいかわからなくなる。新しい人生のために過去を消し去れというのか。心の中の私たちを、支えに生きていくと告げます。

もう数日町にいるから、その間に決めてほしいとロバートは伝えました。「一度だけ言う、初めて言う言葉だ。これは生涯に一度の確かな愛だ。」と告げ、彼は家を出ていきました。

去っていく車をしばらく追いかけた後、見つめるフランチェスカ。

翌朝、出かけていた家族が帰宅。日常に戻って2日ほど経つと、ロバートへの想いはすこし薄らいでいきました。

雨が降りしきる中、買い物に出かけたフランチェスカと夫リチャード。車内でリチャードを待っていると、窓の外に切ない表情で雨に打たれるロバートを見つけます。

目が合って微笑む二人。ロバートは車に乗り込み、発進します。やがて信号の目前で、ロバートの車のすぐ背後にフランチェスカが乗った車が並びます。

ロバートはフランチェスカがくれたネックレスをバックミラーに掛けると、信号が青になっても発進しようとしませんでした。フランチェスカは車のドアに手をかけ、ハンドルを回しかけます。

しかしリチャードがクラクションを2回鳴らすと、ロバートの車は発進しました。涙をこらえきれないフランチェスカは、リチャードに不思議がられますが、ごまかして帰路に着くのでした。

フランチェスカは改めて感じていました。「愛は期待にこたえぬこと。愛の謎は純粋でしかも絶対的。ロバートと一緒になったらその愛は長続きせず、リチャードとの絆は消えるだろう」と。

その後、ルーシーにケーキを持って挨拶へ行ったフランチェスカ。二人は親友になり、ロバートとのことを打ち明け、フランチェスカは心の中でロバートを想い続けました。

数十年後、晩年の夫リチャードは病で床につきながら、結婚によりフランチェスカに自身の夢を諦めさせてしまったのを悔いていること、それでもフランチェスカを愛していることを話しました。

リチャードの死後、フランチェスカは雑誌社に手紙を書いたものの、ロバートとは連絡が取れませんでした。そのためかつて一緒に行った場所に、フランチェスカは毎年誕生日に訪れました。

それから数年後、ロバートの弁護士から手紙と荷物が届きます。彼のバングルとフランチェスカのネックレスとともに「永遠の4日間」という写真集が同封されていました。

写真集にはフランチェスカがローズマン橋に残した、ロバート宛ての置き手紙が挟まれていました。「Fへ」という書き出しで綴られた文章を読んで、涙を流すフランチェスカ。

現在。亡き母フランチェスカの想いを悟ったキャロリンとマイケルはブランデーで乾杯します。

妻に改めて愛を伝えたマイケル。キャロリンは夫に電話をし、当分実家で暮らすと伝えます。そして二人で、フランチェスカの遺灰をローズマン橋から撒きました。

映画『マディソン郡の橋』の感想と評価


TM & (C)Warner Bros. Entertainment Inc.(s06)

隠し切れない「物足りなさ」と「女性」の変化

本作は「不倫」という許されない恋愛模様を描いているのに、なぜ「名作」として語り継がれているのでしょうか。その理由は、誰もが切ない想いを抱くような「純愛」を映し出す見事な演出力と、メリル・ストリープの繊細な演技が要因の一つだといえます。

作中でも彼女の演技が印象的な場面は数え切れないほどありますが、その中でも特に注目すべき場面を解説していきます。

まず一つ目は、冒頭数分足らずで登場します。それは、家族で食卓に着く場面です。

娘や息子に、穏やかで優しい微笑みを向けるフランチェスカ。そのすぐ後にふと寂しそうな表情を浮かべ、遠くへと視線をやります。そしてなにかを持て余しているかのように、おくれ毛を触るのです。

良妻賢母のフランチェスカもひとりの女性で、変化を恐れながらも現状に物足りなさを感じている繊細な心境を、見事に表した演技だといえるでしょう。そののち、ロバートとの会話の中で妊娠とともに夢を諦めなければいけなかった経緯や、教師の仕事へのやりがい、世界のほかの土地への憧れが明かされます。

ロバートと出会ってから、フランチェスカは母の顔から一変して、無邪気な少女のような顔や、艶やかな女の顔を見せるようになります。橋のそばで花を摘んで渡したロバートに対して、「毒草だ」と冗談を言ってからかう表情には、若い娘の無邪気さがあふれています。おそらく、子どもや夫には見せない表情でしょう。

ロバートとフランチェスカの「愛の確信」

二つ目は、ロバートとフランチェスカの互いへの想いが確信に変わる瞬間を描いた場面。それは、2人が2度目の会う約束をしたあと、ロバートが街から電話をかける場面です。

街で入ったカフェで、ロバートは不倫をしていることを噂され不遇な目に遭っているルーシーという女性を目撃します。彼女の様子があまりに哀れだったことで、ロバートは不安になりフランチェスカに電話をかけました。そして「会うのがまずいなら断ってほしい」と言うロバートに対して、フランチェスカは意を決した表情で「会いたい」と告げます。

この時点で2人の関係は偶然出会った者同士ではなく、惹かれあい、互いに欲してしまっている間柄に変わったのです。2度目の再会までに電話の場面を挟むことで、会っていない2人の距離が縮まっていくのを見事に描いているといえるでしょう。

限りない切なさをもたらす演技力と繊細な演出

そして三つ目は、最後に雨の中でロバートと再会する場面です。この場面の切なさと絶妙なタイミングは、本作を語るにあたって決して触れないわけにはいきません。

ロバートと共に街を出て行く最後のチャンスとなる場面でした。ドアノブに手を掛けて息をのむフランチェスカと、フランチェスカのネックレスをミラーにかけて、信号が変わっても発進しないロバート。そして、間をおいて2度目のクラクションを鳴らされ、バッグライトが点滅したと同時にロバートの車は行ってしまいます。

表情すら見えないロバートの想いが伝わり、ぎりぎりまで葛藤するフランチェスカの引き裂かれそうな心情が伝わってきます。窓越しにロバートが振り返ったり、車の発進するタイミングが少しでも遅かったり早かったりすると、この切なさは変わっていたことでしょう。

見事な演出力と車内でこらえきれず涙を流すメリル・ストリープの演技が、心に焼き付くシーンとなっています。

娘・息子の「40歳を過ぎた既婚者」という視点

また、本作が時を経ても名作だと言われる理由のひとつに、不倫関係に陶酔した当人同士の自己満足の物語にとどまっていないというのが言えます。

フランチェスカの死後、残された娘と息子に宛てたノートと手紙によって、ロバートの存在が明かされます。そして兄妹が今の自分の状況と比べつつ、信じがたい母の秘め事に向き合っていくのです。

そして、この兄妹が40歳を過ぎた既婚者だというのが重要な設定だといえます。2人とも「夫婦」とはどういうものかを身をもって知りつつも、少なからず悩みをもっているからです。

母の不倫は衝撃的で許せないと言いつつ、母が書き残したノートを読んでいくうちに、母の家族への愛を知ることになります。結婚生活を壊すまいと、家庭を守ることを決意した母の愛情に子らは感動し、同時にそれぞれ愛する人への想いや自分の人生を見つめ直すのです。

途中で母の行動に拒否反応すら見せる兄妹の反応は、フランチェスカとロバートの不倫関係を客観的に見る構図だといえるでしょう。その構図があるからこそ、本作はひとりよがりの禁断の物語にとどまることなく、多くの観客に感動を呼ぶのです。

まとめ

クリント・イーストウッド作品の中でも「名作」として知られる『マディソン郡の橋』ですが、観る者の年齢によって感じ方が変わる作品だといえるのではないでしょうか。

フランチェスカの決断の切なさと本当の意味での愛情は、観る者自身が人生を歩んできた年月に比例して、その理解はより深いものになっていくのかもしれません。

まさに大人のための純愛映画観たことがないという方はもちろん、すでに観たことがあるという方も、変わらない感動と奥深さに浸ることができる作品となっています。





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