Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

Entry 2022/02/20
Update

映画『アンチャーテッド』あらすじネタバレ感想と結末の評価解説。“続編を匂わせるラスト”とゲームを再現した空中アクションの活躍とは⁈

  • Writer :
  • もりのちこ

伝説の秘宝を求め、
地図にない場所=アンチャーテッドへ。

大人気アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」シリーズが実写映画化となりました。主人公には「スパイダーマン」シリーズで知られるトム・ホランドが登場です。

トレジャーハンターのネイサン・ドレイク(通称ネイト)が、伝説の秘宝を探し古代都市の謎に挑む。今回の秘宝は、500年前に消えた海賊船に積まれていたという50憶ドルの財宝。

仲間との騙し合い、兄との絆、立ち塞がる強敵。果たしてネイトは地図の謎を解き、財宝を手に入れることが出来るのか。そして、消息が途絶えた兄の行方とは。映画『アンチャーテッド』を紹介します。

映画『アンチャーテッド』の作品情報

【公開】
2022年(アメリカ映画)

【監督】
ルーベン・フライシャー

【キャスト】
トム・ホランド、マーク・ウォールバーグ、ソフィア・アリ、タティ・ガブリエル、アントニオ・バンデラス、マヌエル・ド・ブラ、スティーブン・ウォディントン、ピンギ・モリ

【作品概要】
2007年に第1弾ゲーム「アンチャーテッド エル・ドラド秘宝」の発売以降、全世界のシリーズ累計売上数は4170万本を超え、AIASゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞している人気ゲーム「アンチャーテッド」シリーズ。

実写映画化に伴い、「スパイダーマン」シリーズのトム・ホランドが、トレジャーハンターの主人公ネイト役を熱演。高い身体能力を充分に発揮し見事なアクションを見せます。

ゲームでもお馴染み、相棒のベテラントレジャーハンター・サリー役には、『トランスフォーマー』『テッド』のマーク・ウォールバーグ。女性トジャハンター・クロエ役は、ソフィア・アリが演じています。

監督は『ヴェノム』『ゾンビランド』のルーベン・フライシャー監督。ゲームの印象的なシーンを再現し、ゲームファンをも唸らせる実写映画化となりました。

映画『アンチャーテッド』のあらすじとネタバレ

ネイサン・ドレイク(通称ネイト)は、飛行機から投げ出された荷物と共に、空から落下していました。絶体絶命の危機に陥ったネイト。いったい何が起こったのでしょうか。

15年前。ネイトが10歳の時です。ネイトにはサムという兄がいました。両親がいない兄弟は、海洋冒険家フランシス・ドレイクの末裔として、トレジャーハンターに憧れていました。

その日も、海賊の航海地図を求め館に忍び込んだ兄弟でしたが、あっけなく警備員に取り押さえられます。常習犯のサムはもう言い逃れることはできず、家を去るしかありませんでした。

寂しがるネイトにサムは指輪を預け、必ず戻ると約束します。指輪にはこう記してありました。「偉業を成すのも小さな一歩から」。

兄の帰りを待ちながら大人になったネイトは、ニューヨークでバーテンダーとして働いていました。

器用な手先でフレアバーテンディングを見せるネイトは、裕福そうな女性からこっそりネックレスをくすねるのもお手の物です。

その手際を見破る客が現れます。サリーという名の男は、ネイトの腕を見込み「50憶ドルの財宝を一緒に探さないか」と持ちかけます。

不審に思い誘いを断るネイトでしたが、サリーがサムのことを知っていたことで、兄との再会を果たすために、トレジャーハンターになることを決意します。

狙うは、500年前に50憶ドルの財宝を積み消えたとされる幻の海賊船。それはその昔、兄サムが探し求めていた秘宝でした。

まずは、船の航路が記された地図が眠る場所への鍵となる十字架を狙います。十字架は2つ。ひとつはすでにサリーが持っています。そして、もうひとつはオークションへの出品が決まっていました。

十字架の奮奪にオークション会場に潜入するネイトとサリーでしたが、やはり海賊船の財宝を狙う財閥モンカーダに邪魔をされます。

モンカーダは、凄腕の女トレジャハンター・ブラドッグと手を組んでいます。停電で騒ぎを起こしその隙に盗みだそうという作戦でしたが、ブラドッグの執拗な追いかけに苦戦。

大騒動の末、なんとか十字架を手に入れたネイトとサリーは、スペインのバルセロナを目指します。

そこでは、もうひとつの十字架を持ったサリーのトレジャハンター仲間・クロエが待っていました。クロエは、十字架が揃ったのを確認すると2人を裏切り逃亡。トレジャハンターに裏切りはつきものです。

しかし、十字架の使い道を解けていなかったクロエは、ネイトとサリーの説得で協力に応じます。ネイトはオタクさながら、考古学の知識に長け歴史の謎を解く天才でもありました。

鍵穴があるとされる教会でネイトは1枚の絵葉書を見つけます。それは、兄から届いていた絵葉書と同じ写真のものでした。兄の痕跡に嬉しさがこみ上げます。

教会の地下と地上の二手に分かれ、共に謎を解いていく3人。たどり着いた部屋には巨大な壺が。中からは大量の塩と、一枚の地図が発見されました。

探していた海賊船の航路が示された地図です。安堵したのもつかの間、クロエがネイトを気絶させ地図を奪い立ち去りました。クロエもまた、モンカーダに雇われたトレジャハンターだったのです。

以下、『アンチャーテッド』ネタバレ・結末の記載がございます。『アンチャーテッド』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

ネイトとサリーは、地図を基に動き出したモンカーダの飛行機に乗り込みます。向かう先は、フィリピンのキアンバ。

その頃、機内ではモンカーダがブラドッグに裏切られ殺されていました。指揮権を奪ったブラドッグは、次にクロエを狙いますが、そこにネイトとサリーが現れます。

上空での三つ巴の戦いは、激しい銃撃戦とパラシュートの奪い合い、そして冒頭の絶体絶命の危機へと繋がりました。ネイトは一緒に落下するクロエと協力し、海に漂流するも島にたどり着きます。

改めて地図の謎に挑むネイト。兄からの絵葉書に隠された暗号を解き、海賊船の場所を突き止めることに成功します。

懲りずに抜け駆けしようとするクロエを撒き、ネイトは500年前に姿を消した海賊船を目指します。

海の洞窟を抜けた先に、巨大な海賊船が2隻、姿を現しました。海賊船の内部には、樽いっぱいに入った金銀財宝が見つかります。

その時、ネイトの後を追っていたサリーが現れます。ネイトは、サリーがサムの失踪に関わっていた事実を知り、彼のことを信用出来なくなっていました。

「黄金のためなら平気で仲間を裏切るのか」。言い争う2人の元に、ブラドッグが武装した手下と共に到着します。ネイトとサリーは、ひとまず船の中に隠れることに。

海賊船の財宝を確認したブラドッグは、飛行機で海賊船ごと吊り上げ持ち去る方法に出ます。巨大な海賊船2隻が空へと浮かんでいきます。

再びタッグを組み、船の奪還に飛び出すネイトとサリー。激しく揺れる船の上で、もみ合いの戦闘が続きます。2つの海賊船が空中でぶつかり合う中、500年前の大砲も火を噴きました。

もうひとつの海賊船に乗っていたブラドッグが飛び移り、海賊船の碇を降ろします。海に突き刺さった碇の重さで飛行機は停滞。海賊船を切り離すしかありません。

飛行機の操縦かんの乗っ取りに成功していたサリーは、登ってくるネイトに手を伸ばします。すぐ下にブラドッグが迫っていました。

サリーは、持ち出していた黄金を詰めたリュックを諦め、ブラドッグに投げつけます。海賊船もろとも海へと落ちて行くブラドッグ。2隻の巨大な海賊船は海の底へと沈んでいきました。

そこにはすでに国際海軍の船が向かってきます。沈んだ財宝は国有財産になることでしょう。一足遅く駆け付けたクロエの悔しそうな姿もありました。

黄金を捨てたことを嘆くサリーに、ネイトはポケットから黄金象を次から次へと出して見せます。健闘を称え合う2人。名コンビの誕生です。

その頃、狭い牢獄でひとり、絵葉書を書く男がいました。「この葉書が届くといいが…。誰も信用するな」

映画『アンチャーテッド』の感想と評価

世界中で人気のアクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」の実写映画化ということで、注目を集めている今作。

もともとが映画のようなストーリー展開と演出で「プレイする映画」と称されているゲームなだけに、実写映画化も違和感なくのめり込める作品となっています。

冒頭での度肝抜く空中アクションは、ゲームの戦闘シーンの再現ということで、ゲームプレイヤーにとっては、いきなりテンション上がる展開だったに違いありません。

他にも街の地下に眠る古代都市に張り巡らされた仕掛け、吊り上げられた船の上での戦闘とドキドキワクワクのアクションシーンも盛りだくさんです。

そして、ニューヨークのバー、バルセロナの町並み、歴史ある教会、サグラダファミリア、フィリピンのキアンバ、バンダ海と、絶景の数々に旅行心も満たされます

謎解きも面白く、地図の隠し場所や、鍵となる2つの十字架の合わせ技や別途の使い道、最後は兄からの絵葉書に隠された見えないものなど、謎が解けた時の爽快感も味わえます

また、アドベンチャー映画にはアクションがつきものですが、今作では登場人物それぞれがエネルギッシュなアクションを見せてくれます

なにより、主人公のネイトを演じたトム・ホランドのアクションが凄い。壁から壁へ、屋根から屋根へと街中を軽やかに飛び回る「パルクール」を取り入れ、さり気ない動作ひとつひとつに身体能力の高さを感じます。

ニューヨークのバーで働くシーンでは、フレアバーテンディングを披露。「スパイダーマン」シリーズでは見られないトム・ホランドのワイルドな一面を堪能できます。

ゲームキャラのネイトよりも若く活発で純粋なところもあり、映画化でより人間味のある主人公になっています。

また、兄の存在も映画化ならではの設定です。幼いネイトを残し旅立つ兄サムが残した指輪。世界各地の絵葉書に込められた弟へのメッセージ。ネイトとサムの兄弟の絆が物語のキーとなっています。

今作ではサムの消息は謎のまま兄弟の再会は叶いませんでしたが、続編を匂わせるラストシーンに、今後の兄弟トレジャーハンターの活躍が期待されます

その他ゲームのキャラではお馴染み、ネイトの相棒でありベテラントレジャーハンターのサリー。お宝のためなら仲間も裏切る詐欺師ではあるものの、最後は頼りになる存在です。

映画化でサリーを演じるのは、マーク・ウォールバーグ。これまでアクションからコメディまで数多くの作品で主演を務めてきた貫禄が作品に安定感を与えます。

こちらもゲームに引き続き映画にも登場の女トレジャーハンターのクロエ。演じるのは、海外ドラマ『ザ・ワイルズ~孤島に残された少女たち~』に主演のソフィア・アリ。

ゲームキャラのクロエはネイトの元カノで、裏切りは当たり前、不二子ちゃん的存在となっていますが、映画化では初対面の設定でサリーとサムと古い付き合いがある謎の女です。裏切りのテクはそのままに痛快なアクションをみせてくれます。

映画オリジナルキャラとして、ネイトの適役、先祖代々の消された財宝を追う財閥モンカーダはアントニオ・バンデラスが演じます。彼から醸し出されるマフィア感が良い敵っぷりを発揮。

モンカーダが雇うトレジャーハンター・ブラドッグには、ドラマ『100ハンドレッド』でガイヤ役を務めたタティ・ガブリエルが登場。スタイル抜群の体から繰り出される迫力のアクションに注目です。

まとめ

人気のアクションアドベンチャーゲームの実写映画化『アンチャーテッド』を紹介しました。ゲームプレイヤーはもちろん誰もが楽しめる極上のアドベンチャー映画となっています

古代遺跡の謎解き、世界中を駆け回る大冒険、立ち塞がるライバル、そして隠された秘宝とアドベンチャーの醍醐味がぎっしりと詰まった今作は、『インディージョーンズ』『トゥームレイダー』など人気のトレジャーハンター作品に並び、新たなシリーズとなりそうです。

映画を観たら、ゲームをプレイしたくなりました。もちろん、ゲームも映画も続編ありますよね!?




関連記事

アクション映画

映画『ベイビーわるきゅーれ』感想評価とレビュー解説。ラストまで女性コンビのアクションがかっこいいバディムービー!

映画『ベイビーわるきゅーれ』は2021年7月30日(金)より全国ロードショー 阪元裕吾が監督を務め、髙石あかりと伊澤彩織がW主演を務める、ガールズアクション映画『ベイビーわるきゅーれ』。 プロの殺し屋 …

アクション映画

【ネタバレ】ガーディアンズオブギャラクシー3|結末あらすじと感想評価。ラスト完結編は“ヴィランは最凶!”笑って泣けるシリーズに注目!

銀河の守護者たちが挑む最後の戦い “アベンジャーズ”シリーズことMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)内で唯一「スペースオペラ」をメインジャンルとしたシリーズとして高い …

アクション映画

映画『ANNA/アナ』感想レビューと評価。サッシャルスが美しき暗殺者ヒロインを演じる

リュック・ベッソン監督、サッシャ・ルス主演 闘うヒロインで放つノンストップアクションエンターテインメント 映画『ANNA/アナ』は、『ニキータ』(1991)『レオン』(1995)『LUCY ルーシー』 …

アクション映画

【ネタバレ感想】キングダムの映画と原作の比較解説。どこまで実写化されたのか⁈

『キングダム』の映画と原作の比較検証 壮大な世界観で原作を読む人を圧倒し、虜にしてきた人気コミック。古代中国で繰り広げられる歴史ロマン大作『キングダム』がいよいよ実写化されました。 公開前から、原作の …

アクション映画

銀魂キャストが登場する舞台挨拶や試写会情報!あらすじも

単行本発行部数5000万部を突破した週刊少年ジャンプの看板コミック『銀魂』がまさかの実写化?! 笑って、泣いて、アツくなる、天下無敵の痛快アクション・エンターテインメント映画『銀魂』をご紹介します。 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学