地球が滅亡するというマヤの予言を題材にしたディザスター・ムービー!
ローランド・エメリッヒが脚本・製作総指揮・監督を務めた、2009年製作のアメリカのディザスター・ムービー映画『2012』。
世界中で地震や津波などの大災害が起こる中、売れないSF作家が別れた妻子と共に、家族を守るために必死に生き延びようとする姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
「古代マヤ文明の暦が終わる2012年12月21日に地球が滅亡する」というマヤの予言を題材に、世界各地で起こる天変地異から必死で生き延びようとする人々を描いた、映画『2012』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『2012』の作品情報
(C) 2009 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.
【公開】
2009年(アメリカ映画)
【脚本】
ローランド・エメリッヒ、ハラルド・クローサー
【監督】
ローランド・エメリッヒ
【キャスト】
ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、ダニー・グローヴァー、ウディ・ハレルソン、トム・マッカーシー、リアム・ジェームズ、モーガン・リリー、ズラッコ・ブリッチ、ベアトリス・ローゼン、アレクサンドル・ハウスマン、フィリップ・ハウスマン、ヨハン・アーブ、ジョン・ビリングスレイ、チン・ハン、チャン・ツェン、リサ・ルー、ブル・マンクマ、ジョージ・シーガル、スティーヴン・マクハティ、パトリック・ボーショー、ジミ・ミストリー、ライアン・マクドナルド、アガム・ダーシ
【作品概要】
「インデペンデンス・デイ」シリーズや『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)などを手がけた、ローランド・エメリッヒが脚本・製作総指揮・監督を務めたアメリカのディザスター・ムービー作品です。
『ザ・スナイパー』(2006)や『フローズン・グラウンド』(2013)などに出演する、ジョン・キューザックが主演を務めています。
映画『2012』のあらすじとネタバレ
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2009年、インドのナーガ・デン銅山。アメリカ合衆国大統領の科学顧問であり、科学技術政策局の地質学者エイドリアン・ヘルムズリー博士は、ニューデリー大学宇宙物理学研究所にいる友人のインドの科学者サトナムに会いに行きました。
その際、サトナムはエイドリアンに、「電気を持たない中性微子「ニュートリノ」が物理反応を起こし、核粒子となった。そのせいで、地球の核“コア”が加熱している」と報告します。
さらにサトナムは、コアが加熱されたことで流動化が進み、数年後には地球的規模の地殻変動によって、世界が終末を迎えることになることを突き止めたのです。
これを聞いたエイドリアンは、すぐさまアメリカ・ワシントンDCに戻り、アメリカ合衆国大統領首席補佐官カール・アンハイザーに報告。アンハイザーと共に、アメリカ合衆国大統領トーマス・ウィルソンにもそのことを報告しました。
2010年、コロンビア・ブリティッシュ。イギリス・ロシア・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ・アメリカの首脳が一堂に会し。主要国首脳会議「G8」サミットを開催。
ウィルソンは開始早々、各国の首脳だけに世界の終末が近いことを明かしました。その後、アメリカを含む先進国46カ国は、極秘裏にある計画を水面下で進めていきました。
その計画の情報漏洩を防ぐため、各国の政府は情報規制を行い、計画のことも世界の終末のことも一切国民に知らせませんでした。
2012年。「古代マヤ文明の暦が終わる2012年12月21日に地球が滅亡する」という、マヤの予言を信じた人々が、世界に終末が近づいていることを訴えます。
その頃、アメリカ・カリフォルニア州マンハッタン・ビーチで暮らす売れないSF作家ジャクソン・カーティスは、離れて暮らす息子のノアと娘のリリーを元妻ケイトから預かり、彼女との思い出の場所であるイエローストーン国立公園へキャンプに出かけました。
イエローストーン国立公園到着後、ジャクソンはケイトとの思い出の場所へ、子供たちを案内しようとしましたが、地殻の温度が急上昇したことにより湖が干上がり、見る影もありません。
湖一帯は立ち入り禁止区域となっていたため、呆然と立ち尽くすジャクソンたちは、アメリカの軍隊によって連行されてしまいました。
ジャックたちが軍隊に連行されていった場所には、エイドリアンたち地質学者が、イエローストーンの地質調査を行っていた場所でした。
500冊も売れなかったジャックの自伝である短編小説、『さらばアトランティス』の愛読者であったエイドリアンは、ジャックにその旨を伝えた後、安全なキャンプ場まで彼らを送るよう軍隊に頼みました。
ジャックたちを見送った後、エイドリアンはインドにいるサトナムとテレビ電話を繋ぎ、イエローゾーンがひどく高温になっていることを伝えると、それはアルゼンチンやカナダなど他の国々でも起きていることが発覚。
サトナム曰く、地殻の温度が急上昇した理由は、地殻の崩壊が始まっている影響だと言います。
エイドリアンたちが思っているより事態は深刻で、既に世界は終末の日を迎えようとしていたのです。
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その日の夜。子供たちを寝かしつけたジャックは、近くで海賊ラジオを流していた変人チャーリー・フロストから、今世界に終末の時が近づいていることを教えてもらいました。
ジャックが見たチャーリーのブログによると、大昔にマヤ文明は「地球に終了期限がある」ことに気づきました。
マヤ文明の暦によれば、2012年に起きる大災害の原因は、64万年に一度しかない太陽系の惑星が直列になること。
それにより、太陽が物凄い量の放射線「ニュートリノ」を放射するため、地球の核(コア)が溶け出し、コアを覆っていた地殻が浮いた状態になります。
そして、数年後には地殻大変動が起き、世界は終末を迎えることになるということです。そう話すチャーリーは、ジャクソンに「政府は秘密裏に船を建造している」と伝えます。
翌日。昨夜起きたロサンゼルスの大きな地割れを受け、先進国は極秘裏に進めていた4隻の方舟に乗船して地球を脱出する「ノアの方舟」計画を開始。
その乗船券を手にしていた元プロボクサーでロシアの富豪ユーリ・カルポフは、運転手として雇っているジャクソンに双子の息子を迎えに行かせ、急いで方舟に乗船しようとします。
ジャクソンはユーリの息子たちを飛行場まで送った際、息子の1人が発した「乗船券を持っている僕たちは生き延び、持っていないお前は死ぬんだ」と言われ、昨夜聞いたチャーリーの話は本当だったことを悟りました。
そこでジャクソンは、腕に着けていた高級時計を担保に双発機を借り、運転手として使っている黒のリムジンでロサンゼルスへ急行。
ケイトとノア、リリー、美容整形外科医であるケイトの恋人ゴードンと一緒に、急いでカリフォルニア州から避難しようとします。
映画『2012』の感想と評価
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1人でも多くの国民を救いたいエイドリアン
「ノアの方舟」計画で救われる命は、アンハイザーたち保身に走った人たちによって、先進国の要人や政府関係者、美術品や種の保存のために選ばれた動物たちに限定されてしまいました。
さらにアンハイザーが方舟建造のための資金調達として、10億ユーロで乗船券を販売したことで、その額を払えるユーリたち富豪は救われることになりましたが、それでも多くの国民が見殺しにされることに変わりありません。
それに異を唱えるエイドリアンは、上司であるアンハイザーに何度でも抗議し、最終的には各国の首脳に対し、方舟に乗れていない人々を救うよう訴えます。
終始一貫して、1人でも多くの国民を救いたいという気持ちが揺らぐことなく行動したエイドリアン。彼の言動は各国の首脳はもちろん、観ているこちらの心にも響くことでしょう。
家族の絆を取り戻すジャクソン
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中国へ向かうまでの道中、ジャクソンは何度も死にかけましたが、それでも彼は自分の身の安全よりも、家族が助かることばかり考えて行動していました。
彼の愛情を感じたからこそ、それまでどこか冷めた態度をとっていたケイトたちの彼に対する気持ちが変わります。
家庭を蔑ろにしたジャクソンを怒っていたケイトも、両親の離婚によってジャクソンに反抗的な態度をとっていたノアも、そんな家族思いなジャクソンの姿を間近で見て、彼の愛情を肌で感じ取ったに違いありません。
その証拠に、ケイトたちは、ジャクソンが死にそうになると必死に彼を助けようとしていましたし、彼が生きていることに心の底から安堵していました。
仕事に夢中になるばかり、失ってしまった家族の絆を取り戻したジャクソンが、最後ケイトたちと一緒にいる姿は、本作で一番感動する場面です。
まとめ
(C) 2009 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.
人類滅亡の危機に瀕した世界各国の様子と、最後まで生き延びるためにあがき続ける人々の姿を描いた、アメリカのディザスター・ムービー作品でした。
本作は、滅びゆく世界で生き延びようとあがくジャクソンたち数人の登場人物の行動を同時進行で一度に描いた物語です。
ある者は保身に走って他者を見殺しにしようとし、ある者は1人でも多くの命を救おうとし、ある者は家族と生き延びるために奮闘していました。
どの物語にも共通して言えるのが、自然災害の恐ろしさです。巨大地震や巨大津波、火山の大噴火に対し、人類には抗う術がありません。
どこへ逃げても襲いがかってくる恐怖と、死を覚悟するしかない絶望感は、とても他人事とは思えないほど恐怖を感じます。
最先端のVFXを駆使して想像されたディザスター描写に、終始ハラハラドキドキさせられ、圧倒されるしかないディザスター・ムービー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。