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『アイスクリームフィーバー』あらすじ感想と評価解説。キャスト吉岡里帆らの青春ラブストーリーが小さな“アイスクリーム屋で展開”⁈

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『アイスクリームフィーバー』は2023年月7月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイント他にて全国ロードショー!

芥川賞作家・川上未映子の短編小説『アイスクリーム熱』を原案に、世代の異なる4人の女性の憧れ、興味、好意、執着が交錯する姿をつづったラブストーリー『アイスクリームフィーバー』

広告、ファッション、テレビドラマなど多方面で活躍するアートディレクターの千原徹也が、長年の夢だった映画制作に挑みました。アーティスティックな映像に思わず魅入られる作品です。


(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

主演の『ハケンアニメ!』(2022)の吉岡里帆はじめ、モトーラ世理奈、「水曜日のカンパネラ」の詩羽、松本まりかなど個性的な面々が出演する映画『アイスクリームフィーバー』。

黒づくめの長身の女性客・佐保に心奪われた、アイスクリーム店員の菜摘。そんな菜摘を見つめるバイトの女子高生・貴子。店のお客の優は、恋人を姉に奪われたことに傷ついています。

女性4人の想いが交錯する小さな町のアイスクリーム店から、どんな物語が始まるのでしょうか。スタイリッシュでノスタルジックな映像が美しい、本作の魅力についてご紹介します。

映画『アイスクリームフィーバー』の作品情報


(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

【公開】
2023年(日本映画)

【原作】
川上未映子

【監督】
千原徹也

【脚本】
清水匡

【キャスト】
吉岡里帆、モトーラ世理奈、詩羽、松本まりか、南琴奈をはじめ、安達祐実、後藤淳平、はっとり、コムアイ、片桐はいり、MEGUMI

【作品概要】
H&MやGU、スターバックス、日清カップヌードル×ラフォーレ原宿の広告、ウンナナクールなどの企業ブランディング、桑田佳祐や吉澤嘉代子らのCDジャケット、さらにドラマ・CM制作を手がけるなど、様々な分野で活躍するアートディレクター・千原徹也が、デザインを志した原点であり、長年の夢だった映画製作に進出した1作。

原案は、芥川賞作家・川上未映子の短編集『愛の夢とか』(講談社文庫)内収録の『アイスクリーム熱』。主人公・菜摘が勤めるアイスクリーム屋を中心に、いまを生きる4人の女性の思いが交錯する様を、繊細でリリカルな原作の世界観を受け継ぎながら、千原監督ならではの色彩感覚とビジョンを加えて製作されました。

主演は、第46回日本アカデミー賞で10部門の優秀賞に輝いた『ハケンアニメ!』(2022)や、Disney+オリジナルシリーズ『ガンニバル』など、一層存在感を増しつつある吉岡里帆。

異動辞令は音楽隊!』(2022)のモトーラ世理奈、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のボーカル・詩羽、『ぜんぶ、ボクのせい』(2022)の松本まりかがメインキャストを務めます。

映画『アイスクリームフィーバー』のあらすじ


(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

常田菜摘は美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として働いていました。

デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるかと思い悩んでいたある日、店にやってきた作家の橋本佐保に運命的なものを感じます。菜摘は店を出た彼女を思わず追いかけてスタンプカードを渡しました。店に戻ると、待ち構えていた店長から店をあけたことを叱られてしまいます。

その日以降、佐保の存在が頭から離れなくなっていく菜摘は、通りの向こうに姿を見つけただけで心騒がせます。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていました。

アイスクリーム店の近所に住む高嶋優は、いつも通っている銭湯の掃除の手伝いにいきました。壁の富士山の絵を見るとアイスが食べたくなると店主に話します。

疎遠になっていた姉の娘・美和が突然訪れて、優を驚かせます。何年も前に出ていった父を捜すために高校の夏休みを利用して突撃してきた彼女と、いきなり共同生活することとなった優。彼女は「おばさん」と呼ばれることに抵抗を感じ、「優ちゃん」と呼ばせることにします。

優の心にはほかにも不安があり……。

映画『アイスクリームフィーバー』の感想と評価


(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

異空間かのように感じさせる小さな小さなアイスクリーム屋。昔ながらの銭湯。雑然とした街並み。そんなどこか懐かしさを感じさせるノスタルジックな映像と、現代的なスタイリッシュさが交じり合った、なんともいえない魅力を醸し出す作品です。

様々なフィールドで活躍するアートディレクター千原徹也らしさ全開の、アーティスティックな映像が続きます。まるでアートブックの切り抜きを映像に貼りつけたかのように、どのショットも美しく魅力的で、登場する女優たちは素晴らしく美しく映し出されます

アイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」は、主人公の菜摘をはじめ、バイトの貴子、お客の佐保、優ら大勢の人たちの想いがふりつもっているかのような場所です。

雑然とした日本の街を闊歩する、佐保を演じるモトーラ世理奈の黒一色で魅せる非現実的な美しさ。その姿にすぐに恋に落ちる菜摘の気持ちがよくわかります。

恋する菜摘を演じる吉岡里帆の美しさにも惹きつけられます。もどかしさにもだえながらも、ただ傍にいるだけで幸せという少女の想いを繊細に演じています。

バイト店員・貴子を演じる強烈なビジュアルの詩羽は、本作のピリッとしたスパイス的な存在となっています。かわいらしい話し方や、制服姿で軽やかに舞う姿にギャップ萌えすることでしょう。

一番現実的に生きているのが、松本まりか演じる優です。確執のあった姉の娘・美和を突然預かることとなり、過去の記憶に心を揺さぶられながらも、姪と新たな関係を結んでいきます。映画初出演となる南琴奈が、孤独な想いを抱えて父を探す美和を初々しい美しさで演じています。

優を取り巻く姉、義兄、姪との不思議な関係性に注目です。

菜摘は「表現できない気持ちは自分だけのもの」「誰にも共有できない」とノートに書きつけ、自分の想いの素晴らしさを大切に味わいます。

彼女たちが皆、自分の気持ちを宝物のように大切に抱きしめて生きている姿に感動し、観ている私たちもその甘やかな幸福感に満たしてもらえる1作です。

まとめ


(C)2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会

4人の異なる世代の女性たちの想いが交錯するさまを、繊細にスタイリッシュに描いた美しい物語『アイスクリームフィーバー』

日本のノスタルジックな景色の中にいたかと思ったら、本屋に入った途端にパリにいるのかと錯覚してしまうようなキッチュな映像に切り替わるなど、アートディレクターの千原徹也ならではの魅力にあふれた一作です。

恋に目覚めた女性たちが、みるみる美しくなっていくさまに感激することでしょう。

言葉にできないあふれる想いを見つめているうちに心がぽっぽと熱くなってきたら、ひんやりアイスで心と体を冷やしたくなるに違いありません。

映画『アイスクリームフィーバー』は2023年月7月14日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイント他にて全国ロードショーです。





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