Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2022/02/25
Update

映画『LOVE LIFE』あらすじ/キャスト/公開日。木村文乃が渾身の力で挑み「愛」と「人生」を描く

  • Writer :
  • 谷川裕美子

悲しみも歓びも、優しさも美しさもすべてあるー矢野顕子の楽曲『LOVE LIFE』から生まれたある夫婦の物語

日本映画界を牽引する深田晃司監督の最新作『LOVE LIFE』が2022 年9月9日(金)に全国公開されます。

人気実力派の木村文乃を主演に迎えた本作はすでに海外からも注目されており、本編完成前にもかかわらず、フランスでの公開が決定。そして、第79回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決まりました

『LOVE LIFE』のティザービジュアルと特報も解禁です。

映画『LOVE LIFE』について

国内外の映画人から注目され、常に世界照準の作品を作り続けてきた深田監督。『ほとりの朔子』『淵に立つ』『本気のしるし』など数多くの作品が知られています。

2020年7月にフランスで公開された『よこがお』は、コロナ禍にもかかわらず119館でのスタートから800館での上映にまで拡大されました。

現地では第94回米アカデミー賞「作品賞」ノミネートの『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督、第69回ロカルノ国際映画祭若手審査員・最優秀作品賞を受賞した『バンコクナイツ』の富田克也監督とともに河瀬直美、北野武、是枝裕和、黒沢清の後継者となり得る映画監督として評されています。

その活動は映画制作だけにはとどまらず、新型コロナウイルスの感染拡大によって窮地に陥った全国のミニシアターのため、濱口竜介監督とともに発起人となり日本独自のミニシアター文化を守るためのクラウドファウンディング「ミニシアター・エイド基金」を設立。総額は3億円にも上り、多くの映画人を勇気づけました。

日本映画界を支える深田監督の9本目の長編映画となる本作は、構想期間20年を経てついに完成させた至極の人間ドラマです。

物語の着想のきっかけとなったのは、日本を代表するミュージシャン・矢野顕子の同名楽曲、「LOVE LIFE」。同曲は1991年に矢野がニューヨーク移住後に発表した初のアルバム「LOVE LIFE」に収録された隠れた名曲です。

静謐なピアノ音と、濁りのない透き通った歌声が聴く者を甘美な陶酔感とともに優しく包摂し、「ひとつとして、同じ形をした愛は無い」のだということを歌ったこの深遠なる名曲を、深田監督は、「愛」と「人生」に向き合う一組の夫婦の物語として完成させました。深田監督にとって楽曲の映画化は初の試みとなります。

本作で主人公・妙子を演じたのは、深田組初参加となる木村文乃。近年、ヒット映画「ザ・ファブル」シリーズや大河ドラマ『麒麟がくる』、連続ドラマ『七人の秘書』など多くのテレビドラマ、映画の話題作に多数出演し、幅広い役柄を演じています。

突然訪れた悲しい出来事によって、家族の平穏が壊れ、それまでの日常が瓦解していく中で、それでもなお生き続けなければならない孤独を抱えながら「愛」と「生」に向き合う妙子。木村は妙子の、嵐の前の静けさが孕む寧静な佇まいと爆発しそうな激情を、自分の人生を全て肥やしにしてぶつけて表現します。

映画『LOVE LIFE』のティザービジュアル


(C)2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS

そして、この度解禁されたティザービジュアルでは黄色い風船、結婚式を連想させる白いレース、美しい花々と幸せそうな風景とは一転、木村文乃演じる妙子の物憂げで、観るものに何か問いかけるような表情の対比が目を奪われます。

ビジュアルに添えられているコピー「孤独を抱いて、自由になる」とは妙子の心情を表しているのでしょうか?いったい彼女にどんな運命が訪れるのか想像がふくらみます。

さらに、矢野顕子の美しい歌声から始まる特報では、幸せそうな毎日を送る妙子に、訪れる不穏な鐘の音。

駆け出す妙子の先には何が訪れるのでしょうか。そして、最後に妙子がつぶやく「私、一度彼を見捨てているの」という意味とは?

謎が残る終わり方に、物語の行く末について期待が広がります。

映画『LOVE LIFE』のキャストのコメント

ティザービジュアルと特報の解禁に併せ、深田晃司監督、矢野顕子、木村文乃から作品の見どころ等のコメントも到着しましたのでご紹介します。

深田晃司のコメント

矢野顕子さんの「LOVE LIFE」を初めて聴いたのは二十歳の頃でした。
「なんて美しい歌、美しい歌詞なのだろう」と心震える思いで、矢野顕子さんの多くの歌がそうであるように、言葉のひとつひとつが重層的な意味を持ち様々な解釈を許してくれました。

「LOVE LIFE」を何度も聴くうちに、自然と一本のシナリオが思い浮かびました。ある夫婦の話でした。
そして、どうしたらその物語とともに最高のかたちで「LOVE LIFE」を映画館に響かせられるかばかりを考えるようになりました。

それから20年が経ちました。しぶとく企画を持ち歩き続けていたら、多くの仲間の力を得てこうして映画化することができました。自分は幸せ者です。

主演の妙子を演じてくれた木村文乃さんとは初めてのお仕事でしたが、決して簡単ではない役をリハーサルから一緒に作り上げることができたのは私にとっても大切な時間となりました。
一本芯の通った木村さんの強さをこの作品で皆さんにも感じ取って頂けるのではないかと思います。

早くスクリーンにお届けしたくて仕方がありません。どうぞお楽しみに。

矢野顕子のコメント

ひとつとして、同じ形をした愛は無い。
そのことを丁寧にうつし取って映像にして見せてくれる、それが『LOVE LIFE』です。
音楽の”LOVE LIFE ”にこんな大きな風景を見せてくださって、ありがとうございました。

木村文乃のコメント

余計についてしまったものを全部そぎ落として、
これまでとは違う道へひたむきに進みたいと思った時に
『LOVE LIFE』とのご縁を頂きました。

深田監督の人柄を知れば知るほど、
安心して身を委ねて、監督が作られた本の中にある
大沢妙子という、ひとりの人を
精一杯生きてみようと思いました。

深田晃司監督作品をこれまでご覧になっている方々にとっても
私のことを応援してくださっている方々にとっても
とても新しい一面が見える作品になると思います。
本作を通して、自分なりの「LOVE LIFE」という言葉の意味を、
見つけて頂ければと思います。

映画『LOVE LIFE』の作品情報


(C)2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS

【日本公開】
2022年(日本映画)

【監督・脚本】
深田晃司

【キャスト】
木村文乃

映画『LOVE LIFE』のあらすじ

愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの妙子に、ある日突然降りかかる悲しい出来事、そこから明らかになる本当の気持ち。

そして彼女が選ぶ人生とは…。

まとめ

『本気のしるし』『よこがお』などで知られる、世界が期待する新世代監督の深田晃司最新作『LOVE LIFE』。

日本を代表するミュージシャン・矢野顕子の同名楽曲からインスパイアされた深田監督が、実力派女優・木村文乃を主演に迎え、ある夫婦が愛と人生に向き合う姿を紡ぎます。

映画『LOVE LIFE』は、2022年9月9日(金)に全国公開です。









関連記事

新作映画ニュース

夏帆映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』あらすじとキャスト。イベントリポートも

2016年に行われた『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016』で審査員特別賞を受賞した、箱田優子監督の『ブルーアワー』。 このたび、映画『ブルーアワーにぶっ …

新作映画ニュース

映画『ボストン市庁舎』あらすじ/公開日/上映館。フレデリック・ワイズマン監督最新作のドキュメンタリーは故郷の“市役所”を描く

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』フレデリック・ワイズマン監督作! ドキュメンタリー映画の名匠フレデリック・ワイズマン監督が⽣まれ故郷ボストンの“市役所”を描く最新作『City Hall』( …

新作映画ニュース

映画『RUN!-3films-』あらすじとキャスト。土屋哲彦と畑井雄介の監督作が11月に劇場上映!

2019年11月に池袋シネマ・ロサにて劇場ロードショー ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ、数々の映画祭に招待され受賞もしてきた土屋哲彦監督、畑井雄介監督の疾走感溢れる3作品を1つに集めたオ …

新作映画ニュース

映画『ハチとパルマの物語』あらすじ/キャスト/特報動画。堂珍嘉邦が感動のドラマを主題歌で彩る!

堂珍嘉邦による主題歌「愛のまちぼうけ」とのコラボ特報完成 1976年の旧ソ連時代、モスクワ国際空港に実在した名犬「パルマ」のエピソードを基に描かれた日露共同製作作品『ハチとパルマの物語』。 (c)20 …

新作映画ニュース

『仮面ライダーゼロワン』映画キャストに伊藤英明!公開日も劇場版キラメイジャーとともに決定

伊藤英明が待望のライダーシリーズ初出演! 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、公開延期されていた『劇場版 仮面ライダーゼロワン』(仮)、『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE』(仮)の新しい …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学