アクションアドベンチャー映画の金字塔「インディ・ジョーンズ」シリーズ第3作。
スティーヴン・スピルバーグが監督を務めた、1989年製作のアメリカのアクションアドベンチャー映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』。
キリストの血を受けた聖杯を巡り、行方不明になった父親と一緒に聖杯探索の旅に出た考古学者インディと、ヨーロッパで猛威を振るうナチスが熾烈な戦いを繰り広げていく物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ハリソン・フォード主演で贈る、アクションアドベンチャー映画の金字塔「インディ・ジョーンズ」シリーズの第3作、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の作品情報
【公開】
1989年(アメリカ映画)
【原案】
ジョージ・ルーカス、フランク・マーシャル
【監督】
スティーヴン・スピルバーグ
【キャスト】
ハリソン・フォード、ショーン・コネリー、デンホルム・エリオット、アリソン・ドゥーディ、ジョン・リス=デイヴィス、ジュリアン・グローヴァー、リヴァー・フェニックス、マイケル・バーン、ケヴォルク・マリキャン
【作品概要】
「ジュラシック・パーク」シリーズや「インディ・ジョーンズ」シリーズ、『プライベート・ライアン』(1998)、『硫黄島からの手紙』(2006)などを手掛けたスティーヴン・スピルバーグが監督を務めたアメリカのアクションアドベンチャー作品。
本作は『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(1981)や、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)に続く、「インディ・ジョーンズ」シリーズの第3作品目となります。
主演を務めるのは、「インディ・ジョーンズ」シリーズや「スター・ウォーズ」シリーズなどに出演するハリソン・フォードです。
映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のあらすじとネタバレ
1912年、アメリカ・ユタ州。12歳のインディアナ・ジョーンズはボーイスカウトの活動の最中、1520年にメキシコ高原にあったアステカ帝国を征服したエルナン・コルテスが、スペインのコンキスタドール(アメリカ大陸征服者、侵略者のこと)、フランシスコ・バスケス・デ・コロナドに与えた十字架の盗掘を目撃。
それは博物館に収めるべき文化財であるため、インディアナはコロナドの十字架を巡って、盗掘団たちと争います。
しかし結局、インディアナが取ったコロナドの十字架は、保安官を騙した盗掘団に奪われてしまいました。
盗掘団のリーダーのフェドーラ(ガース)は、盗掘団からコロナドの十字架を掠めとった彼のガッツを褒め、自身が被っていた帽子をプレゼントしました。
1938年、ポルトガル沖。アメリカ人で有名な考古学者にして、無類の冒険家に成長したインディアナは、再びフェドーラたちからコロナドの十字架を掠めとり、16年前の雪辱を果たすことが出来ました。
アメリカ・ニューヨーク。大学に戻ったインディアナは、ヘンリーの学生時代の旧友であり大学の副学部長、そして博物館の館長でもあるマーカス・ブロディに、取り戻したコロナドの十字架を手渡します。
その後、インディアナの元にアメリカの大富豪であり、マーカスの博物館のスポンサーであるウォルター・ドノバンが訪ね、ある依頼を持ちかけました。
それはアーサー王伝説に登場する、イエス・キリストの血を受けた聖杯を探してほしいという依頼でした。
伝説によると、アリマタヤのヨセフの手に渡った聖杯は1,000年間、紛失しており、十字軍に参加した3人兄弟の騎士がそれを見つけました。
兄弟の2人はその後、150年かけて砂漠を脱出。1人は故国フランスに戻り、驚くべき長寿を全うし、死ぬ前に修道僧に聖杯について語っていました。
その修道僧が遺した書物によると、「聖杯が祀られている場所は、2つの鍵を手掛かりに探せ」と記されています。
1つの鍵は、ドノバンが手に入れた石板であり、その石板には聖杯にまつわる伝説を裏付ける言葉が記されていました。
左上の部分だけ欠けてしまっていますが、それは途中で死んだ兄弟の墓に眠っていました。
この3兄弟が見つけ、守ってきた聖杯で水を汲んで飲むと、永遠の命が得られるという言い伝えがありました。
そう話すドノバンはインディアナに、聖杯に関する情報を記した手帳を持ったまま、自分が雇った調査団の団長ヘンリーが行方不明になってしまったと伝えます。
これを聞いたインディアナは葛藤の末、ヘンリーと聖杯を探すため、ドノバンの依頼を引き受けることにしました。
インディアナはドノバンと別れ、マーカスと一緒に自分の実家へ向かいます。すると、家の中は何者かによって荒らされており、今日届いた手紙が床に散乱していました。
その手紙を見て、インディアナは自分宛てにイタリアのヴェネツィアから送られた郵便物を思い出し、上着のポケットに入れていた郵便物を開封してみました。
するとそこには、聖杯探索で得た情報がぎっしり詰まった、ヘンリーの手帳が入っていたのです。
これを見て、インディアナたちはヘンリーが誰かに狙われていると悟り、手帳を持ってヴェネツィアに飛ぶことにしました。
イタリア・ヴェネツィア。インディアナたちは到着早々、ヘンリーの助手を務めていたオーストリア人の考古学者エルザ・シュナイダーと遭遇し、彼女に案内されて元教会だった図書館へ向かいます。
その図書館の柱には、十字軍が戦利品としてトルコに持ち帰ったというステンドグラスが飾られており、柱の近くにはステンドグラスに記されたローマ数字と同じ、「3」「7」が刻まれていました。
残る「10」は、ステンドグラスの下の床に刻まれており、その床を少し破壊すると、地下へ続く隠し通路が出現。
インディアナとシュナイダーはライターの火を明かりにして、地下を探索。地下には十字軍の遠征が始まる600年前に記されたであろう異教文字と、白骨化した死体の数々とネズミの大群、床に浸った石油。
そして奥に眠るのは、十字軍の騎士が眠る棺でした。インディアナが棺を開けると、騎士の遺体の上に大きな盾が置かれており、その盾には石板と同じ文字が刻まれていました。
インディアナはこれが第2の鍵だと思い、石板の欠けた部分を、手帳に挟んであった石板の写しに書いていきます。
するとそこへ、謎の男たちが石油に火をつけ、炎上させた炎の渦が接近。インディアナたちは棺を縦にして炎から身を守り、水中にある抜け道を通って図書館を脱出します。
しかし男たちは、そんなインディアナたちを執拗に追いかけ、機関銃を使って殺そうとしてくるのです。
インディアナはモーターボートを使って追走劇を繰り広げ、ヘンリーが捕まったことを知っていそうな男1人を残して、他の男たちを撃退。
男の正体が、1,000年間聖杯を守り続けてきた組織「十字剣兄弟団」のカジムであり、邪な思いで聖杯を手に入れようとする者を排除するのが、彼らの役目であることを知りました。
カジムはインディアナがただ、父親を捜すために聖杯を手に入れようとしていると知ると、攻撃的な態度を変え、彼らを助けようとある場所を教えます。
それは世界征服のために伝説を利用し、聖杯を手に入れようとするナチスが、聖杯探索のための拠点およびヘンリーの監禁場所にしている場所、「ブルンワルド城」のことでした。
カジムと別れたインディアナは、滞在先のホテルでマーカスと合流。石板の文字を完成させ、解析した結果、第一次十字軍が1年間籠城したトルコの町の名前「アレクサンドレッタ(現在のイスケンデルン)」と記されていることが判明しました。
マーカスはインディアナに、聖杯への手掛かりをかき集め完成した地図を見せます。そこには石板で書かれていた「砂漠を横切り、山を越え、三日月の谷へ」と一致する、オアシスがある町が東にあり、砂漠から南方向に川と山があり、その先に三日月の形に弧を描いた谷がありました。
聖杯探索の出発点となるのが、アレクサンドレッタだと推測するインディアナ。彼は友人であり、エジプトの発掘王サラーに協力を求めることを決め、マーカスに一足早くサラーの元へ向かうよう指示しました。
映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の感想と評価
ジョーンズ親子の確執
同じ考古学者であるインディアナとヘンリーですが、だからと言って仲の良い親子ではありませんでした。
2人の間にある確執は、聖杯研究に没頭するあまり、家庭を蔑ろにしたヘンリーが、自分の妻でありインディアナの母親の病気に気づかず死なせてしまったことです。
そのせいでジョーンズ親子は、母親亡き今、親1人子1人のたがいにとって唯一の家族なのに、十数年も会っていませんでした。
再会してもどことなくぎこちない雰囲気が漂うジョーンズ親子ですが、それでも内心は互いに大事に想い合っています。
その証拠に、2人はどちらかが捕まったり死にそうになったりした時は、もう1人が危険を顧みず真っ先に助けに行こうとしていました。
特にインディアナが崖から落ちて死んだかと思われた場面では、ヘンリーは「もう少し、あの子と向き合い話をする時間があれば…」と、家庭を蔑ろにしてしまったことへの後悔を語っています。
またインディアナの方も、自分のことを泣くほど心配してくれたことや、鳥の大群をけしかけて戦闘機を墜落させたヘンリーのことを尊敬し、父親からの愛情を感じて嬉しかったことでしょう。
ナチと共謀するシュナイダーとドノバン
ドノバンはインディアナに依頼した時に語っていたように、伝説にある「聖杯の水を飲めば永遠の命が得られる」ことを信じており、聖杯と永遠の命を得るためにナチと共謀しました。
シュナイダーはナチスの政治・社会思想「ナチズム」は持っていないものの、聖杯に対して学術的な興味以上に、物欲的な興味の方が勝っているため、聖杯という唯一の宝物を手に入れたくてナチと共謀します。
この2人の敵により、ジョーンズ親子とマーカス、彼らに協力するサラーによる聖杯探索は困難を極め、何度も妨害されてしまうのです。
欲に溺れた2人の執念深い妨害工作と手帳の奪い合いは、ハラハラドキドキして驚かされる展開ばかりなので、目が離せません。
己の欲に溺れ悪に染まった2人に待ち受けていた結末は、ドノバンは朽ち果てて死亡、己の命より聖杯を優先したシュナイダーは奈落の底へ転落という悲惨なもので、悪役らしい最期でした。
まとめ
確執がある考古学者の親子が、ナチと共謀する強欲な男女と、永遠の命が得られるという伝説がある聖杯を巡って争う、アメリカのアクションアドベンチャー作品でした。
本作の見どころは、ジョーンズ親子を取り巻く人間模様と、聖杯探索と手帳を巡った争いです。
シュナイダーが誤った杯を選んだのは、単なる偶然か、それともドノバンに対する裏切りなのか明確に描かれていません。
もしかしたら、ドノバンがカジムやヘンリーを撃ったのを見て、聖杯を手に入れるためなら簡単に罪のない人間を殺す彼に嫌気がさしたのかなと考察できます。
ジョーンズ親子が繰り広げるドタバタな聖杯探索の旅は、ハラハラドキドキするスリルがあり、互いのミスで窮地に陥る彼らのドジさに思わず笑ってしまうほど観ていて楽しいです。
正義感が強く行動力がある考古学者の親子が、聖杯を巡ってナチスとその協力者たちと戦い、冒険するアクションアドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。