Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

Entry 2018/09/17
Update

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ|ネタバレ感想レビュー。前作あらすじも合わせて紹介

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、2018年11月16日(金)より全国ロードショー!

アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に麻薬・誘拐・人身売買・殺人などの暗黒のビジネスの実態を描きだしたドゥニ・ビルヌーヴ監督の2015年の『ボーダーライン』の続編。

監督はステファノ・ソッリマ監督に代わったものの、脚本はテイラー・シェリダンが前作から続投。テイラー・シェリダンは監督としても『ウインド・リバー』で注目を浴びたばかり。

メインキャストのジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロが同じ役で再登場しています!

スポンサーリンク

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』の作品情報


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
Sicario: Day of the Soldado

【脚本】
テイラー・シェリダン

【監督】
ステファノ・ソッリマ

【作品概要】
アメリカとメキシコの国境で行われる薬物の横行の現実をリアルな描写で見せた、アカデミー賞3部門にノミネート作品『ボーダーライン』の続編。

前作から引き続きベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンは出演。共演はイザベラ・モナー、ジェフリー・ドノバン、キャサリン・キーナーたちが務めます。

脚本は前作『ボーダーライン』などでアカデミー脚本賞にノミネートされたテイラー・シェリダン。演出はイタリア出身のステファノ・ソッリマ監督。またキャメラマンは『オデッセイ』などで知られるダリウス・ウォルスキーが参加。

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』のキャラクターとキャスト


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)
CIAの工作員であり、正面からだけでなく様々な形で問題に対応する

アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)
コロンビアの元検事でマットの相棒

シンシア(キャサリン・キーナー)
CIA副長官

イサベル(イサベラ・モナー)
巨大麻薬カルテルの支配者カルロス・レイエス末娘

スポンサーリンク

前作『ボーダーライン』(2015)のあらすじとネタバレ


(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

FBI捜査官のケイトと彼女のチームは奇襲します。家屋の壁の中から無数の誘拐被害者たちの死体を発見。その後、ケイトはマットのチームに加わり、誘拐事件の黒幕と思われる麻薬カルテルのマニュエル・ディアスの捜査に参加することになります。

マットのパートナーは所属不明のコロンビア人、アレハンドロ。

マットとアレハンドロは、ケイトの権限を利用し、国境警備隊に拘束されたメキシコからの不法入国者から得た情報から、薬物密輸のための地下トンネルの位置が特定されます。

ケイトは上官にマットの部隊が行っている超法規的捜査について報告しますが、上官はこの捜査に対する協力要請は政府の上層から下されたものであり、合法・非合法のラインは変わるものと突きはなされてしまいます。


(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

マットのチームは密輸トンネルを急襲、ケイトも作戦に参加します。

夜、マットの部隊からアレハンドロを離別しメキシコへ向かいます。

トンネル急襲の本当の目的は、アレハンドロをメキシコ側に送り込むための陽動でした。

それに抗議するケイトに、マットはアレハンドロは、メキシコ麻薬カルテルに妻と娘を惨殺された過去を持つメキシコの元検事で、個人的な復讐のために今回の作戦に参加しているということを伝えます。

マットたちはそれを承知の上でアレハンドロの目的を利用し計画を進めていたのでした。


(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

後日、ケイトのもとにアレハンドロが現れ、彼女を拳銃で脅し今回の捜査が全て合法なものだったという書簡にサインをするよう強要します。

清濁を併せ無ければ解決できない問題の眼の前で、ケイトは無力さを感じて立ちすくんでしまいます。

そんな彼女の眼の前からアレハンドロはゆっくりと静かに去って行きます。

本作品『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(2018)のあらすじとネタバレ


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

アメリカのカンザスにあるショッピングモールで自爆テロが起き、アメリカの市民の子どもを含む15人の犠牲者が出ました。

大勢の民間人が犠牲となったこの事件を受けて、アメリカ合衆国の国土安全保障省は、テロ実行犯らがメキシコの麻薬カルテルの助けを得てアメリカに不法入国したという仮説を立てます。

中東に派遣されていたCIAの秘密工作員マットは、本国に呼び戻されて、カルテル殲滅作戦を練ることになりました。

マットはカルテルに家族を殺害されたコロンビアの元検事、アレハンドロと再び組むことを決めます。

カルテル同士の抗争を誘発するために、マットとアレハンドロは巨大カルテルのリーダーカルロスの娘イサベルを拉致し、敵対する別のカルテルの仕業に見せかけます。


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

テキサスでイサベルの救出劇を偽装した後、彼女をメキシコに連れ帰る途中、別のカルテルの息がかかっていたメキシコ連邦警察から奇襲攻撃を受け、壮絶な銃撃戦に展開。

結果、アレハンドロとイザベルの二人は一隊から離れてしまいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

アメリカに戻ったマットは、メキシコ政府がCIAの偽造工作を察知していること、カンザスでの自爆テロの実行犯はメキシコの麻薬カルテルとは無関係だったことを知らされます。

メキシコとの関係悪化を恐れたアメリカ合衆国大統領は作戦の中止を決定。マットは国防長官からイサベルとアレハンドロの抹殺を命じられてしまいます。

マットはアレハンドロと衛星電話を通じて交信し、作戦の証人であるイサベルの殺害を命じるが、アレハンドロが拒否したため、マットは自ら手を下すべく再びメキシコへと向かいます。

アレハンドロは不法入国民の一団に紛れてアメリカへ入ろうとしますが、そこにアメリカで顔を見られたた少年ギャングに存在を気が付かれてしまいます。

顔に銃弾を受け、イザベルと話されてしまったアレハンドロ。その後イザベルはマットたちに証人保護プログラムの対象者としてアメリカに連れていかれます。

一年後、マットたちの襲撃を運よく避けた少年は一人前の悪になっていました。その前に、生き延びたアレハンドロが現れます。

アレハンドロは少年に復讐を果たすかと思われましたが、逆に少年を秘密のエージェントとしてスカウトします。

スポンサーリンク

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』の感想と評価


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

薬物カルテルと薬物戦争

第45代アメリカ合衆国大統領であるドナルド・トランプの公約の目玉の一つとして挙げたのが、アメリカとメキシコの国境を隔てる物理的なコンクリートの壁を建てるというものでした。

多くの人は批判を通り越して苦笑いを浮かべるばかりですが、その一方で、アメリカとメキシコの国境から流入してくる薬物・不法入国者・武器・金はアメリカの国家的な問題でもあります。

特に国境と接する南部は保守的な風土があって、国境問題に問題意識を持った人で、さらに極端な感覚を持つ人はトランプ大統領に票を入れました。

そんな現状のアメリカを描いた作品は、本作『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』以外も多くあります。

ハリソン・フォードの「ジャック・ライアン」シリーズ第2弾である『今、そこにある危機』(1994)のタイトルは、その現状をそのまま言い表したタイトルになっていますね。

『トラフィック』(2000)

近年の映画で言えば『ボーダーライン』のキャスト繋がりでいうと、ベニチオ・デル・トロがアカデミー助演男優賞を受賞し、監督のスティーブン・ソダーバーグもアカデミー賞を獲得した『トラフィック』(2000)は、国境問題を描いた作品の中でも代表的な作品といっていいでしょう。

同じようにコーエン兄弟がアカデミー賞を獲得した『ノーカントリー』もあります。

こちらにはジョシュ・ブローリンが出演しています。

アカデミー賞繋がりで言うと『ハートロッカー』のアカデミー賞監督キャサリン・ビグローが製作総指揮した『カルテル・ランド』はドキュメンタリーということもあって、より一層きつい“リアル”を突き付けられます。

参考映像:『ナルコス』(2015)

Netflix の『ナルコス』も同じカルテルの物語。

このようなハードな実情を見せつけられると、トランプ大統領を支持する人がいるのもわかる気がしてしまいます。

それゆえに、本作『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は単なる想像の絵空事なフィクションではなく、現実的な設定やリアルな描写が大きな特徴になっています。

アクション映画ファンであれば、前作に引き続き必見な作品です。

まとめ


(C)2018 SOLDADO MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作品『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、ストーリーが二転三転する先の読めない展開に、手に汗握る作品です。

しかも、作戦実行がなかなか思うようにいかないなど、細部に渡ってリアルな描写が目を釘付けにさせる演出が見どころです。

映画の冒頭、アメリカで市民15人が犠牲と自爆テロ事件が発生。

容疑者はメキシコ経由で不法入国したという憶測を持ったアメリカ政府から任務を命じられたCIA特別捜査官マットは、カルテルに妻と娘を殺害された過去を持つアレハンドロに協力を依頼します。

マットはアレハンドロとともに薬物カルテルを取り仕切るボスの娘イサベルを誘拐します。

その犯行をメキシコの国境地帯で密入国ビジネスを取り仕切る薬物カルテル同士の抗争の仕業に仕組むと工作を企てるが…。

国境地帯で繰り広げられる地上戦と、それを空から監視しながら作戦実行される展開は必見!

それぞれの過去を持ちながらも、信頼関係がある男同士ソルジャーであるマットとアレハンドロの友情と運命はいかに!

映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』は、2018年11月16日(金)より全国ロードショー!


関連記事

アクション映画

映画『キングダム』登場人物のえい政役は吉沢亮。演技力とプロフィール紹介

中国春秋戦国時代を舞台にした原泰久原作の大人気マンガ『キングダム』を実写化した映画が2019年4月19日に公開されます。 原作は第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、累計発行部数3600万部を超え …

アクション映画

映画『TAXI NY』ネタバレあらすじと感想レビュー。ニューヨーク版の女優は美人モデル出身のジゼル・ブンチェン

ティム・ストーリー監督が手掛ける『TAXi』のリメイク版『TAXI NY』 ティム・ストーリーが監督をつとめた『TAXI NY』。フランスで製作された『TAXi』(1998)をアメリカを舞台にリメイク …

アクション映画

『プレデター:ザ・プレイ』ネタバレ結末あらすじと感想評価の解説。銃の謎と武器考察⁈映画とコミックが相互に影響し人気シリーズに成長!

『プレデター ザ・プレイ』はDisney+で独占配信 アーノルド・シュワルツェネッガー主演作『プレデター』(1987)に登場して以来、人気のキャラクターに成長した誇り高き戦闘異星人、“プレ …

アクション映画

『スカイスクレイパー』ネタバレ感想と評価。ドウェイン・ジョンソンの筋肉と家族愛を堪能

世界中で大ヒットを記録した映画『スカイスクレイパー』は、ロック様こと、ドウェイン・ジョンソンが主演を務めるアクション大作です。 高さ1000メートルにも及ぶ超高層ビルで発生した火災、それを巻き起こした …

アクション映画

バットマン リターンズ|ネタバレ結末感想とあらすじの評価解説。キャットウーマン&ペンギンとの戦いで見える“悪役とヒーローの差の曖昧さ”

ボブ・ケイン作の大人気DCコミックスの実写映画版「バットマン」シリーズ第2弾! ティム・バートンが製作・監督を務めた、1992年製作のアメリカのヒーローアクション映画『バットマン リターンズ』。 クリ …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学