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Entry 2026/01/28
Update

『時には懺悔を』映画原作ネタバレのあらすじ感想評価。ハードボイルドなサスペンスミステリーで描く‟障がい児誘拐事件の真相”

  • Writer :
  • 星野しげみ

打海文三の小説『時には懺悔を』が映像化!

それぞれ過去に傷を抱えた人々が、障がいを持つ子の誘拐事件を経て、今を懸命に生きようとする姿と親子の愛情を描く物語『時には懺悔を』。

探偵の佐竹と助手の聡子は、ある殺人事件の真相を探るうち、9年前の誘拐事件で連れ去られた「新」という子どもの存在にたどり着きます。新は重い障がいを持つ子供でした。


打海文三『時には懺悔を』(角川文庫)

障がいを持つ子供がなぜ誘拐されたのか。この子は殺人事件とどう結びつくのかと、深まる謎から目が離せないミステリーが、このたび映画化されます。

『告白』(2010)『渇き。』(2014)の中島哲也監督が、『来る』(2018)以来7年ぶりに手がけました。2025年に公開延期となった本作が、ついにベールを脱ぎます。

映画『時には懺悔を』は、2026年8月28日(金)全国公開。

待ち遠しい映画公開に先駆けて、小説『時には懺悔を』をネタバレありでご紹介します。

小説『時には懺悔を』の主な登場人物

【佐竹】
フリーの探偵。

【聡子】
佐竹の助手。

【米本】
佐竹の元同僚の探偵。

【民恵】
米本に行方不明の子供の捜索願いを頼んだ女性

【明野】
子供の誘拐犯

【新(拓)】
障がいを持っている。生後4カ月のときに誘拐される

小説『時には懺悔を』のあらすじとネタバレ

佐竹は、数年前に退社した大手の探偵社アーバン・リサーチの元上司・寺西に頼まれ、探偵スクールのレディース一期生・中野聡子の代理教官をすることになりました。

ある日の実習は、かつての同僚・米本の探偵事務所に盗聴器を仕掛けること。聡子が米本の事務所に忍び込むと、そこには米本の死体が転がっていました。

異変を察知した佐竹は、状況を把握すると、殺害現場から聡子を逃がし、第一発見者として警察に通報しました。

警察からは疑惑を持たれますが、やがてそれもはれ、佐竹は聡子とその事件を調査することになりました。

彼らは米本の仕事の依頼主が口封じで殺したと思い、まず米本が死ぬ前に関わっていた仕事を探します。

その中で、一番疑いがあったのは、9年前に誘拐された生後4カ月の重度の障がいを持つ少年・新の現在の調査だったことを突き止めました。依頼人は新の実の母親である民恵でした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには小説『時には懺悔を』ネタバレ・結末の記載がございます。小説『時には懺悔を』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

佐竹と聡子が調査を進めていくうちに、新を誘拐したのは、子どもを欲しがっていた明野夫妻であることがわかりました。

熱を出した子供を民恵が病院へ連れていき、待合室でちょっと目を離したすきに、攫われたのでした。

明野たちは攫った子供が重度の障がいを持っていると知り、ショックを受けました。ですが、あまり可愛がってもらってない様子のその子に愛情がわいてきます。

そのうちに妻は事故死しました。明野は残された新を懸命に新を育てていきます。

一方、米本は民恵からの依頼で調査を進めるうちに、あることに気が付きます。

民恵は離婚した夫志賀功との間に、昭和60年9月に長男拓を出産していました。そして、昭和60年6月に失踪届が出されました。

障害を持っていた4カ月の拓が自分から失踪するはずがありません。そこに気が付いた米本は、志賀拓が攫われて明野新として生きていると確信したのです。

当時拓を誘拐した明野は功に身代金を請求しましたが、受け渡しに失敗し、以後連絡が取れなくなっていました。

米本は功に接近し、拓の病名と最近誘拐犯から連絡がなかったかと尋ねました。誘拐犯人の目星がついた米本は功と民恵に接近しますが、口封じのために殺されたものと思われました。

その後、明野をみはっていた佐竹は、海水浴場で明野と新、そして民恵が偶然出会ったのを目撃しました。民恵は複雑な思いを抱えながら、遠くから我が子を見て涙を流すのでした。

誘拐事件の犯人として明野が逮捕されれば、9歳の障害児新は誰が面倒をみるのか。佐竹と聡子は悩みますが、結局は実母である民恵が育てることになりました。

明野は米本を殺していませんでした。米本のアパートに出向いた時、すでに米本は死んでいたようです。

そしてアパートの入り口ですれ違ったのは、米本によく似た中一の彼の息子でした。警察の捜査はそちらに向かいました。

事件は一件落着。身代金誘拐罪に問われる明野の刑は、間もなく判決がおります。明野は新の実母民恵に新の世話を頼んでいました。

四苦八苦しながらも、民恵は新を一生懸命に育てているようです。

一方、聡子は探偵事務所を開設しました。

平凡な日常に戻った佐竹のもとに、聡子から、夏になったら、新たちに会いに行きませんか、という誘いの手紙が届きました。

小説『時には懺悔を』の感想と評価

誘拐事件に端を発する読み応えある物語でした。ある殺人事件の調査から浮かび上がった、9年前の誘拐事件。誘拐されたのは重度の障がいを持つ生後4カ月の子供「拓」でした。

拓の実母は子供の病気のことを知り、また長生きできないと宣告された子供のことを考えて不安になっていました。「拓」が誘拐されて実はほっとしたのかもしれません。

一方障がいを持っているとは知らずに、「拓」を誘拐した明野はどうだったのでしょうか。

子宝に恵まれない明野夫妻にとって、子供の誘拐は究極の作だったのですが、「拓」の障がいがわかり、身代金を受け取ることにも失敗。子供をどうするかで悩みますが、ここは拓の笑顔が功を為します。手がかかるお荷物・・・だけど、可愛い。明野夫妻は一大決心をしました。

妻が事故死した後も、明野は男手一つで「新」と名付けた「拓」を育てていたのです。

明野が殺人事件の重要参考人として捜査上に浮かびますが、真犯人は別にいました。物語では、犯人捜しをしながらも明野と「新」の暮らしにスポットライトが当たります。

障がいを持って生まれた子供とどう関わっていくのか。もちろん子供自身には罪はありません。障がいを持って生まれた子供と、どのように接すればいいのかと悩む母の気持ちは、痛いほどよくわかりました。

自分ならどうするのかと、深く考えさせられる作品でした。

映画『時には懺悔を』の見どころ

本作は、『告白』(2010)『渇き。』(2014)などで知られる中島哲也が、7年ぶりに監督を務める作品です。

中島監督は原作を読んで、「見る人の気持ちを動かす映画ができるのでは」という想いをずっと抱き続けてきたと言います。

構想15年という時を経て完成に至った作品は、「過去に大きな傷を負った大人たちが、今を必死に生きる“たったひとつの小さな命”と出会い、人生の活路を見出す物語」となりました。

主演は、中島監督と初のタッグとなる西島秀俊。家族との不和を抱えながら生きる男・佐竹を演じます。

共演として、西島と初共演となる満島ひかりをはじめ、黒木華、宮藤官九郎、柴咲コウ、塚本晋也、片岡鶴太郎、佐藤二朗、役所広司ら実力派キャストが顔を揃えました。

見どころは、監督独自の視点と緻密な演出で描き出す「過去の傷を負った人々が、小さな命を通して再生する姿」! 誘拐という犯罪の陰に隠された親子の愛の表現に注目です。

映画『時には懺悔を』の作品情報

【日本公開】
2026年(日本映画)

【原作】
打海文三『時には懺悔を』(角川文庫)

【監督】
中島哲也

【脚本】
中島哲也、門間宣裕

【キャスト】
西島秀俊、満島ひかり、黒木華、宮藤官九郎、毎熊克哉、鈴木仁、烏森まど、山﨑七海、唯野未歩子、野呂佳代、長井短、しんすけ、山下舜太、諸角優空、柴咲コウ、塚本晋也、片岡鶴太郎、佐藤二朗、役所広司

まとめ

打海文三の小説『時には懺悔を』をネタバレ有りでご紹介しました。

本作は、かつての同僚の死をきっかけに、私立探偵の佐竹が謎の過去の誘拐事件の真相に迫るミステリー。

障がいを持つ子供を通して描かれる親子の絆は複雑です。その親の複雑な心情を細やかに表し、鮮烈に描かれた癒し得ぬ傷を抱えた人間の運命は、観る者の心に深く響くことでしょう。

本作が主演・西島秀俊×監督・中島哲也で、映画化されました。映画『時には懺悔を』は、2026年8月28日(金)全国公開です。

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