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Entry 2019/04/20
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青木柚映画『暁闇』あらすじとキャスト。阿部はりか監督の青春物語が劇場公開へ

  • Writer :
  • 河合のび

阿部はりか監督の映画『暁闇』(ぎょうあん)
2019年7月に渋谷ユーロスペースでの単独レイトショー公開が決定!

MOOSIC LAB2018長編部門にて準グランプリ、男優賞(青木柚)を受賞した阿部はりか監督の青春映画『暁闇』(ぎょうあん)。

ある音楽をきっかけにそれぞれの抱える孤独を共有し合おうとする少年少女の透明で瑞々しい姿を描いた本作は、5月2日から開催される韓国・全州(チョンジュ)国際映画祭ワールドシネマスケープ部門への正式招待が決定されています。

これはインディーズ映画としては異例の選出であり、同部門には『ムーンライト』で知られるバリー・ジェンキンス監督の最新作『ビール・ストリートの恋人たち』など、数々の話題作が並んでいます。

そして日本国内においても、映画『暁闇』が2019年7月、渋谷ユーロスペースにて単独レイトショー公開されることが決定しました。

本記事では、コメントを含めたキャスト・監督のプロフィールと、解禁された特報映像と海外用ポスターヴィジュアル・場面写真をご紹介致します。

コウ役・青木柚(あおき ゆず)


©︎暁闇

青木柚コメント

何事に対しても無気力に接しながらも、実はその陰でとある創作活動を続けていた少年・コウを演じた青木柚。

映画『暁闇』の印象について、以下のように語っています。

コウを演じさせていただきました、青木柚です。MOOSIC LAB2018が終わり、またこの作品を観て頂けると思うと幸せな気持ちでいっぱいです。僕はこの映画に、小さい頃に見たあやふやな夢と似たような印象を持っています。言葉だけでは表せないような温度や色、匂い、感触。その感覚や感情をコウという少年、暁闇という映画を通して発信できることが嬉しいです。ふとした瞬間に感じる孤独に寄り添うような作品です。是非、あなたに観ていただきたいです。

自身が今までに演じてきた役の中で一番繊細な気がする」というコウを、誰よりも愛し、阿部監督の世界の中にいるコウを越えられるように、そしてコウとして生きられるように精一杯演じたという青木。

その想いがどのような形で劇中に表されているのか、決して見逃すことのできないポイントです。

青木柚プロフィール

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本日、3月9日に高校を卒業しました。 三年間本当に素晴らしい環境で学校生活を送ることができました。家族や友人、事務所の皆様、先生方には感謝しかありません。刺激の多い生活で充実していました。あ、嘘つきました、感謝以外にもたくさんの感情が溢れてます。お仕事で行事に出れないことが多くても今こうして振り返ってみるとたくさんの思い出があります。日常から楽しかった。というか日常らしい日常なんて無かったのかもしれない。いやあったかな。分かりません、ぐちゃぐちゃです。こんなに恵まれてていいのかな、と思います。ありがとうございます。 四月からは、大学に進学します。お仕事も学業も怠らず、日々精進して参ります。 これからもよろしくお願いします。 青木柚

青木柚さん(@yuzu_aoki_)がシェアした投稿 –

2001年生まれ、神奈川県出身

映画では『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』(2014)『14の夜』(2016)『アイスと雨音』(2018)『コーヒーが冷めないうちに』(2018)など、ジャンル問わず様々な作品に出演。またドラマでは、人気ドラマ『リーガル・ハイ』(2012)にも出演を果たしています。

さらにハリウッド大作映画『GODZILLA』(2014)では声優として吹替えを担当。

MOOSIC LAB2017ではメインモデルも務めており、映像作品を中心としながらも幅広く活動しています。

映画『暁闇』ではMOOSIC LAB2018長編部門にて男優賞を受賞し、今後の活躍が期待される若き俳優の一人です。

ユウカ役・中尾有伽(なかお ゆうか)


©︎暁闇

中尾有伽コメント

放課後になると街を彷徨い、見ず知らずの男たちと束の間の関係を結んでその孤独を慰めようとする少女・ユウカを演じた中尾有伽。

青木、越後、そして中尾が演じた三人の主人公、そして映画『暁闇』について以下のように語っています。

単独上映・全州国際映画祭へのご招待というとても大きな機会をいただけたことに、感謝で胸がいっぱいです。
必死にもがいた3人の主人公の未来が今ここに繋がっているのだと思うと、羽が生えてしまったように幸せな心地がしています。
どうかこの映画が、やさしい蝋燭の光のように、皆様の心に灯ってくれますように。私達の大切なものが、たくさんの人にとっての大切なものになりますようにと、願っています。

阿部監督が演出を務めた舞台に出演して以来、監督とともに何かを作るのは本作で3回目になるという中尾。

そして自身が演じたユウカについては、彼女の思う「光」と「闇」を知る中で、「生まれた時から“ユウカ”として生きてきたのではないか」と錯覚してしまう程にその役へとのめり込んでしまうだろうと感じたそうです。

“ユウカ”がその輪郭へと重なった女優・中尾有伽の姿、或いは“女優・中尾有伽”がその輪郭へと重なったユウカの姿は、観客たちには一体どのように見えるのでしょうか。

中尾有伽プロフィール

1996年生まれ、東京都出身

人気モデルとして雑誌・広告・CM・MVと様々な分野で活躍する中、2017年から本格的に女優活動を開始。

そのミステリアスなルックスは各方面から注目を集めています。

短編映画『Monologue』(2016製作)、同じく短編映画であり主演を務めた『ふゆとゆき』(2017製作)をはじめ、映画・ドラマ・舞台と多岐に渡って女優活動を展開しています。

サキ役・越後はる香(えちご はるか)


©︎暁闇

越後はる香コメント

不器用にすれ違う両親の狭間で行き場のない悲しさと孤独感を抱える少女・サキを演じた越後はる香。

映画『暁闇』の上映、韓国・全州国際映画祭への正式招待に触れながら、本作への想いについて以下のように語っています。

この度、「暁闇」単独上映、全州国際映画祭にご招待して頂けて大変光栄に思います。「暁闇」が国を超え、多くの人に観ていただけるのは不思議で嬉しい気持ちでいっぱいです。まだ「暁闇」を観ていない方はもちろん、既に観た方にももう一度観ていただきたい素敵な作品です。たくさんの方に届いてほしいなと心から思います。

撮影に向けてサキという一人の人間と向き合い、コウやユウカとの空気感・距離感を感じ取ろうと試みたという越後。

今後も女優として更なる飛躍が望まれている彼女の、懸命な演技が楽しみです。

越後はる香プロフィール

2000年生まれ、兵庫県出身

女優を志し中学2年の頃からオーディションを受け始め、中学3年生の時に応募したソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)が開催するオーディション『SMAティーンズオーディション「HuAHuA」2015』に合格し、同事務所に所属することになります。

高校在学中に上京し、テレビドラマ『ブラックリベンジ』(2017)にて女優としてデビュー。『明日にかける橋 1989年の想い出』(2018)で映画初出演を果たしました。

映画『暁闇』は彼女にとって2回目の映画出演となります。

監督・阿部はりか(あべ はりか)

阿部はりか監督コメント

映画劇中の少年少女たちと同様に、自身もインターネット上で出会った見ず知らずの人々に時には傷付けられ、時には救われてきたという阿部はりか監督。

本作に込めた自身の想いを以下のように語っています。

口をつぐみ抱え込んだ痛みを救い上げたいという一心で、『暁闇』という映画をつくりました。そんながむしゃらな思いに共に向き合ってくれたスタッフとキャスト、そして関わってくれた全ての方に、心から感謝しています。ひとりでは抱えきれなかったものに『暁闇』という形が与えられていく時間の中で、驚くほど幸せな経験がたくさんありました。そしてその全てはそのまま、映画のなかに詰まっていると思います。
ぜひ劇場でご覧いただきたい作品です。どうぞよろしくお願いいたします。

監督自身がかつて経験したように、「誰か」の「救い」となれるような作品を目指した阿部監督。

その救われる「誰か」が果たして自分自身なのかは、劇場に足を運び、映画『暁闇』をその全身をもって鑑賞することで理解できるでしょう。

阿部はりか監督プロフィール

1995年生まれ。東京芸術⼤学美術学部先端芸術表現科卒業。

映画・映像の現場へ本格的に足を踏み入れる以前は、自身が主宰する演劇ユニット「はりか」での演劇作品の脚本・演出を主に⼿掛けてきました。

やがて、首藤凜監督の長編映画『なっちゃんはまだ新宿』(2017)に美術として参加。以降は美術や役者として数多くの映像の現場に参加し、MOOSIC LAB2014のオープニング映像では主演を務めました。

映画『暁闇』は彼女にとって初の監督作品にあたります。


                  

映画『暁闇』(ぎょうあん)の作品情報


©︎暁闇

【公開】
2019年(日本映画)

【脚本・監督・編集】
阿部はりか

【撮影】
平見優子

【音楽】
LOWPOPLTD.

【キャスト】
青木柚、中尾有伽、越後はる香、若杉凩、加藤才紀子、小泉紗希、新井秀幸、折笠慎也、卯ノ原圭吾、石本径代、芦原健介、水橋研二

【作品概要】
それぞれに孤独を抱えながら日々をやり過ごしていた少年少女たちが、インターネット上で見つけたある音楽をきっかけに出会い、友情でも恋愛でもない、互いのを孤独を共有し合うとする姿を描いた青春ドラマ。

本作が初監督作となる阿部はりか監督が、ネット上においてカルト的な人気を誇るバンド「LOWPOPLTD.」の楽曲からインスパイアを受けて制作した作品です。

映画『暁闇』のあらすじ

©︎暁闇

中学3年生のコウ(青木柚)は、何に対しても無気力な少年。自身が通う中学校で教師を務めている父親(水橋研二)が生徒たちからいじめを受けていても興味なさげに眺め、恋人であるトモコ(若杉凩)との間にもどこか距離があるような状況でした。

コウとは別の中学校に通うユウカ(中尾有伽)は、学校が終わるといつも街を徘徊しては、初対面の男たちと束の間の関係を持っていました。

ユウカの同級生サキ(越後はる香)は、不器用にすれ違う両親の狭間で行き場のない悲しさを抱えていました。

そんな3人は、インターネット上で公開されていたある音楽をきっかけに、導かれるように出会いを果たしますが……。

まとめ

それぞれの孤独を抱えながらも生き続けようとする少年少女たちの姿を描いた、阿部はりか監督の映画デビュー作『暁闇』。

監督の作品に対する想い、キャスト陣の自身が演じる役に対する想いが強く込められている、深い孤独と悲しみ、そして「救い」に満ちた青春映画です。

また、期待の若手俳優・青木柚(あおき ゆず)がMOOSIC LAB2018長編部門にて男優賞を受賞したことでも話題になっています。

映画『暁闇』は2019年7月、渋谷ユーロスペースにて単独レイトショー公開!

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