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Entry 2022/09/20
Update

『君を愛したひとりの僕へ』あらすじ感想と評価解説。声優キャストに宮沢氷魚と蒔田彩珠がパラレルワールドで演じる“永遠の純愛”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

永遠の箱に閉じ込められた少女の恋

並行世界を行き来することができる世界を舞台にした珠玉のラブストーリー『君を愛したひとりの僕へ』が2022年10月7日(金)より全国公開されます。

乙野四方字による小説『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』を原作に、2作同時にアニメーション映画化したうちの1作です。同じ名前の2人の少年がそれぞれの世界でひとりの少女と恋に落ちる姿が切なく描かれます。

2作はそれぞれ独立した物語でありながら、合わせて読むと互いの世界が絡み合っている様子が見えてくる斬新な設定で、TikTokで大きな話題を呼びました。

his』(2020)の宮沢氷魚、『朝が来る』(2020)の蒔田彩珠が主演を務めます。

眩しいほどに美しい若き恋人たちが辿る数奇な運命が描かれます。

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映画『君を愛したひとりの僕へ』の作品情報


(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

【公開】
2022年(日本映画)

【原作】
乙野四方字

【脚本】
坂口理子

【監督】
カサヰケンイチ

【編集】
村上優作

【出演】
宮沢氷魚、蒔田彩珠、橋本愛、田村睦心、浜田賢二、園崎未恵、西村知道、平野文、水野美紀、余貴美子、西岡徳馬

【作品概要】
乙野四方字の人気同名小説を原作にしたラブストーリーアニメ。監督はアニメ『のだめカンタービレ』のカサヰケンイチ。

無数に存在する並行世界を行き来できる少年が一人の少女と熱い恋に落ちる姿を描きます。

主人公の暦をドラマ『ちむどんどん』でも注目される『his』(2020)の宮沢氷魚、ヒロインの栞を『朝が来る』(2020)の蒔田彩珠が繊細に演じます。

橋本愛、水野美紀、余貴美子、西岡徳馬ら実力派が出演します。

映画『君を愛したひとりの僕へ』のあらすじ


(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

両親が離婚し、父と暮らすことになった小学生の日高暦。幼い暦は父から平行世界の存在と、それらの世界を移動するパラレルシフトについて教えられます。父は平行世界を研究する虚質科学研究所で働いていました。

そんなある日、祖父の飼い犬だったユノが死んでしまい暦は悲しみます。父の会社の子ども室で泣いていた暦の前に髪の長い少女・佐藤栞が現れました。

ユノに会いたいという暦の願いを叶えるために、少女は研究所のIPカプセルに暦を乗せて起動しました。

パラレルシフトした暦は、元気に走り回っているユノと再会します。ユノと一緒に祖父宅に戻ると、祖父の遺体が待っていました。祖父の死を悲しんだ暦は、母に一緒に寝てほしいと頼みます。

翌朝目を覚ました暦はもとの世界に戻っており、祖父は元気に生きていました。昨夜は暦と一緒に寝られて嬉しかったと言う祖父に、暦は元気に長生きしてほしいと話します。

再会した栞は、両親の離婚する前に戻りたいという自分の願いを叶えたかったことを暦に話します。今度は栞がカプセルに乗ろうとしますが、所長である栞の母にみつかって叱られてしまいます。

暦と栞は仲良くなり、一緒に長い時間を過ごすようになっていきました。

ある日、暦と栞は、暦の父と栞の母が再婚することを告げられます。

いつの間にか互いに結婚したいと思うようになっていた暦と栞は、兄妹になってしまえば結婚できなくなると思って、ショックを受けます。

自転車で逃げ出したものの、やがて限界を感じるふたり。暦は、いつか栞が困っていたら自分が必ず助けると言いました。

平行世界に駆け落ちすることを思いついたふたりは、結婚することを誓い合いながら並んでカプセルに入りますが…。

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映画『君を愛したひとりの僕へ』の感想と評価


(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

2部作が奏でる重厚なパラレルワールドの世界観

同時公開『僕が愛したすべての君へ』と対をなす本作『君を愛したひとりの僕へ』。

同じ名前の2人の男性が異なる平行世界で、それぞれがひとりの女性を一生をかけて愛するさまを、異なる世界からみつめて描く2作品となっています。

本作冒頭では切ないまでにキラキラと美しく、胸がしめつけられるほど純粋な若者たちの愛が描かれます。

この世界の主人公は、離婚した父と暮らすことになった少年の暦です。父は平行世界の研究所で働いており、暦は父からパラレルワールドや世界間を行き来するパラレルシフトについて教えられます。

彼にとっては平行世界はとても身近なものでした。暦はそんなある日、研究所の所長を務める母を持つ美しい少女・栞と運命の出会いを果たします。

互いに思い合うようになったふたりは、それぞれの父と母が再婚することを知り、自分たちが兄妹となってしまえば結婚できなくなると思いこみ、パラレルワールドに逃げようと決心します。

愛を守るためならばどんな無茶でも厭わないという無謀で刹那的な行動は、若さゆえのものでした。その激しい思いは鋭い刃にも似て、誰より自らを傷つける大きな危険をはらんでいたのです。

幾重にも存在する複雑なパラレルワールドを行き来するのにも似て、2作のストーリーは緻密に複雑に絡まり合っています。単独で鑑賞しても楽しめますが、やはり2作を合わせて観てこそその重厚な世界観は堪能できるといってよいでしょう

どちらを先に観たとしても、2本目を観た後には1本目では解明されなかった様々な謎が解け、温かい思いに満たされ涙するに違いありません。

登場人物それぞれの抱く切なさと共に、彼らが手にした確かな幸せを見守ってください。

まとめ


(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

数限りなく存在するパラレルワールドの中のひとつで生きる主人公・暦の、悲しくも美しい純愛を描き出す究極のラブストーリー『君を愛したひとりの僕へ』。

本当の愛とは、そして本当の幸せとは何なのかを、激しい思いで追い続ける人々の姿が描かれます。

登場人物の誰もが相手の幸せだけを願い、そのために全力を尽くします。彼らは、一般的な意味での自分の幸せを決して求めようとはしません。

「愛する人が幸せでなければ自分の幸せは存在し得ない」という真実を、どこまでも突き詰める主人公たちの熱い思いに胸を打たれる作品です。

パラレルワールドを描く『君を愛したひとりの僕へ』は2022年10月7日(金)より『僕が愛したすべての君へ』と2作同時に全国公開予定です。





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