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【ネタバレ】鋼の錬金術師(2022映画実写2)あらすじ感想評価と結末解説。完結編/復讐者スカー新キャストの魅力とラスト後編への布石とは

  • Writer :
  • 糸魚川悟

国家や錬金術に仕込まれた巨大な陰謀、全ての謎が繋がり始める完結編前編!

全世界で累計発行部数が8000万部を越えるヒットとなった、2001年連載開始の人気漫画『鋼の錬金術師』。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONやポルノグラフィティによる主題歌も大ヒットを記録したアニメ版は、原作ファンとアニメファン双方の心をつかむ作品となりました。

今回は実写映画『鋼の錬金術師』(2017)の続編として製作された、実写映画版完結編の前編となる『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(2022)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

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映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』の作品情報


(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

【公開】
2022年(日本映画)

【監督】
曽利文彦

【脚本】
曽利文彦、宮本武史

【キャスト】
山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、黒島結菜、渡邊圭祐、水石亜飛夢、山田裕貴、舘ひろし、藤木直人、山本耕史、佐藤隆太、新田真剣佑、内野聖陽

【作品概要】
荒川弘による漫画『鋼の錬金術師』を『ピンポン』(2002)の曽利文彦が実写映画化したシリーズ第2作。

「Hey! Say! JUMP」の山田涼介やディーン・フジオカなどの前作キャストが続投し、新たに連続テレビ小説『ちむどんどん』の黒島結菜や『シン・ウルトラマン』(2022)で話題の山本耕史、そして物語の鍵を握るスカー役として『るろうに剣心 最終章 The Final』(2021)の新田真剣佑がキャストに加わりました。

映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』のあらすじとネタバレ


(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

錬金術が根付いた国「アメストリス」。

「鋼の錬金術師」の異名を持つ国家錬金術師のエドは、弟のアルと共に乗ったセントラル行きの列車内で東の大国「シン」から来たリンと出会います。

リンは国のために不老不死の力を持つ「賢者の石」の情報を求めエドとアルに接触しますが、「賢者の石」の原料が生きた人であることを知る2人は悪用を避けるために返答を拒みます。

リンは護衛のランファンとフーに2人を襲撃させ情報を聞き出そうとしますが、エドを「人柱」と呼び命の危機から救おうとする「ホムンクルス」のエンヴィーが現れます。

ホムンクルスは賢者の石で出来た人造人間であり、そのことに勘付いたリンたちはエンヴィーを追って列車を去りました。

セントラルにつき「焔の錬金術師」ことマスタング大佐と再会したエドとアルは、国家錬金術師を相次いで殺害する「スカー(傷の男)」と呼ばれる殺人鬼に注意するように忠告を受けます。

2人はセントラルの街でシンから来た少女のメイと出会いますが、メイがエドを「チビ」と呼んだことで喧嘩が勃発。

メイはその場から逃げ延びますが、騒動によって国家錬金術師であるエドの存在を知ったスカーがその場に現れます。

エドとアルはスカーと交戦しますが、圧倒的な破壊能力を持つスカーに追い詰められ窮地に陥ります。

するとその場にマスタングと「剛腕の錬金術師」アレックスが現れ、スカーは地面を破壊しその場から逃げて行きました。

実際にスカーを見たマスタングとアレックスは、褐色の肌と赤目の彼がかつて国によって虐殺された民族「イシュヴァール」の人間であることを確信。

エドはスカーによって破壊された機械鎧の腕を治すため、幼馴染であり機械技師でもあるウィンリィを訪ねます。

ウィンリィが新しい機械鎧の腕を制作している間に亡き母の墓参りに訪れたエドは、墓の前で父であるヴァン・ホーエンハイムと再会。

しかし、かつて母を残し家を出たホーエンハイムを快く思わないエドは再会した後にも口を効くことはほとんどありませんでした。

ホーエンハイムはウィンリィの祖母ピナコからかつて自分が家族4人で撮った写真を貰うと、昔一夜にして滅んだとされる国「クセルクセス」を例に出し「やがてこの国で恐ろしいことが起きる」と言い残しその場を去っていきます。

去り際の言葉に違和感を覚えたエドはクセルクセスの遺跡を訪ねると、そこには生き残りであるイシュヴァールの人間が住み着いていました。

生き残りを束ねる老婆はイシュヴァール殲滅戦において、アメストリス人でありながらイシュヴァール人の治療を施したウィンリィの両親に助けられたと話します。

しかし、ウィンリィの両親は助けたイシュヴァール人に殺害されてしまったと言い、その特徴からエドはウィンリィの両親を殺害したのはスカーであることに気づきました。

腕が治りセントラルに戻ったエドはアルと合流すると、ホーエンハイムの言った言葉の真意を探るべく、再び現れたリンと共に何かを知るホムンクルスの捕獲計画を建てます。

実はリンはシン国の皇子であり、王位継承を成し遂げるために賢者の石を持つ不死の力を求めているとエドに告白し共戦を約束。

スカーをおびき出し、敢えて窮地に陥ることでエドを救うために現れるホムンクルスを捕まえる計画は順調に運び、エドとアルはスカーと、リンとランファンとフーはホムンクルスのエンヴィーとグラトニーと対峙します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』のネタバレ・結末の記載がございます。『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

リンとランファンはグラトニーを追い詰めますが、その場にアメストリスの大総統キング・ブラッドレイが現れ2人を襲撃。

ブラッドレイは人知を越えた反射速度でランファンに深手を負わせ、リンは撤退を余儀なくされます。

ランファンが自身の腕を切り落としたことでブラッドレイの追跡から逃れたリンは、スカーとの戦いに乱入したグラトニーの捕獲に成功。

マスタングの部下であるホークアイも駆けつけ窮地に陥ったスカーはメイの扱う「錬丹術」によってその場から逃走しました。

マスタングの用意した隠れ家に集ったエドたちは情報共有を行い、国の最高指導者であるブラッドレイにもホムンクルスを意味する「ウロボロス」の刺青があることを知ります。

スカーとの言い合いがウィンリィに聞かれていたことで、ウィンリィの両親を殺害した人間がスカーであることを彼女に知られてしまったエドは、自身の知らないイシュヴァール殲滅戦の詳細をホークアイに聞きます。

かつて内乱を繰り返すイシュヴァール人を見せしめのために老若男女問わずに殺害したその戦いには、人間兵器としてマスタングやアレックスを含む多くの国家錬金術師が投入されました。

違和感を覚えるマスタングたちを尻目に、「紅蓮の錬金術師」キンブリーは自身の快楽を目的に多くの人間を殺害。

一方、スカーには錬金術と錬丹術を学ぶ兄が居ましたが、キンブリーによる爆破によって重傷を負ったスカーを救うため兄は、自身の腕をスカーに移し死亡しました。

ウィンリィの両親による医療テントで目を覚ましたスカーは、兄の死を確信するとアメストリス人への怒りによって衝動的にウィンリィの両親を殺害しました。

イシュヴァール殲滅戦の話を聞き終えたエドは、アルがメイとスカーの隠れ家を見つけたことを知り、メイが出かけた隙に2人で隠れ家に侵入しスカーと対峙。

スカーが兄から授かった腕には錬金術と錬丹術を合わせた刺青が彫られており、物体に直接触れることで「分解」を行うことが可能であり、その力を用いて圧倒的な破壊力を持つ攻撃を繰り出していました。

エドとアルはその力とスカーの戦闘の癖を見抜いており、遠距離での攻撃を中心とすることでスカーの確保に成功しますが、その場にウィンリィが駆けつけてしまいます。

しかし、ウィンリィはかつて両親がそうしたように、両親の仇であるスカーの負った深手の止血を行い彼を助けました。

騒動を聞きつけマスタングやホークアイもその場に現れますが、グラトニーが拘束を解き暴走しマスタングが重傷を負ってしまいます。

ウィンリィがグラトニーに狙われると拘束から抜け出したスカーが助け、エドたちを外へと逃がしました。

傷を負ったマスタングとウィンリィをホークアイに任せたエドとアル、そしてグラトニーを追ってやってきたリンは、グラトニーと対峙。

その場にはグラトニーの救助と邪魔な存在であるリンとスカーの排除を目論むエンヴィーも現れ乱戦となり、リンのみを狙ったグラトニーの「飲み込む」攻撃がエドとリン、そしてエンヴィーにも当たってしまい3人は、闇の中へと消えていきます。

暗闇で目を覚ましたエドとリンは、グラトニーの飲み込んだもののみが漂流する空間を彷徨ううちにエンヴィーと遭遇。

エンヴィーはこの空間を「お父様」の作った偽の「真理の扉」であり、出口は存在せず飲み込まれた人間は弱って死んでいくだけだと吐き捨てます。

怒りに身を任せエドはエンヴィーを殴ると、エンヴィーは「面白いものを見せてやるよ」と言い巨大なトカゲに姿を変え咆哮しました。

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映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』の感想と評価


(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

ファンタジー漫画の映像化と言う高い壁に挑んだ第2作

人気漫画の実写映画化作品は数多く製作され、『デスノート』(2006)や「賭ケグルイ」シリーズのように「実写化成功作」と評され話題となる作品もありました。

サスペンス漫画やスポーツ漫画、恋愛漫画の実写化に「実写化成功作」とされる作品が多い一方で、SF漫画やファンタジー漫画は再現難度の高さゆえに映像化が忌避されたり、実写化が叶ったとしても渋い評価を受けてしまうことがあります。

ファンタジー漫画「鋼の錬金術師」の実写化となる『鋼の錬金術師』も前評判の低かった作品のひとつであり、アジア人をモデルにしていない登場人物が中心の物語を日本で映像化する、と言う部分に多くの批判が集中しました。

しかし、続編となる『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』では、ホーエンハイム役の内野聖陽やキング・ブラッドレイ役の舘ひろしなど、この人以外は考えられないと言える原作ビジュアルに近い容姿のキャストが集結

るろうに剣心 最終章 The Final』での敵役の演技が注目を集めた新田真剣佑は、本作でも復讐鬼と化したスカーの冷酷さと彼の抱える痛みを巧みに演じており、日本におけるファンタジー漫画の実写映画として新たな礎となる作品となっていました。

壮大なクライマックスにつながるさまざまな布石


(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

前作では「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と言う台詞が印象的かつ人気でもあるショウ・タッカー編を軸に、主人公のエドとアルが犯した禁断の人体錬成や「賢者の石」についての謎を明かす物語が展開。

しかし、前作の物語では中盤でロイの同期でありエドの良き先輩でもあるヒューズが「何か」に気づいてしまったことで、「ホムンクルス(人造人間)」に殺害されてしまいますが、その謎は明らかにはなりませんでした。

原作において「全体に仕込まれた巨大な陰謀の解明」と「陰謀を知った人間たちによるリベンジ」の物語は最大の魅力とも言える部分であり、完結編として銘打たれた本作と次作で描かれる物語はその魅力を極限まで凝縮しています。

ホーエンハイムが語った「やがてこの国で起きる恐ろしい出来事」や、ヒューズが死の前にたどり着いてしまった「巨大な陰謀」の正体など、その全てが明らかになる完結編をぜひその目で確かめてください。

まとめ


(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

シン・ウルトラマン』での演技で再び注目を集めた山本耕史が、本作では筋骨隆々で独特な髪型と美しいヒゲを持ったアレックス・ルイ・アームストロングを熱演。

ホーエンハイムを演じた内野聖陽は、掴みどころのない軽さの裏に背負ったものの大きなを感じさせる演技を見せるなど、新規登場のキャストによる画面の強さも話題となっている『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』

完結編の後編となる『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(2022)には栗山千明や仲間由紀恵など、原作キャラクターとのシンクロ度の高い俳優が登場予定であり、ますます実写映画として目の離せないシリーズとなっています。

原作の持つ物語の魅力と、俳優によって彩られる実写映画としての「鋼の錬金術」の魅力をぜひその目で確かめてみてください。

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