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『トラ・トラ・トラ!』ネタバレ結末あらすじと評価解説。暗号がキーポイントの戦争スペクタル大作!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

真珠湾攻撃をめぐる日米両国の動きを題材にした戦争スペクタクル超大作!

リチャード・フライシャーや舛田利雄、深作欣二が監督を務めた、1971年製作のアメリカの戦争スペクタクル超大作『トラ・トラ・トラ!』。

1941年12月に起きた、大日本帝国海軍によるハワイの真珠湾攻撃をめぐる日米両国の動きと、太平洋戦争の火蓋を切った真珠湾攻撃の作戦の全容を描いた物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

第43回アカデミー賞特殊視覚効果賞を受賞した、マーティン・バルサムと山村聡の共演によって描かれるアメリカの戦争映画『トラ・トラ・トラ!』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

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映画『トラ・トラ・トラ!』の作品情報

【公開】
1970年(アメリカ映画)

【原作】
ゴードン・W・プランゲの小説『トラ・トラ・トラ!』とラディスラス・ファラーゴの小説『破られた封印』

【監督】
リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二

【キャスト】
マーティン・バルサム、山村聡、ジョゼフ・コットン、三橋達也、E・G・マーシャル、ジェームズ・ホイットモア、ウェズリー・アディ、宇佐美淳、ジェイソン・ロバーズ、レオン・エイムス、エドワーズ・アンドリュース、ジョージ・マクレディ、キース・アンデス、田村高廣、ロバート・カーネス、メレデス・ウェザビー、G・D・スプラドリン、島田正吾、千田是也、内田朝雄、見明凡太朗、北村和夫、野々村潔、芥川比呂志、青野平義、藤田進、安部徹、十朱久雄、久米明、近藤準、新井和夫、渥美清、松山英太郎、市川和子、中村是好、井川比佐志、和崎俊哉、岡崎二朗、武藤章生、細川敏夫、葉山良二、浜田寅彦、中村俊一、川村弘二、二本柳寛、青木義朗、龍崎一郎、三島耕、宇南山宏、山本紀彦、須賀不二男、室田日出男、稲垣昭三、児玉謙次、雪丘恵介、晴海勇三、久遠利三、アンドリュー・ヒューズ、マイク・ダーニン、ポール・フリーズ、マコ岩松、永井秀明、松本荘吉

【作品概要】
『海底二万哩』(1955)のリチャード・フライシャーと、『錆びたナイフ』(1958)の舛田利雄、「仁義なき戦い」シリーズの深作欣二が監督を務めた、アメリカの戦争映画。

原作はアメリカの歴史学者ゴードン・W・プランゲの小説『トラ・トラ・トラ!』と、ハンガリーの軍事歴史家およびジャーナリストのラディスラス・ファラーゴの小説『破られた封印』です。

『十二人の怒れる男』(1957)のマーティン・バルサムが主演を務め、『黒い潮』(1954)の山村聡と共演しています。

映画『トラ・トラ・トラ!』のあらすじとネタバレ

日本時間1941年12月8日未明、ハワイ時間1941年12月7日日曜日の早朝。大日本帝国海軍はハワイのアメリカ太平洋艦隊を奇襲。これにより、第二次世界大戦が太平洋に波及しました。

時を遡ること1939年9月1日。海軍大臣となる吉田善吾海軍中将の後任として、大日本帝国海軍の山本五十六中将が連合艦隊司令長官に就任しました。

その就任式が瀬戸内海に停泊中の戦艦「長門」の艦上で行われる一方、時の総理大臣である近衛文麿は、外務大臣の松岡洋右や大日本帝国陸軍大臣の東條英機らを集めて閣議を開きました。

アメリカの対日経済制裁により日米関係は悪化の一途を辿っていたため、その打開策を討議したかったのです。

アメリカに外交的に歩み寄るべきか悩む近藤に対し、東條たちは南方作戦を決行する絶好の機会だと主張しました。

南方作戦とは、香港・マニラ・シンガポールの重要軍事拠点を覆滅して東亜における米英勢力を一掃するとともに、国力造成上の見地から、スマトラ・ジャワ・ボルネオ・セレベスおよびマレーなどの重要資源地帯を攻略確保することを目的とした、大日本帝国の進攻作戦です。

この時アメリカは、フィリピンに極東陸軍(太平洋戦争時にフィリピン防衛のために設置された、駐留アメリカ陸軍およびフィリピン陸軍の合同部隊)の司令部を設け、ハワイ・オアフ島にある真珠湾海軍基地に太平洋艦隊を進めていました。

1940年9月27日。ドイツ・ベルリンの首相官邸にて、大日本帝国・ドイツ・イタリアの軍事同盟「日独伊三国同盟条約」が調印されました。

1941年1月24日。アメリカ陸軍情報部は、東京にある大日本帝国海軍省から、ワシントンD.Cにある日本大使館に送られるパープル暗号(当時の日本の外務省が使っていた機械式暗号の一種)を傍受していました。

全て傍受して解読した結果、アメリカ陸軍情報部極東課長のブラットン大佐と、アメリカ海軍情報部のクレイマー少佐は、太平洋でただならない事態が起きていることを察知しました。

1941年2月1日。合衆国艦隊再編で設けられた太平洋艦隊の司令長官に、アメリカ海軍のハズバンド・キンメル海軍大将が任命されました。

真珠湾海軍基地へ向かう道中、アメリカのフォード陸軍基地司令官パトリック・ベリンジャー中将はキンメルにこう忠告しました。

イギリス海軍がタラント港で開戦した戦いにて、真珠湾と変わらぬ浅海面の雷撃でイタリアの戦艦3隻を沈めていることから、日本が真珠湾を攻撃する可能性も十分にある、と………。

一方山本は、連合艦隊参謀長の福留繁海軍少将に、空母「赤城」の雷撃機を使って真珠湾を奇襲するという作戦について語っていました。

その後、「赤城」の名パイロットである源田實海軍中佐が第一航空艦隊参謀に就任。

さらに軍令部作戦部長となった福留に代わり、大日本帝国海軍の宇垣纏少将が連合艦隊参謀長に就任。真珠湾を奇襲するための具体策を練りました。

一方、アメリカ陸軍の参謀総長ジョージ・C・マーシャル陸軍大将はキンメルに、大日本帝国海軍の高速攻撃空母群が週末の夜明けにハワイを奇襲することも十分にあり得るとして、航空機B-17を使って常時ハワイ周辺海域を哨戒することを提案しました。

その索敵にはB-17が180機必要です。しかし、アメリカ中からB-17をかき集めたとしても数が足りません。

哨戒機の数が足りない代わりとして、アメリカ陸軍はハワイ・オアフ島北端にあるオパナ岬に移動式のレーダーを設置しました。

しかし、アメリカ政府はキンメルたちの話を信じようとしません。そのため、時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトまで情報が届くことはありませんでした。

1941年4月。ワシントンにある日本大使館にて、駐米大使官の野村吉三郎とアメリカの国務長官コーデル・ハルの間で、大日本帝国陸軍の中国大陸撤退を条件にした日米両政府の国交調整交渉「日米交渉」が行われました。

しかしアメリカ政府が妥協案を出しては、大日本帝国側がまた別の案を提示してくることの繰り返しで、なかなか上手く交渉がまとまりません。

1941年7月28日。大日本帝国はフランス領のインドシナへ進駐。これを受け、アメリカ政府は石油禁輸措置等の経済制裁を発動しました。

その後、マーシャルとアメリカ海軍作戦部長のハロルド・スターク海軍大将は、アメリカのハワイ方面陸軍司令長官のウォルター・ショート陸軍中将とキンメルにこう通達しました。

「日本が直ちに敵対行動を起こすとは考えられないが、適当な警戒手段をとるように」と。

上層部は日本を甘く見ていると呆れるキンメルたち。アメリカ陸軍と太平洋艦隊は自分たちのやり方で真珠湾を守ると決め、非常警戒態勢をとりました。

以下、『トラ・トラ・トラ!』ネタバレ・結末の記載がございます。『トラ・トラ・トラ!』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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一方、真珠湾奇襲作戦の要となる「赤城」の飛行隊は、真珠湾と地形が似ている鹿児島の錦江湾で真珠湾航空奇襲の訓練を行いました。

順調に準備を進めていた山本たちに待ったをかけたのは、近藤でした。近藤は御前会議にて、昭和天皇からアメリカとの戦争は避けるよう言われたからです。

近藤はアメリカとの外交交渉に注力することに決め、ワシントンにいる野村とその補助大使となった駐米特派大使の来栖三郎に、日米交渉の期限延長を求めるよう命じました。

しかし来栖は、日米交渉の論点となっている日独伊三国同盟条約に調印した張本人であるため、アメリカ政府に不信感を抱かれてしまいます。

近藤の私邸から「長門」に戻った山本は、すぐさま軍議を開き、「戦端を切るのは12月8日の予定であるが、目下ワシントンで行われている日米交渉が成立した場合は前日の午前1時までに出動部隊にハワイからの引き揚げを命じる」と告げました。

1941年10月。近藤は外交解決を見出せなくなったことを理由に辞職し、東條が陸軍大臣兼総理大臣に就任、軍事的権力を強めていきました。

1941年11月25日。パープル暗号を傍受・解読したアメリカ陸軍情報部は、大日本帝国が11月29日までに外交交渉を終わらせようとしていることと、大日本帝国軍兵員輸送船団が台湾沖を南下中だという情報を入手。

このことから、ブラットンは大日本帝国軍が真珠湾を攻撃するのは11月30日日曜日だと推測。彼から報告を受けたスチムソン陸軍長官は、このことをルーズベルト大統領に伝えることを約束しました。

また、マーシャルもショート陸軍中将とキンメルに、「大日本帝国の出方は不明だが、すぐにも戦争に突入する危険性がある。戦争を避け得ない場合、アメリカは日本からの第一撃を望む」、「大日本帝国はフィリピン・タイ・マレーなどを攻撃すると見込まれる。開戦に備えて警戒せよ」と警告を発していました。

アメリカ海軍は「ワスプ」「レンジャー」「ヨークタウン」「ホーネット」「サラトガ」「レキシントン」「エンタープライズ」という航空母艦7隻を保有していましたが、真珠湾に停泊しているのは「レキシントン」と「エンタープライズ」の2隻のみです。

にもかかわらず、キンメルはミッドウェーとウェーク島に空母を派遣することとしました。

その際、キンメルは航空戦闘部隊司令官兼第2空母戦隊司令官のウィリアム・ハルゼー海軍中将に、戦艦を連れていくかと尋ねます。

これに対しハルゼーは、「戦艦は足が遅い。急場には足手まといになる」と拒否しました。

逆にハルゼーが、日本の艦艇に遭遇した場合はどうするか明確な指示を求めると、キンメルは「常識でやれよ」と暗に攻撃を許可しました。

それを聞いたハルゼーは、「どんなボロ船でも、見つけ次第必ず沈めてやる」と宣言します。

1941年11月26日。第一航空艦隊司令長官の南雲忠一海軍中将率いる機動部隊は「赤城」に乗り、択捉島中部に位置する湾「単冠湾」を出港。ハワイへの侵攻を開始しました。

1941年12月2日17時30分。南雲中将たちは山本から、「新高山登レ、一二〇八」という電報を受け取りました。

これは当初の予定通り、日本時間の12月8日に開戦することが決定したことを意味しています。

ハワイ時間の1941年12月6日。アメリカ陸軍情報部は、東京から日本大使館に送られた大日本帝国の対米英宣戦布告『帝国政府ノ対米通牒覚書』を解読し、アメリカ海軍にその情報を知らせました。

『帝国政府ノ対米通牒覚書』を翻訳した文書を受け取ったルーズベルト大統領は、戦争回避のために昭和天皇に「両国の元首が腹を割って話し合おう」という内容の親書を送りました。

しかし大日本帝国側の通信妨害のせいか、その親書が東京の日本大使館にいる駐日大使のジョセフ・グルーの元に届いたのは、開戦前夜となってしまいました。

外務大臣の東郷茂徳から「日米交渉を振り出しに戻すチャンスだ」と進言された東條でしたが、「これが1、2日前に届いたのならまたひと騒動あったと思うが、もう遅い」と一刀両断しました。

1941年12月7日。東京から日本大使館へ、「“帝国政府ノ対米通牒覚書”の最終章を解読した後、ただちに暗号解読機を破壊。暗号書および秘密文書を破棄せよ」という電文が送信されました。

それを解読したブラットンは、すぐさまその翻訳文をクレーマー少佐に渡し、アメリカ海軍に知らせました。

翻訳された電文を受け取ったアメリカ海軍は、大日本帝国がハワイを攻撃することを確信しました。

アメリカ海軍情報部長のセオドア・S・ウィルキンスン大佐は、スターク海軍大将にすぐにでもこのことをキンメルに知らせるべきだと進言しましたが、「いや大統領が先だ」と言ってすぐに電話しませんでした。

1941年12月8日未明。ついに「赤城」から、大日本帝国海軍の淵田美津雄中佐率いる水平爆撃隊が搭乗する零式艦上戦闘機が真珠湾に向けて発艦しました。

アメリカ海軍の駆逐艦DD-139「ワード(ウォード)」は、港外で国籍不明の潜水艦を発見。すぐさま爆雷を投下し撃沈しました。(ワード号事件)

その国籍不明の潜水艦は、大日本帝国軍の特殊潜航艇「甲標的」でした。「ワード」は撃沈直後にこのことをアメリカ海軍本部に報告。

しかし応対したアメリカ海軍のアール大佐が、見誤りである可能性もあるため確認が先だと言い、すぐに警報は出しませんでした。

ハワイ時間12月7日日曜日の午前7時前。移動式のレーダーを操作していたアメリカ陸軍のジョーゼフ・ロッカード二等兵とジョージ・エリオット二等兵は、勤務終了間近となったため撤収作業を進めていた矢先、レーダーのオシロスコープ(電気的な振動をスクリーンに表示する装置)スキャナーに50機を超える飛行機の大編隊が接近していることを確認。

ロッカードはアメリカ陸軍の情報センターに電話しましたが、日曜日のため本職の管制官は休んでおり、レーダーの仕組みを理解するための訓練として管制官役をしていたアメリカ陸軍航空隊のパイロット、カーミット・タイラー陸軍中尉が応対しました。

タイラーは、フィリピンに配備されるためにアメリカ本土からオアフ島にやって来たB-17の機影がレーダーに映ったものだと誤認し、「心配ない」と返答。彼にそのことを伝えなかったのは、士官のみが知っている軍事機密情報だったからです。

さらにブラットンがショート陸軍中将やキンメルら各基地の司令官に宛てた至急報は、空中状態が悪く電波障害が生じたせいでハワイにすぐに連絡が取れなかったことなどのミスが重なり、アメリカ軍は敵軍の奇襲を察知する機械を何度も逃してしまいます。

一方、水平爆撃隊はついに真珠湾上空に到達。真珠湾に設置されている対空砲陣地から一発も攻撃してこないことと、真珠湾上空に敵戦闘機の姿が見当たらないことから、淵田は奇襲に成功したと思い、旗艦の「赤城」に「トラ・トラ・トラ」と打電しました。

「トラ・トラ・トラ」とは、「ワレ奇襲ニ成功セリ」を意味する暗号略号です。「赤城」を中継し、瀬戸内海に停泊中の「長門」は淵田からのメッセージを受け取りました。

ハワイ時間午前7時55分。アメリカの軍艦は朝8時ちょうどに艦尾に星条旗を掲揚するという習わしがあり、この日も各館の後部露天甲板にアメリカ海軍の士官と水兵が整列し、軍楽隊による国歌演奏が行われていました。

その上を水平爆撃隊が低空飛行で飛び越え、真珠湾への爆撃を開始。ホノルル海軍航空基地作戦士官のローガン・ラムジー中佐は、基地に対して急降下してくる航空機を安全規則違反した友軍機だと最初思いましたが、直後に格納庫の方で爆炎があがったことから、敵軍の空襲に遭っているのだと察しました。

すぐさま管理室に駆け込み、当番兵に「真珠湾空襲、これは訓練ではない」と各部隊に警報を出すよう命じました。

ワード号事件を知ったキンメルは、すぐさまアメリカ海軍司令部へ急行。司令部に到着してすぐ、水平爆撃隊による雷撃を受けて、アメリカ海軍の戦艦「オクラホマ」が転覆し、「ネバダ」が沈没したことを知らされます。

雷撃を受けたアメリカ海軍の戦艦「ウェスト・バージニア」は大火災、巡洋艦「ローリー」と「ヘレナ」が中破、アメリカ海軍の戦艦「カリフォルニア」は大破しました。

さらに「加賀」の飛行隊が乗る九七式艦上攻撃機が、アメリカ海軍の戦艦「アリゾナ」に向けて800キロの徹甲爆弾を投下。弾薬庫を誘爆させました。

司令部の窓際で、アメリカ海軍の戦艦が次々と攻撃されていく様をただ見ていることしかできなかったキンメル。

窓ガラスを突き破った流れ弾は彼の胸に当たるも勢いがなく、その軍服の胸の部分を黒く汚すだけ。それを見てキンメルは、「いっそこの流れ弾で死なせてほしかった」と呟きます。

一方ショート陸軍中将は、参謀から真珠湾が空襲されていることを知り、陸軍全部隊の動員と警備隊への連絡、司令部をオアフ島のアリエマヌに置くよう副官に命じました。

この間、水平爆撃隊はオアフ島各航空基地の飛行場を爆撃。キンメルがオアフ島に住む日系人による破壊工作を警戒し、航空機を分散せず集結させて配置させてしまったのが裏目に出てしまい、さらに被害を大きくさせてしまいました。

ですが、水平爆撃隊の快進撃も長くは続きません。大日本帝国海軍は全ての航空基地を攻撃したつもりでいましたが、最も遠方にあったハレイワ航空基地の存在を知りませんでした。

そのおかげで被害を免れたハレイワ航空基地から、アメリカ陸軍のケネス・テイラー中尉とジョージ・ウェルチ中尉が乗る戦闘機P-40が2機出撃。真珠湾上空で敵機4機を撃墜しました。

真珠湾攻撃が始まってからしばらくして、ようやくアメリカ海軍のフランク・ノックス長官に電報が届きました。

攻撃を受けているのはフィリピンではないのかと叫ぶノックス長官に対し、彼に報告したスターク海軍大将は真珠湾のことだと告げます。

その後、水平爆撃隊がそれぞれの母艦に帰投し、第二航空戦隊司令官の山口多聞海軍少将が南雲中将に「第二次攻撃準備完了」と信号を送りました。

ですが南雲中将は、真珠湾に敵空母が1隻もおらず、またその現在位置も特定できていないこと、また敵潜水艦が自分たちを探して求めていることを理由に攻撃命令は発しませんでした。

それどころか攻撃隊を帰投させ、母艦に収容させ次第、針路を反転させ帰路につくよう命じたのです。

これに源田は異を唱えましたが、南雲中将に「我々の任務は完全に達成された。このかけがえのない機動部隊を、無傷で大日本帝国に連れ帰ることが私の義務である」、「戦いは始まったばかり。まだまだ先は長い」と言われてしまいます。

南雲中将たちが大日本帝国への帰路につく中、山本たちは「12月8日未明、大日本帝国海軍がハワイ方面の米国艦隊ならびに航空兵力に対し、決死的大空襲を敢行した」という大本営海軍部の発表を聞きました。

それを聞いた山本は部下たちに、自分の意図はアメリカに宣戦布告した直後、アメリカの太平洋艦隊ならびにその基地を徹底的に叩き、アメリカの戦意を喪失させることにあると告げます。

さらに山本は、「アメリカの放送によると、大日本帝国からの最後通牒を受け取る55分前に真珠湾を攻撃されたと言っている」、「アメリカ人の国民性から考えて、これほど彼らを復讐へと奮起させることはないだろう」と、自分が招いた最悪の結末について嘆きます。

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映画『トラ・トラ・トラ!』の感想と評価

大日本帝国海軍による真珠湾攻撃が、これほどにまで計画的に実行されたものであり、地獄さながらの状況をもたらしていたなんて想像だにしていませんでした。

50機を超える大日本帝国海軍の戦闘機によって、真珠湾にいたアメリカ海軍の戦艦と、オアフ島の各航空基地の飛行場が爆炎に包まれていく様は、観ているだけでも圧倒されます。

ですが山本は、自分が発案した真珠湾攻撃が成功したのに全然嬉しそうではありません。

それもそのはず、作中で山本自身が語っているように、山本が真珠湾攻撃をしようと思ったのは、あくまで敵の空母と軍の基地を潰してアメリカ軍の戦意を喪失したかったからです。

しかし実際には、アメリカ軍は戦意を喪失するどころか復讐に燃え、次なる戦いに向けて奮起しています。

眠れる獅子を起こす結果となってしまったことを後悔する山本の姿は、開戦前の勇猛さはなく、どこか哀愁を感じて胸が痛いです。

対してアメリカ側は、キンメルとショート陸軍中将は週末に一緒にゴルフをするほど個人的には懇意でした。

しかし実際には、アメリカ海軍と陸軍は連携や協力はないに等しいです。

それに加え、ヒューマンエラーが相次いで起きたことで、キンメルたちは真珠湾が奇襲されている事実に気づくチャンスを何度も逃してしまいました。

ただ戦況を見守ることしかできなかったキンメルが苦悶の表情を浮かべていたのは、そんな自分たちの油断が招いてしまった結果だと彼が一番痛感したからだと考察できます。

まとめ

大日本帝国海軍がいかにして真珠湾攻撃したのか、また日米両政府がどのように外交交渉を行っていたのかを知ることができる、アメリカの戦争スペクタクル大作でした。

大日本帝国側で開戦前、真珠湾攻撃をやるかやらないか、軍内部や軍と政府の間で議論がされていたこと。

またアメリカ側で、大日本帝国海軍と日本大使館の間で行われていたパープル暗号を傍受・解読し、真珠湾攻撃を予期して対策を練っていたことなど、歴史の授業だけでは知り得なかったことが作中では描かれています。

そして日米両軍の戦闘機や軍艦が多数描かれているため、歴史好きな人はもちろん、今まで歴史に興味がなかった人もどちらも楽しめる、非常に興味深い場面ばかりです。

そしてキンメル役を演じるマーティン・バルサムと、山本五十六役を演じる山村聡は、観る人の心に訴えかけてくる迫真の演技を魅せてくれます。

マーティン・バルサムと山村聡ら豪華キャスト陣で贈る、真珠湾攻撃を題材にしたダイナミックな戦争映画が観たい人に、オススメの作品です。

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