Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/05/13
Update

映画『孤狼の血』あらすじとキャスト。感想は原作文庫との違いを調査!

  • Writer :
  • Yasu

ミステリー映画『孤狼の血』は、5月12日(土)より公開

柚月裕子の同題ベストセラー小説を白石和彌が映画化。昭和63年の広島の呉市がモデルになっている架空の都市呉原市を舞台にした、刑事とヤクザの駆け引きを描いたエンターテイメント。

警察の暴力団係の班長、大上章吾を役所広司、大上の下につき、大上と行動を共にすることになった日岡秀一を松坂桃李が演じます。

監督は『凶悪』『彼女を知らない鳥たち』の白石和彌。

今回は柚月裕子の原作小説のあらすじに書かれた事件の真相の結末と、それを映画化した見どころなどを調査しました。

スポンサーリンク

映画『孤狼の血』の作品情報


(C)2018「孤狼の血」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【原作】
柚月裕子

【監督】
白石和彌

【脚本】
池上純哉

【キャスト】
役所広司、松坂桃李、真木ようこ、滝藤賢一、中村倫也、阿部純子、中村獅童、江口洋介、竹ノ内豊、ピエール瀧、田口トモロヲ、石橋蓮司

【作品概要】
若松孝二監督の弟子で、その若松監督を描いた映画『止められるのか、俺たちを』の公開も控えている白石和彌が監督をつとめています。

昭和63年の暴力団施工法施工前の県警対組織暴力を描いています。

正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの戦いの物語です。

柚月裕子プロフィールと作品の特徴


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

柚月裕子(ゆづきゆうこ)は、1968年5月12日生まれで岩手県出身の作家です。映画『孤狼の血』公開の日が50歳の誕生日なんですね…⁈狙ったのか、偶然なのかはわかりません!

2008年に、『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。

2013年『刑事の本懐』で第15回大藪春彦賞を、2016年に『狐狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞

他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園-アントガーデン』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』『盤上の向日葵』などがあります。

スポンサーリンク

原作『孤狼の血』のあらすじとネタバレ


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

呉原東署へ赴任してきた、日岡は捜査二課の所属となり、暴力団係に配属されました。そこでは、捜査二課の主任で、暴力団係の班長をつとめる大上の下につくことになります。

日岡は大上の物騒な噂を、県警に採用される前から聞いていました。暴力団員から2度襲撃を受け、相手を半殺しにしたとか、自らも重傷を負って入院した、との噂もあり、日岡は大上のことを会う前から恐れていました。

呉原東署では呉原市暴力団抗争事件対策本部が、暴力団関連事務所の一斉捜査を計画していた時、新興暴力団組織の系列の呉原金融の経理担当社員、上早稲が3か月行方不明になっており、その上早稲の行方を、大上は追っているのでした。

上早稲の妹は、警察に捜索願を出しています。

暴力団係り等が、エスと呼ばれる暴力団内部の内通者を飼っているもので、使えるエスをどのぐらい持っているかで、刑事としての腕が決まるといっても過言ではない、ということは、日岡でも知っています。

大上はそのたくさん飼っているエスを使って、上早稲を追いかけますが、日岡は次第に大上の行動に疑問を持つようになります。

時に暴力で暴力団員を脅し、

時に大金で内部の情報を買う……

暴力団をうまく付き合う事で、上早稲捜索を前進させようとするところまでは、警察内部でも暗黙の了解としてあるものですが、それが度を越しているのです。犯罪組織と警察組織という関係のバランスが崩れていると、日岡は感じるのでした。

しかし、そんな大上の度を越した捜査によって、上早稲の行き先を突き止めることに成功したのでした。

上早稲が向かったのは無人島の赤松島でした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『孤狼の血』ネタバレ・結末の記載がございます。『孤狼の血』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

大上、日岡を含めた捜査員たちは、警察犬を連れて赤松島へやってきます。

警察犬の鼻が、ある匂いを嗅ぎつけます。

警察犬が示した地点を掘り起こすことにする捜査員たち。

そして、そこから出てきたのは腐乱死体でした。

鑑識課の手に渡る死体。

鑑識課職員は大上に告げます。
「事前に入手していた、上早稲の歯形と、地中から発見された頭部の歯形が一致しました。この頭部は上早稲本人のもと、ほぼ断定できます」と。

大上は死体に語りかけます。
「成仏してくれい。のう、上早稲」

大上は、今回の事件をきっかけに、排除すべき暴力団の排除に突き進もうとしているのでした。

しかし、赤松島で上早稲の遺体が発見され、大上班が慰労会と称し、酒盛りをした翌日、大上は署長から自宅待機を命じられたのでした。

自宅待機―事実上の謹慎です。

納得いかない班員たちは署長に理由を問い詰めます。しかし、署長は何も話しません。

日岡は、大上から直接聞くのでした。

そこで大上は、[例の500万じゃ」と日岡に話します。

例の500万とは、組と組の間で、やり取りがあるはずだった金を、大上が預かる形となり、大上がその500万円を組と組の間に入りながら、事を丸く収める為に使ったお金のことでした。

そして、それを新聞社の記者に知られることとなった、というのです。

上早稲の死体発見を、きっかけとして暴力団を鎮めるべく、「さぁ、これから」と、意気込んでいた大上が一番ショックであるにも関わらず、日岡には「ガタガタ騒ぐな。ワシがおらんあいだ、班の指揮は係長がとる。係長の指揮に従え」と、逆に日岡を激励します。

ある日を境に、大上と連絡がとれなくなる日岡。

大上は、単独で暴力団間の中に、さらに入り込んでいっていたのです。

不安になる日岡。

田島港の埠頭から、一体の水死体が上がったという一報が入ります。

死体を確認するために田島港へ向かう日岡。死体を確認するや、無線で、「こちら日岡。自分で視認したところ、遺体は大上巡査部長と思われます」。

実は日岡はスパイでした。大上を監視するために大上の下についたのです。

世間では、警察組織と暴力団との癒着が問題視されていました。その、警察が世間に知られたくない様々な問題の情報を大上は握っており、その握っている情報を把握するべく、警察組織が日岡を大上の近くに置いたのでした。

しかし、大上と行動を共にする中で、時に、刑事でありながら、法に触れるようなやり方で捜査を進めることはあるものの、町の平和を守る、という信念や、愛を大上から感じていた日岡。

スパイ活動の対象者でありながらも、直属の上司だった男を亡くした日岡をねぎらう警察上層部に対し、日岡はこう言います。

「俺が持っとるネタは、まだ仰山ありますがのう……。手を出したら広島県警は火傷しますよ」。

日岡は、広島県警の黒い行いが書かれたノートを、大上から託されていたのでした。

『孤狼の血』の原作と映画の違いは?


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

強烈キャラの大上役に名優!役所広司

本作の監督を務めた白石和彌は、名匠若松孝二監督の弟子で師匠を描いた映画『止められるのか、俺たちを』の公開も控える白石和彌が監督をつとめています。

原作小説では、大上はパナマ帽をかぶって、昭和の雰囲気を醸し出しながら、組織の1ピースにおさまりきらない強烈な個性を発揮。

常に暴走していると感じさせるぐらい、自分がこうと決めたらとことん突き進んでいきます。

そこにもはや、法律という壁があったとしても、法律でも介在する余地がないほどです。

また、大上は、品があるタイプではないものの、料理屋の美人女将が惚れるぐらいなので、男の色気はあります。

役所広司がやり過ぎの悪の部分と、実は情に熱く愛に溢れている男の色気の部分をどう表現しているかが映画の見どころになっています。

日岡を演じる松岡桃李に注目!


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

また、日岡演じる松岡桃李にも注目です。

日岡は、基本的には頼りないキャラクターなのです。

ドラマ『ゆとりですがなにか』内で演じた役に近いものがあります。

しかし、そこから、大上が自宅待機にさせられ、大上と連絡を取れなくなると、どんどん逞しくなります。

そして、最後には大上の思いを引き継ごうとするのです。日岡の成長に注目です!

スポンサーリンク

まとめ


(C)2018 映画「孤狼の血」製作委員会

世の中にこんなすごい映画があったのかと、脳天かち割られるぐらいの衝撃があった」と話しているのは、原作小説を執筆した柚月裕子

その柚月が、「『仁義なき戦い』なくして、この作品はあり得なかった」と言っていることからも、分かるように、仁義なき戦いをバリバリ意識して書いた作品です。

また、脇は、江口洋介、竹ノ内豊、中村獅童などが固めまているのも。超豪華!

新時代の東映『仁義なき戦い』になりうるか、はたまた、それを超えるか、あなたの目で刮目してください。

時代を担う、若松イズム継承者白石和彌監督が、どのように昭和のやくざの世界を描いたか、豪華俳優陣を生かすエンターテイメント性を打ち出してくるか、必見です。

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『ビリーブ 未来への大逆転』あらすじネタバレと感想。尊敬される女性の半生を描く

世紀の「男女平等」裁判に挑んだ女性弁護士の実話 2019年3月22日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかでロードショーの映画、『ビリーブ 未来への大逆転』。 86歳の今もなお、現役のアメリカ最高裁判事 …

ヒューマンドラマ映画

祈りの幕が下りる時あらすじとキャスト!ロケ地やエキストラ情報も

ますます人気とともに安定感を見せる俳優・阿部寛。 彼が演じる刑事の加賀恭一郎。東野圭吾の原作による『新参者』シリーズの完結編の映画化です。 2018年公開の映画『祈りの幕が下りる時』を一足先にご紹介し …

ヒューマンドラマ映画

韓国映画『ワンステップ~君と僕のメロディ~』あらすじとキャスト!

事故にあったことで音が色で見えるという色聴を患い、心に傷を抱える少女シヒョン。 彼女の愛と再生を描いた爽やかな感動作『ワンステップ~君と僕のメロディ~』10月29日(日)より、10月29日(日)よりシ …

ヒューマンドラマ映画

Netflix海外ドラマ『コブラ会』ネタバレあらすじと感想考察。シーズン1として“ベストキッドの34年後”に描かれたストーリーとは

Netflix海外ドラマ『コブラ会』シーズン1 1984年に公開された映画『ベスト・キッド』は、いじめられっ子の少年ダニエルが、空手の達人であるミヤギさんに出会い、空手を通じて成長していくストーリー。 …

ヒューマンドラマ映画

鬼滅の刃遊郭編名シーン/名言3|堕姫・妓夫太郎感動の名場面を漫画ネタバレで復習【鬼滅の刃全集中の考察10】

連載コラム『鬼滅の刃全集中の考察』第10回 大人気コミック『鬼滅の刃』の今後のアニメ化・映像化について様々な視点から考察・解説していく連載コラム「鬼滅の刃全集中の考察」。 前回、前々回記事に引き続き、 …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学