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Entry 2021/10/30
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映画『スレイヤー 7日目の煉獄』ネタバレあらすじ結末と感想評価。原題の意味と凶器“斧”が登場する理由|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー62

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第62回

深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。

そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第62回は、『スレイヤー 7日目の煉獄』(2020)のご紹介です。

世界では悪魔に憑依される事案が多くなり、緊急的に悪魔祓い(エクソシスト)の数が必要とされていました。神学校で悪魔祓いを学び、成績トップで修めた新米神父のダニエルは、凄腕のエクソシストとして名高い、ピーター神父の元へ派遣されます。

ピーターは神父でありながら破天荒で型破りな方法で、ダニエルを実地訓練か実力を試すように、悪魔と対峙させようと仕向けます。そしてピーターが過去に出会った「最強の悪魔」との戦いに、新米神父のダニエルも巻き込まれます。

【連載コラム】「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」記事一覧はこちら

映画『スレイヤー 7日目の煉獄』の作品情報


(C) 2020 Cinestate Seventh Day, LLC

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【原題】
The Seventh Day

【監督/脚本】
ジャスティン・P・ラング

【キャスト】
ガイ・ピアース、ヴァディール・デルベス、スティーヴン・ラング、キース・デイヴィッド、クリス・ガルスト、ロビン・バートレット、ブレイディ・ジェネス、トリスタン・リッグス、ハンナ・カルウェル、ヒース・フリーマン、アコリエ・ホワイト

【作品概要】
監督を務めるのは『不死身の少女と盲目の少年』(2019)のジャスティン・P・ラング。

ピーター神父役を『メメント』(2000)、『トゥー・ブラザーズ』で主演を務め、『英国王のスピーチ』(2010)、『プロメテウス』(2012)など多くの注目作に出演している、ガイ・ピアースが演じます。

映画『スレイヤー 7日目の煉獄』のあらすじとネタバレ

(C) 2020 Cinestate Seventh Day, LLC

1995年10月、アメリカ合衆国がローマ教皇の来訪で熱狂しているころ、ある屋敷の一室には悪魔に憑依された少年がベッドに拘束され、悪魔祓いが行われようとしています。

ルイス神父は新米で助手のピーター神父と共に、悪魔に挑もうとしますが、ピーターは少年の姿を見ると、祈りの言葉も出ないほど途方に暮れてしまいます。

ルイスはピーターに祈りを続けるよう咤すると、少年は苦しみ身体はのけぞります。ルイスが首にかけたストラで少年の胸を押さえ、悪魔に出て行くよう命じます。

しかし、少年はそのまま呼吸をしなくなり、やがて少年の口を介して話し始めます。それは迷い戸惑うピーターに向けられました。「新たな羊飼いをみつけ、新たな力と可能性を享受し、かつてないほど“笑う”のだ」

少年の母親が首にさげた十字架が浮かび、チェーンが食い込み始めます。ピーターは外そうと試みますが、十字架だけがチェーンから外れて、ルイスの頸動脈に刺さります。

少年の体は内側から焼けるように、腕が火傷でただれはじめます。ルイスはピーターに悪魔祓いを続けるよう告げ絶命し、少年の両親もピーターに哀願しますが、ピーターは自信がなく不安げにストラをみつめます。

そして現在、ルイジアナ州ニューオリンズの大司教区教会に、神学校を卒業したばかりのダニエル神父が呼ばれていました。

大司教はダニエルにピーター・コステロ神父を紹介します。その風貌は神父にそぐわない態度と服装ですが、彼はエクソシストとして名高い人物であり、首にはかつてルイス神父を刺殺した、十字架がかけられていました。

大司教は、悪魔に憑依される人が急激に増え事態は緊急性を要しているが、“エクソシスト”として活動できる人員は現在わずかで、その人員の育成・増員は不可欠だと話します。

ピーターはさっそくダニエルを訓練すると席を立ち部屋を出ます。大司教はダニエルに、神学校では教えていない事実として、バチカンが悪魔祓いに対して否定的になっていると言います。

悪魔祓いがきっかけで、擁護できない事案が公になったこと。それを危惧したバチカンがエクソシストの継承をやめ、ピーターの師匠ルイスを含むわずかなエクソシストだけが、後継者の育成に取り組んだことを語る大司教。

そのルイスの意志を継いだのがピーターであり、彼から多くのことを学ぶだろうと、大司教はダニエルを期待を込めながらも見送りました。

ダニエルの神学校での成績はトップで、2週間の悪魔祓いの修行を経てきました。しかし、ピーターはそんな彼を茶化します。

そしてダニエルの「何でも答えられる」という言葉に、ピーターは「ここで何している?」と志願した動機を聞きます。

ダニエルは「悪魔祓いの養成」に呼ばれたことが「予想外」と明かします。そしてエクソシストになることに不安があると本音を漏らします。

ピーターは大司教から何を聞かされたか訊ねます。ダニエルはピーターが最高のエクソシストであること、そしてルイス神父の弟子だったことを聞いたと答えます。

ピーターはルイスの死後、1人で少年を助けようと試みたが、体内から出る炎に包まれ、目の前で焼け死んでしまったと話しました。

悪魔祓いに失敗したピーターは、その後少年が焼かれていく光景にさいなまれ、その時に遭遇した悪魔にリベンジするべく世界中の悪魔を祓ってきたことで、今「ここにいる」と語ります。その上で、再度ダニエルにここにいる理由を聞きます。

ダニエルが答えられずに戸惑っていると、ピーターは彼に「神父」と一見わからない服へと着替えるよう言います。

そして車で移動しながら、ダニエルがエクソシストを続けるか、平凡な神父になるかは自分次第だと、ホームレスが集まる区域に連れて行き、実力を証明してみせろと言います。

そこにいる人たちの中から、憑依されている人を見破れというピーター。ダニエルは困惑しますが、悪魔を見つけ出せずにどうやって祓うつもりなのかとピーターは迫ります。

ホームレス支援者に呼び止められますが、ピーターは知り合いを探していると言い、ダニエルはお構いなくと先に進んでいきます。

突き当りにたどり着くと、若いホームレスの青年が焚火の前に座り、何やらブツブツつぶやきながら、うつろな目をして落ちつきなく手を震わせています。

ダニエルが青年の前に歩み寄り名乗ると、彼はダニエルを支援者だと思い、「いつもの支援者(ヘレン)はどうしたか」と聞きます。

ダニエルは青年に唐突に聞きたいことがあるというと、彼は不審に思って激しく拒絶し、ピーターと共に立ち去るよう怒鳴ります。

「ダニエルに任せる」というピーターに対し「道具」がないと答えるダニエル。ピーターが自分の十字架を貸すと、ダニエルは祈祷を始めます。

青年が困惑していると、支援者のヘレンがやってきて、出て行くよう叫びます。ピーターは何かが書かれたメモをダニエルに渡し、読むよう促します。

「オビズート」とダニエルがつぶやくと、ヘレンが突然豹変し爆風をおこします。彼女はガラスの破片を口にほおばり「よくも私の名前を呼んだな」と襲いかかります。

ピーターはヘレンをダニエルから引き離すと祈祷を始め、ヘレンに取り憑いていた「オビズート」を祓いました。

ダニエルは支援をしている見かけだけで、ヘレンに悪魔が憑依していることを見抜けませんでした。ピーターはエクソシストには、道具や祈りの言葉以上に「危険を承知で立ち向かう強い信仰心」が必要不可欠だと諭します。

悪魔は「利口」で動きも予想できず、存在も誇示しない。そして、最も予想外な場所に潜むと力説するピーター。教えを乞うには覚悟がいると言いかけた彼に、ダニエルは「やります!」と力強く志願しました。

以下、『スレイヤー 7日目の煉獄』ネタバレ・結末の記載がございます。『スレイヤー 7日目の煉獄』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C) 2020 Cinestate Seventh Day, LLC

2日前、12歳のチャーリー・ジルという少年が、両親と姉を斬殺した事件がありました。ピーターはその事件現場となった家に向います。

12歳の子供がおこした凄惨すぎる事件を、悪魔の仕業ではと推測したピーター。ダニエルに1人で状況を見てくるよう指示します。

ダニエルは不法侵入になることに躊躇し、どうしたらよいのか戸惑っていたものの、ピーターに「心を開き受け入れろ」とアドバイスされたことで、家の中へと入っていきます。

ダニエルは意識を集中させ「受け入れる心」の準備をすると、チャーリーと家族が彼の交友関係のことで、口論しもめている光景を目撃します。

チャーリーは学校や近所に友達を作らず、SNSで知り合った子と会っていました。その交友関係を心配した母親は神父に相談し、チャーリーと話をしてもらうよう依頼しました。

チャーリーは「汚れている町」の子供と交流し、神父はチャーリーを「特別な存在」だから心配しているという母親。

しばらくすると2階から「やめて!」と叫ぶ声が響きました。行ってみると、そこに血に染まった斧を持ったチャーリーが。彼はそのまま立ち去りますが、ダニエルは別の声で「助けてくれ」という声を聞きます。

ダニエルはトランペットや譜面台のある部屋に入りました。すると「ダニエル神父……助けて」とベッドの下から聞こえてきました。覗いてみた瞬間、取り憑かれたチャーリーに襲われ、ダニエルは我に帰ります。

ピーターのところへ戻ったダニエルは、チャーリーに会わなければと話し、ピーターは大司教に報告するには、チャーリーが憑依されている証拠がいると拘置所へと向かいます。

ダニエルが独房に入り自己紹介すると、チャーリーは夢の中で会ったから知っていると言い、あの事件を起こしたのは自分ではないと訴えます。

チャーリーはある晩、知らない男が部屋に忍び込み、ベッドで寝ている自分の胸を呼吸できなくなるほど、膝を押し付け首をつかむと「助けろ」と言ったと話しました。

その男を見たのは「スケート・シティー」に行った日だと話し始めると、独房の照明が点滅し始め、チャーリーに異変が起き始めます。

チャーリーに憑依している悪魔はダニエルを突き飛ばし、「勢力を広げ、でかいことが起きる」「だから、“心を開いて受け入れろ”」と脅します。

ダニエルとピーターはスケート・シティーへ行き、更に真相を探ります。

またダニエルは、チャーリーに取り憑いていた悪魔が、ピーターと同じように“受け入れろ”と語ったと伝えます。ピーターは「いい兆候だ」と答えますが、ダニエルは腑に落ちないままスケート施設へ入っていきました。

チャーリーと仲良くしていた3人組は、立ち入り禁止の部屋で「ウィジャーボード」をみつけたチャーリーが、1人で試していたと証言します。

彼は降霊が成功し、勝手に手が動いたと言ったと教えました。証拠を撮影するためにダニエルも交信をはじめ、「助けを求めただろう?」と問いかけます。

するとダニエルに異変が起こり、チャーリーの両親が殺害された現場へと意識が飛びますが、凶器の斧を持ち血まみれになっている自分の姿を目にしいます。

ダニエルは意識を取り戻し、子供たちに「文字はどんな言葉を指したか」と聞くと、彼らは「evil(悪)」だったと答えました。

大司教に降霊の動画を見せた結果、チャーリーは「悪魔に憑依されている」と認定されました。しかし、判事から出廷できる状態か確認中であるため、面会はできないと言われます。

ピーターは「大司教と打ち合わせる」と言い、ダニエルは控えでうなだれていると、スタッフの女性が自身の甥であり、「ピーターの弟子」であるというケビン・ダンレビー神父を紹介しました。

チャーリーと面会できることになった2人は、再び拘置所へ行きます。チャーリーはカウンセリングを受けていましたが、ダニエルはかまわず話しかけます。

目撃した男の特徴をチャーリーに聞くダニエル。「背が高く髭を生やし長髪……」とチャーリーが話しだすと、机の上の鉛筆は勝手に動き出し、カウンセラーの手の甲に刺さり、キリストが磔になった姿のように、チャーリーは宙を浮かびます。

ダニエルは一旦部屋から避難し、ガラス越しに膝を抱えたチャーリーの姿を見てますが、忽然と姿を消します。確認に入った警官は真っ暗闇の中で殺害されます。

憑依されたチャーリーは拘置所の職員を殺し、正気が戻ると探し回っていたダニエルと遭遇。ダニエルは彼を抱きしめますが、チャーリーは肩越しに見える扉の向こうのピーターを見て「あの男だ」とつぶやきました。

ピーターはチャーリーに安定剤を飲ませて、チャーリーの部屋で悪魔祓いの準備をします。ピーターはルイス神父から譲り受けた、悪魔祓いの道具をダニエルに託します。

しかし不安になりはじめたダニエルは、助けを乞うためにケビン神父に電話をします。ところがケビンは不可解なことを言い出します。

ダニエルは違和感を感じながらも、チャーリーの悪魔祓いを始めます。「力を受け入れてみろ。可能性を感じるはず、“笑え”ダニエル……もうすぐ終わる……そうすれば楽になる」と、悪魔がささやきます。

その言葉を聞きながら、ダニエルはピーターが教えてくれた「悪魔が人に取り憑く条件」を思い出しました。「自分を誇示せず、最も意外な人間」……とは。

ダニエルは十字架と祈りの言葉をピーターに向けます。ピーターは驚いてみせますが、すぐに「なかなかやるじゃないか」と正体を現します。

かつて少年の悪魔祓いに失敗したピーターは、弱く迷いがあったゆえにそのまま悪魔に乗り移られていました。そしてエクソシストを養成するふりをして、「悪魔の軍勢」を組織することを計画。その軍勢の1人がケビン神父だったのです。

ダニエルはピーターの力にねじ伏せられそうになりますが、ピーターから受け継いだ十字架を彼の頸動脈に突き刺します。

ピーターは死の淵で「感謝する……」と言い絶命します。

しかし彼に取り憑いていた悪魔は、ダニエルへと乗り移ろうとします。ピーターの口はまるで笑っているかのように裂け、顔も変形していきます。

ガラス越しにその姿を見たダニエルは、強い意志をもって憑依を拒絶し、醜い姿を映したガラスを叩き割ります。爆風が生じたものの、なんとか憑依されずに逃れました。

事の詳細を大司教に報告したダニエル。そしてどこの教会にも属さず、過去にピーターがエクソシストへと育成した司祭たち……現在の世界にはびこる「悪魔の軍勢」たちのリストをもらうと、彼らと対峙する旅へと出かけました。

映画『スレイヤー 7日目の煉獄』の感想と評価

(C) 2020 Cinestate Seventh Day, LLC

「神父が悪魔に憑依されてしまう」……という展開のエクソシストの映画はありますが、まさか神父の身体を器にして活動をする、そんな展開があるとは!

自分を誇示しない、神父と見破られないような格好、自分では悪魔祓いはしない……ピーターの行動一つ一つが、まさに“悪魔”でした。

ダニエルばかりにフォーカスされるカメラワークへの違和感、その違和感の理由が最後にわかるという展開には驚きです。

原題“7日目”と邦題“Slayer”から読み取る

旧約聖書では「世界は神が7日間で世界を造った」という、天地創造の逸話があります。その7日目が“安息日”なのですが、「いわゆる日曜日?」と思ったら、実は7日目は“土曜日”ということを知って驚きました。

6日目に“人”を創ると、神は7日目に休んだといわれています。この解釈は諸説あるようですが、「天地が安定するまで7日が繰り返されていったことが、1週間になった」という説はよく聞かれます。

この映画の原題がなぜ「The Seventh Day」なのかを紐解こうといろいろ調べていたら、そういえば仏教にも“初七日”という言葉がありました。

“初七日”とは人が亡くなり、天国行きか地獄行きかを審判する閻魔大王のところに行くために、三途の川のほとりへとたどり着くまでの時期のことです。遺族はその7日目に、故人の冥福を祈るわけです。

そうなると邦題の“7日目の煉獄”の意味がつながります

キリスト教において“煉獄”とはまさに、天国と地獄の間を指します。生前小さな過ちを犯した人が、天国に行けるよう“火”によって浄化される場所であり、悪魔に憑依された少年の身体が、内側から焼かれていくことを“煉獄”と例えたのでしょう。

しかし、悪魔による仕業は生きている者にその苦しみを与え、神の使者である神父の身体に取り憑くことで、悪魔は世界を征服しようと目論んでいました。

そして“Slayer(スレイヤー)”には「退治する」「殺す」といった意味を持ちますが、スラングとして用いられる「笑い転げさせる」「成功する」といった意味もあります。

本作でいえばエクソシストとして悪魔を退治するか、悪魔が世界を征服し笑い転げるか……2つの意味が含まれていました。悪魔が「笑え」「笑うんだ」とささやいていた意味から取ったのでしょう。

題名だけをみると、エクソシストと悪魔との戦いの中で「“7日目”に何か起きるのか!?」と勘違いしてしまいますが、「堕天使ルシファーが再び軍を率い、神の真似をして“7日間”で自分の世界を築こうとしたのでは?」と想像することも可能です。

なぜ“斧”が凶器に登場したのか?

“斧”はホラー映画にはよく登場するため、一見ありきたりな印象を抱いてしまいますし、どうしても『シャイニング』を思い出してしまいます。しかも「街中の豪邸」にある凶器なら、拳銃やライフルの方が自然な気もします。なぜ、“斧”だったのでしょう?

実は本作の舞台となったルイジアナ州ニューオリンズでは、1918年に“斧男(アックスマン)”と呼ばれる殺人鬼がいました。しかし、その“斧男”は捕まらないまま、現在は死亡説だけが残っています。

ニューオリンズといえば、“ジャズ”の町。斧男はジャズをこよなく愛していて、無差別に殺人を起こしていましたが、ジャズがかかっていると見逃したという噂もあります。

街全体がこの“斧男”に取り憑かれ、恐怖に陥っていました。その後、この“斧男”は犯罪声明のような手紙を警察に送り、「私は人間じゃない、地獄から来た悪魔か幽霊だ」と綴っています。

チャーリーに取り憑いていた悪魔を祓うことができたとしたら、その際には悪魔の名前を呼んでいたはずです。「その名は“アックス”ではないか?」……そんな想像をすることもできます。

まとめ

(C) 2020 Cinestate Seventh Day, LLC

『スレイヤー 7日目の煉獄』は、「不良神父と新米神父が悪魔に立ち向かう映画?」……と思い観始めると、まんまと騙され、最後のどんでん返しに“エクソシスト作品”の新しい展開をみました。

悪魔に支配されているピーターは、その苦しみから「助けろ」と言っています。最後にとどめを刺されて達成されますが、彼には煉獄は用意されず、本当の地獄が待っていることでしょう。

心次第で悪魔に支配されるか、神に依存するか……どちらも人として生まれた以上、人らしくあるためには、バランスが大切なのだと感じさせた作品でした。

善き行いをしているようでも、心にやましさや弱さがあればすぐに悪に転じます。悪に手を染めても真心で人は救われます。そのことをこの映画では見出すことができるでしょう。

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