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【ネタバレ】ラン・ラビット・ラン|あらすじラスト結末と感想評価解説。“真実を知る父親”と“ミアに憑りついたもの”とは⁈|Netflix映画おすすめ136

  • Writer :
  • からさわゆみこ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第136回

今回ご紹介するNetflix映画『ラン・ラビット・ラン』は、『シャイニング・ガール』(2022)『ハンドメイズ・テイル 侍女の物語』(2017)のダイナ・リードが監督を務めました。

この映画は2023年1月19日にサンダンス映画祭でプレミア上映され、2023年6月28日にNetflixで配信が開始されました。

不妊治療医のサラは医学者として、人の“生き死に”を冷静に理解できます。しかし、幼い娘が7歳の誕生日を境に不可解な行動を取り始めます。

サラはその意味について目を背けようとしますが、やがて彼女が長年避けてきた忌まわしい過去と向き合うことになります。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

映画『ラン・ラビット・ラン』の作品情報

(C)2023 Netflix

【公開】
2023年(オーストラリア映画)

【原題】
Run Rabbit Run

【監督】
ダイナ・リード

【脚本】
ハンナ・ケント

【キャスト】
サラ・スヌーク、リリー・ラトーレ、デイモン・ヘリマン、グレタ・スカッキ

【作品概要】
主役のサラ役には、『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)、『ガラスの城の約束』(2019)など話題作に出演し、舞台俳優としても活躍するセーラ・スヌークが務めます。

ジョーン役には『熱砂の日』(1983)で、英国アカデミー賞新人賞にノミネート、以後ゴールデングローブ賞、エミー賞などで、ノミネートを重ねる実力派俳優のグレタ・スカッキが演じます。

映画『ラン・ラビット・ラン』のあらすじとネタバレ

(C)2023 Netflix

不穏な夢を見て目覚めたサラでしたが、今日は愛娘の7歳の誕生日です。サプライズのプレゼントを持って、ミアを起こしにベッドルームに行きます。

夜はミアのバースデーを祝うため、元夫とその妻も招いて祝います。サラは父親を亡くしたばかりでした。ミアは祖父に祝ってもらえないことを寂しがります。

ミアを学校まで送り届けるとスマホに着信があります。それは“ワレンディ介護ホーム”からでした。サラは着信に出ることなく職場へ向かいます。

サラは産婦人科病院で不妊治療をする医師です。新しい命を授けた妊婦に我が子の心音を聞かせ、喜びと幸せを分かち合います。

仕事が終わりサラはミアを学校に迎えに行きますが、車中でミアが「ジョーンはパーティーに来る?」とサラに聞きます。

その質問に困惑しながらサラは、なぜそんなことを聞くのかと聞くとミアは、「恋しいから」と答えます。ミアはジョーンに会ったことがないので、サラの困惑は更に深まります。

そして、自宅に着くとなぜかガレージのシャッターが開いています。不思議に思うサラでしたが、電源の誤作動だと納得させシャッターを降ろしていると、玄関からミアの興奮する声が聞こえます。

玄関にはなぜか白いウサギがいて、ミアは大喜びしています。サラは近所のペットかもしれないと諭しますが、ミアは構わず家の中へ連れていってしまいました。

ミアは庭にウサギの飼育スペースを作り浮かれていますが、その様子をサラは快く思っていません。

サラの元夫でミアの父ピートと妻の連れ子が先に到着し、迷いウサギと戯れるミアを見ながら飼うことを勧めます。そして、ガレージに父の遺品が残っていることで、サラの心を心配しました。

ピートの妻デニースが駆けつけてまもなく、ミアの叫び声がします。デニースの息子がミアをおもちゃで叩いたからです。そのことに過剰反応したサラは、ミアより幼い男の子を怒鳴りつけます。

パーティーはお開きとなり、サラは隠しておいたタバコを吸いながら、ウサギを飼育小屋から逃がそうとしますが、ウサギは逃げようともしません。

サラは抱きかかえて敷地から出そうとしますが、その時ウサギに手を噛まれてしまいます。そして、視線を感じ2階を見るとミアが一部始終を見ていました。

翌朝からミアはピンクのウサギのお面をつけるようになり、学校で「愛している」と抱きしめようとするサラを避け、親子関係にも距離を感じるようになります。

以下、『ラン・ラビット・ラン』ネタバレ・結末の記載がございます。『ラン・ラビット・ラン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)2023 Netflix

再び介護施設から着信があり、母ジョーンの状態について“直接”伝えたいことがあると、メッセージが残されていました。

サラが仕事を終え遅れてミアを迎えに行くと、ミアの姿はなく遊び場の“土管”の中で、怯えるように泣いていました。

帰宅したサラはミアをお風呂に入れながら、朝の態度について問い詰めます。するとミアは“彼女”のことが恋しいと言い出し、サラが誰のことなのか聞くと“ママ”だと言います。

サラは困惑しながらママは自分だと言い、誰のことを指しているのか聞く前に、スマホの着信が鳴りだしました。確認すると介護ホームからで彼女は出ません。

ウサギの面を被ったミアが「だーれだ」と背後から目隠しし、電話の相手がだれか聞きますが、サラはうやむやに答えるとミアは「“幽霊”かも」と言います。

ミアは宿題で出された家系図を作るため、ジョーンの写真が欲しいと言います。サラは持っているアルバムから探しますが、ジョーンの写真だけはありません。

ミアは祖父の荷物の中ならあるかもと言い、サラは遺品の中から写真を探すことになり、ガレージに行き、財布の中から2人の幼い少女が写る写真をみつけます。

サラがその写真を見ていると、ミアが背後から現れ「この写真を探していた」と言って奪いますが、サラはミアのものではないと取り返し、片づけてしまいます。

その晩、ミアは“おねしょ”をしてしまいます。サラがシーツを交換していると、あの写真があるのを見つけ、ミアを問い詰めると写真の少女は自分だと言いだします。

サラはミアが生まれる前の写真だと奪い取り、寝かしつけようとしますが、ミアの額に傷があることに気づき、学校で何かあったのか聞きます。

ミアは憮然とした表情でサラをみつめ首を横にふりながら、「ジョーンに会いたい」と言いはじめ、サラはとっさにジョーンは体調が悪いと言い訳をします。

しかし、ミアは自分に会えば体調は治り、自分の状態もよくなると言いますが、サラは無視して部屋を出ようとすると、ミアはずっとジョーンに会いたいと言い続けます。

サラは仕方なくミアを連れて、ジョーンの入所している“ワレンディ介護ホーム”に向かいます。到着するとミアは鼻血を出していてサラは驚きます。

ホームの責任者はジョーンは認知症を患っていると告げますが、サラは会って話さなくても済むことと、不快感をあらわにします。

責任者はサラとジョーンとの関係が悪いことを知っており、改善するよう諭し、面会するよう勧めました。ミアはジョーンと会うことを心待ちにしながら部屋へ向かいます。

するとミアを見たジョーンは彼女を“アリス”と呼んで抱きしめます。そして、ミアも自分をアリスだと言いだし、パニックになったサラは、ミアをジョーンから引き離し連れ帰ります。

ミアを連れ帰ったサラは誤って、ミアの手を車のドアに挟みケガをさせ、その後、自らの手もドアで挟み自傷します。

翌日、学校へミアを迎えに行ったサラは、担任から家庭で何かあったのか聞かれます。ミアの体中にケガのあとがあるからです。

サラは学校でいじめがあるのではと言いますが、担任はそうではないと、ミアの描いた絵やプリントを出し、その裏面に真っ黒に描かれた不吉な絵を見せます。

そして、サラとミアの間に何か不安があるのなら相談にのって、ミアの症状が病的なものなら“専門医”を紹介すると提案しました。

その晩サラはミアに絵本の読み聞かせをしますが、挿絵の犬が黒く塗りつぶされていて、サラはミアがやったと決めつけ叱り、ミアは自分ではないと訴えます。

サラは「嘘をつくのはよくない」と叱りますが、ミアは断固として認めませんでした。サラはダイニングキッチンに行き、飾ったミアの絵を恐る恐る外して裏面を見ます。

するとそこにも真っ黒に描かれた“ウサギと人間”の絵を発見します。ミアが病気なのではないかと思い始めたサラは、ピートに相談します。

ピートはミアの望み通りジョーンに会わせ、“あの家”に連れて行き荷物を整理して、清算するべきだとアドバイスします。

(C)2023 Netflix

サラは乗り気がしませんでしたが、ホームに行くこともあり、幼い頃住んでいた家にミアを連れて行きます。

ミアはどうして家を越したのか、執拗に聞きますが、サラは「話したくない」の一点張りです。ミアは再び自分のことをアリスだと言いだします。

サラは他の大人からアリスの話を聞かされたと思いますが、ミアは否定し、自分がアリスだと言い切ります。サラはアリスは自分の妹で、7歳の頃に失踪したのだと教えました。

すると、ミアは「アリスは戻った」と、自分も7歳だと興奮気味に言います。サラはありえないという態度でミアを責めますが、ミアは自分がアリスということを曲げず、部屋を去りました。

翌日、サラは介護ホームへ出向き、ミアをジョーンに会わせますが、ジョーンはサラの顔を懐かしく見て、ミアを孫と認識し喜びます。

ミアは「自分はアリス」だと叫び、ジョーンは困惑します。

サラはミアをアリスが失踪した場所を見渡せる展望台に連れていき、アリスが失踪した事を記すプレートが貼られた遺跡の煙突を見せます。

家に戻ったサラは、アリスとよくケンカしていたこと、動物好きなアリスは小動物を拾ってきては育てていたことを話します。

ミアがそれはウサギか聞くとおもに犬だったと言い、ウサギは畑を荒らす害獣で、父親が駆除するのをサラも手伝ったと話し、アリスはそのことを嫌っていたと教えます。

ミアは一緒に遊んだことを聞き、“かくれんぼ”は好きだったか聞くと、サラは頷きます。しかし、ミアはアリスはかくれんぼが嫌いだったと言います。

なぜならサラは、アリスを一日中どこかに閉じ込め、探さなかったからです。ミアは怒ってアリスの部屋に閉じこもります。

悩んだ末にサラは、ピートに助けを求める電話をかけます。すると背後からアリスの服を着たミアが「だーれだ」と目隠しをしてきます。

サラはミアをベッドに寝かしつけ、廊下に飾られた古い家族写真を外して、段ボールに詰め込み隠すために納屋へ運びます。

納屋には農具や工具、ウサギを狩るための罠があり、奥には古びたキャビネットがありました。サラはその前に段ボールを置き去ろうとしますが、キャビネットから気配を感じ振り向きます。

閉じていたキャビネットの扉が開いています。キャビネット内の暗闇から、幼い子のすすり泣く声が聞こえ、サラが近づくと「だーれだ」と声がしました。

明朝、サラはミアを部屋に残し、介護ホームに行くとジョーンに家を売りに出すことを告げます。しかし、ジョーンはホームを出て家に帰ることを希望し反対します。

サラは誰も帰ることのない家に戻って、どうするつもりなのか責めると、ジョーンはアリスの世話をサラに任せたことを後悔していると憤り、サラと対立してしまいます。

家に戻ったサラは部屋からミアがいなくなり、パニックに陥ります。そして、廊下の壁には外したはずの写真が元の通り掛けられていました。

サラは近くの平原を探し回り転んでしまい、ウサギの巣穴をみつけると幼い子のすすり泣く声を聞き、奥の方を凝視していると頭上から「みーつけた」と声をかけられます。

一瞬、アリスの顔に見えたそれはミアでした。サラはミアと家に戻ると、ジョーンは戻らないから自宅に帰ると告げます。

ミアは激しく反抗しますが、サラは説教を止めて休むことにします。サラは崖に向かって平原を歩いている夢を見、父に呼ばれ「アリスはどうした?」と聞かれます。

サラは崖の近くでミアの手を繋いで立っていました。彼女は邪悪に満ちた目で何かを見つめそこで目が覚め、ミアがいないことに気がつくと、アリスの部屋から悲鳴が聞こえます。

ミアも悪夢を見てもがいていました。サラがミアを起こすとミアの額に傷が現れ、顔中が傷だらけになります。

サラは傷口を見るため、髪を切ろうとハサミを振り上げますが、ミアが暴れるため、手や腕も切りつけてしまい、気がつくと額の傷は消えていました。

ミアが眠ってしまうと納屋の方から、バタバタと音が聞こえてきます。サラは納屋に向かい、鍵のかかったキャビネットを開けます。

すると、中からアリスが現れサラに閉じ込められたと、怒りをあらわにし、サラの首を絞めます。サラは近くにあった罠でアリスの額を叩き反撃します。

しかしその様子をミアが目撃し、部屋に逃げ込み閉じこもってしまいます。サラは部屋の中に入ろうとドアに体当たりし、反動で気絶してしまいました。

サラは夢の中でアリスを納屋のキャビネットに閉じ込め、ウサギの罠で殴った記憶を甦らせます。

サラは謝りながら逃げるアリスを追いかけますが、アリスは殴られた額から流れる血に悲鳴をあげ、サラはとっさにアリスを崖の下に突き落としました。

廊下に倒れたサラは無意識に、黒いクレヨンで床を四角く塗りつぶしていました。留守番メッセージを聞いたピートが家のドアを激しくノックし気がつきます。

廊下は荒らされた状態で、ミアの部屋の前の床も四角く黒く塗りつぶされています。部屋にミアの姿はなくピートとサラはミアを探し回ります。

サラは自分がミアを崖から突き飛ばしたのかもしれないと考え、池の中に飛び込むと水中でアリスの姿を見ます。

ピートは沈みゆくサラを助け岸に這い上がると、草むらに隠れるように座るミアを発見し、ピートはミアを抱きしめます。

介護ホームへ行ったサラはジョーンから、アリスはみつかったか聞かれ、アリスは死んだと告げます。サラは母の手に触れようとしますが、職員から声をかけられ叶いません。

家に戻るとピートは寝息を立てて眠り、サラは眠っているミアに自分がアリスを崖から突き落とし、ジョーンにはアリスは家出をしたと嘘をついたと告白して謝ります。

ミアは「あなたは怪物ね」と言い放ちます。サラは震える声で「私は怪物」と答えました。翌朝、白うさぎはミアをみつめ、ミアの体はベッドからすり抜けていきました。

目を覚ましたサラはミアがいないことに気づき、起き上がるとピートがベッドにうつぶせられ、頭に枕を押し付けられています。

サラは寝室の窓からミアとアリスの姿を見ます。アリスとミアは手をつなぎ、崖に向かって歩いていました。サラは部屋からミアを呼び続けますが、声は届きません。

アリスだけは足を止め振り向くと、サラを恨めしくみつめます。ミアはそんなアリスをみつめ、2人は再び崖の方に歩き始めます。

映画『ラン・ラビット・ラン』の感想と評価

(C)2023 Netflix

映画『ラン・ラビット・ラン』は、子供の頃に犯した罪を隠すため、嘘をつき嘘が誠になったと錯覚したまま大人になったサラが、愛娘が7歳になった時、その罪と向き合わざるを得ない状況に追い込まれていく話でした。

ストーリーライン的には韓国ホラーの『箪笥』で描かれた、主人公の妹が自分のせいで死んでしまい精神を病み、その苦しみを妄想に転嫁してしまう展開と同じです。

サラにはもともとウサギを駆除する手伝いができたことから、残忍性があったようにもとれ、アリスには小動物を愛でる優しさから、ジョーンから可愛がられていたのでしょう。

サラはそんなアリスを妬ましく思い、普段から意地悪をしていたのだと推察します。アリスの顔を傷つけたことが、ジョーンに知れることを恐れ、サラは崖に突き落としました。

サラがアリスにしたことを告白するシーンで、ミアから「You’re a monster(あなたは怪物)」と言われます。これは血も涙もない非道な人間という意味です。吹き替えで酷い人と訳されますが、それ以上の意味が込められています。

是枝裕和監督の最新作『怪物』も人間の皮を被った、心の非道さを扱っているので、通じるものを感じました。

父は真実を知っていた

なぜサラはアリスが失踪したと嘘をついたのでしょう。父のアルバートはアリスを追いかけるサラの姿を目撃し、後を追ったと思われます。

しかし、サラに追いついた時点でアリスの姿はなく「アリスはどうした?」と聞いたのです。サラは正直に話したと思いますが、父はサラを守るため、ジョーンには失踪したというように言い聞かせ、「おまえは良い子だ」と擁護します

失踪したと信じるジョーンはアリスを捜索する日々になり、そのことでサラを苦しめ、風当たりも強くなります。父はサラを守るために彼女を連れて引越しました。

そんな運命共同体ともいえる父の死が、サラの過去を清算する幕開けになりました。父親から守られてきたサラには不安しかなく、その不安から過去へと引き戻されて行きます

ミアに憑りついていたもの

精神的に不安定になったサラは、ミアにアリスを投影し始めたと推察します。ミアはアリスのことなど知らず、全てはサラの妄想が生みだしたアリスの影でした。

ミアはピンクのウサギの面をすることで、心にフィルターをかけただけですが、サラには面をした時にアリスが現れ、面を外した時はミアでありアリスでもありました。

その妄想のせいでミアはサラから虐待を受け心身に傷を負い、学校の担任もサラからの虐待だという見解をします。

おそらくミアは生前のアリスと似ていたせいで、サラのアリスへの妬ましさを蘇らせ、ミアへの虐待にむかわせました。

DVをしては後悔して謝るサラ・・・虐待から逃げようとするミアという構図でしかありません。

ミアの絵の裏に描いた絵はサラにしか知り得ない光景で、サラの脳裏に残る、キャビネットに閉じ込めたアリスの姿でした。

そんなサラは、ジョーンにアリスが死んだという事実は伝えたものの、自分の所業は告白できませんでした

ラストシーンでミアとアリスが崖に向かうシーンは、アリスがミアを連れて行くように見えますが、父ピートを殺害したサラを目撃したミアが、絶望して自死していく姿でしょう。

サラの目にアリスがミアを連れて行くように見えたのは、母に真実を話さず苦しめたままだからです。ミアが自死することで、今度はサラが孤独に苦しむ番だとでも言うように・・・

まとめ

(C)2023 Netflix

映画『ラン・ラビット・ラン』は、妹を殺してしまった過去を背負う、サラと家族の苦悩を描いたホラー映画でした。

サラの罪を隠蔽したのは父親が発端だったと思われ、そのことが彼女の人生を狂わせます。

サラが過去に妹の失踪に関わっていること、その過去を知る元夫を殺害し、実の娘を自殺へ追い込む・・・そんな人生の崩壊図です。

親としてすることは罪を隠し庇うことではなく、共に向き合い償うことだったことを物語っていました

アリスはミアに憑りついたように見えますが、サラがミアにアリスの影を見ていただけで、彼女に言い聞かせる話は、自分に暗示をかけるためのもので、言い訳でもありました。

“Run rabbit run”は害獣として追われるウサギに逃げろ!という意味なのでしょうか?サラもまた罪から逃げる身となり、ついには仕掛けられた罠にかかるような終幕を迎えます

本作は誰も罪から逃れることはできず、逃れようとすればするほど、罠は逃すまいと喰い込んでいくことを描いています。

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