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Netflix映画『ナイトティース』ネタバレあらすじ結末と感想考察。パリピな吸血ヴァンパイア美女とのドライブは恐怖の一夜に|Netflix映画おすすめ63

  • Writer :
  • 増田健

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第63回

ハロウィンの時期のアメリカと言えば新作ホラー映画が公開され、テレビで定番の怪奇映画が放送される、皆で恐怖を楽しむ季節です。

そして配信で映画を楽しむ習慣が普及した現在、この時期にNetflixから1本の映画が配信されました。

その映画が『ナイトティース』。夜の街でパーティーをはしごする、イケイケ美女2人組を乗せた若い運転手。しかし、彼女たちの正体は…。

あっと驚く展開のサスペンス映画、『フロッグ』(2019)を監督し一躍注目を集めた、アダム・ランドール監督の作品です。

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映画『ナイトティース』の作品情報


Netflix映画『ナイトティース』

【配信】
2021年配信(アメリカ映画)

【原題】
Night Teeth

【監督】
アダム・ランドール

【出演】
ホルヘ・レンデボルグ・Jr.、デビー・ライアン、ルーシー・フライ、ラウル・カスティーヨ、アルフィー・アレン、シドニー・スウィーニー、ミーガン・フォックス、アレクサンダー・ルドウィグ、マーリーン・フォルテ、アッシュ・サントス、7ブライアン・バット

【作品概要】
夜の街で運転手を務めた男が、謎の美女2人を乗せたおかげで闇の世界に遭遇するバイオレンスホラー映画です。

監督は『ザ・トランスポーター ロンドン・ミッション』(2016)、『iBOY』(2017)そして、『フロッグ』のアダム・ランドール。主演は『バンブルビー』(2018)、『アリータ バトル・エンジェル』(2019)のホルヘ・レンデボルグ・Jr.。

恐ろしい美女2人組をNetflixドラマ『欲望は止まらない!』(2018~)や『ホースガール』(2020)のデビー・ライアンと、『ヴァンパイア・アカデミー』(2014)や『ダークネス』(2016)に出演のルーシー・フライが演じます。

主人公の兄役には『エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーロー』(2019)、『アーミー・オブ・ザ・デッド』(2021)のラウル・カスティーロ、『トランスフォーマー』(2007)シリーズで世界的人気を獲得し、『ローグ』(2020)に出演したミーガン・フォックスが共演した作品です。

映画『ナイトティース』のあらすじとネタバレ


Netflix映画『ナイトティース』

昔から互いを狩りの対象としていた、人間と彼ら=ヴァンパイア。中でもロサンゼルスのボイル・ハイツは、激しい戦いの場でした。

やがて両者は停戦協定を結び平和を維持しようとします。吸血鬼は身を潜め人間は彼らの記憶を消そうと、恐怖心を忘れて誤った内容の本や映画を作ります。

その間に吸血鬼たちは、かつてない程の富を持つ巨大勢力を密かに築いていました。

吸血鬼が守る協定のルールは3つ。「人間に存在を知らせない」「むやみに餌食にしない」、そして「決して許可無くボイル・ハイツに入らない」…。

ある夜、コインランドリーにいたマリア(アッシュ・サントス)の前にジェイ(ラウル・カスティーヨ)が現れます。彼はマリアを誘いドライブに出ますが、何者かの車が追っていると気付くジェイ。

ジェイを追って来たのは「死んだ男」でした。ジェイは仲間に危機を知らせ、マリアには車で兄の元に向かうように指示します。

銃を手に怪しげな建物に入ったジェイは、何人もの逆さ吊りにされた男の体を目撃します。車を出そうとして何者かに襲われ姿を消すマリア。やがてロサンゼルスに朝日が昇ります…。

大学の講義で居眠りし、講師に注意されるペレスことベニー(ホルヘ・レンデボルグ・Jr.)。

学友の提出課題を代行し金を稼ぐ彼は、1人300ドルもするナイトクラブに誘われても行けません。彼はボイル・ハイツでミュージシャンとして成功を目指していました。

貧しくても祖母アブエラ(マーリーン・フォルテ)と慎ましく暮らすベニーの元に、兄のジェイが現れます。マリアに関わることで、今夜は仕事が出来ないジェイに代わって運転手を務めると申し出るベニー。

彼は箱から特殊なナイフを出したジェイに気付きますが、兄は事情を話しません。トラブルと秘密を抱えた様子のジェイは、結局弟に運転手の仕事を任せました。

兄から高級車を任され、客を目的地に送り届けたらすぐ戻れと厳しく言いつけられるベニー。何を聞かれても兄になりきって答えろと注意されます。

客を迎える場所は高級住宅街のビバリーヒルズです。徹夜仕事だが多額のチップが得られるとの兄の話も、自分が乗る車に浮かれ耳に入らぬベニー。

スーツで決めたものの、スニーカー履き姿のベニーは、車に乗り陽が傾き始めたロサンゼルスの街をご機嫌な気分で走ります。辺りが暗くなった頃に目的地に着きました。

ベニーが豪華な屋敷の前で待っていると、今日の顧客のブレア(デビー・ライアン)が現れました。美しい彼女に兄の名を騙るベニーは、緊張のあまりボロが出そうになります。

続いて現れたミス・モローことゾーイ(ルーシー・フライ)は、厳しい雰囲気を漂わせた美女です。彼に朝までに5か所のパーテイーを回りたいと指示するゾーイ。

車は走り出しました。ベニーにゲームと告げると、今夜が最期の夜なら何がしたいと尋ねたブレア。ベニーは自分は祖母と暮らす平凡な大学生で、そんな事は考えたこともないと答えます。

そんなベニーと”Fuck, Marry, Kill Game”(3人の名をあげ、誰とヤリたい、誰と結婚したい、誰を殺したいか答えさせるゲーム)を始める美女2人。ベニーは戸惑いますが、徐々に彼女たちに馴染んでいきました。

最初の豪華な屋敷に着くと、仮面を付けパーテイーに向かうブレアとゾーイ。2人は奇妙なアクセサリーを差し出しチェックを受け、会場に入っていきます。

同じ頃ベニーの兄ジェイは、ある男と会っていました。男に3世代続いた平和を破ることになると話すジェイ。

平和を破るのはマリアを連れ去ったヴィクター(アルフィー・アレン)だと告げる男。彼らは戦いを辞さない覚悟でした。

車で待っていたベニーに、悲鳴が聞こえます。思わず車から降りた彼は、落ちていた宝石を手に取ります。それはパーティー会場の入場チェックに使われたアクセサリーと同じものです。

車に戻るよう言われた彼の前にブレアとゾーイが現れます。酒瓶を手にご機嫌な様子の2人を乗せ、次のパーテイー会場であるホテルに向かうベニー。

地下駐車場に車を停めると、2人はホテルに入ります。残されたベニーは、彼女たちが忘れたスマホの呼び出し音に気付きます。

何度も鳴ったスマホを手にしたベニーが見たのは、彼女たちにジェイ(本来の運転手であるベニーの兄)の様子を尋ねるヴィクターからのメールでした。

何か妙なことが起きていると気付いたベニーは、兄に電話をかけます。電話に出ないジェイにメッセージを残すベニー。

彼女たちが残したカバンを開けると、膨大な数の札束が入っていました。思わずそれを手に取った彼は、札束に血が付いていると気付きます。

そこにパトカーが現れます。1台ずつ車をチェックし始めた警官を目撃し、思わず車を降りホテルに駆け込むベニー。中は古風で豪華な造りでした。

フロント係の女に声をかけられたベニーは、ここは会員制ホテルだと教えられます。人を呼ぶと言われ動揺するベニーの手に、先程拾ったアクセサリーがあると気付き謝罪したフロント係。

ブレアとゾーイと会うと彼女に伝えるベニー。フロント係は彼女たちは2人の男と会っていると告げます。

彼女の案内でブレアとゾーイの部屋に向かうベニー。別れ際にフロント係は、呑み過ぎに注意するよう告げました。

部屋には自由に傾斜できるベットに縛り付けられた男から、生き血をすするブレアとゾーイがいました。それを見て動揺し部屋を出ようとしたベニー。

いきなり掴みかかるゾーイは、彼を軽々持ち上げ壁に押し付けます。そしてジェイはいい血を持っているはずだと告げるゾーイ。

怯えたベニーは、自分は兄のジェイでは無いと打ち明けました。それを聞いたゾーイは彼を床に投げ棄てます。

やはり、こんな男がジェイである訳がないと吐き捨てるゾーイ。この男を「飲む」と言う彼女に、ブレアは役に立つかもと言い出しました。

ブレアはベニーから兄の居場所を聞き出そうとします。すると血を飲まれていた男の1人、ダニエルが目覚めます。彼は吸血される事で快楽を得ていたのでしょうか。しかしもう1人の男はゾーイに殺されたと知り、怒り出すダニエル。

自分たちは守られている、ここでの殺人は禁止だ、俺のボスが許さないと告げるダニエルをあざ笑うゾーイ。ダニエルの警告を気にも留めません。

停戦協定は無効だと言ったゾーイは彼の体を倒し、その喉にブレアが噛みつきます。その隙にベニーは逃げ出しました。

地下駐車場に逃げた彼は、そこにいた警官に2人の女に追われていると訴えます。今見たものを訴えて怪しまれ逮捕されたベニーは、警官に見た事は誰にも言うなと脅されパトカーのトランクに押し込められそうになります。

そこにブレアとゾーイが現れます。何か事情を知っている様子の警官は、2人にベニーが殺人行為を目撃したと証言したと問いただす警官。

彼を解放しろという2人に、警官はヴィクターが怒ると反論します。脅された警官は2人にベニーを引き渡しました。彼が連絡しようと操作するスマホを取り上げ、破壊するゾーイ。

同じ頃、豪華な邸宅、地下室に血を採取される多くの人間が拘束された屋敷に住むヴィクターは、高級車に乗り夜の街に繰り出します。

吸血鬼の女2人を乗せ、車を走らせたベニーは隙を見て外へ逃げ出します。しかし目の前には、後部座席にいたはずのゾーイが立っています。彼女はベニーに車に戻れと言いました。

ヴィクターは同じ吸血鬼の女、グレイス(ミーガン・フォックス)とエヴァ(シドニー・スウィーニー)の邸宅を訪れます。彼にボイル・ハイツに足を踏みいれたらどうなるか警告した、と告げるグレイス。

人間との協定を破ったヴィクターは吸血鬼仲間から追放され、命すら奪われそうになっていました。それに対し何年もの間続いた、誰を喰うか命令され人間を対等に扱う生活など刑、務所と同じと主張するヴィクター。

彼がジェイと戦争を始めたと非難するエヴァ。ジェイにはボイル・ハイツが付いている、私たちの存在が表に出れば、豪華な生活は全て消えると告げるグレイス。しかしヴィクターは追放命令に従う気はありません。

自分の部下の女たちが、グレイスの築いた吸血鬼社会のネットワークを破壊していると彼は告げます。ヴィクターは彼女たちが所属する組織に反逆するつもりでした。

停めた車の中で動揺するベニーに、落ち着けと話しかけるブレア。彼女はベニーの兄ジェイは、自分たちと敵対する一味の仲間と教えます。

ブレアはこの街を支配するのは警官でも政治家でもなく、私たち吸血鬼だと告げます。彼女はある男の元で働き、街にはそれぞれ主要地域を支配する5人のリーダーがいると話すブレア。

ヴィクターがボスかと聞かれると、ヴィクターの恋人はゾーイ、ゾーイの恋人は私と告げるブレア。自分たちは”血のクラブ”を経営してるとの言葉にベニーは困惑します。

権力が与えられず不満を抱えたヴィクターは、今夜行動を起こしました。叛乱が成功するには5人のボスを同時に始末するしかありません。

それで5か所を回っていると悟るベニー。そしてボイル・ハイツを支配しているのがベニーの兄ジェイで、彼は吸血鬼の退治方を知っていると教えられました。

ヴィクターはジェイを利用し叛乱を成功させようとします。しかしジェイは反発しヴィクターは激怒、ゾーイとブレアに彼を連れて来いと命じます。

そこで運転手に彼を雇いますが、現れたのは弟ベニーでした。ならばベニーから兄の居場所を聞き出そうとするブレア。

答えないベニーにブレアは挑発的に迫り、煙草の煙を吹きかけます。ゾーイから連絡を受けたヴィクターは、3人のリーダーを始末したと告げました。

しかしジェイを捕らえ損ね、代わりに弟を捕らえたとゾーイは報告します。ヴイクターはジェイは利用できると告げ、彼は良い血の持ち主か尋ねます。満足できる血の持ち主だと伝えたゾーイ。

ジェイと仲間たちはヴィクターを作った吸血鬼、ジオ(ブライアン・バット)の屋敷を訪ねます。しかし彼の屋敷は死体で溢れていました。

警戒しながら屋敷を探るジェイたちは、深く傷付けられたジオを発見します。今自分に必要なのは血だ、とジェイに血を求めるジオ。

ヴィクターは5人のボスを始末する気だ、自分は彼の部下の女に襲われたとジオは話します。そして彼女たちはスリー・キングスに向かったと教えるジオ。

瀕死の状態で血を求めるジオを射殺したジェイと仲間たち。その頃女吸血鬼2人組とスーパーにいたベニーは、妙な感覚に襲われていました。

ブレアに吹きかけられた煙草の煙が、彼に妙な欲望を抱かせたのでしょうか。ベニーに親し気に、からかうよう接するゾーイは、スーパーの店員が監視してると疑い、どこかに連絡していると気付きます。

テレビのニュースはビバリーヒルズで発生した大量殺人事件を報じています。いきなりカウンターの店員を取り押さえるゾーイ。

誰に電話したか追及された店員は、母親と話しただけと訴えます。彼の口をブレアがテープでふさぎ、面白半分で放置し立ち去ろうとする吸血鬼たち。

その振る舞いを非難したベニーに、少しはイカれていないと200年も生きていられないとゾーイは答えます。

彼女たちを乗せ、ベニーが運転する車は”スリー・キングス”に向かいます…。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ナイトティース』ネタバレ・結末の記載がございます。『ナイトティース』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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Netflix映画『ナイトティース』

目的地に到着すると自分たちのターゲット、ジェイの弟にすぎないベニーをどうするか相談する女吸血鬼のブレアとゾーイ。

車に待たせても逃げるだけ。ベニーは何も言わないから帰してくれと頼みますが、承知するはずもなく2人の行動に付き合わされます。

クラブ”スリー・キングス”にVIP待遇で入るヴィクター。入場を待つ学友たちがベニーをセレブの使用人と馬鹿にしますが、彼らの前でベニーにキスして見せたブレア。

高圧的なゾーイには翻弄されつつ、ブレアに好意を抱き始めているベニー。しかし2人はターゲットのビック・ルーを始末しようと動きます。

スリー・キングスにはジェイと仲間たちも向かっていました。ブレアとゾーイはビック・ルーのいる部屋に入りますが、そこには別の男がいました。

ビック・ルーはあの世だと告げる男。危険を感じたブレアは逃げようとしますが、男は2人にクロスボウを向けました。協定が破られた以上、お前らは殺し放題だと告げます。

クロスボウを持つ男の仲間が続々現れ2人は囲まれます。クラブにはジェイたちが入り、それを吸血鬼たちが見守り待ち受けていました。

部下たちにブレアとゾーイを殺せと命ずる男を、ベニーはとっさに酒瓶で殴ります。その隙に反撃に転じる2人の女。

ベニーは自分でも、なぜブレアとゾーイを助けたのか判りません。ガラスで切った彼の手は出血していました。

クロスボウを使う連中は、ヴァンパイアを狩る集団である”ナイト・リージョン(夜の軍団)”一味と教えるブレア。危機を切り抜けた彼女はベニーに笑いかけます。

女吸血鬼2人とベニーはクラブから去ろうと動き。その姿を目撃したベニーの兄・ジェイは驚きました。

ベニーの名を叫び、客をかき分け進もうとしたジェイの前に、1人のヴァンパイアが立ちふさがります。その胸をナイフで刺すジェイ。

男の体は灰になります。それに気付いた周囲の客が悲鳴を上げました。人々は逃げ惑い、ジェイの仲間たちは銃を構えます。

ベニーとブレアとゾーイは外に出ましたが、クラブから銃声が響きます。身を隠そうという女血鬼に、ヴィクターに会い決着を付けるまで動かないと言い出すベニー。

そんな彼をからかうゾーイ。彼女は一緒にジェイのところに行けば、今回の騒ぎを引き起こしたヴィクターを説得出来ると言い出します。

どうするかベニーが決断を迫られた時、”ナイト・リージョン”たちがクロスボウを射ってきます。慌てて車に乗り込む3人。ベニーが車を出すと窓から身を乗り出し、クロスボウに我が身を晒し挑発するゾーイ。

ジェイは”ナイト・リージョン”に銃を向けますが、彼らはジェイの恋人マリアの誘拐を聞き駆け付けたと知ります。ジェイは自分の狙いはヴィクターだと告げました。

身を隠す場所として2人を自宅に案内したベニー。祖母が怒ってバットを振り回し現れますが、ベニーはなだめてブレアとゾーイを紹介します。

車で移動中のジェイを警官が尋問します。ヴィクターの息のかかった警官は30分後に彼と会えと指示し、ベニーの名を出し逆らわぬよう釘を刺します。

ベニーの手を治療した祖母はブレアを見て、スペイン語で2人の内のこの子が好きと言います。でもひ孫の顔の見るのは勘弁、その会話をブレアは理解していました。

ヴィクターに連絡し、”ナイト・リージョン”の襲撃を受け、ボイル・ハイツのジェイの姿も見たと報告するゾーイ。彼女は想定外の事態に不安を訴えますが、全てが片付けば世界は自分とお前の2人のものだと告げるヴィクター。

ベニーは兄ジェイの箱からヴァンパイアを倒せるナイフを手に入れます。ブレアは彼の作った曲を聞くと気に入ったと告げました。

彼の才能を認めたブレアに、君の方はどうなのかと尋ねるベニー。前の人生でブレアは70年代にゾーイと知り合い、吸血鬼としての新たな人生を与えられたと告白します。

ベニーとブレアの心が通った時、ゾーイが出発を告げました。ブレアはベニーを残すよう提案しますがゾーイは拒絶し、そして自ら同行を申し出るベニー。

指定されたレストランに現れたジェイ。そこにヴィクターがいましたが、弟ベニーと恋人マリアの姿はありません。落ち着いて座れと告げる、食事中のヴィクター。

100年前に結ばれた停戦協定について語るヴィクターに、ジェイはお前がそれを破ったと指摘します。

ジェイに脅されてもヴィクターにベニーとマリアを返す気はありません。彼の頭部をジェイは銃で撃ち抜きますが、相手は平然としています。いま食べている肉はマリアだと告げ、ジェイを挑発するヴィクター。

ベニーの運転する車は目的地に着きました。相手は危険なヴァンパイアの男ロッコ(アレクサンダー・ルドウィグ)です。

ロッコはベニーの血に強い関心を抱きます。彼は突然現れた3人を怪しみましが、ゾーイは彼を納得させました。

プールサイドでブレアと2人きりになったベニーは、吸血鬼の人生について尋ねます。好き放題で最高と思える時もある、ただし、それは時々だと答えるブレア。

ゾーイとは家族の関係だと答えたブレアに、ベニーは本当の家族について尋ねます。母の死後自分は祖母の引き取られ、異兄弟のジェイに世話されて育った、彼は父のような存在だとベニーは告げました。

君とゾーイは違う、君は人として生きていると語るベニー。俺を殺すのかとの問いに、殺したくないと答えるブレア。そしてキスを交わす2人。

ゾーイはロッコを殺す機会を伺っていましたが、彼女とヴィクターの裏切りを彼は知っていました。ロッコの仲間も現れ彼女は囲まれます。

ブレアがベニーに、ジェイはヴィクターに捕らえられたと語った時、ゾーイたちの乱闘が始まります。ブレアはベニーに車に行けと告げると、ゾーイに加勢しました。

彼が車に乗った時ブレアとゾーイが出てきますが、2人をつけ狙う”ナイト・リージョン”が現れ、ゾーイは矢に射抜かれます。彼女の危機を救おうと、思わず”ナイト・リージョン”の1人を車で跳ね飛ばすベニー。

ロッコの手下も現れ、”ナイト・リージョン”たちと戦いが繰り広げられる中、ブレアがゾーイを車に乗るとベニーは急発進させます。

やがて朝日が昇る頃、車の中のゾーイの命は尽きようとしていました。彼女を救うには血が必要、意を決したブレアはベニーに最後の目的地に向かうよう言いました。

目的地に着くとブレアは1人でゾーイを運ぶので、ベニーには逃げろと告げます。ここはヴィクターの屋敷でした。ジェイを見殺しに出来ないと言い張り、残ることを選ぶベニー。

気の毒だが事態は手遅れ、行けば殺されると言い放ったブレア。言葉に従って車に乗り込んだベニーですが、思い直し屋敷の中に入ります。

地下室には血を採取される多くの人間が座り、眠らされ監禁されていました。その中に兄ジェイの姿をベニーは発見しました。

兄を救おうとするベニーはヴィクターに捕らえられます。居間に連れていかれると、そこにはブレアと回復したゾーイがいました。ジェイを放してくれ、自分が身代わりになると訴えるベニー。

落ち着かない表情をゾーイに指摘されるブレア。ベニーは隙をつきナイフでヴィクターを刺そうとしますが、見破られて阻止されてます。

お前を前菜、ジェイをメインに、祖母をデザートに血を吸うと言い放つヴィクター。立ち上がってベニーをかばおうとしたブレアを、ヴィクターはあざ笑いました。

全て上手くいったとブレアをなだめ、説得を試みるゾーイ。しかしブレアの決意は固く、仲間から降りると言いました。家族としてあなたが必要だとゾーイは涙を流して訴えます。

それでも決意を変えぬブレアをゾーイはナイフで刺します。こうなったのはお前の責任だ、とベニーに見せつけるヴィクター。

しかしベニーには奥の手がありました。彼がリモコンキーを操作すると、アクセルに重石を乗せた車が動き出し屋敷の窓を突き破ります。日光を浴び灰になってゆくゾーイ。

ゾーイの残したナイフを掴むベニー。そこに鎖に繋がれた兄ジェイが現れます。これは罠だ、逃げろと言った兄は鎖を引かれ姿を消し、彼の前にヴィクターが立っていました。

ヴィクターに首を噛まれるベニー。背後からブレアがヴィクターを刺しますが反撃され体は飛ばされます。そこにジェイが飛び掛かり、ヴィクターを日の当たる場所に突き飛ばします。

ヴィクターの体は灰になり崩れていきます。首の血管を破られたベニーにブレアが駆け寄りますが、彼の命は尽きようとしていました。

ベニーとキスをしたブレアは、自らの血を彼に与え、そして彼の血を飲み始めます…。

自宅で目覚めたベニーは、恐る恐る自分の手を日光に近づけます。そして彼の兄ジェイは恋人マリアの墓の前にいました。

あの一件で運転手をクビになったと笑いながら弟に伝えるジェイ。しかしお前がいなければ生きていないと、ベニーに感謝の言葉を伝えます。

俺も同じだと言う弟に、ジェイは今後は全てが変わると告げました。助け合いが必要だ、自分がどこにいたか忘れるなと弟に語りかけました。

受け取ってくれと、札束が詰まったカバンを兄に渡すと、夜の街に姿を消すベニー。

ベニーには血を飲みたい衝動があるようです。それを押さえつけたベニーの元に学友が現れ、クラブの夜以来行方不明の彼が、どこにいたか聞いてきました。

そこに高級車が現れます。ブレアが彼を迎えに来ました。友人に絶好調だと告げたベニーは、その車に乗り込みました。

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映画『ナイトティース』の感想と評価


Netflix映画『ナイトティース』

かつてホラー映画の”スクリーム・クイーン”といえば悲鳴を上げ逃げまどい、身持ちが悪ければ殺され堅ければ生き残る、実に理不尽な描かれ方が当たり前の時代もありました。

女性たちが強くなったとされる現在、ホラー映画の中の女性たちの役割も変わりました。襲われれば逆襲に転じ、知恵と勇気で敵を出し抜きます。役柄の多様化が進むと、悪の側で活躍するキャラクターまで誕生します。

吸血鬼映画には、かつてベラ・ルゴシやクリストファー・リー演じたドラキュラ伯爵に忠実に従う、美しいが没個性的な女吸血鬼たちがいました。

このような過去の作品と比較すると『ナイトティース』に登場する女吸血鬼、ブレアとゾーイがいかに個性的で、露出度は低くとも魅力的な存在で、あらすじネタバレでは表現できないほどバイオレンス溢れる大活躍を見せていると気付かされるでしょう。

この姿を楽しむには映画をご覧頂くしかありません。ゾーイを演じたルーシー・フライはインタビューで、私とブレアを演じたデビー・ライアンは、すぐに友情と信頼関係を結べたと語っていました。

その友情を映画の中の登場人物、ゾーイとブレアのキャラクターの関係に反映させ、役柄を深めることが出来たのは幸運だったと振り返っています。

魅力的な女ヴァンパイアたちの背景を紹介


Netflix映画『ナイトティース』

この映画のためにデビー・ライアンはボクシングを、私はマーシャルアーツの訓練をしたと話すルーシー・フライ。2人は共にスタントのトレーニングを行い、撮影現場で共に闘っている時に、友情をさらに確認したそうです。

ルーシー・フライは映画『ヴァンパイア・アカデミー』で吸血鬼役を演じていました。この役を演じるのは、悪者であること、生意気であること、そして激しく演じることを楽しむことだと語っていました。

監督のアダム・ランドールは、私が望むよう演じる自由を与えてくれたと話すルーシー・フライ。主人公ベニーに向かって叫んだり、様々な演技を解放する事を認め、まるで「どんな方向にでも行け」と応援してくれるような演出だと証言しています。

一方で彼女は、監督と悪のヴァンパイア・ヴィクター役のアルフィー・アレンと共に、映画に描かれないキャラクターのバックボーンについて話し合いました。

200年生きた女吸血鬼、ゾーイは西部開拓時代にヴィクターと出会ったはず。その状況を話し合い、キャラクターの造形を深めていきます。

そしてゾーイが1970年代に吸血鬼にしたブレアとは、彼女が自分と同じ体験を重ねる事で友情・そして愛情を深めたとのストーリーをデビー・ライアンに話します。

デビー・ライアンはヴァンパイア・ゾーイの人生は、自分が演じたブレアにとって青写真のようなものだと説明しています。吸血鬼としての生を選んだことも、悦びも未来も破壊的行為も、ゾーイの経験から示されたものと解釈していました。

仲良い不良娘のガーリー・ムービーのようなブレアとゾーイの関係性。それを監督は軽いタッチで演出し、出演者たちと脚本家を交えたミーティングを行い、脚本のセリフはどんどん書き変えられたと振り返っています。

吸血鬼映画は現代社会の風刺劇


Netflix映画『ナイトティース』

吸血鬼映画である本作。しかし劇中のセリフにもあるように、ロサンゼルスを舞台にしたストリート・ギャングの抗争劇でもあります。同時に様々な人種・移民にあふれ、貧富の差が激しいこの街を風刺する寓話とも呼べるでしょう。

本作と同じLAを舞台にした映画『エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーロー』で、メキシコ系移民のヒーローを演じたラウル・カスティーヨ。彼は本作でも密かに街の住人を守り闘う男ジェイを演じています。

LAは多面的な都市で、地域により別の街に感じられる。本作は吸血鬼を使いそれを美しく比喩的に捉えた、LAの物語だと説明しているラウル・カスティーヨ。この意見に多くの方が同意するでしょう。

主人公ベニーは、ドミニカ系の俳優ホルヘ・レンデボルグ・Jr.が演じました。彼は吸血鬼が持つ独自のルールは、実にエキサイティングだと語っています。

ヴァンパイアは不死性を持つ唯一のモンスターと言っても良い存在で、故に本質的にセクシーな何かを持っていると話しているホルヘ・レンデボルグ・Jr.。

自分は『トワイライト』シリーズは好きだが、吸血鬼映画はあまり見ていないと話す彼ですが、ジム・ジャームッシュ監督の『オンリーラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)の設定には興味をそそられたと語っています。

誰かとたむろするのは良いことだと言い、自分が吸血鬼なら、まず約125年生きたいと冗談を語るホルヘ・レンデボルグ・Jr.。1000年生きても、まず100年が大きな人生の分岐点。パートナーと距離を置き、互いに経験したものを見せあう。

そんな”ヴァンパイア的ライフスタイル”が理想、と彼は話しています。本作のラストの後の、ベニーとブレアの人生を想像するヒントが隠されているかもしれません。

まとめ


Netflix映画『ナイトティース』

巻き込まれ型主人公と、美しく強いガーリーなヴァンパイア2人組の織りなすホラー・アクション映画『ナイトティース』。都市を舞台にした抗争劇、ヤンキー映画のように楽しめる展開です。

ただしこの抗争劇が判りにくい…ヴァンパイア側の組織も、人間側の組織も説明不足で、どんな理由で誕生しどんな活動をしているのかいま一つ不明。どんな因縁から戦いになったのやら。

また洒落にならない扱いの、主人公の兄・ジェイの恋人マリア…。このエピソードだけでなく、駆け足で進むストリートギャング&ヴァンパイア抗争劇は、もう少し時間をかけ説明して欲しいところ。

まあ限られた映画の上映時間の中で物語るには、やむを得ない展開でしょうか。そして各ヴァンパイアギャング(?)の頭に、気になる俳優が出ているのも嬉しいところ。

『ウィッチマウンテン/地図から消された山』(2009)や『バッドボーイズ フォーライフ』(2020)のアレクサンダー・ルドウィグ、ドラマ『マッドメン』(2007~)や『ダーリン』(2019)のブライアン・バット、そしてミーガン・フォックス。

彼らの出演も見どころの一つ。…誰ですか?ミーガン・フォックスの出演時間が短すぎ、これはギャラ泥棒!と叫ぶ人は。俳優業以外の過激な言動が何かと話題の、彼女の出演を喜ぶことにしましょう。

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ニューヨークに住む10代の少女7人が直面する、等身大の葛藤と成長。 2019年8月23日(金)に、装いも新たに復活する映画館、京都みなみ会館。そのリニューアルを記念して、9月6日(金)から『ルーキー映 …

連載コラム

映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』ネタバレ感想と考察評価。怪奇伝説の怖い怪談話に現代の悲劇を取り入た恐怖とは|サスペンスの神様の鼓動35

サスペンスの神様の鼓動35 こんにちは「Cinemarche」のシネマダイバー、金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今 …

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永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
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オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
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