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Entry 2019/06/19
Update

映画『凪待ち』ロケ地リポ②【香取慎吾&白石和彌】が石巻市に撮入した市内中心部巡りと港町の歴史|凪待つ地をたずね2

  • Writer :
  • 河合のび

連載コラム『凪待つ地をたずね』第2回

映画『凪待ち』の背景、そして白石和彌監督と香取慎吾が映画を通して描こうとしたものを探るため、本作のロケ地である宮城県の各地を巡り、その地に生きる人々を取材

ロケ地に関する情報や実際に訪れたことで感じたもの、その地に生きる人々の声を連載コラム記事にてお届けしてゆきます。


(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS

第2回記事では、石巻市内に精通する案内人とともに、ことぶき町通り、畑中通り、そして小野寺横丁の一角にある「美容まつのや」をご紹介いたします。

【連載コラム】『凪待つ地をたずね』記事一覧はこちら

石巻市内での案内者


©︎Cinemarche

石巻市内での取材にあたって、市内のロケ地に精通・案内をしてくださる案内者として、とある方をせんだい・宮城フィルムコミッションからご紹介いただきました。

石巻市役所の産業部観光課・観光推進グループの主任主事を務め、市役所職員として映画『凪待ち』の石巻市内でのロケ撮影に尽力された秦野真樹さんです。

元々は神奈川県の平塚市役所の職員でありながら、復興応援を目的とした派遣職員として宮城県石巻市に訪れたという秦野さん。

被災地・石巻の復興を見つめてきた秦野さんからお聞きできた“声”は、今後執筆する記事内でご紹介する予定です。

石巻市公式ホームページはコチラから→

現地リポその3:ことぶき町通り


©︎Cinemarche

自暴自棄に陥り酔いに酔った郁男(香取慎吾)は、祭りの縁日でも周囲に当たり続け、遭遇した若者たちと揉めてしまい遂に乱闘騒ぎを起こしてしまう。そして、ボロボロになった郁男の前に現れたのは…。

その場面が撮影されたのが、ことぶき町通りです。

この場面で描かれている祭りは、「川開き祭り」という石巻市で毎年7月31日・8月1日に開催されている実在のお祭り。

伊達政宗公の命により北上川を開削し、石巻に港を開くという大事業を成し遂げた人物・川村孫兵衛重吉翁への報恩感謝のために始められた祭りであり、90年以上の歴史を持つ祭りです。

石巻川開祭実行委員会 公式ホームページはコチラから→

震災当時、店舗のどの高さまで浸水したかの記録が残してある


©︎Cinemarche

また2011年以降は、前夜祭として東日本大震災の供養祭が実施。亡くなった方々を悼む流燈が川へと流される光景は、幻想的でありつつも、震災が生んだ哀しみの多さあるいは深さを示す光景でもあります。

実は、川開き祭りの縁日風景を描いたことぶき町通りは、実際の祭りの開催場所とは異なる場所です。

しかしながら、劇中では「本物の川開き祭りの会場で撮影したんじゃないか?」と錯覚してしまうほどリアルな縁日の風景が描かれていました。

撮影のため、本物と見紛う祭りの風景を完璧に再現してしまったスタッフ陣の実力には、脱帽の一言です。

郁男役の香取慎吾が乱闘を繰り広げた名場面はここで撮影

現地リポその4:畑中通り


©︎Cinemarche

ノミ屋の“出入口”となったスナックBM

ことぶき町通りを少し逸れてゆくと、そこには数多くの路地と飲食店が。

この畑中通りの一角にして、第1回記事でご紹介したホテル「HOTEL HAYASHIYA」付近にあるのが「スナックBM」です。

競輪に再び溺れてしまう郁男が通い続けるノミ屋の外観および“出入口”を撮影したのがこの場所。

一見すると分かりにくいですが、シャッターが閉じられている状態の出入口をよく見たら「ああ、あの場所だ」と分かるはずです。

(注)ノミ屋とは、公営競技などを利用して私設の賭け事の投票所を運営している人や場所のこと、また劇中の設定はフィクションであり、実際の場所の運営は一切関係がありません。

スナックBMの詳細情報

【住所】
〒986-0824 宮城県石巻市立町2-4-12

【電話】
0225-23-6024

数々の場面が撮影された路地


©︎Cinemarche

また畑中通りでは、スナックBM以外の場所でも数々の場面の撮影が行われています。

例えば、地元の名物ホヤなどの海産物をはじめ「石巻の旬の味」が楽しむことができ、地元の方々に愛され続けている「居酒屋 六文銭」近くの路地では、香取演じる郁男と黒田大輔演じる同僚が追跡と逃走の果てに繰り広げられる場面が撮影されました。

今後、映画『凪待ち』を観られる方の多くがその目に焼き付けるであろう名場面(あるいは迷場面?)の舞台となった場所です。

『凪待ち』メイキング画像:畑中通りの路地で撮影中の香取慎吾


(C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS

さらに路地を進んでゆくと、そこにはやはり見覚えのある場所が。

大雨の中、とある理由をめぐって、郁男とノミ屋を取り仕切るヤクザの一人(寺十吾)が言い争う場面。その舞台となった路地があったのです。

畑中通りの路地を歩けば歩くほど、「この場所でも撮影したのだろうか?」「あの場所はあの場面に映っていたぞ!」と思わず声を出しそうになる始末。ロケ地巡りを純粋に楽しんでしまいました。

何気ない通りながらも、いくつもの撮影場所を巡り楽しむことができるロケ地。それが、畑中通りでした。


©︎Cinemarche

六文銭の詳細情報

【住所】
〒986-0824 宮城県石巻市立町2-3-10

【電話】
0225-93-3100

【営業時間】
17:00~22:00

【定休日】
日曜・祭日

現地リポその5:小野寺横丁・美容まつのや

大きなガラスには今も撮影で使用された装飾シールがそのままに


©︎Cinemarche

撮影にうってつけの環境

畑中通りを過ぎて、小野寺横丁へ。そこにもまた、映画『凪待ち』にとって重要なロケ地があります。それが、「美容まつのや」です。

劇中では郁男の恋人・亜弓(西田尚美)が石巻で開業した「昆野美容室」として登場したお店の中には、撮影に使用され、香取演じる郁男が実際に座ったソファが。

それはスタッフの計らいにより本作の撮影終了後に譲ってもらったもので、現在は待合客用の椅子として使用させてもらっていると語ってくださったのは、美容まつのやの店主さん。

最初は思いも寄らない依頼に驚いてしまい、ついつい「新手の詐欺なんじゃないか?」と疑ってしまったと言います。

しかしながら、「カメラや照明機材を置くことができる広々とした室内」「畑中通り・小野寺横丁付近にある美容院」「比較的新しく、映画映えする外観と内装」など、美容まつのやが映画の撮影にうってつけの環境であることをスタッフからお聞きしたことで納得。美容まつのやの撮影使用を承諾されたそうです。

画像奥の白いソファーが、実際に香取演じる郁男が座ったもの


©︎Cinemarche

美容院と病院の多い石巻

震災時には鏡面の上部まで浸水するも、パーマ機は助かった


©︎Cinemarche

店主さん曰く、かつては何軒もの映画館が存在する「映画の町」だった石巻。

また店主さんは、港町としての石巻についても話してくださいました。

石巻市内には、多くの病院と美容院が存在します。それは現在のみならず、昔からそうであったと店主さんは言います。

石巻は港町であり、漁師や船乗りの男たちはその職業柄ゆえにケガや病気に遭うことが多かった。だからこそ、それらを治療するための病院の需要が高かった。

加えて、船乗りの男たちを迎え入れるために、身だしなみに気を遣う女性も多かった。そのことから、身だしなみを整える場所として美容院の需要も高かった。

現在も多く存在する病院と美容院。その理由と、港町・石巻の歴史の深い関わりを、ご自身も美容院を営む店主さんは語ってくださいました。

美容まつのやの詳細情報

【住所】
〒986-0824 宮城県石巻市立町1-3-10

【電話】
0225-22-4307

まとめ

異例の5大都市での試写会ツアー『凪待ち』東京の舞台挨拶から

石巻市役所の秦野さんの案内していただき、ことぶき町通り、畑中通り、小野寺横丁および美容まつのやと、早速石巻市内にある数々のロケ地を巡りました。

特に今回巡ったロケ地はそれぞれが近くにあることから、まさに散策という形で巡ることができます。それは、他作品でのロケ地巡りにおいては中々できない体験でしょう。

また、美容まつのやの店主さんのお話から、港町としての石巻の歴史に触れることができました。

それは、漁師である亜弓の父・勝美(吉澤健)をはじめ、港そして海はなくてはならないモチーフである『凪待ち』の背景を垣間見れたことも意味しています。

この記事を読まれたあなたも、『凪待ち』撮影の地・宮城県に訪ねてみませんか?

【情報】
現在、映画『凪待ち』の公開日に向けて、石巻市役所・観光課では、『凪待ち』のロケ地巡りマップを作成中です!
石巻市公式ホームページはコチラから→

取材協力:せんだい・宮城フィルムコミッション
【住所】宮城県仙台市青葉区一番町3丁目3-20 東日本不動産仙台一番町ビル6階(公益財団法人 仙台観光国際協会内)
【電話】022-393-841

次回の『凪待つ地をたずね』は…


©︎Cinemarche

第3回では、ロケ地巡りから少し離れ、石巻市復興まちづくり情報交流館・中央館や館長であるリチャード・ハルバーシュタットさんのお話、「絆の駅 石巻Newsee」に展示されている日日新聞を通じて、被災地・石巻にかつて何が起きたのかを改めて確認してゆきます。

決して遠くはない地に凪が訪れることを祈りながら、今後の記事をお待ちください。(続く)

【連載コラム】『凪待つ地をたずね』記事一覧はこちら

映画『凪待ち』は、2019年6月28日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!

映画『凪待ち』のあらすじ

ギャンブル依存症を抱えながら、その人生をフラフラと過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)。

彼は恋人の亜弓(西田尚美)が故郷である石巻に戻ることをきっかけに、ギャンブルから足を洗い、石巻で働き暮らすことを決心します。

郁男は亜弓やその娘・美波(恒松祐里)と共に石巻にある家へと向かいますが、そこには末期ガンを宣告されてからも漁師の仕事を続ける亜弓の父・勝美(吉澤健)が暮らしていました。

郁男は小野寺(リリー・フランキー)の紹介で印刷工の仕事を。亜弓は美容院を開業。美波は定時制の学校へ。それぞれが、石巻で新たな生活をスタートさせました。

けれども、郁男は仕事先の同僚に誘われたのがきっかけとなり、再びギャンブルに、それも違法なギャンブルに手を染めてしまいました。

やがて些細な揉め事から、美波は亜弓と衝突してしまい、家を出て行ってしまいます。

その後、夜になっても戻らない彼女を郁男と亜弓は探しに行くものの、二人はその車中で口論となってしまい、郁男は車から亜弓を降ろしてそのままどこかへと去ってしまいました。

そして、ある重大な事件が起こります…。




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