Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2023/06/05
Update

インド映画『サーカス』あらすじと感想評価。双子の入れ替わりで起こる騒動を華やかなショーのように描き出す|インド大映画祭IDE2023・厳選特集1

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『インド大映画祭IDE2023・厳選特集』第1回

「インド映画同好会」による『インド大映画祭 IDE 2023 in K’s cinema』が、6月17日(土)~7月7日(金)の21日間、新宿K’s cinemaにて開催されます。

『インド大映画祭 IDE 2023』では、ヒンディー映画、タミル映画、マラヤーラム映画などから、3本の日本初公開作を含む12作品が用意されています。

『インド大映画祭 IDE 2023』ラインアップから、日本初公開作品の1つ『サーカス』をご紹介します

【連載コラム】『インド大映画祭IDE2023・厳選特集』一覧はこちら

映画『サーカス』の作品情報


『サーカス』(C) Reliance Entertainment

【日本公開】
2023年(インド映画)

【監督】
ローヒト・シェッテイ

【原案】
シェークスピアの戯曲『The Comedy of Errors』

【出演】
ランヴィール・シン、ヴァルン・シャルマー、ムラリー・シャルマー、ジャクリーン・フェルナンデス、プージャー・ヘーグデー、ディーピカー・パードゥコーン

【作品概要】
日本初公開作の1つ『サーカス』は、ローヒト・シェッティ監督が手がけました。

入れ替えられる双子は、『銃弾の饗宴』(2013)『ガリーボーイ』(2019)のランヴィール・シンと『きっと、またあえる』(2019)のヴァルン・シャルマーがそれぞれ二役を演じます。

ディーピカー・パードゥコーン(『銃弾の饗宴』(2013)『パドマーワト 女神の誕生』(2019))は、ミュージカルシーンの特別出演アイテムガール(歌と踊りのシーンのみに特別出演する女性)として登場しています。

映画『サーカス』のあらすじ


『サーカス』(C) Reliance Entertainment

1942年。孤児院育ちのローイ・ジャムナーダース博士(ムラリー・シャルマー)は、同じ孤児院で育ったジョーイと2人で孤児院を運営していました。

ローイ・ジャムナーダース博士は「人格の形成は遺伝によらず、環境による」という持論を持っています。彼らの運営する孤児院には2組の一卵性の双子がいましたが、ローイ・ジャムナーダース博士の持論を証明する為に、2組の双子を1人ずつ入れ替えてしまいます。

この行為を目の当たりにしたジョーイはローイ・ジャムナーダース博士に真っ当な質問をして詰め寄りますが、博士は「2組の双子には30年後に真実を話す」と返答して、どこまでも「実験材料としての双子」という態度を崩しません。その上で、バンガロール在住の大富豪チョーハーン家とウーティー在住のサーカス団長シェノイ家へ、ペアを変えた双子を養子に出しました。

バンガロール在住の大富豪チョーハーン家の妻は大変喜び、迎えた双子に〈養子を世話してくれた恩人2人にちなみ)「ローイ」と「ジョーイ」と名付けます。ウーティー在住のサーカス団長シェノイ家も同じく養子に迎えた双子を「ローイ」と「ジョーイ」と名付け、大切に育てます。

養子に出された双子たちは、すくすく成長します。ウーティー在住のサーカス団長シェノイ家のローイは不思議な体質を持っており、高電流にびくともせず平気でしたが、彼の体に電流が流れると、バンガロール在住の大富豪チョーハーン家のローイが感電するという不思議な現象が起こっていました。

両家の2組の双子たちは、自分たちが「ローイ・ジャムナーダース博士の実験材料」とは知らず、また両家の養子だとも気づいていません。

おだやかに時が流れて、2組の双子が成人しました。その間にウーティー在住のシェノイサーカス団長夫妻が交通事故でなくなりました。サーカスを引き継いだ養子の双子たちは、電流を身体に流すというパフォーマンスを‟売り”にサーカスを続けています。

一方、バンガロール在住の大富豪チョーハーン家の双子たちも商売など順調で裕福な暮らしをしています。ある日、双子たちは仕事でバンガロールからウーティーへ向かうことになりました。

そして、ある出来事により、2組の双子がそれぞれの素性を知らぬまま、一堂に会すことになりました。

映画『サーカス』の感想と評価


『サーカス』(C) Reliance Entertainment

孤児院育ちのローイ博士と同じ孤児院で育ったジョーイによって、双子入れ替えが行われ、2組の双子が養子に出されました。成長した双子たちは、やがてサーカス一座の双子がいる町で遭遇することになります。

「人格の形成は遺伝によらず、環境による」という持論を証明するために、わざと双子を入れ替えたローイ博士。2組の養子先はとても裕福で、温厚な夫婦たちは、子どもを授けてくれた恩人たちの名前「ローイ」と「ジョーイ」を双子たちにつけました。そう、2組とも、です。

顔もそっくりなうえに名前まで同じという2組の双子。お互いに相手の存在を知らされていないので、バンガロールからウーティーへやって来た双子たちは、「なぜ初めて来た町なのに、俺たちを知っている人たちがいるのか」と不思議に思います。

またサーカス団の双子たちも、自分たちによる騒動が知らない間に起っていることに驚きます。

双子のローイの1人には妻がいて、もう1人には婚約者がいます。双子であることを知らないローイたちですから、話はますますややこしくなって、ドタバタ劇が巻き起こり、笑いを誘います。

サーカスの華やかな舞台やショーも映像に交え、インド特有のコミカルなダンスもたっぷりと取り入れた本作テンポよく進むストーリーの面白さと相まって楽しい作品となっています。

『インド大映画祭 IDE 2023』とは?


(C) Reliance Entertainment

『インド大映画祭 IDE 2023』は、20年以上インド映画を主にアジア映画を探求し続けている特定非営利活動法人「インド映画同好会」が、言語・文化が各地域によって変わるヒンディー映画、タミル映画、マラヤーラム映画などから「他の追随を許さない」ラインアップを揃えたインド映画特集を作ったものです。

2019年から5回目を迎える『インド大映画祭』では、12作品のラインアップのうち、日本初公開となる『サーカス』『ラストファーマー』『ガルギ 正義の女神』の3作品も取り揃えました。

『インド大映画祭 IDE2023 in K’s cinema』は、2023年6月17日(土)~7月7日(金)東京の新宿K’s cinemaにて公開されます

「インド大映画祭 IDE2023 in K’s cinema」公式サイトはコチラ→

まとめ


『サーカス』(C) Reliance Entertainment

『インド大映画祭 IDE 2023 in K’s cinema』上映作品の1つである『サーカス』をご紹介しました。博士の持論の証明のためにすり替えられた双子たちはいったいどうなるのでしょう。

兄弟を引き離すという人道的問題を含みながらも、出演者の色彩豊かなファッションや華やかなサーカスのショーとダンスがスクリーンを彩り、最後まで楽しめます

『インド大映画祭 IDE 2023 in K’s cinema』は、6月17日(土)~7月7日(金)の21日間、新宿K’s cinemaにて開催されます。

「インド大映画祭 IDE2023 in K’s cinema」公式サイトはコチラ→

【連載コラム】『インド大映画祭IDE2023・厳選特集』一覧はこちら

関連記事

連載コラム

映画『ダブル・ライフ』あらすじ感想と解説評価。余園園監督と菊地敦子で描くレンタル夫使用の二重生活の実態|2022SKIPシティ映画祭【国際Dシネマ】厳選特集6

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022国内コンペティション長編部門・優秀作品賞受賞の余園園監督作品『ダブル・ライフ』 2004年に埼玉県川口市で誕生した「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」は、映画産 …

連載コラム

『エッフェル塔〜創造者の愛』あらすじ感想と評価解説。フランスパリのシンボルにまつわる壮大な挑戦と秘められたラブストーリー|映画という星空を知るひとよ139

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第139回 芸術の都パリのシンボル「エッフェル塔」は、世界でも有名な観光名所の一つです。 この塔が建造されたのは1889年のこと。制作したのは、ニューヨークの自 …

連載コラム

宇宙戦隊キュウレンジャーに影響を与えた映画『宇宙からのメッセージ』|邦画特撮大全2

連載コラム「邦画特撮大全」第2章 (C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights reserved 前回、特撮という技術はほとんどの映画で用いられることを記しました。 しかし特撮が …

連載コラム

映画『ウィッチクラフト』あらすじネタバレと感想。魔術系オカルトファンに贈る昭和テイストな“エコエコがくる‼︎”|未体験ゾーンの映画たち2020見破録6

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第6回 劇場発の映画祭「未体験ゾーンの映画たち2020」は、今年もヒューマントラストシネマ渋谷で絶賛開催中。2月7日(金)からはシネ・リーブル梅田で実 …

連載コラム

映画『ラ・ヨローナ 彷徨う女』ネタバレ感想と考察評価。怪奇伝説の怖い怪談話に現代の悲劇を取り入た恐怖とは|サスペンスの神様の鼓動35

サスペンスの神様の鼓動35 こんにちは「Cinemarche」のシネマダイバー、金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今 …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学