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『パディントン3消えた黄金郷の秘密』あらすじ感想と評価解説。吹き替え版に松坂桃李も参戦でクマ史上最大のアドベンチャーが始まる|映画という星空を知るひとよ252

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第252回

イギリスの小説家マイケル・ボンドによるロングセラー児童小説を実写映画化した「パディントン」シリーズ。

第1作の『パディントン』(2016)と第2作の『パディントン2』(2018)に続く第3弾映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の公開が決定しました。

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』は、2025年5月9日(金)全国ロードショー

現在住んでいるロンドンから故郷のペルーへ。熊のパディントンが、生まれ故郷である南米ペルーを舞台に、行方不明になった育ての親のルーシーおばさんを探しながら秘宝の謎を解くという、クマ史上最大のアドベンチャーが始まります。

映画公開に先駆けて、本作をご紹介します。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の作品情報


(C)2024 STUDIOCANAL FILMS LTD. – KINOSHITA GROUP CO., LTD. All Rights Reserved.

【日本公開】
2025年(イギリス映画)

【原作】
マイケル・ボンド

【原題または英題】
Paddington in Peru

【監督】
ドゥーガル・ウィルソン

【脚本】
マーク・バートン、ジョン・フォスター、ジェームズ・ラモント

【製作】
ロージー・アリソン

【音楽】
ダリオ・マリアネッリ

【キャスト】
パディントン(声)ベン・ウィショー、ヒュー・ボネビル、エミリー・モーティマー、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、カルラ・トウス、オリビア・コールマン、マデリン・ハリス、アントニオ・バンデラス ほか

【日本語吹替版キャスト】
松坂桃李(パディントン)、古田新太、吉田羊、三戸なつめ、斎藤工

【作品情報】
「パディントン」シリーズ3作目を手がけたのは、本作が監督デビュー作となるドゥーガル・ウィルソン。

パディントンの声は、『パディントン』(2016)と『パディントン2』(2018)という前2作に続いて、ベン・ウィショーが務めています。

ヒュー・ボネビルがブラウン家の父ヘンリー、マデリーン・ハリスが娘ジュディを演じ、母メアリー役は前作までのサリー・ホーキンスに代わり、エミリー・モーティマーが担当しました。

パディントンの吹き替え声優を務めるのは松坂桃李、パディントンと一緒に暮らすブラウン一家の長、ブラウンさん役に古田新太、ブラウン家の長女・ジュディ役に三戸なつめ。

さらに、新キャストとして、パディントンたちが大冒険を繰り広げるペルーで出会う、老グマホームの院長・クラリッサ(オリヴィア・コールマン)役を吉田羊が務めます。

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』のあらすじ


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イギリスで穏やかに暮らしている熊のパディントンとブラウン一家。パディントンはパスポートを取得し、正式なイギリス国民となりました。

平和に時は流れていたですが、ペルーの「老グマホーム」の院長から、そこで暮らしているパディントンの育ての親のルーシーおばさんの様子がおかしいと手紙が来ました。

心優しいパディントンは居ても立っても居られません。そんなパディントンの様子をみて、ブラウン夫人は一案を出します。

丁度ブラウン一家も子供たちも巣立ち始めてバラバラになりかけているからと、家族旅行をかねて、ルーシーおばさんに会いに、故郷ペルーにやって来ました。

しかしルーシーおばさんは、眼鏡と腕輪を残して「老グマホーム」からいなくなっていました。

パディントンたちはルーシーおばさんが残した地図を手がかりに、おばさんを探しにインカの黄金郷があるというジャングル奥地へと向かうことにします。

そこには、パディントンの出生の秘密と黄金郷の謎が待ち受けていました。

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』の感想と評価


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本作のサブタイトルは、「消えた黄金郷の秘密」。そして、パディントンの故郷は南米ペルー。行方不明になったルーシーおばさんを探しに密林へ行くストーリーとくれば、否応なしにジャングルでの冒険が頭に浮かびます。

ペルーの観光ボートの船長は、「インディ・ジョーンズ」シリーズでハリソン・フォードが被っていたフェドラハットを着用。ますます本格的な冒険物語の始まりを予感させられます。

物語の中でも、大岩に追いかけられる『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(1981)の名シーンが登場したりと、アドベンチャー好きファンを惹き付ける面白さがたっぷり用意されていますのでお楽しみに。

さらに、冒険心をくすぐるベル―の自然風景も注目です。

そして、最終的に全ての出来事の謎が明かされたとき、愛くるしい子グマだったパディントンが、責任を自分で持てる大人のクマに成長したことに感心します。

自分の居場所は自分で決める! 果たしてパディントンの出す結論は?


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まとめ


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クマでありながら人間以上に紳士的で利発なパディントン。それは第3弾となる本作でも変わりなく、皆に愛されている様子は、シリーズでもすっかりおなじみとなっています。

本作では、パディントンは、行方不明になった育ての親のルーシーおばさんを探しにペルーのジャングルへ出かけました。

勇気と優しさを小さな身体いっぱいに詰め込んだパディントン。おばさん探しの旅は、結果的にパディントンをさらに大きく成長させました。

本作では、自分を必要としている人たち、あるいは自分がいてもいい居場所は、あくまで自分で決めるものと言うメッセージが伝わってきます。

冒険のラストでパディントンが出す決意に注目してください。

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』は、2025年5月9日(金)全国ロードショー

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。



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