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Entry 2020/07/31
Update

細野辰興の連載小説 戯作評伝【スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~】⑩

  • Writer :
  • 細野辰興

細野辰興の連載小説
戯作評伝【スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~】(2020年7月下旬掲載)

【細野辰興の連載小説】『スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~』の一覧はこちら

第三章「東映京都撮影所長の陰謀」

第一節「幻の企画『七人の武蔵』を巡って」其の弐

 幻の企画『七人の武蔵』が、『宮本武蔵 一乗寺の決斗』の公開後に企画されたからと云って、「巌流島の決斗」を題材にしているのかと思いきや、そうではないのだから面白い。

では何を題材にしようとしていたのか。
細野は舞台で次の様に描いている。

この「場」を観て頂ければ、私のパートナーである晴美が、『七人の武蔵』に腹を立て絡んできた理由も少しは理解して頂けるかも知れない。

何はともあれ、観て頂こう。

◯ 舞台

   会議室に、蓋河プロデューサー、脚本家円
   山、アシスタント・プロデューサー室井朋
   子、ウェイトレス和田、助監督綾部、それと
   日野演じるスチール・カメラマンの佐藤が、
   風間を囲んでいる。
   何故か清水演じる坪井の姿は見当たらない。
綾部「『七人の武蔵』ってマジですか!?」
室井「ナニ言っているのッ。そんなのが企画会議を
 通る訳ないじゃないッ。」
風間「甘いッ、新興宗教団体のアニメから『北京原
 人』まで、他社が恥ずかしくて口にする気にもな
 らないモノを企画開発し、配給してしまうからこ
 そ三角マークの東映なんだ。『七人の武蔵』くら
 い朝飯前だ。そんな認識しか持てないから未だに
 アシスタント・プロデューサーから抜けられない
 んだよ、室井君。」
室井「ア~ラ、随分と差別的な発言ですこと。AP
 のどこがいけないのかしら?」
風間「(それには応えず)ラフな企画書によると、
 吉岡清十郎の舎弟、傳七郎までをも三十三間堂で
 一撃の下に倒した武蔵。その武蔵を討ち果たそう
 と狙う吉岡の残党百幾十名!! 孤剣武蔵の運命
 や如何に!? 風雲急を告げ、駆け付けた沢庵坊
 の奇策『七人の武蔵』とは?! と云う惹句
 だ。」
円山「それってマサか、武蔵と名乗る武芸者を七人
 集めて吉岡の残党と戦わせると云う話な訳?」
風間「ピンポン!」
佐藤「思い切ってしまった発想だよね。」
円山「『七人の侍』と『二人の武蔵』を足して二で
 割っただけじゃないッ。」
綾部「それを大東映の京都撮影所長の岡田茂さんが
 企画開発したって云うんですか!?」
和田「あのう、私、未だ良く理解していない様なの
 ですが、もしかして『一乗寺の決斗』を創り直す
 と?」
風間「ウンニャ」
和田「そんな、馬鹿な!」
風間「東映を見くびってはいけません。後年、深作
 欣二監督、沢田研二主演の『魔界転生』で平気
 で『一乗寺の決斗』の激闘シーンを再使用した会
 社だということをユメユメお忘れなく。」
円山「しかも、錦之助武蔵の顔だけ判らなくし
 てッ。」
室井「このくらいのことは考えかねない。」
和田「何が起きても可笑しくないと?」
綾部「監督は?」
風間「勿論、内田吐夢監督にこんな企画を持ってい
 ける訳がない。」
   一同、大きく頷く。
風間「それで白羽の矢が立てられたのが、誰あろう
 近江俊郎監督、その人だ。」
   一同、ポカン。
綾部「オウミトシロウって、誰?」
佐藤「そりゃあ知らないだろうな。戦後、『悲しき
 口笛』『湯之町エレジー』などの大ヒット曲を
 放った有名歌手だ。昭和20年代から30年代前半
 にかけて紅白歌合戦にも6回ほど出場してい
 る。」
蓋河/室井「話が古すぎてついていけない」
蓋河「で、その、『湯之町エレジー』とやらの歌手
 が何故?」
風間「近江俊郎監督は、本名を大蔵俊彦と云い、後
 にピンク映画製作会社と成る新東宝、大蔵映画の
 社長を歴任した大蔵貢の実弟で、何作も監督して
 いることでも知られている。」
綾部「知られていないッ。」
一同「代表作は?」
風間「由利徹先生の数少ない主演作で、『トラック
 野郎』の魁(さきがけ)とも言える珍作『かっく
 ん超特急』」
一同「おおう!?」
円山「同じく由利徹先生主演で恋愛促進の新薬開発
 を巡った艶笑劇『006(シックス)は浮気の番
 号』!」
一同「ウヮアオ!」
室井「抜群のタイトルセンスじゃないッ。」
綾部「そんな企画、誰が岡田社長に提案したんです
 か?」
佐藤「錦兄ィの宿敵、鶴田浩二の側の誰からし
 い。」
和田「俊藤浩滋プロデューサー!?」
円山「有り得ない!」
蓋河「何の為に?」
風間「錦兄ィと健さんとの分断作戦!?」
佐藤「仲良かったからなあ、錦兄ィと健さんは!」
円山「もしかして、有馬稲子との離婚の原因も健さ
 んだったりして!?」
風間「(苦笑)美空ひばり、有馬稲子、淡路恵子、
 甲にしきと判っているだけでもこれだけの女優と
 恋に落ち、女優殺しと云われて来た錦兄ィに、そ
 っちの線はないだろうよ。」
蓋河「やっぱり、錦之助と健さんの話は止めて、市
 川雷蔵と勝新太郎の『カツライス』にしましょう
 よ!」
風間「そうはいかない。話はここからだ。岡田茂の
 方だって錦之助が出演するなんてコレっぽっちも
 思っちゃいない。怒る錦兄ィに、解った、この企
 画は取り下げる。完結編として『巌流島の決斗』
 も考える。しかし、その前に起死回生の大ヒット
 を飛ばさないとッ。その為にも、『日本俠客伝』
 に出演して欲しいッ、とオファーした訳だ。」
蓋河「それは、どっちの話? 主演? それとも特
 別出演?」
風間「それを話すのは、」
和田「今じゃないッ。」

 これは勿論、全て作・演出の細野の創作であり趣向である。当時も今も東映で『七人の武蔵』が企画検討されたと云う事実や記録は何処にもない。 

では何故、細野は、ありもしない架空の『七人の武蔵』を『スタニスラフスキー探偵団』の続編『~日本俠客伝・外伝~』に抛り込んで来たのだろうか。

勿論、虚実皮膜の「笑毒劇」の側面を打ち出すための趣向でもあっただろうし、映画界の良い意味での莫迦々々しさを表現する為のメタファーでもあったのだろう。

しかし、それだけでもなさそうだ、と云う手掛かりに成る重要な「場」を私は、否、私だけでなく本来の「語り手」である高井明も実は未だ語っていないのだ。

ワンポイント・リリーフに過ぎない私は兎も角、明までが何故、一年間の連載の中で「その場」に触れようとしなかったのか、は知らない。
単なる偶然か、「その場」の重要さに気が付かなかったのか。
そもそも高井明は『~日本俠客伝・外伝~』について余り疑問を持っていなかったのかも知れない。その証拠に第一章『舞台【スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~】は失敗作だったのか』第一節「映画監督が演劇に興味を持つ日」では次の様に語っている。

「以前にもお話した様に、映画『貌斬りKAOKIRI~戯曲【スタニスラフスキー探偵団】より』の構成を持ち込んだことはお判り頂けたと思う。
そのことが果たして細野監督が言う様に『スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~』が失敗作だと云う原因になるのか。否、そもそも失敗作なのかどうなのかの感想は何処までも主観的なものであり、普遍的なものではない。
私は寧ろ『スタニスラフスキー探偵団』第一作目よりスケールの大きさを感じてしまった。」

『スタニスラフスキー探偵団』第一作目よりはスケールの大きさを感じてしまった、とは語っているが、具体的にはスケールの大きさには一切触れておらず、勿論、「その場」にも触れてはいないのだ。

私もここまで長くリリーフを続けるとは思っていなかったので敢えて「その場」には触れずに来たが、成り行きでそうも行かなくなってしまった。

少々、前置きが長くなってしまった様だ。

順序は逆になるが、細野が架空の『七人の武蔵』を抛り込んで来た謎を解き明かすには、既に紹介した「会議室での場」の冒頭で風間重兵衛が初登場する直前の「楽屋の場」を観て頂かなければならない。

◯ 舞台
   ゲネプロを控えた楽屋。
   或る者は沈鬱に或る者は苛々と何かを待って
   いる。
寿々子「・・・どうするの?」
   と誰にともなく訊く。
飯尾「そりゃ、中止でしょうヨ。」
尾形「何故、諦める?」
飯尾「だって、仕方ないでしょう。ゲネプロだと云
 うのに後半の台本がないんだからさ。」
稲子「台本どころか作・演出の鬼迫先生まで行方
 不明なんだものね。」
千草「清水君、本当に知らないの?」
   頭を大きく振る清水。
   製作がやって来る。
寿々子「どうするつもり?」
製作「中止に出来る訳ないでしょう」
尾形「・・・だったら清水が書くしか仕方ない
 な。」
清水「どうしてですか!?」
尾形「ハコ創りにはお前も一緒に籠っていたん
 だ。ダメ元でやってみろ。」
向井「(台本を手に)大団円前までは書いてあるん
 だ。時間は稼げる。」
清水「大団円まで一時間ちょっとしかないじゃない
 ですかッ。」
向井「なるべく、長引かせるからさ。」
千草「駄目よッ。芝居はテンポが命なんだから。」
向井「そんなこと言ったって、」
尾形「ゲネプロ開始を一時間遅らせよう。」
製作「わかった。」
尾形「台詞は全部書かなくても、大雑把な流れと外
 せない台詞だけで良い、足りないところは即興で
 補う。」
向井「ちょっとしたゴダールだね。」
千草「インプロと云って欲しいわね、演劇なんだか
 ら。」
飯尾「『場当たり』も途中ですけど。」
尾形「後半は即興でやって貰うしかないだろう、今
 日の処は。」
千草「・・・鬼迫さん、途中で気付いたのよ、『貌
 斬りKAOKIRI~』の様には行かないと。」
寿々子「蓋河の登場シーンで云わせているものね。
 『貌斬りKAOKIRI~』と違ってアクション性が
 無いッ、て」
稲子「それでドツボに填まったのかしら。」
日野「なんだか嬉しそうじゃないかい。」
清水「違います。そんなことではないのです。」
飯尾「では、何なの?」
清水「今は云えません。」
和田「(何故か一人感激して)・・・今じゃな
 いッ。」
飯尾「いつなら云えるんだよ?」
   清水、頭を抱え悶える。
尾形「で、どうするんだ? 書くのか、書かないの
 か?」
清水「・・・『大雑把な流れ』と『外せない台詞』
 だけに成るかも知れませんが。」
日野「良く言った!」
寿々子「(清水に)代役の次は、座付き作者のピン
 チ・ヒッター。大変ね、多才な人は。」
清水「・・・やっぱり出来ません。」
尾形「やっかんでるのさ。気にするな。」
清水「でも本当に書けるかどうか、」
尾形「兎に角、書いてくれッ、・・・俺たちは清水
 を信じてゲネプロをやり遂げるんだ。」
飯尾「坪井役はどうするんですか? 清水の代わり
 が居るかな?」
尾形「無理だ。ユトリ小僧は今や清水の当たり役だ
 からな。無くそう。坪井は登場しないことにす
 る。」
飯尾「強引ですね。皆の意見も訊かずに。」
尾形「俺が強引でなかったことがあったか?」
   睨み合う尾形と飯尾。
清水「あの人を呼んでください。」
尾形「誰だ?」
清水「山田さんです。一緒にハコ作りに籠った記録
 係の山田さんです。山田さんが来てくれれば作業
 が早まります。」

 映画『貌斬りKAOKIRI~戯曲【スタニスラフスキー探偵団】より』では冒頭、千穐楽の当日に坪井役を演じる若手俳優が逃げ出し、清水が代役として立った。
更に蓋河プロデューサー役の三島由紀恵も幕開け寸前で出演拒否し、Wキャストで出番が終わり虚脱状態になっていた南千草が、再び蓋河役を演じなければならなくなると云う枷を作った細野。

『〜日本俠客客伝・外伝〜』では終に作・演出の鬼迫哲を失踪させてしまったのだ。
高井明が語っていた様に細野は、『貌斬りKAOKIRI~戯曲【スタニスラフスキー探偵団】より』の構成を持ち込んだことが『~日本俠客伝・外伝~』を失敗させた原因だと公言していた様だ。
私は、細野一流のブラフではないかと考えている。

思い出してもらいたい。
私が、行き成り明から手紙を貰って「語り手」を引き受けた第二章『播磨屋錦之助とは誰なのか』第一節「語り手交代」での語り始めを。

「顧みて、『スタニスラフスキー探偵団』の「貌斬り」の仕掛けとしての「アクション」と、剃刀の「小道具」に相当するモノが果たして今回の『~日本俠客伝・外伝~』ではなんだったのだろうか、と云う興味が沸いたりしていたのだ。」

その興味を軸に舞台を反芻して行くと蓋河プロデューサーが初登場の時に風間重兵衛にぶつけた台詞に注意を向けざるを得なくなる。

「『〜日本俠客伝・外伝〜』に『貌斬りKAOKIRI~』の顔を斬る様な歴史的なアクションがあるの? 演者の、役の想いを乗せることが出来るアクションがあるの? ないじゃない! 役の、演者の情念をアクションで表現出来ないじゃないッ。駄目よ。こんな企画、絶対に当たりません。否、面白く成りません!」

細野は、映画『貌斬りKAOKIRI~』の構成を導入したことよりも寧ろ、蓋河に云わせているこの部分にこそ『~日本俠客伝・外伝~』の作劇の難しさを感じていたに違いない。

私は、
「南千草演じる蓋河プロデューサーにこの台詞を言わせているのだから細野には勿論、企画段階からアクション性で見せる困難さは解かっていたことだろう。」
と仮説を立て、その上で細野の勝算の話をし、それこそが、この舞台の醍醐味に成っていると語った。

その勝算の一つが、「この場」で描かれた鬼迫哲の失踪なのだ。
否、もう少し詳しく書くと、鬼迫に代わり清水に戯曲を即興で書かせて行くと云う趣向こそが、『貌斬りKAOKIRI~』にあって『~日本俠客伝・外伝~』にはないアクション性を補う「隠し味」であり「勝算」に繋がっていると推測する。

それに依って誕生したモノの一つが『七人の武蔵』と云うことになる。

では、「第一節」の終わりに『七人の武蔵』誕生の「場」を御覧頂くことにしよう。

○ 舞台
   楽屋の方の「場」。
   ゲネプロが佳境に入っているらしく演者たち
   の姿は見えない。
   原稿用紙を前に頭を抱えている清水と山田
   純。
   山田は、『~日本俠客伝・外伝~』のハコ作
   りの場に絶えず居た記録係で年齢は40才く
   らい。
清水「・・・岡田茂が宮本武蔵の完結篇を製作せ
 ず、しかも錦之助に『日本俠客伝』に出演させよ
 うと云う理不尽を『スタニスラフスキー探偵団』
 として描くためには物凄く馬鹿々々しいバーター
 の当て馬企画が必要だと思うんです。」
山田「例えば?」
清水「余りに馬鹿々々し過ぎて、誰もが実現する訳
 がないと思う様な企画です。」
山田「こんな映画に出るくらいならヤクザ映画に出
 た方が未だマシだと錦之助が思うような?」
清水「そうですッ。」
山田「そんなことハコ創りの時、鬼迫さん話してい
 たかな?」
清水「私の鬼迫作品に対する批評性から生まれた考
 えです。」
山田「・・・そうなんだ。鬼迫さんならどう思考し
 ていくんだろうな?」
清水「それだッ。・・・鬼迫さんなら、どう考える
 か、だ。・・・鬼迫さんなら。・・・アレでも無
 い。これでも無い。それでも無いし、アレらでも
 無い。」
山田「まるで風間組名物のロールプレイだね。」
清水「・・・判った。鬼迫さん得意の質量転化だ!
 質量転化で考えれば良いんだ!!」
山田「質量転化!? そうかッ、主人公の人数を変
 えるのか!」
清水「減らすか、増やすか?」
山口「主人公は武蔵一人だから減らしたらゼロに
 成ってしまう。」
清水「・・・ゼロと云うことは居ないというこ
 と。・・・透明人間の武蔵!?」
山口「見えない武蔵か!?」
   顔を見合わせるが暫し、沈黙する二人。
清水「幾らなんでも馬鹿々々し過ぎます。」
山口「うん。矢張り、複数の武蔵。武蔵を複数にす
 る方向かッ。」
清水「『二人の武蔵』のリメイク? 否、古いし地
 味過ぎる。もっと通俗的なインパクトが欲しいん
 ですッ。例えば、・・・嗚呼、パクリだ!? と
 誰もが一発で思う様な派手な外連が欲しいんで
 す!」
山田「クロサワの『用心棒』を無断でパクった『荒
 野の用心棒』みたいな?!」
清水「『荒野の用心棒』!?・・・。それだッ。そ
 れですよ、山田さん! 出来た!!」
山田「何!? 何が出来たの?」
清水「『七人の武蔵』、ですよッ。」

【この節】了

【細野辰興の連載小説】『スタニスラフスキー探偵団~日本俠客伝・外伝~』の一覧はこちら

*この小説に登場する個人名、作品名、企業名などは実在のものとは一切関係がありません。作家による創作物の表現の一つであり、フィクションの読み物としてご留意いただきお楽しみください。

細野辰興のプロフィール


(C)Cinemarche

細野辰興(ほそのたつおき)映画監督

神奈川県出身。今村プロダクション映像企画、ディレクターズ・カンパニーで助監督として、今村昌平、長谷川和彦、相米慎二、根岸吉太郎の4監督に師事。

1991年『激走 トラッカー伝説』で監督デビューの後、1996年に伝説的傑作『シャブ極道』を発表。キネマ旬報ベストテン等各種ベストテンと主演・役所広司の主演男優賞各賞独占と、センセーションを巻き起こしました。

2006年に行なわれた日本映画監督協会創立70周年記念式典において『シャブ極道』は大島渚監督『愛のコリーダ』、鈴木清順監督『殺しの烙印』、若松孝二監督『天使の恍惚』と共に「映画史に名を残す問題作」として特別上映されました。

その後も『竜二 Forever』『燃ゆるとき』等、骨太な作品をコンスタントに発表。 2012年『私の叔父さん』(連城三紀彦原作)では『竜二 Forever』の高橋克典を再び主演に迎え、純愛映画として高い評価を得ます。

2016年には初めての監督&プロデュースで『貌斬り KAOKIRI~戯曲【スタニスラフスキー探偵団】より』。舞台と映画を融合させる多重構造に挑んだ野心作として話題を呼びました。



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