Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2023/10/09
Update

『駒田蒸留所へようこそ』あらすじ感想と評価解説。早見沙織主演作はアニメ映画で“幻のウイスキー”の震災からの復活を描く|映画という星空を知るひとよ175

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第175回

P.A.WORKSの‟お仕事シリーズ”第5弾映画『駒田蒸留所へようこそ』が2023年11月10日(金)より全国ロードショーされます。

崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する若き女性社長と、夢もやる気もない新米編集者が家族の絆をつなぐ‟幻のウイスキー”復活を目指す物語です。

青春物からSF要素のある学園物の他、『花咲くいろは』(2011)『SHIROBAKO』(2020)『サクラクエスト』(2017)など、「働くこと」をテーマに日々奮闘するキャラクターを描いてきたP.A.WORKSが次に描く舞台は「ウィスキー蒸留所」。

ジャパニーズウイスキーの製造の仕方やそれに費やす年数と苦労を余すところなく描かれた、ウイスキー愛にあふれた物語をご紹介します。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『駒田蒸留所へようこそ』の作品情報


(C)2023 KOMA復活を願う会/DMM.com

【日本公開】
2023年(日本映画)

【原作】
KOMA復活を願う会

【監督】
吉原正行

【脚本】
木澤行人、中本宗応

【主題歌】
駒田琉生(CV:早見沙織)『Dear my future』

【声のキャスト】
早見沙織、小野賢章、内田真礼、細谷佳正、辻親八、鈴村健一、堀内賢雄、井上喜久子、中村悠一

【作品概要】
吉原正行が監督が務めた、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」第5弾となる劇場版オリジナルアニメーション。アヌシー国際アニメーション映画祭・コントルシャン部門や第36回東京国際映画祭 ・アニメーション部門の正式出品作品です。

世界でも注目されるジャパニーズウイスキーを題材に、経営難にあえぐ蒸留所の再起に奮闘する若き女性社長・駒田琉生と新米編集者・髙橋光太郎が、家族の絆をつなぐ”幻のウイスキー”復活を目指します。

駒田琉生の声は『聲の形』(2016)や2022年の『ローマの休日』新日本語吹き替え版で主役を果たした早見沙織が担当します。

映画『駒田蒸留所へようこそ』のあらすじ


(C)2023 KOMA復活を願う会/DMM.com

先代である父の亡き後、実家である「駒田蒸留所」を継いだ若き女性社長・駒田琉生(こまだ・るい)。

経営難の蒸留所の立て直しを図るとともに、災害の影響で製造できなくなった“家族の絆”とも呼べる幻のウイスキー「独楽(KOMA)」の復活を目指し日々奮闘しています。

父が亡くなった後、母は憔悴しきり、長男は実家を飛び出して別の蒸留所に務めています。琉生は、そんなバラバラになった家族の絆も取り戻そうとしていました。

そこに、やりたいことも見出せず職を転々としてきたニュースサイトの記者・髙橋光太郎(たかはし・こうたろう)が、ウイスキー製造などの取材にやって来たのですが……。

映画『駒田蒸留所へようこそ』の感想と評価


(C)2023 KOMA復活を願う会/DMM.com

本作は、P.A.WORKS「お仕事シリーズ」の第5弾作品であり、2023年度アヌシー国際アニメーション映画祭・コントルシャン部門や第36回東京国際映画祭・アニメーション部門に正式出品された作品です。

人気声優・早見沙織が命を吹き込む主人公の駒田琉生は、聞く人全てを優しく包み込むような温かな声で周囲の人を魅了し、今にも倒産しそうな駒田蒸留所の立て直しを図ります。

地道な経営をする蒸留所を舞台にした本作ですが、監督の吉原正行はアヌシー国際アニメーション映画祭で、本作にかける熱い想いを下記のように観客に語っています。

若者の成長期を描きたいと思った時に、今の若い人たちと対照的な職業を題材に選びました。ウイスキーは3年から10年を樽の中で熟成させないと商品として売り出せないのです。仕事を始めて成果物に変わるのが10年先なのです。これに主人公たちがどう挑んでいるのかを、今の若者たちにぜひ観ていただきたいです。

あまり知られていないウイスキーの製造工程も作品を通じて紹介されます。手間と時間をかけてできあがるウイスキーの美味しさも理解でき、香りまでもが漂ってきそうな作品となりました。

長期戦ともいえるウイスキー作りに挑む主人公たち。彼らが体験する、じっくりと作り上げる成果物への愛着とウイスキー作りの喜びをぜひご自身の目でお確かめください

まとめ


(C)2023 KOMA復活を願う会/DMM.com

ウイスキー作りのお仕事映画『駒田蒸留所へようこそ』をご紹介しました。

蒸留所の若き社長という役職に加えて気鋭のブレンダーとして注目される駒田琉生と、やることが見出せず職を転々としてきた高橋光太郎。

これまでの境遇もモチベーションも対照的な2人ですが、幻のウイスキーを復活させるために、いつしか一緒に奔走するようになります。

幻のウイスキーは無事に復活させることができるのでしょうか。また、ばらばらだった駒田一家の絆も取り戻すことができるのでしょうか。

気になる見どころに加えて、琉生と光太郎の「お仕事」に対する向き合い方にも注目したい作品です。

映画『駒田蒸留所へようこそ』は2023年11月10日(金)より全国ロードショー!

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。





Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

連載コラム

【ネタバレ】スパイダー・イン・ザ・ウェブ/巣の中のクモ|結末あらすじと感想評価。サスペンススリラーでベテランスパイが陥る蜘蛛の巣のような罠を描く|B級映画 ザ・虎の穴ロードショー97

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第97回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

映画『おろかもの』あらすじと感想。芳賀俊×鈴木俊ふたりの監督が描く“おろかもの”ゆえにたどり着く感動|2019SKIPシティ映画祭12

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019エントリー・芳賀俊監督×鈴木祥監督作品『おろかもの』が7月16・20日に上映 埼玉県川口市にて、映画産業の変革の中で新たに生み出されたビジネスチャンスを掴んでい …

連載コラム

香港映画『四十四にして死屍死す』日本初上映決定!2023年の大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニングを飾る|大阪アジアン映画祭2023見聞録2

第18回大阪アジアン映画祭のスペシャル・オープニング&クロージング作品決定! 「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに、アジア各地の優れた映画を世界または日本の他都市に先駆けて上映・紹介する大 …

連載コラム

映画テン・ゴーカイジャー|ネタバレ感想と結末のあらすじ解説。山田裕貴らキャスト勢揃いの10周年記念作【邦画特撮大全99】

連載コラム「邦画特撮大全」第99章 今回の邦画特撮大全は、Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』を紹介します。 2011年から2012年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ35作品目『海賊戦隊ゴーカイ …

連載コラム

プーチンより愛を込めて|あらすじ感想と評価考察。ウクライナ侵攻2022のロシア帝国の“はじまりのはじまり”を映す【だからドキュメンタリー映画は面白い77】

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第77回 今回取り上げるのは、2023年4月17日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺、6月9日(金)よりシネ・リーブル梅田、アップリンク京都 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学