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Entry 2019/12/20
Update

映画『ひつじのショーンUFOフィーバー』ネタバレあらすじと感想。名作SFにリスペクトしたエンタメ作品は誰にでも楽しめる

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

2007年に、英国BBCで1話7分のショートアニメとしてスタートし、2016年の「国際エミー賞キッズアワード」にてアニメーション部門を受賞している、クレイアニメ「ひつじのショーン」シリーズ。

日本でも放送され人気の高い「ひつじのショーン」シリーズの、劇場版2作目となる『ひつじのショーン UFOフィーバー!』。

舞台を宇宙に広げ、ショーン達とお馴染みの仲間が活躍する、本作の見どころを紹介します。

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映画『ひつじのショーン UFOフィーバー!』の作品情報


(C)2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.

【公開】
2019年公開(イギリス・フランス合作映画)

【原題】
Shaun the Sheep Movie: Farmageddon

【原案】
リチャード・スターザック

【監督】
リチャード・フェラン、ウィル・ベチャー

【脚本】
ジョン・ブラウン、マーク・バートン

【製作】
ポール・キューリー

【作品概要】
アカデミー賞を多数受賞している、イギリスのアニメーション製作会社「アードマン・アニメーションズ 」の人気シリーズ『ひつじのショーン』。1997年に公開された『ウォレスとグルミット、危機一髪!』に初登場した、ショーンを主役にしたシリーズは、全世界でファンを増やし続けています。

2015年公開のシリーズ初となる劇場版作品『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』は、全世界で1億600万ドルの収益を上げ、「第88回アカデミー賞 長編アニメ賞」にもノミネートされました。劇場版2作目となる『ひつじのショーン UFOフィーバー!』では、前作の監督、リチャード・スターザックに代わり、長年「ひつじのショーン」シリーズに携わってきたクリエーター、ウィル・ベチャーが初監督を務めています。

映画『ひつじのショーン UFOフィーバー!』あらすじ


(C)2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
イギリスの田舎町「モッシンガム」。

「モッシンガム」の住人が、森でUFOに遭遇した事件が発生し、町はUFOの話題で持ちきりになります。

一方、町の外れにある牧場で暮らす、ひつじのショーンは、仲間のひつじと楽しく暮らしていました。

ですが、ショーン達が遊んでいたフリスビーが、牧場主の使用していたトラクターの中に巻き込まれ、トラクターが壊れてしまいます。

この件から、ショーンの幼馴染で、牧場内を取り締まる牧羊犬のビッツァーに睨まれ、ショーン達は遊びを規制されてしまいます。

退屈したショーンは、偶然ピザのチラシを見つけた事から、勝手にピザを注文しますが、これもビッツァーにバレてしまい、全て取り上げられてしまいます。

落ち込むショーン達、そこへ、ビッツァーが怒った形相で戻ってきます。

配達されたピザの中身は、誰も食べていないにも関わらず、空になっていました。

次の日、お腹をすかせたショーンは、牧場内に食べかけのピザが落ちている事に気づきます。

落ちているピザを辿った、ショーンの前に姿を見せたのは、宇宙人の子供、ルーラでした。

ルーラは超能力で、自由に物を動かす不思議な力を持っており、ショーンはルーラの力を面白がります。

ショーンとルーラは、壊れたトラクターに乗り込み、超能力で動かして遊びますが、トラクターの暴走に気付いたビッツァーが止めに入ります。

ショーンとルーラは、トラクターを止めて逃げ出しますが、そこへ牧場主が現れて、全てをビッツァーの仕業と思い込みます。

しかし、トラクターが暴走した後の牧場に、ミステリーサークルのような模様が出現した事で、牧場主は町のUFO騒動に便乗し、牧場でUFOイベント「ファーマゲドン」を開催して金儲けする事を企みます。

牧場主は、ビッツァーに罰として、UFOイベントの会場と、イベントの象徴となる高い塔の設営を命じます。

ひつじ小屋に逃げ込んだ、ショーンとルーラ。

ルーラは、ひつじ小屋の道具を浮かして、あるシンボルを作ります。

そのシンボルを見たショーンは、自分が注文をしたピザ屋のシンボルマークである事に気付き、その近くに、ルーラが乗ってきたUFOがあると知ります。

ショーンは、ルーラをUFOのある場所まで送り届ける事を決意し、ショーンとルーラは牧場の外に出ます。

一方、UFO目撃情報を受けた、宇宙人探知省の秘密工作員、エージェント・レッドは、相棒のロボットのマギンズと、部下の工作員たちと共に、宇宙人の行方を探し、捕獲しようとしていました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ひつじのショーン UFOフィーバー!』ネタバレ・結末の記載がございます。『ひつじのショーン UFOフィーバー!』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.

牧場主から命じられ、「ファーマゲドン」の会場作りをしていたビッツァーは、牧場のひつじ達と協力し、イベント会場と、シンボルとなる高い塔を完成させます。

ビッツァーは、牧場主に「ファーマゲドン」の宣伝を町でする事を命じられ、宇宙服を着せられて、大量のチラシを持って町に出かけます。

町の電柱に「ファーマゲドン」のチラシを貼っていくビッツァーは、ショーンの姿を目撃します。

ビッツァーは、ショーンを追いかけようとしますが、バケツに入れていた糊の中に足を突っ込み、糊がついた足でショーンを追いかけます。

宇宙人を探す、エージェント・レッドの元に、宇宙人の目撃情報が入ります。

送られた動画に映った、宇宙服姿のビッツァーを、エージェント・レッドは宇宙人と勘違いし、目撃情報があった場所に移動、ビッツァーの足跡を追跡していきます。

ショーンとルーラは、UFOの中に乗り込みます。

ビッツァーもショーンを追いかけて、UFOに乗り込みますが、変なスイッチを押した事で、強制的に眠らされてしまいます。

ルーラはUFOを動かそうとしますが、動力となる卵型の鍵が無い事で、動かせないでいました。

UFOの現場にたどり着いた、エージェント・レッド達は、工作員の1人がUFOの近くに落ちていた鍵を見つけた事で、ルーラのUFOを発見し、そのまま捕獲し、UFOを宇宙人探知省の秘密基地に持ち帰ります。

初のUFO捕獲に大喜びする、宇宙人探知省の工作員たち。

ショーンとルーラはその隙をついて、UFOの外に脱出し、エージェント・レッドの部屋にある卵型の鍵を入手します。

一方、睡眠から目覚めたビッツァーは、UFOから降りますが、その光景を目の当たりにした工作員たちは、宇宙人と遭遇したと思い込み、パニックになります。

秘密基地内の混乱に乗じて、ショーンとルーラはビッツァーを救出し、UFOを動かしてルーラの住む惑星に飛び立ちます。

UFOの中で、ショーンは食べ物を生産する機械を使い、ピザを大量に作り出すという、いたずらをします。

ですが、ピザがUFOの装置にぶつかった事で、誤作動を起こし、UFOが地球に戻ってしまいます。

目の前で宇宙人を逃がしてしまったエージェント・レッドは、小学生の時に宇宙人に遭遇した事をクラスで発表し、笑いものにされた辛い過去を思い出していましたが、UFOが地球に戻ってきている事を探知し、墜落場所を測定します。

ショーン達を乗せたUFOは、ショーン達が暮らす牧場に墜落します。

墜落の衝撃で、UFOは大破し、ショーンは自らが行ったいたずらを後悔します。

その時、ショーンが持っていた卵型の鍵が反応し、ルーラの住む惑星に、居場所を知らせるサインを飛ばせる事が分かります。

ですが、平地では電波を飛ばす事ができず、もっと高い場所に行く必要があります。

高い場所を探すショーンの視線の先には、「ファーマゲドン」のシンボルである高い塔がありました。

墜落したUFOを追って、町の人達は牧場に集まり、「ファーマゲドン」は大成功に見えますが、牧場主の用意した、完成度の低いイベントの数々に、皆の不満が溜まっていきます。

ショーンはルーラを連れて、塔を登っていきますが、そこへ、変形した車のロボットに乗り込んだ、エージェント・レッドが現れます。

ルーラを捕まえる為に、塔を登ってくるエージェント・レッド。

そこへ、ショーンの仲間のひつじ達が力を合わせて、エージェント・レッドを足止めし、ロボットの中に潜入した、いたずら好きの子ひつじ、ティミーの活躍により、ロボットの動きが止まります。

塔の頂上まで着いたショーンは、鍵を使い電波を飛ばしますが、もう少しの所で、再び動き出したロボットに乗った、エージェント・レッドに邪魔をされます。

そこへ、自らを人間大砲で飛ばしたビッツァーが、ロボットに体当たりをして、塔の上から落とします。

ショーンは、ルーラの惑星に電波を飛ばす事に成功しますが、塔が崩れて、下に落ちてしまいます。

下で待っていたのは、エージェント・レッドでした。

対抗する手段もない、絶対絶命のピンチの中、空に巨大なUFOが出現し、ルーラの両親がUFOから降りてきます。

エージェント・レッドは、自身が小学生の時に見た宇宙人が、ルーラの両親である事を確信し、涙を浮かべながら抱きつきます。

一連の騒動を、「ファーマゲドン」のイベントだと勘違いした観客は大喜びし、イベントは大成功します。

ルーラはショーンと別れ、両親とUFOに乗り込み惑星に帰りますが、UFOを家と勘違いした牧場主が乗り込んでいた為、急いで地球に戻ります。

数日後、「ファーマゲドン」の売り上げ金で、新たなトラクターを購入し、ご機嫌の牧場主ですが、ショーンが遊んでいたフリスビーが、新型トラクターに巻き込まれ、大爆発を起こします。

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映画『ひつじのショーン UFOフィーバー!』感想と評価


(C)2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
人気テレビシリーズの、2作目の映画作品となる『ひつじのショーン UFOフィーバー!』。

テレビシリーズでは、ショーン達が暮らす、牧場での出来事がメインとなっています。

2015年に公開された前作『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』では、街が舞台となり、物語のスケールが大きくなりましたが、『ひつじのショーン UFOフィーバー!』では、宇宙が舞台という、劇場版ならではの、壮大なスケールとなっています。

「ひつじのショーン」シリーズの魅力は、個性豊かなキャラクター達となっています。

主人公であるショーンは、好奇心旺盛でいたずら好きですが、頭が良く、仲間のピンチを閃きとアイデアで救う、仲間思いな性格。

ショーンの親友で、牧羊犬のビッツァーは、働き者ですが、ショーン達に振り回されたり、自身のドジな性格から、さまざまなトラブルに巻き込まれたりしてしまう損な役回り。

ショーンとビッツァーのメインキャラクター以外にも、陽気で団結力が強い、ショーンの仲間のひつじ達。

かわいらしい見た目と、いたずら好きでヤンチャな性格を持つ、子ひつじのティミー。

ビッツァーの飼い主で、怠け者で欲張りな牧場主など、個性豊かなキャラクターが多数登場し、それらをセリフ無しで表現しています。

『ひつじのショーン UFOフィーバー!』では、全くシリーズを見た事が無い人でも、ぞれぞれのキャラクターを、序盤の騒動を通して紹介し、本編に入るという、分かりやすい構成となっています。

ストーリーも、全くセリフを用いずに、ショーンとルーラとの遭遇で始まる冒険、宇宙人捕獲部隊との攻防戦、宇宙人イベントを企画して金儲けを企む牧場主と、それに巻き込まれたビッツァーとひつじ達という、それぞれのストーリーを、クライマックスに全て1つにまとめるという、入念に練られた構成となっています。

ショーンや、敵であるエージェント・レッドの、細かい心情の変化なども表現してしまう辺り、本当にお見事の一言です。

「ひつじのショーン」シリーズはクレイアニメなので、120人体制で毎日8時間の撮影を行っても、1日に15秒しか撮影ができません。

細かい積み重ねで本作を完成させた、アードマン・アニメーションズの職人技が光ります。

「ひつじのショーン」シリーズは「子供向けの作品」というイメージで見られがちですが、実はそうではありません。

「ひつじのショーン」シリーズの原案を担当し、前作の『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』で監督を務めたリチャード・スターザックは、インタビューで「子供向けに作っている訳じゃない、自分たちが笑える事は、他の人も楽しんでもらえると思っている、ターゲットは自分たち」と語っています。

その言葉通り、テレビ版でも、ショーンが映画『パルプフィクション』のジョン・トラボルタと同じ踊りを披露したり、ハリウッドの有名な観光地「チャイニーズシアター」で、ハリウッドスターが手形を残す式典のパロディをしたりと、大人向け、特に映画好きに向けた、細かいパロディやオマージュが多い事が特徴です。

『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』でも、『羊たちの沈黙』や『タクシードライバー』など、名作映画へのオマージュが多数盛り込まれていましたが、『ひつじのショーン UFOフィーバー!』でも数々のSF映画へのオマージュが盛り込まれています。

まず、本作のストーリーは、1982年の映画『E.T.』や、1977年の映画『未知との遭遇』という、SF映画の名作がベースとなっています。

どちらも、スティーヴン・スピルバーグ作品という部分も、面白いですね。

特に『未知との遭遇』は、宇宙人と交信する時に演奏された有名なメロディや、作品を象徴する有名な巨岩「デビルズ・タワー」のパロディも入っており、製作チームの作品への愛を感じます。

また、SF映画の、名作中の名作とも言える『2001年宇宙の旅』のテーマ音楽が効果的に流れたり、秘密の扉を開ける為のメロディが、人気テレビシリーズ『X-FILE』のオープニングテーマだったり、とにかくSF映画好きなら、ニヤリとしてしまうネタが盛り込まれています。

これらの小ネタは、映画を知らなくてもストーリーに関係ない、お遊びとなっており、映画本編は、地球と宇宙を舞台にしながら、最後は友情や家族愛を描いた、心温まる作品となっていますので、普段SF映画をあまり見ない人でも楽しめますよ。

まとめ


(C)2019 Aardman Animations Ltd and Studiocanal SAS. All Rights Reserved.
「ひつじのショーン」シリーズは、年齢を問わず楽しめる作品である事は、前述したとおりですが、前作の『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』では、ペットを簡単に捨てる無責任な飼い主など、社会が抱える問題点も描いていました。

『ひつじのショーン UFOフィーバー!』は、前作よりも、テレビ版の雰囲気を大事にしている作品なので、目に見えて重いテーマが込められてはいませんが、偶然出会った宇宙人、ルーラの為に、さまざまなトラブルを、仲間と力を合わせて乗り越えていくショーン達の姿に、我々は学ぶものがあると感じます。

ショーンの冒険を、軽快なテンポで展開させ、笑って泣ける、文句なしのエンターテインメント作品に仕上げた『ひつじのショーン UFOフィーバー!』。

シリーズ未見の方も、本作をキッカケに、緻密に作られた「ひつじのショーン」の世界に、触れてみてはいかがでしょうか?

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