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Entry 2021/10/26
Update

映画『パーカー』ネタバレあらすじ結末と感想評価。最後の原作者に捧げた意味とジェイソン・ステイサムの演技が魅了する

  • Writer :
  • 秋國まゆ

リチャード・スタークの犯罪小説を実写映画化したクライムアクション!

テイラー・ハックフォードが製作・監督を務めた、2013年製作のアメリカのPG12指定のクライムアクション映画『PARKER/パーカー』。

強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーが、同じ目的で集まった4人組と組んで150万ドルを強盗するも裏切られ、銃で撃たれて手に入れた金も奪われたため復讐しにいく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズの1作、「悪党パーカー/地獄の分け前」を実写映画化した、ジェイソン・ステイサム主演のクライムアクション映画『PARKER/パーカー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『PARKER/パーカー』の作品情報


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

【公開】
2013年(アメリカ映画)

【原作】
リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズより、「悪党パーカー/地獄の分け前」

【監督】
テイラー・ハックフォード

【キャスト】
ジェイソン・ステイサム、ジェニファー・ロペス、マイケル・チクリス、ボビー・カナヴェイル、ニック・ノルティ、ウェンデル・ピアース、クリフトン・コリンズ・Jr、パティ・ルポーン、カルロス・カラスコ、エマ・ブース、ダニエル・バーンハード、キップ・ギルマン、マイカ・ハウプトマン、ノエル・ウィルコックス、シャーリー・ハーモン、アリシア・オクセ、ビリー・スローター、ダニエル・バーンハード、キップ・ギルマン

【作品概要】
『ディアボロス/悪魔の扉』(1997)や『RAY レイ』(2004)などを手掛けた、テイラー・ハックフォードが製作・監督を務めたアメリカのクライムアクション作品。

原作は、リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズの1作、『悪党パーカー/地獄の分け前』です。

「トランスポーター」シリーズや「エクスペンダブルズ」シリーズ、「メカニック」シリーズ、「ワイルド・スピード」シリーズなどに出演している、ジェイソン・ステイサムが主演を務めています。

映画『PARKER/パーカー』のあらすじとネタバレ


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーは、同じ目的のために集められた4人組カールソンとロス、ハードウィックとメランダーと共に、アメリカ・オハイオにある遊園地「ステート・フェア」で強盗を行います。

このステート・フェアへの強盗は、パーカーの相棒ボブ・ハーリーが計画してくれたものでした。ハーリーは8年間、ステート・フェアで働く男から見取り図まで揃った情報を仕入れます。

最も売り上げがある強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーは、相棒のボブ・ハーリーが計画したアメリカ・オハイオにある遊園地「ステート・フェア」での強盗を行いました。

その際、ハーリーから「この強盗には5人が必要だ」と言われます。だからパーカーは彼の知人であり凄腕のフリーの強盗メランダーと、カールソンとロス、ハードウィックと共に、ステート・フェアの売上金150万ドルの強盗をすることになりました。

月曜日。最も売上が集まる週末の金が、警備室の金庫に集められたことを確認したパーカーたちは、パーカーが指揮を執り、強盗計画を実行。

無事成功しましたが、ハードウィックが計画とは違い、人が多く集まるサーカスのテント裏に放火してしまったため、予想以上の騒ぎが起きてしまいました。

これに激怒するパーカー。彼が合流地点でハードウィックを叱っていると、そこへ金を積んだ車に乗ったメランダーたちが到着。

5人はハードウィックが用意したシルバーの車に乗り換え、違う場所へ移動しました。その道中、メランダーたちはパーカーの腕を見込んで、今回得た金を軍資金とした、大きな仕事を一緒にやらないかと誘います。

これに対し、パーカーは事前に決めていた20万ドルだけで十分だと言い、メランダーたちの誘いを断りました。

すると、メランダーたちの態度は豹変し、車内に隠していた銃でパーカーを襲い、瀕死の重傷を負わせたのです。

メランダーたちはパーカーを殺したと思い、金を持ってその場から逃亡。ですが、辛うじて息があったパーカーは、偶然通りかかった農夫のおかげで一命を取り留めました。

銃で撃たれた挙句、強盗した金を持ち逃げされたことに怒るパーカー。彼は早速病院から抜け出し、行く先々で車と服と資金を調達。

ハーリーに連絡を取り、メランダーたちについて教えてもらいます。

その結果、メランダーたちはハードウィックのおじであり、シカゴのマフィアのボス・ダンジンガーという巨大なコネを持っていることや、ハードウィックの兄ボビーが、バーボン通りでバーとロッククラブを経営しているという情報を入手。

パーカーはすぐさまボビーの元を訪ね、強引にメランダーたちと一緒にいるハードウィックの居場所を聞き出します。

「ハードウィックは、フロリダのウェストパームビーチにいる」と知ったパーカーは、襲い掛かってきたボビーの仲間を返り討ちにした後、ウェストパームビーチへ向かいました。

一方、ボビーからの連絡でパーカーが生きていることを知ったメランダーたちは、ダンジンガーに連絡を取り、パーカーに向けて刺客を放つよう頼みます。

ダンジンガーが放った殺し屋は、ハーリーの娘でありパーカーの恋人でもあるクレアを襲撃。クレアは命からがら自宅から逃げ出し、運転する車からパーカーに連絡を取り、そのことを伝えました。

これに対しパーカーは、クレアにこう言いました。「オーキチョービー湖にある別荘に身を隠せ。あそこなら安全だが、念のため尾行はされるな」

「俺がそこに行けるのは金曜だが、最悪の場合、現金を持って逃げろ」

さらにダンジンガーは殺し屋を放ち、パーカーが身分を装うために、新しい身分証の発行を頼んだ会社を襲撃させます。

そこへ駆けつけたパーカー、パニック状態の会社の男に銃を持つよう言い、既に彼らが取り押さえていた殺し屋たちを射殺するよう強要しました。

新たな身分証を入手しただけでなく、自分を殺しに来た殺し屋の始末も済ませたパーカー。彼は一度ハーリーと会い、家族ともども別荘に身を隠すよう伝えます。

ハーリーはパーカーに、メランダーたちとダンジンガーは約5000万ドルほどの値がつく宝石強盗を企てていること。

成功すれば、メランダーたちには1人200万ドルずつ、ダンジンガーには宝石の買い取り額2割が入ることになっていること。

オハイオでのことを全て丸く収めたいダンジンガーから、パーカーが貰うはずだったオハイオの取り分と、プラス1割の金をパーカーに渡すよう頼んできたことを話しました。

その話を聞いても、「メランダーたちから金を取り戻す」というパーカーの強盗としての決意と道義は揺らぎません。

ハーリーはそんなパーカーに、こう尋ねました。「その道義のために、私たち家族を犠牲にするのか?」

これに対しパーカーは、ハーリーにこう言いました。「仕事じゃ信頼が大事だ。相手の非礼を許せば、秩序がなくなる」

そしてパーカーは、その言葉に納得してくれたハーリーにこう尋ねました。「仮定の話だが、メランダーたちが隠れ家として家を買うことは考えられないか?」

以下、『PARKER/パーカー』ネタバレ・結末の記載がございます。『PARKER/パーカー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

ハーリーと別れた後、パーカーはウェストパームビーチへ到着。新たな身分証「エクアドル出身の石油業者ダニエル・パーミッド」として不動産を買うという名目で、パームビーチの不動産仲介会社「パーム不動産」の社員レスリー・ロジャースと知り合い、富裕層が集まる住宅街を見て回ります。

パーカーはレスリーに物件を紹介された際、最近120万ドルの中古物件を購入したロドリゴという男がいるという情報を入手。

実際に目にしたその中古物件は、家を隠すようにヤシの木が植えられており、周辺には内陸大水路があってすぐに小型船舶で逃亡もできる、隠れ家として最適な場所でした。

その物件にメランダーたちが潜伏しているに違いない、そう当たりをつけたパーカーは近くのホテルに泊まり、物件情報を眺めながら復讐の機会を窺います。

この間、パーカーは別荘に着いたクレアと会いました。未だ殺し屋に命を狙われたという恐怖で震えるクレアに、パーカーは「なんなら俺と別れてもいい」と提案します。

一方、新規契約が取れず焦っていたレスリーは、数多くの契約を取っている同僚から顧客を奪います。それが、パーカーが扮するダニエルでした。

実家で昼メロ好きな母親と同居しているバツイチのレスリーは、パーカーに一目惚れし、彼に物件を紹介する際、気がある素振りを見せていました。

クレア一筋であるパーカーは、デートにまで誘ってくるレスリーに対し、客と不動産会社の社員以上に親密になろうとはしません。

そこでレスリーは、自宅のパソコンでダニエルについて調べてみると、彼が身分証を偽造していることが判明。しかもダニエル・パーミッドは、生後2ヶ月の赤ちゃんだったのです。

その日の夜。パーカーは当たりをつけた物件の敷地内へ侵入。パーカーの予想は的中、メランダーたちは次の強盗に向けて、その中古の家を隠れ家にしていたのです。

パーカーはメランダーたちが食事に出かけた隙を突き、ガレージから家の中へ侵入。机の裏や箱に隠された銃に仕掛けを施し、メランダーたちが帰ってきたと同時にガレージから脱出。


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

ところが、近くに停めたパーカーの車の助手席に、何故かレスリーがいたのです。パーカーは自分のことを調べたレスリーを疑いつつ、彼女の誘いに応じて、彼女の会社へ向かいました。

社長の酒をくすねたレスリーは、パーカーに自身の悩みを打ち明けます。「バツイチで40歳目前。妹とは5年も話していないし、同居している母親は死にそうにない」

「定職についていないプレイボーイ気取りに、私には買えない家を案内して、最低なジョークに愛想笑いを浮かべる。セクハラに耐え続けながら、いつ当たるか分からない上客の獲得のために働く毎日。もううんざりよ」

「あなたが私を殺すつもりがないのなら、私があなたを助ける。ここの住民は頭がキレるし、あなたの目的はお金よね」

「専門が強盗なのかゆすりなのか知らないけれど、何にしろ、現地の人間の協力が必要よ」

辛いことばかりの日常から抜け出すために、お金が必要なレスリー。彼女はパーカーの協力者となるため、彼の指示に従って服を脱ぎ、盗聴器の有無を確認して貰って信用を得ようとします。

翌日。パーカーはレスリーを信用し、彼女に協力者として仕事を手伝ってもらおうと思い、彼女を呼び出しました。

レスリーは喜色満面で呼び出しに応じ、物件を紹介するふりをしつつ、パーカーから話を聞きました。

「例の男にある物を奪われた。奴の仲間は3人で、目的は強盗。あの中古物件の家は奴らの隠れ家だ」

「俺はルールを破った人間を罰するだけだ。だが、奴らが最低5,000万ドルの値が張る宝石を盗もうとしていることしか知らん」

パーカーの話を聞いたレスリーは、メランダーたちが宝石強盗しようとしているのは、宝石を収集している社交界の元女王ミリアム・クレンドンの家にある宝石のことだと察し、驚愕します。

クレンドンの遺産は街に全額寄付されており、メランダーたちが狙っている宝石は7,500万ドルして、明日の夜にクレンドンの家で競売にかけられる予定でした。

そう話すレスリーは、パーカーに強盗をして良心は痛まないのかと聞きます。これに対しパーカーは、「ここの住民もクレンドンの祖先も悪事に手を染めていたはず(だから良心は痛まない)」と答えました。

パーカーが強盗する上で、「汚い金しか奪わない、悪者しか殺さない、仕事は完璧に美しく行う」という厳格な3つのルールを己に課していたからです。

午後5時前。レスリーの説明を受けながら、クレンドンの家を視察してホテルに戻ったパーカー。突然現れた殺し屋にナイフで刺されてしまいます。

死闘の末、パーカーは殺し屋をバルコニーから落とし撃退しますが、胸も手もナイフで刺され、頭からも血を流して重傷でした。

翌日。レスリーの家に、彼女に想いを寄せ、セクハラまがいの言葉を言ってくる警官ジェイクが現れます。

ジェイクはレスリーの顧客であるダニエルが、ホテルの部屋で男と口論した末、その男が転落死した事件があったことを話し、ダニエルについて事情聴取しに来たのです。

それに対しレスリーは、「ダニエルはただの冷やかしの客だ」と答えました。事情聴取中、レスリーは室内に入ってきた飼い犬の足に、血がついているのを目撃。

泥つけて帰ってきてと飼い犬を叱るふりをしつつ、ベランダを確認すると、血だらけで蹲っているパーカーを発見します。

ジェイクが帰った後、レスリーは急いでパーカーの元へ向かいました。飼い犬が平然としながらパーカーの膝に座っていましたが、レスリーはパーカーの負傷にパニック状態でした。

パーカーはそんなレスリーを宥めつつ、「公衆電話でこの番号に電話を掛けろ」と言ってメモを渡し、いつも通りに出勤するよう指示します。

レスリーはパーカーの指示に従いましたが、やっぱり重傷を負った彼のことが心配で会社を早退。すると、家にはクレアがおり、パーカーの傷の手当てをしていました。

クレアが去る間際、パーカーとキスしたところを見たレスリーは、クレアは彼の大事な恋人なのだと悟りました。

その日の夜。クレンドンの家は彼女が収集してきた宝石の競売会場となり、多くの客が宝石を吟味していました。

競売人ライオネルがが宝石の競売開始を宣言した瞬間、メランダーたちが事前に業者を装って仕掛けていたスピーカーが爆発。ロケット花火が会場に飛び交い、客たちはパニックに陥ります。

その様子を海上に停泊したボートにいるハードウィックが確認。彼の連絡を聞いたメランダーたちは消防士を装い、家の中へ入り、展示された宝石を手当たり次第盗んでいきました。

ハードウィックが操縦するボートに、酸素ボンベを背負ったメランダーたちが泳いで乗り込み、その場から立ち去る計画でしたが、ボートは郡保安官に見つかってしまいます。

ハードウィックがいた場所は、立ち入り禁止区域だったからです。そのため、メランダーたちはハードウィックをボートに残し、泳いでその場を離れることにしました。

メランダーたちの犯行はすぐに警察にバレて、パームビーチは封鎖され、島の両側に検問所が設置され、陸・海・空の3方面でメランダーたちの捜索が行われました。


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

その様子を見たレスリーは、パーカーのことを放っておけず、メランダーたちの隠れ家を見に行きました。

隠れ家には既に、パーカーが奪われた金を取り返すべく、侵入していました。そうとは知らず、泳いで逃げてきたメランダーたちが帰宅。

家の外から中の様子を窺っていたレスリーは、後から戻ってきたハードウィックに見つかってしまいます。

メランダーたちはレスリーがパーカーの知り合いで、パーカーはこの近くに潜んでいると推測。レスリーを殴り、パーカーのことを聞き出そうとしますが、彼女は殺される恐怖に震えても、彼のことは話しませんでした。

レスリーが捕まり、メランダーたちから尋問を受けている様を物陰から見ていたパーカーは、自分を探しに庭に出てきたロスを、背後からナイフで首を刺して殺害。

ロスが呼んでも戻って来ないのを見て、パーカーがこの家のどこかにいると確信したメランダーたち。レスリーを人質に取り、パーカーを誘き寄せようとします。

メランダーがパーカーを見つけ、襲い掛かったと同時に、レスリーは机の裏に隠された銃を見つけ、自分を襲おうとしたカールソンを射殺。

パーカーもメランダーとの死闘の末、ナイフで首筋を刺し、メランダーの右腕を痛めつけつつ、後頭部に銃口を向け射殺します。

その直後、ハードウィックはレスリーを人質に取り、パーカーに取引を持ち掛けますが失敗。パーカーはレスリーを取り戻し、ハードウィックを射殺しました。

メランダーたちの隠れ家から退散するパーカーたち。その道中、パーカーはレスリーに、事前にメランダーたちが持つほとんどの銃の撃針を壊しておいたから、メランダーたちは銃を撃てなかったことを打ち明けます。

そしてパーカーは、レスリーの車に乗りながら、彼女にこう指示しました。「メランダーたちが盗んだ宝石を会社へ持っていき、空調の通気口に隠したらその存在を忘れろ」

「このことは母親にも秘密だ、二度と宝石を見るな。3ヶ月以内に誰かに宝石を回収させる」

「現金化したら君の取り分を郵送する。その金は銀行に預けるな、派手な買い物も禁止」

「俺の元々の取り分は20万ドルだ、もう20万ドルは計画を立てた相棒の分。残りは君と山分けだ。その金額はざっと数百万ドルだ」

そう話すパーカーが、これからクレアの元に戻ることを悟ったレスリーは、初めから自分に望みはなかったのだと思い、悲しそうに微笑んで彼と別れました。

それから6ヶ月後。パーカーはシカゴにあるダンジンガーのアジトを襲撃し、ダンジンガーを射殺し、彼のマフィアを壊滅させました。

それからさらに1年後。レスリーの元に大金が届けられました。そして、パーカーを助けてくれた農夫の元にも大金が届けられたのか、彼らはこう言っていました。

「家を買い、借金も片付けられた。あの日路肩で見つけた男は、人じゃない。私たちを試しに現れた天使さ」

映画『PARKER/パーカー』の感想と評価


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

己のルールを貫き通す義賊パーカー

強盗のプロであるパーカーは、「汚い金しか奪わない、悪者しか殺さない、仕事は完璧に美しく行う」という厳格な3つのルールを己に課しています。

そのルールを破った悪者メランダーたちに復讐を誓うパーカー。完璧主義者であるが故の強いこだわりによるメランダーたちへの復讐は、相棒も最愛の恋人も止めることは出来ません。

だからといって、パーカーがハーリーたちを蔑ろにしているわけではなく、マフィアのボスが絡むメランダーたちとの戦いから少しでも遠ざけようと、別荘への避難を勧めます。

それに最愛の恋人クレアに対する、パーカーの一途すぎる愛情と、彼に別れを勧められてもなお彼のそばを離れず、傷の手当てをしに来てくれたクレアの献身的な愛。2人の愛は美しく尊いものです。

天才犯罪者でありながら、愛情深い一面を持つパーカー。そのギャップだけでも惚れ惚れしますが、パーカーは最後、自分に協力してくれたレスリーと、自分を助けてくれた農夫に大金を送ります

悪事に手を染めた者の汚い金を奪い、盗品で得た金を善良な市民に渡すという、まるで義賊のようなことをするパーカーの活躍は、終始格好良いです。

パーカーに協力するレスリーの察知能力


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

職場では客にセクハラをされ、自宅では同居する母親にあれこれ言われ続け、それに耐え続けるだけの日常にうんざりしていたレスリー。

どうにか上客を得ようと、同僚の顧客を奪った結果、石油業者に扮したパーカーに出会い、恋に落ちました。

クレアという恋人がいる以上、パーカーがレスリーに靡くはずがないのですが、それでもどうにかパーカーと親密になろうと奮闘するレスリーの姿は、とても健気で可愛らしいです。

レスリーは、パーカーが身分証を偽造した強盗だと見抜いただけでなく、彼が興味を示したロドリゴが、パーカーと同じく身分証を偽造した強盗メランダーたちであることに気づきます。

さらにレスリーは、パーカーから宝石の値段を聞いただけで、メランダーたちが宝石強盗しようとしているのが、社交界の元女王クレンドンの宝石であると察したのです。

不動産会社の社員ならではの知識から導き出されたとはいえ、レスリーの察知能力は素晴らしいもので感嘆させられます。

まとめ


(C)2012 INCENTIVE FILM PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTSRESERVED.

強盗のプロとして闇社会を生きる男パーカーが、自分を裏切って大金を持ち逃げした挙句、殺そうとした4人組の強盗に復讐しに行く、アメリカのクライムアクション作品でした。

パーカーがメランダーたちにした復讐は、彼らが盗んだ宝石を奪い、現金化してその金を奪うという強盗としての復讐で、ハラハラドキドキするスリルが楽しめます。

エンドロールには、「ドナルド・E・ウェストレイクに捧げる」というテロップが流れていました

ドナルド・E・ウェストレイクという人物は、1962年から1974年にかけて、リチャード・スタークのペンネームで「悪党パーカー」シリーズを16作執筆し、1997年に「パーカー」シリーズを復活させたアメリカの小説家です。

映画の公開より前に、ドナルド・E・ウェストレイクは2008年12月31日、メキシコでの妻との休暇中、心臓発作で亡くなってしまいました。

原作小説を復活させた小説家に捧げられた、クライムノベル史上最強の悪党の復讐劇を描いた、スリリングなアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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