ハリウッドの頂点に君臨する2大スターが激突するクライムアクション！
チャック・ラッセルが脚本・監督を務めた、2023年製作のアメリカのクライムアクション映画『オペレーション・ゴールド』。
ハリウッドの頂点に君臨する2大スターであるジョン・トラボルタとブルース・ウィリスが、名作映画『パルプ・フィクション』以来29年ぶりに再共演を果たした作品です。
史上最大規模ともいわれる犯罪帝国を築いたアメリカの麻薬王バックリーと、数百万ドル級の獲物ばかりを狙う賞金稼ぎのイアン。
イアンはバックリーを10年追い続け、ついにハワイの人気のないビーチに追い詰めます。しかしバックリーの子分が現れ銃撃戦が始まった果てに、イアンは撃たれ海へと沈み、昏睡状態になってしまうのです。
映画『オペレーション・ゴールド』のネタバレあらすじと作品の魅力をご紹介いたします。
映画『オペレーション・ゴールド』の作品情報
（C）2023 PARADISE CITY FILM LLC. ALL RIGHTS RESERVED
【日本公開】
2023年（アメリカ映画）
【監督】
チャック・ラッセル
【脚本】
コーリー・ラージ、エドワード・ドレイク、チャック・ラッセル
【キャスト】
ジョン・トラボルタ、ブルース・ウィリス、ブレイク・ジェナー、プライヤー・スワンドークマイ、スティーブン・ドーフ、ブランコム・リッチモンド、レアード・アケオ、ロレンツォ・アントヌッチ、ケイト・カッツマン、アンバー・アバラ、キャリー・アン・バーナンス
【作品概要】
『マスク』（1994）や『イレイザー』（1996）『スコーピオン・キング』（2002）などを手がけてきたチャック・ラッセルが脚本・監督を務めた、アメリカのクライムアクション作品。
『グリース』（1978）『フェイス／オフ』（1997）『パリより愛をこめて』（2010）のジョン・トラボルタと、「ダイ・ハード」シリーズや『エクスペンダブルズ』（2010）のブルース・ウィリスが、クエンティン・タランティーノ監督作『パルプ・フィクション』（1994）以来29年ぶりに共演＆ダブル主演を務めました。
映画『オペレーション・ゴールド』のあらすじとネタバレ
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マウイ島・ハナ。数百万ドル級の獲物ばかりを狙う賞金稼ぎのイアン・スワンは、史上最大規模ともいわれる犯罪帝国を築いたアメリカの麻薬王アーレン・バックリーを10年追い続け、ついに人気のないビーチで追い詰めます。
しかしバックリーの子分たちが現れて銃撃戦に。イアンは撃たれ海に沈んでしまいました。
イアンが殺されたと推定される中、イアンの息子で同じく賞金稼ぎのライアン・スワンと、イアンの元相棒ロビー・コール、マウイ島の地元警察で殺人課の刑事として勤務するサバンナが犯人捜しに乗り出します。
まず犯人候補に挙がったのは、最高額の賞金がかけられている麻薬の売人テランス・ビルフォード。彼は警官3人と家族を殺害し、中西部で大規模の麻薬取引を仕切っていたことで捕まったものの、1000万ドルの保釈金を現金で払い釈放。ただ逃亡後、テランスの姿を目撃した者は一人もいませんでした。
懸賞金を山分けすることを条件に手を組んだライアンとロビーは、犯人につながる手がかりを得るために、イアンの車から見つかった名刺に書かれたホテルに向かいます。
そのホテルでは、ハワイの次期上院議員トーマス・カネの政治資金パーティーが開催されており、バックリーが支援者として、息子のアーンを連れて出席していました。
ホテルに到着後、ライアンたちはイアンが10階の客室のベッドの中に隠していた、テランスの死体を撮った写真を発見。
しかしその直後、悪漢たちがロビーを狙って銃撃。しかし被弾したのはロビーではなく、部屋の清掃をしにきた女性従業員でした。
ライアンたちは、直接部屋に乗り込んできた悪漢たちと死闘を繰り広げていきます。しかし死闘の末にロビーは拉致され、ライアンは発砲事件の犯人としてマウイ警察に捕まってしまいました。
翌日。マウイ警察署の留置場に入れられたライアンのもとに、バックリーが面会に訪れます。バックリーは昨夜のホテルの発砲事件のせいで、せっかくのパーティーが台無しになってしまったことに怒っていました。
しかしバックリーは、防犯カメラの映像から悪漢たちが先に銃を撃っていたことが確認されたため、ライアンがその内の一人を殺したのは「正当防衛」として、警官に彼の釈放を命じます。
釈放されたライアンに、警察署から出てきたサバンナが声をかけます。サバンナは事件の捜査から外されてしまい、挙げ句の果てに捜査自体が止まってしまったのです。
警察に頼ることはできませんが、サバンナには他にもアテがありました。ニッキーの店「リップタイド・クラブ」で働くサバンナの友人ニッキーとその仲間です。彼女たちはこの島と民を守るという大義のため、客から集めた裏情報をサバンナに知らせていました。
サバンナたちはライアンに、バックリーの悪行を話します。バックリーは採掘禁止のハワイの聖なる山の採掘計画を進めており、先住民を買収し、反対する者は失踪扱いにして始末していたのです。
父イアンと一度会ったことがあり「父を殺した犯人を調べる」とまで言ってくれた恩人の悪行を聞いていてもたってもいられず、ライアンは父が撃たれた場所に連れて行ってほしいとサバンナに頼みます。
翌朝。ライアンはサバンナと一緒に、父が撃たれたビーチに行きました。ライアンはイアンの留守電メッセージを聞きながら、父の身に何が起きたか想像します。またサバンナは、水中金属探知機でイアンの携帯電話を見つけました。
すぐにFBIの機器を使ってデータの復旧を試みた結果、画像が荒いため顔は分からないものの、険悪な雰囲気の二人の男の姿と、海に血を流して沈んでいく男の姿が映った動画の復旧に成功。
それを見たライアンは、マウイ郡検視官事務所で見たとおり、やはり父は出血によって鮫に襲われ、助かる見込みがなかったのだと感じました。しかしサバンナは「イアンがいたビーチには、サンゴが邪魔で鮫が入ってこれない」と異を唱えました。
ライアンたちは、この場所を監視している者に話を聞くことにしました。誰かに監視されているとは気づかずに………。
一方ロビーは、バックリーの豪邸の一室に軟禁されていました。バックリーは自分に「頼みごと」があると思って、自分の部下に命じてロビーを拉致したのです。
バックリーはロビーを自由の身にした上で、なぜ選挙に出馬しないのか理由を明かします。
「長年ここで暮らしていても、“みな家族”というハワイの掟に従って生きている先住民たちから見れば、我々は旅行者で植民者」「だが手つかずの資源という、彼らにも希望はある」
どうせカネが当選すればおこぼれを貰えるんだろうと鼻で笑うロビーに対し、バックリーは「私の利益はハワイの利益」とだけ答えました。
バックリーは部下を使って、ロビーの身辺調査をしたことも明かします。ロビーは元シカゴ市警の警察官でしたが、彼の性に合いませんでした。
ですが賞金稼ぎとなれば話は別です。ルールも上司もなし、犯罪者のことがよく分かります。
今度はロビーが、バックリーにある噂について尋ねました。「バックリーは大富豪ではなく、羽振りがいいのはテランスと麻薬カルテルがバックにいるからではないか」と。
さらにロビーは、バックリーがテランスによって立場を危ぶまれていると感じているのではないか、カネに援助している政治資金が麻薬絡みだとバレるのを恐れているのではないかと畳みかけるように尋ねます。
その言葉に少し動揺したバックリーでしたが「私が怖いのは私自身だ」と答え、どこでこの噂を聞いて他に誰が知っているのか吐かせるべく、部下二人にロビーを拷問させました。
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ライアンたちは、サバンナの母とその姉ら先住民が暮らすパリウリ村、別名「パラダイス・シティ」に到着。サバンナ曰く、その村に暮らす先住民たちだけが、バックリーからのお金を拒み抵抗していると言います。
村の呪術師チャーリーが、ライアンが本当にイアンの息子か確かめます。ライアンは頭にハテナマークを浮かべながらもチャーリーの言葉に従い、蒸し小屋の中で父の姿を思い浮かべました。
すると死んだはずのイアンが、ライアンの背後から現れたのです。イアンは「弾は当たったが生き延びた」と言い、涙ぐむ息子を強く抱きしめました。
その日の夜。焚火の前で、サバンナのおばはライアンとサバンナに「イアンはバックリーについて聞きにこの村にやって来た」「バックリーが勝てばハワイは負けてしまう。だから私たちは、ハワイを助けてくれるイアンを救ったの」と話しました。
実はあの後、満ち潮に隠れていたイアンを、潮が引いた浜でパリウリ村の村民たちが見つけてくれたのです。そしてライアンが見た遺体は、彼らがイアンが生きていることを隠すために、死体置き場から借りてきた別人のものでした。
ライアンたちから水没した自分の携帯電話を受け取ったイアンは、「テランスが使った魔術を見せよう」と言い、麻薬カルテルで働く訳ありの医師に貰った写真を見せます。
その写真とは、テランスがバックリーの顔に整形した写真でした。そしてイアンは、あの日に起きたことを息子に話しました。
あの日、イアンはバックリー本人を捕らえ証拠も押さえたのですが、顔が変わっていたことに混乱した隙を突かれ、テランスに銃で撃たれ海に沈んでしまいました。
テランスと麻薬カルテルはこの島の資源を掘り尽くし、マウイを国際的な麻薬売買の拠点にしようとしているのだと、イアンは言いました。
そこでサバンナの携帯電話にニッキーから電話がかかってきて、ライアンたちはロビーが「黄金の玉座」と呼ばれる、島の端にあるバックリーの屋敷に監禁されていることを知りました。
ライアンたちがロビーの救出に向かった直後、テランスの部下たちがパラダイス・シティを襲撃。「ガスタンクの欠陥」で出火したことにし、パラダイス・シティを焼き払いました。知らせを受けたライアンたちはロビーを救出し、テランス打倒を決意します。
翌日。ライアンとサバンナはニッキーたちと協力して、カネの支援者との祝賀会が開かれるテランスの屋敷に侵入。そこでライアンは、ロビーと協力して捕まえた警察車両泥棒のコア・カハリと偶然再会し、事情を説明してロビー捜しに協力してくれないかと頼みます。
パラダイス・シティには家族がいたため、コアは喜んで協力すると言い「ロビーが生きているとしたら地下だろう。トンネルがあるらしい」とアドバイスしました。
コアと別れた後、ライアンはテランスの手下の目を盗んで地下へ。声がする部屋に入ると、テランスの手下と遭遇し殺されそうになります。しかしクラブの嬢に変装していたサバンナが駆けつけ、二人で協力してテランスの手下を倒しました。
さらにそこへコアが現れ、3人でその部屋から脱出。サバンナはニッキーたちに警告しに行き、ライアンはコアが見つけた部屋に向かいます。
コアが蹴破ったその扉の先には、さらに地下へと続く階段がありました。そこでライアンたちはテランスの手下と遭遇するも、先にトンネルを見つけていたイアンがいたおかげで難を逃れました。
階段を降り、イアンと共に慎重に前へと進むライアンたち。行き着いた先でロビーと、数時間前まで彼を拷問していたテランスの手下の死体を見つけました。
ですが、無事再会を果たしたはずのイアンとロビーの間に険悪なムードが……実はライアンが子どもの頃、彼の母親であるイアンの若妻は寂しさからロビーと不倫したのです。
この不倫のせいでライアンの両親は離婚、ロビーは相棒と友人を失いました。ライアンが仲裁に入るものの、二人は和解できませんでした。
ライアンとコア、イアンとロビーと二手に分かれてとりあえず地下から脱出。イアンたちはサバンナと合流して、テランスを捜します。
この地下へ上がる過程での、ライアンたちとテランスの手下たちの銃撃戦が上の階にいるテランスや支援者たちにも伝わり、会場はパニック状態に。
ロビーが逃げたと知らせを受けたテランスは、手下たちにロビーの殺害と、息子を連れて逃げるための船を出すよう命じます。
テランスの屋敷の敷地内で繰り広げられる、イアンたちとテランスの手下たちによる銃撃戦。手下二人と息子を連れて屋敷から逃走したテランスを先に見つけたのは、ライアンたちでした。
銃撃戦の末、共倒れとなってしまったライアンたち。テランスが息子を連れて逃げようとしていると、屋敷での銃撃戦を制したイアンが現れます。
一触即発状態になるイアンとテランス。実はイアンは一度、バックリーの顔に整形したテランスに会ったことがあり、その時こっそり指紋を採取していたため、すぐに「バックリー＝テランス」と分かったのです。
さらにイアンはアーンに、テランスが隠していた秘密を暴露します。
「君の母親の首から、その男の指紋が出た」「君を連れて出ていくと言った母親を殺して、君の名を変えて逃げた」……衝撃的な真実を知ったアーンは、岸に到着した船に乗るよう促す父を無視して、その場から逃げようとします。
テランスは息子を気にしつつ、イアンが発砲する前に銃を発砲。2発の銃弾を食らったイアンは膝から崩れ落ちます。
テランスから逃れたアーンは、駆けつけたサバンナとロビーに無事保護されました。ライアンは倒れた父に駆け寄ります。
テランスは泣く泣く息子を諦め、一人で船へ。しかし船を操縦していた手下が、ロビーの銃撃を受けて海に落ちてしまいました。
一人になってもなお諦めず逃げようとするテランス。イアンは息子に「自分のことはいいから今度こそ奴を逃がすな。奴を撃て」と言いました。
父の銃を構えるライアンですが、すぐに撃とうとしません。子どもの頃から父に護身術として銃の扱い方を教わったライアンは、実は銃が苦手でした。
葛藤の末、ライアンはテランスではなく、彼が乗る船のエンジンを目がけて銃を発砲。しかし炎上した船に、テランスの姿はありません。
テランスはエンジンに被弾したと同時に、船から飛び降りたのです。その直後、イアンは息子のそばで静かに息を引き取りました。
その日の夜。バックリーという名はテランスの偽名であると突き止めたサバンナたちマウイ警察は、岸に上がろうとした彼を逮捕しました。
父の遺体のそばにいるライアンは、逮捕されたテランスと黙って見つめ合います。そこへロビーが現れ「お前は親父さんと俺の誇りだ」と彼を励ましました。
後日。パラダイス・シティにて、命懸けでこの場所を守ってくれたチャーリーとコア、イアンの葬儀が執り行われました。
サバンナの叔母は彼らを村の一員として認め、彼らに感謝を告げた上で「ライアンが寄付してくれた懸賞金のおかげで村を再建し、犠牲者の遺族をケアできる」と皆に伝えました。
ライアンは懸賞金の10％を、この島から出発するための資金として自分の手元に置きました。
ライアンはサバンナがこの島に残ると聞き、「これからも、俺たち友だちだよな？」と彼女に尋ねます。サバンナは「そんなの退屈でしょ」と答え、ライアンの頬にキスをしました。
熱いキスを交わし、結ばれたライアンとサバンナ。二人と、平和を取り戻したパラダイス・シティの村民たちの姿を最後に、物語は幕を閉じるのでした。
映画『オペレーション・ゴールド』の感想と評価
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銃が苦手なものの、父と同じ賞金稼ぎの道を選んだライアン。相棒であり友人でもあったイアンの妻と不倫したことを後悔している賞金稼ぎのロビー。
イアン殺しの犯人捜しのために二人が手を組んだことで始まった物語は、後半になるにつれて「実はあの時○○していた」ということが明らかとなっていくため、最後まで目が離せません。
イアンと、彼の意志を継いだ息子のライアンが協力者を増やし、命懸けでテランス逮捕に挑む姿は見ていてハラハラドキドキしますし、「警察」ではなく「賞金稼ぎ」が島を牛耳る悪党を追い詰めていくのが他作品にはない設定で面白いです。
そして何より、本作の悪役バックリーが、実は中西部で大規模の麻薬取引を仕切っていた麻薬の売人テランスの偽名であったこと。
テランスが顔を整形して警察とイアンの目を欺き、マウイを国際的な麻薬売買の拠点にしようと企んで、カネの支援をしていたこと。
テランスの最愛の息子アーンが「彼を連れて出ていく」と言った彼の母親を殺したテランスが、彼の名前を変えて一緒に逃げたことが暴露されたのは、とても衝撃的な場面でした。
ライアンの活躍により、バックリーもといテランスを絶対捕まえるという、イアンの10年越しの願いは叶いました。
ですが当の本人であるイアンが、物語の最後で本当に死んでしまったのがとても悲しいです。
まとめ
（C）2023 PARADISE CITY FILM LLC. ALL RIGHTS RESERVED
ハワイ・マウイ島を舞台に、麻薬王と賞金稼ぎの親子が激突するアメリカのクライムアクション作品でした。
本作の見どころは、ブルース・ウィリス演じる賞金稼ぎのイアンと、ジョン・トラボルタ演じる麻薬王のテランスの2度にわたる真っ向勝負。そしてスワン親子の感動の親子愛と、テランス親子の嘘と裏切りの対比です。
同じ賞金稼ぎであっても、冷静沈着に数百万ドル級の獲物を狙い仕留めようとするイアンに対し、ライアンは標的を殺すのではなく気絶か捕まえるという手段をとるという、正反対な親子の再会と永遠の別れを描いた場面は誰もが涙することでしょう。
ハラハラドキドキする緊迫としたアクションが描かれた作中とは打って変わり、エンドロールでは、和気あいあいとした本作の撮影風景とNGシーンの映像が流れていました。
ジョン・トラボルタとブルース・ウィリスのダブル主演で贈る、緊迫としたアクションと熱きドラマを描いたクライムアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。
