森林火災から人々を守る消防隊員たちを描いたスペクタクル・アクション大作!
アレクセイ・ヌージュニーが脚本・監督を務めた、2020年製作のロシアのスペクタクル・アクション映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』。
ロシア・モスクワ州航空森林消防隊の6人が、乾燥と強風のため火の勢いが増して大規模火災となった森林火災から、命懸けで消火活動と村人の救助に挑む姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
6人の森林消防士が、近隣の村を飲み込む勢いの森林火災に立ち向かう、スペクタクル・アクション映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』の作品情報
(C)Three T Productions, 2020 (C)Russia TV and Radio, 2020 (C)Central Partnership, 2020
【日本公開】
2021年(ロシア映画)
【脚本】
ニコライ・クリコフ、アレクセイ・ヌージュニー
【監督】
アレクセイ・ヌージュニー
【キャスト】
コンスタンチン・ハベンスキー、イヴァン・ヤンコフスキー、スターシャ・ミロスラフスカヤ、アントン・ボグダノフ、ヴィクトル・ドブロンラヴォフ、アンドレイ・スモリャコフ、ユーリー・クズネツォフ、ティーコン・ジズネフシキー
【作品概要】
アレクセイ・ヌージュニーが脚本・監督を務め、『T-34レジェンド・オブ・ウォー』(2019)の製作陣と一緒に製作した、ロシアのスペクタクル・アクション作品です。
『ヒトラーと戦った22日間』(2018)のコンスタンチン・ハベンスキーが主演を務め、『ナイト・ガーディアンズ』(2016)のイヴァン・ヤンコフスキーや、『T-34レジェンド・オブ・ウォー』(2019)のヴィクトル・ドブロンラヴォフら豪華俳優陣が共演しています。
映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』のあらすじとネタバレ
(C)Three T Productions, 2020 (C)Russia TV and Radio, 2020 (C)Central Partnership, 2020
ロシア・モスクワ州航空森林消防隊の隊長アンドレイ・パヴロヴィッチ・ソコロフ(通称:アレクシー)と彼の仲間5人は、国の森林を守るために、消火活動に勤しんでいました。
ある年は特に酷く、イルクーツクやシベリア、カレリアなど、ロシアの国中で森林火災が発生していました。
カレリアの火災現場に到着したアレクシーたちは、火の勢いが衰えない森の中で身動きが取れなくなってしまいました。
アレクシーたちは救助のヘリが来るまで、足元の土を掘って穴を作り、防火シェルターを被って、中で水を飲んで耐え忍ぶことにしました。
しかし、アレクシーの部下1人が迫りくる火に耐えきれず、防火シェルターを剥いで、火のない道へ逃走。
その直後、風向きが変わったのか火の動きが突如変わり、火のない道に一気に流れ込んできて、その隊員は焼死してしまったのです。
後日、モスクワ州航空森林消防隊の基地。アレクシーは部下1人が殉職してしまったことで、新たに仲間を増やさなければ再出動できない状況になりました。
というのも、ヘリで火災現場に降下するチームには、6人必要だからです。アレクシーの兄であり、モスクワ州航空森林消防隊の本部長でもあるウラジミール・グロモフは、「新人消防士の中から1人選んで隊に加え、再出動すればいい」と提案します。
新人消防士の指導教官でもあるアレクシーは、「まだ新人消防士にはあと6ヶ月間、訓練を積む必要がある、新人を使うつもりはない」と拒否しました。
これに対しウラジミールは、アレクシーにこう言いました。「それでも今は火を止めることが先決だ。ロシアの国中が燃えているのに、お前はここで何をしている?再出動しないなら引退しろ」
アレクシーがウラジミールから引退勧告を受けたことを知った、彼の部下ピョートル・トルストイとセルゲイ・ゾートフ、コスチャとマックスは、今後どうするのか彼に尋ねます。
部下たちから詰め寄られたアレクシーは葛藤の末、過保護なほど大事にしている娘キャティヤの彼氏である、新人消防士ロマン・イーリンを新たな仲間に加えることにしました。
アレクシーがロマンを選んだのは、火災現場に怖気づいて帰るだろうと踏んだことと、ロマンがもし基地へ帰還したとしても、一応6人で現場に向かったことになるからです。
それから間もなく、パイロットのヴァレリー・ヒューストンとパシャが操縦する航空機「RA-17996」で、再出動したアレクシーたち。
火災現場から近い、近隣の村「オリホヴォ村」へパラシュート降下して到着したアレクシーたち。安全な場所をキャンプ地とし、テントを張って食料と装備を置きました。
その後、アレクシーたちはオリホヴォ村で「防火帯」という溝を作り、それに沿って導火線を敷いて火をつけ、現場の火とぶつける「迎え火(バックファイア)」で消火しようとします。
しかしその作業中、導火線を敷いていたセルゲイの後ろに突如火が迫ってきたのです。
慌ててその場から避難したアレクシーたちは、火がない場所で村長の娘の結婚式の準備をしていたオリホヴォ村の村人たちと遭遇。彼らが火災も、森林消防隊が来ることも聞いていないと聞いて驚愕しました。
結婚式をやり遂げるまで避難しないと主張する村人たちと揉めるセルゲイたち。
その後、キャンプ地で留守番していたピョートルが、マックス愛用のギターと衛星電話が入った鞄だけ持ってアレクシーたちと合流。彼から、キャンプ地に火が燃え広がり、テントも装備も全て失ったことを知らされました。
仕方なく、この日の夜は野宿することにしたアレクシーたち。アレクシーが衛星電話を使って、離れた場所にいるヴァレリーに現状報告し、食料とテント、装備の調達を頼みます。
その間、焚き火で採ってきたキノコを焼いていたピョートルに、ロマンはこう言いました。
「隊長に頼んで衛星電話を借りてくれ。彼女に電話したいんだ」「彼女は基地で働いているから、毛布や食料も手配できるかもしれない。あんたも奥さんや子供と話したいだろう?」
それを聞いたピョートルは、焚火のそばから離れてしまいます。セルゲイたち曰く、ピョートルは妊娠中の妻を火事で亡くしていたのです。
以下、『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』ネタバレ・結末の記載がございます。『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)Three T Productions, 2020 (C)Russia TV and Radio, 2020 (C)Central Partnership, 2020
翌朝。アレクシーは寝ていた仲間を起こし、コスチャたちに村へ行って食料・道具・テントなどの調達を、ロマンには薪を探してくるよう命じました。
昨晩のこともあり、村人と揉めるセルゲイたちでしたが、マックスが徹夜で考えたというギター演奏と歌で場を和ませたおかげで、何とか缶詰とシャベルと鋸を調達することができました。
結婚式でお祭り騒ぎな村人たちと交流を深めていくセルゲイたち。その時、妊娠中の村人ゾーヤが産気づいたため、酔っ払って運転できない男たちの代わりに、ピョートルがゾーヤとその母親を病院まで送ることになりました。
その間、アレクシーは薪を集めて戻ってきたロマンに、キャティヤがジストロフィーの一種である病気「筋ジストロフィー」を患っていることを明かします。
骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患であるその病気を患うキャティヤは、アレクシー曰く、高所でパニック発作が起きてしまうのです。
だからこそアレクシーは、飛行機に乗って気圧が変化した時にパニック発作を起こすことを知っていたからこそ、これまで娘を航空機や飛行機に乗せたことはありません。
そこまで知らなかったロマンは、アレクシーと初めて対面した際、サプライズでキャティヤを航空機に乗せてあげようとしました。
一方その頃、カレリア・カレワラ村の飛行場にいたヴァレリーたちは、アレクシーたち同様、食料と足りない航空機の燃料の調達に奔走していました。
食料はそばの実と、パシャが地元のパイロットから貰った蜂蜜を手に入れることが出来ましたが、肝心の燃料は村にはなく、残っている燃料ではアレクシーたちを基地へ連れ戻すことしかできません。
航空機でカレリア上空を巡回できない代わりに、パシャは変わり者のパイロット・オコピチが操縦するヘリを手配しました。
火のタイプ・範囲・方向などを見極めて現場へ誘導するスポッターでもあるヴァレリーは、パシャに燃料の調達を任せ、オコピチが操縦するヘリに乗り込みます。
上空から火災現場を視認したヴァレリーは、無線を使ってアレクシーに連絡を取りました。
「火は強風に吹かれて、オリホヴォ村に向かっている。時間はあまりない、樹冠火(木の枝葉が燃えること)だ」「分速100mで進んでいる、位置を知らせろ」
それを聞いたアレクシーは、足に装着していた照明弾で位置を知らせます。アレクシーの位置を確認したヴァレリーは、このことを基地に知らせるよう指示しました。
アレクシーは衛星電話を使って、基地に知らせようとしましたが、それが入っているはずの鞄の中身は空っぽ。直前でロマンが、衛星電話を無断で持ち出したからです。
アレクシーはオリホヴォ村へ向かい、直接セルゲイたちにそのことを知らせます。
アレクシーは村人たちのパニックを避けるべく、慎重に村人たちと話をしようとした矢先、後から現れたロマンが大声で、火がすぐそこまで迫っていることを知らせてしまうのです。
さらにロマンが、キャティヤに病気のことを聞くために、無断で衛星電話を持ち出した挙句、背後に迫る火に驚いて湖に落としてしまったと知ったアレクシーは激怒。ロマンを無言で連れ出し、彼の袖章を引き千切りました。
案の定、パニックに陥る村人たちを宥めつつ、アレクシーはこう言いました。「昨日の火とは違い、今樹冠火という強烈な火がこの村に向かっている、今すぐここから避難するんだ」
それに対し、抗議の声を上げる村人たち。それを諫めた村長を呼び出し、実際に間近に迫る樹冠火の様子を見せながら、アレクシーは言いました。
「樹冠(茎・葉・花等を含む、地上にある植物の部分)から広がるから、止められない。製材所を燃やしたら、次は家々だ」「今すぐ避難しなければ、村人全員死ぬぞ」
村人たちが避難準備を進めていく中、アレクシーは軽トラックの荷台でマッチに火をつけます。
マッチの火は風に吹かれて消えるどころか、勢いが衰えることはありません。それを見てアレクシーは、強風だけでなく、現場の天候が乾燥しているのも樹冠火の原因だと悟りました。
いざ避難誘導するとなった瞬間、アレクシーの元に、ヴァレリーから「道路は火で覆われていて使えない」と連絡が入ったのです。
一方キャティヤは、ロマンやアレクシーに連絡が取れないことに不安に駆られ、ウラジミールに「衛星電話が繋がらない。オリホヴォ村で何か起きているかもしれない」と言いますが、聞く耳を持ってくれません。
4時間前のカレリアの情報では、火はおろか、風も吹いていなかったからです。キャティヤはそれでも諦めず、「大臣が急に来た」とウラジミールと彼の部下たちに嘘をつき、ウラジミールの補佐官を騙って衛生監視局へ連絡しました。
衛星監視局にカレリアのデータを更新して貰った結果、オリホヴォ村に樹冠火が迫っていることを知ったキャティヤ。
嘘をついたことを怒るウラジミールに、オリホヴォ村の村人とアレクシーたちを救うべく、今すぐ人員と12トンの水を積載できる水陸両用の飛行機「B200」を派遣するようお願いします。
その頃アレクシーたちは、オリホヴォ村とその周辺の地図を確認し、オリホヴォ村近くの森を4キロ抜けた先に、川があることを発見。この川に着けば安全だと思い、村人たちをそこまで避難させようとします。
アレクシーはヴァレリーとの交渉の末、ヘリからケーブルを垂らして貰い、そのケーブルに軽トラックを繋げ、その荷台に村の女子供を乗せて基地まで運んでもらうことにしました。
しかし、2トンまで耐えられるとはいえ、村の女子供全員を乗せた軽トラックは重く、ヘリは軽トラックを持ち上げることができません。
そこで苦肉の策として、アレクシーたちと村長は、子供だけを荷台に乗せ、代わりに運転席にマックスを同乗させること決め、頑なに降りようとしない母親たちを説得します。
その結果、子供たちとマックスを乗せた軽トラックは、何とか木よりも高く持ち上がることに成功。ヴァレリーたちは右へ旋回し、基地へ向かいました。
それを見送ったアレクシーたちは、離陸前にヴァレリーから貰った防火シェルターが入った鞄を持ち、コスチャたちと一緒に村人たちの避難誘導を開始。徒歩で森を抜け、川へ向かおうとします。
日が暮れはじめた頃、樹冠火はオリホヴォ村を飲み込み、村人たちの家屋を焼き払っていきました。
アレクシーたちが森の中を走っている最中、背後から燃え盛る炎が迫ってきます。前方には火のない道、まさにアレクシーの部下が死んだ時と同じ状況でした。
炎はアレクシーたちの頭上を通過し、彼らの行く手を阻みます。前後左右、炎で道を塞がれたアレクシーたちは、立ち往生してしまいました。
ピョートルたちも病院へ行くために、樹冠火で周囲が燃え盛る森の中を走行していました。
橋を渡ろうとした瞬間、樹冠火のせいで脆くなった場所がバスの重さに耐えきれず、穴が開いてバスの前輪がはまってしまうのです。
いつバスが落ちるかも分からない状況の中、ゾーヤが陣痛で苦しみだします。やむを得ず、ゾーヤはピョートルと母親に協力して貰い、バスの中で出産することに。
無事赤ん坊を出産後、ピョートルたちはバスの中から脱出。橋から離れようとした直後、バスの車体の下に取りつけられた可燃物に火が引火し、バスは爆発しました。
基地へ向かっていたマックスたちも、軽トラックとヘリを繋いでいたケーブルが1本切れてしまったことにより、火のない場所で緊急着陸。村の子供たちとマックスをヘリに乗せようとします。
マックスたちが無事ヘリに乗り込み、ヴァレリーたちは離陸しようとしますが、重量オーバーのせいか離陸できません。
マックスは少しでも軽くするべく、愛用のギターもヘリに積まれた重い物も、1トンほどの重さがある左右の燃料も、マックスと子供たちの靴も上着も、全て捨てました。
その結果、無事ヘリは予備燃料を使って離陸できましたが、機内には子供たちと一緒にいたはずのマックスの姿がありません。
マックスは子供たちを救うため、1人ヘリから降りることにしたのです。上昇するヘリを見送ったマックスは、足元にある燃料に引火した樹冠火で焼死。
川まであと2、300mというところで立ち往生してしまったアレクシーたち。村人が背負っていたケーブルに気づいたアレクシーは、パニック状態の村人たちやセルゲイたちにこう言いました。
「俺がケーブルを引いて、川までの道を切り開く。俺が合図をしたら、ケーブルを追ってこい。合図は俺が上げる照明弾だ」
「コスチャ、万が一の場合は防火シェルターを使え。それと、俺の合図を待つのは2分までだ」
ケーブルの先をコスチャに持たせ、アレクシーは意を決して、ケーブルを背負って川へひた走りました。
その結果、アレクシーは何とか川へ到着し、息も絶え絶えに照明弾を上げようとしましたが、不幸にも上空へ上がっていきません。
アレクシーから合図が送られないため、セルゲイたちは自らの防火シェルターと、鞄に入っている防火シェルターを村人たちに配っていきます。
しかし、その防火シェルターも全員分はありません。全員が絶望感に打ちひしがれていたその時、アレクシーが来た道を引き返し、皆の元に戻ってきてくれたのです。
「ケーブルに沿って進め。セルゲイは真ん中、新人は最後尾だ」「俺は息が整ったら後を追う。コスチャ、村人たちを救うんだ」
それから間もなく、コスチャを先頭に、川へ向かって走り出す村人たちとセルゲイたち。最後尾のロマンは、後ろを振り返った際、アレクシーが地面に倒れ込む姿を目にしました。
先に川に辿り着いた村人たちは、コスチャたちの指示に従い、川へ次々と飛び込んでいきます。
キャティヤとウラジミールは、村人とアレクシーたちを救うべく、B200に乗り込んでカレリアへ急行。上空から川にいる村人たちの姿を確認し、救助に向かいました。
そのB200を見たロマンは、アレクシーが被っていたヘルメットを外し、ライトをつけたヘルメットを頭上へ放り投げ、自分たちがここにいることを知らせようとします。
その甲斐あってか、森の中に誰かいると気づいたウラジミールたちは、パイロットに高度を下げるよう命じ、周辺目掛けて水を噴射。ロマンたちの周辺の火を鎮火させました。
後日。村人たちと共に救出されたアレクシーたちは、無事基地へ帰還。他の森林消防士たちと共に、基地内にある慰霊碑に献花し、マックスの死を悼みました。
そのまた後日。ロシアの国内を襲った森林火災が次々と鎮火されていく中、コスチャは妻子と感動の再会を遂げ、ピョートルはゾーヤと一緒に、訓練歌をうたいながら走る新人消防士の姿を眺めていました。
セルゲイは、以前から思いを寄せていた食堂で働く女性オクサナに、思い切って告白しようとしていました。
するとそこへ、セルゲイの母親が訪ねてきたとの知らせが入り、セルゲイは足早にその場を去ってしまいました。
村を失ったオリホヴォ村の村人たちは、湖畔に新しい村を作ろうとしていました。アレクシーはロマンに袖章を返し、航空機に乗り込む彼とキャティヤを見送りました。
セルゲイとコスチャ、新たに隊に加わった森林消防士4人は装備を整え、新たな火災現場へ向かおうとする姿。アレクシーが基地へ戻っていく姿を最後に、物語は幕を閉じました。
映画『ファイアー・ブレイク 炎の大救出』の感想と評価
(C)Three T Productions, 2020 (C)Russia TV and Radio, 2020 (C)Central Partnership, 2020
世界中の多くの人が、森林火災の現場をニュース番組でしか観たことがないことでしょう。
実際にその現場に行って、消火活動にあたっている森林消防士たちの姿を描いた本作は、彼ら自身も危険に晒されながらも、住民の命を第一に考えて消火活動にあたっているかを知ることができます。
乾燥した天候と強風で勢いを増した火が樹冠火となり、森の中は勿論、近隣の村もその家屋も炎の渦に飲み込まれていく様は、目の当たりにした人全てを絶望させるほどの恐怖です。
そんな中、最後まで諦めずにオリホヴォ村の村人を救おうとした、アレクシーたち森林消防隊の姿は、まさにヒーローそのもの。
衛星電話を使って、ロマンがキャティヤに連絡を取っていなければ、ウラジミールたちはカレリアとオリホヴォ村の危機に気づかなかったのかもしれません。
そう考えると、新人消防士のロマンとその恋人キャティヤの思いがけない活躍も、賞賛するべきものでしょう。
また、Mi-8ヘリコプターやAn-26輸送機、B200水陸両用飛行機など、本物の航空機が続々と登場するので、航空機好きにはたまらないです。
ただ、村人を救うために犠牲になってしまったマックスの死は、目を背けたくなるほど辛く、また衝撃的で愕然とします。
まとめ
(C)Three T Productions, 2020 (C)Russia TV and Radio, 2020 (C)Central Partnership, 2020
アレクシーたち6人の森林消防士が、ロシア国内を襲った大規模火災に立ち向かっていくスペクタクルアクション作品でした。
本作の見どころは、カレリアで起きた大規模火災と、その現場に向かったアレクシーたちが、村人たちを救おうとする姿です。
巨大なセットと最先端のVFX(現実では実現不可能な映像を実現するための技術)を駆使して作られた、大規模な火災現場の迫力とリアリティさに圧巻されます。
アレクシーを演じるコンスタンチン・ハベンスキーが、村人を救うために道を切り開こうとする森林消防士としての姿は格好良く、また娘キャティヤを心配して過保護になってしまう父親とのギャップに魅了されることでしょう。
また、イヴァン・ヤンコフスキーが演じるロマンが、自信家でおっちょこちょいな新人消防士から、立派な森林消防士へと成長していく様も素敵です。
航空森林消防隊とロシアの全ての救助隊に捧げられた、スペクタクルアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。