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Entry 2022/03/27
Update

映画『文豪ストレイドッグスBEAST』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。実写版はマンガとは別の世界をパラレルワールドを描く

  • Writer :
  • もりのちこ

芥川龍之介「羅生門」VS中島敦「山月記」!?
名立たる文豪たちが放つ「異能」に注目。

実在の文豪の名を持つ登場人物たちが繰り広げる「異能」アクションバトル『文豪ストレイドッグス』シリーズが、初の実写映画化となりました。

これまでのシリーズで描かれてきた中島敦と芥川龍之介の立場を逆にしたストーリー展開をみせる『文豪ストレイドッグス BEAST』。映画化では、原作者の朝霧カフカが脚本を担当しています。

妹を連れ去った黒衣の男を探し、武装探偵社に入社した芥川龍之介の前に現れたのは、犯罪組織ポートマフィアに所属する中島敦だった。

それぞれ背負ってきたトラウマに苦しみながらも、大事なものを守るため戦い抜く2人。果たして戦いの末に待ち受ける真実とは。

朝霧カフカ脚本×本格異能バトル×舞台版俳優で贈る「新たなる文スト」。実写映画化『文豪ストレイドッグス BEAST』を紹介します。

映画『文豪ストレイドッグス BEAST』の作品情報


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

【公開】
2022年(日本映画)

【原作】
角川ビーンズ文庫「文豪ストレイドッグス BEAST」朝霧カフカ(原作)・春河35(作画)

【監督】
坂本浩一

【キャスト】
橋本祥平、鳥越裕貴、谷口賢志、田淵累生、紺野彩夏、桑江咲菜、植田圭輔、輝馬、長江崚行、桑野晃輔、堀之内仁、広川碧、齋藤明里、村田充、岸本勇太、南圭介、荒木宏文

【作品概要】
2013年より『ヤングエース』で連載を開始、これまでシリーズ累計850万部を超えるヒット作となっている『文豪ストレイドッグス』。

TVアニメーション、舞台、劇場アニメーションと展開し、熱狂的なファンを獲得してきたシリーズの初実写映画化となります。

監督は、「スーパー戦隊」「仮面ライダー」「ウルトラマン」シリーズを手掛けてきた坂本浩一監督。

実写映画版では、主人公の中島敦と宿敵の芥川龍之介の境遇が逆転「if」のストーリー『文豪ストレイドッグス BEAST』が、原作者・朝霧カフカの脚本により描かれます。

キャストには、芥川龍之介役・橋本祥平、中島敦役・鳥越裕貴をはじめ舞台版のメンバーが勢揃いとなりました。

映画『文豪ストレイドッグス BEAST』のあらすじとネタバレ


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

ヨコハマ貧民街。親を亡くした孤児たちが暮らしています。ある日、芥川龍之介は仲間とともに大金が入ったケースを発見するも、闘争に巻き込まれ仲間は全滅。

妹・銀を撃たれた芥川は、怒りに身を任せ犯罪グループを追いかけます。芥川が持つ異能は「羅生門」。着ている衣服を黒獣に変化させ操ります。

「心なき狗」の名のごとく容赦なく命を奪っていく芥川。惨劇のあと、ひとりの男が芥川の前に姿を現しました。黒い衣服を身にまとい、片目を包帯で覆ったその男は、「銀を預かった」と告げます。

怒りを抑えられない芥川は異能を放ちますが、彼の「人間失格」の前では能力が無効化してしまいます。「やはり、部下にはもう一人の彼を選ぼう」。謎の言葉を残し姿を消す黒衣の男。

それから4年後。妹の銀を探し続ける芥川は、川べりで餓死寸前のところを織田作之助に拾われます。

織田は、ヨコハマの街を守る異能集団「武装探偵社」の一員で、数秒先の未来を予知する「天衣無縫」の異能の持ち主。小説家を目指す織田は、人を殺さないことを信条とし、孤児たちの面倒を見る優しい一面もあります。

織田は、復讐の鬼と化した芥川を放っておけず「武装探偵社」に推薦します。ユニークな仲間と子供たちに囲まれ、芥川は次第に人の心を取り戻していくのでした。

一方その頃、ヨコハマを牛耳るポートマフィアでは、白い死神・中島敦が頭角を現していました。敦の異能は、白虎に姿を変える「月下獣」。

喉元まで覆った外套は、抑制が効かない力をコントロールするための首輪を隠すためです。悲惨な境遇に会った孤児院でのトラウマが、今もなお彼を苦しめていました。

芥川の妹・銀を連れ去った黒衣の男を突き止めるため、データ収集に潜入する織田。しかし、そこで出くわしたフョールド・Dにより、大きなダメージを追います。

織田が命からがら盗みだしたデータから、ポートマフィアの首領である太宰治が銀を連れ去った人物と判明します。

そんな中、芥川を訪ねて敦がやってきました。互いのことを知らない2人は、同じ境遇で育った者どおし通ずるものがありました。たわいもない話で盛り上がる芥川と敦。

しかし、敦が太宰から預かってきたという封筒で空気は一変。中に入っていたのは、銀の写真と、銀の処刑日時が記された紙でした。

敦に襲い掛かる芥川。異能のぶつかり合いで、芥川は瀕死に期します。武装探偵社の一員、与謝野晶子の異能「君死賜勿」で治療を受けた芥川は、皆の反対を押し切りひとりポートマフィアのビルに向かうのでした。

このシナリオは、太宰の巨大な計画の一部に過ぎないことを、芥川はまだ知りません。

以下、『文豪ストレイドッグス BEAST』ネタバレ・結末の記載がございます。『文豪ストレイドッグス BEAST』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

最初に立ちはだかったのは、泉鏡花。殺戮の異能「夜叉白雪」を操り、行く手を阻みます。敦も駆け付け三つ巴の激しい戦いとなりました。

芥川は、「夜叉白雪」は携帯電話の声に従うという弱点を利用し、鏡花から携帯を奪い人質に捉えることに成功。

銀の処刑の時間まであと1時間。最上階をめざす芥川の前に、銀が姿を現します。しかし待ち望んでいた妹との再会は、想像したものとは違いました。

銀は兄の中に潜む闇を感じていました。「なぜ、あの時私を置いて復讐に走ったの?兄さんは私のことなんかどうでもいいの。世界を壊したいだけ。兄さんは、悪の側に生まれた人間だから」。手にした刀で芥川を刺し、立ち去る銀。

その頃、織田は坂口安吾の協力で、ポートマフィアの幹部と接触し情報を聞き出そうとしていました。指定のBarに行くと、待っていたのは太宰でした。

織田に、親し気に語り掛ける太宰。太宰の態度に初対面のはずの織田は訝し気です。「小説を書いてるんだろ」嬉しそうな太宰。

「この世界を守るために、さよならを言いに来た」。何かを決したように太宰は織田の前から姿を消します。

ビルの屋上では、芥川と敦の戦いが繰り広げられていました。妹の言葉に心を痛める芥川。敦もまた自分の中の闇と戦っていました。

敦は拾ってくれた太宰に、孤児院に行くことを禁じられていたにも関わらず、一度戻ったことがありました。そこで、酷い仕打ちを受けた院長と再会、あやまって殺してしまいます。

院長が、幼い敦に厳しい制裁をしていたのは、敦の異能の危険さを知り、自らコントロールできるようにするためでした。その思いを知った敦は、罪悪感に捉われていました。

芥川と敦は、互いに己の中にある獣とも闘わなくてはなりませんでした。今ならどちらも、大切な人を守る心を持っています。

壮絶なバトルで、敦の首輪が壊されます。解き放たれる「月下獣」。白虎が飛び掛かります。

ボロボロの2人の元に、太宰が現れます。「何のための戦いなんだ!」声を荒げる芥川に、太宰は答えます。

太宰は、この世には現実世界と可能世界があるということを知っていました。そこで、現実世界で死んだ友・織田作之助が、生きて小説を書き続けているこの可能世界を守ろうとしてきました。

それには、同じ異能または真逆の異能同士が干渉した際に起こる「特異点」を得る必要があり、芥川と敦を戦わせる必要があったのです。

しかし、この可能世界を存続させるには、3人以上が真実を知ってはいけない決まりがありました。

「織田作の小説を読みたかった」。太宰は屋上から飛び降り、自ら命を絶ちます。こうして可能世界は守られました。

かりそめの世界だとしても、ここで生きている人たちの命は本物です。善なる己を見出した芥川と敦は、それぞれの安堵の地へと戻っていきます。

それからしばらくして、敦は政府の監禁施設に捕えられている中原中也のもとを訪ねます。

中也は、太宰を殺したいほど憎みながらも、ポートマフィアの構成員として太宰に協力してきました。勝手にいなくなった太宰を許せません。

この世界の存続は太宰の生きていることと同じだと、敦を再びポートマフィアに誘います。武装探偵社とポートマフィアの争いは続きます。

時を同じくして、別の脅威がこの世界に近付いていました。フョードル・Dが新たな計画を何者かに依頼しています。「計画は第6段階に入ります」。

映画『文豪ストレイドッグス BEAST』の感想と評価


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

映画『文豪ストレイドッグス BEAST』は、マンガ本編とは別の世界、パラレルワールドを描いており、2020年にはコミカライズもされている人気作品です。

登場人物の属する組織が逆転し、本編では見られないそれぞれのキャラの違う一面が見れると「文スト」ファンにも好評となっています。

実写映画版『文豪ストレイドッグス BEAST』から入っても楽しめる作品ですが、これまでの知識があるとより深く楽しめるのではないでしょうか。

実在する文豪の名を持つ登場人物たちが、「異能」を使って繰り広げるアクションバトル。それぞれの作家の著書に懸けた能力が秀逸で爽快です。

主人公の芥川龍之介は代表作のひとつでもある「羅生門」。さらに、アギトやテンマテンガイなど短編集の組み合わせも自由。衣服が「黒獣」に変化しあらゆるものを切り裂きます。

そして、本編では主人公ですが、「BEAST」の世界では芥川のライバルである中島敦。著書「山月記」から取られた、白虎に姿を変える異能「月下獣」を使います。

そのほかにも、太宰治の「人間失格」、与謝野晶子の「君死賜勿」、泉鏡花の「夜叉白雪」、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」など、その異能の種類にも注目です。


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

また、作家の特徴を捉えたキャラは、どれも魅力的で人柄を良く捉えています。芥川龍之介、中島敦の他にも、太宰治に中原中也、織田作之助、坂口安吾、さらにフョールド・ドストエフスキーの海外作家まで登場し、シリーズの奥深さが垣間見えます。

実際にシリーズ全体での登場人物は軽く60人超え。好きな文豪や、好きな名著からキャラクターを探してみるのも面白いと思います。

太宰治の「人間失格」や、フョールド・Dの「罪と罰」は、タイトルからして強そうですし、夏目漱石の「吾輩は猫である」はどんな異能になっているのかなど、気になってきますよね。これは、いわゆる沼にハマるという現象なのでしょう。

異能を映像化したアクションシーンは、激しい銃撃戦やCGを使用した技の数々に見ごたえ充分でした。

実写映画版で、それぞれのキャラを演じるているのは、舞台版の俳優さんたち。衣装やメイク、立ち振る舞いが舞台を見ているかのようです。そこに、戦隊シリーズを手掛けてきた坂本浩一監督ならではの特撮感が見事にマッチしています。

まとめ


(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会

これまでライトノベルやアニメ化、さらに舞台化と人気を博している『文豪ストレイドッグス』シリーズ。初の実写映画化『文豪ストレイドッグス BEAST』を紹介しました。

芥川龍之介、中島敦、太宰治といった、実在の文豪がキャラクター化され、著書にちなんだ「異能」を使って戦うアクション映画です。

原作から飛び出したような俳優陣の演技と、迫力満点のバトルシーンに、文スタファンならずとも楽しめる作品となっています。

あの文豪の、あの名作が、あんな技に!?お気に入りの文豪キャラを見つけてみてはいかがでしょうか。




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