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Entry 2019/04/28
Update

【ネタバレ感想】キングダムの映画と原作の比較解説。どこまで実写化されたのか⁈

  • Writer :
  • 薬師寺源次郎

『キングダム』の映画と原作の比較検証

壮大な世界観で原作を読む人を圧倒し、虜にしてきた人気コミック。古代中国で繰り広げられる歴史ロマン大作『キングダム』がいよいよ実写化されました。

公開前から、原作の再現率が非常に高いと噂されていた『キングダム』ですが、原作との違いどれほどあるのでしょうか?

映画『キングダム』を原作と徹底的に比較しててご紹介します。

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映画『キングダム』作品情報


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

【日本公開】
2019年(日本映画)

【原作】
原泰久『キングダム』(集英社)

【脚本】
黒岩勉、原泰久、佐藤信介

【監督】
佐藤信介

【キャスト】
山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、阿部進之介、深水元基、高嶋政宏、要潤、橋本じゅん、坂口拓、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、大沢たかお

【音楽】
やまだ豊

【主題歌】
ONE OK ROCK『Wasted Nights』

【作品概要】
原作は原泰久による人気漫画。『GANTZ』や『図書館戦争』で知られる佐藤信介が監督を務め、主人公の信役には人気俳優の山崎賢人が演じ、そのほかにも豪華な顔ぶれがそろっています。

紀元前の中国、秦の国で繰り広げられる王の座を巡る反乱に身を投じ、自らの大望を果たそうとする少年と、かつて無い偉業に挑もうとする若き王の姿を描きました。

映画『キングダム』あらすじとネタバレ


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

紀元前225年、中華は七国で覇権を争い対立する春秋戦国時代を迎えていました。

もっとも西に位置する国「秦」には奴隷の少年、信とその友で同じく奴隷の漂はいずれ戦場に出て剣一本で立身出生しいずれは天下に名を轟かす大将軍を夢見ていました。

剣の修練に励む信と漂の前に秦国の大臣、昌文君が現れ、漂を王宮に連れて行くと言います。

漂は突然の話と信への引け目から返事を躊躇いますが、自らの夢を叶えるため、王宮に行く決意をします。

漂が去ってから数ヶ月たったある夜、信は物音に目を覚まし、部屋の扉を開けるとそこには血まみれになった漂の姿がありました。

王宮で反乱が起きたと伝える漂は、一枚の地図を信に渡し、地図が示す場所に行くように伝え、力尽きます。

漂の死を嘆きながらも地図に記された場所に辿り着いた信はそこで漂そっくりな少年、政と対面します。

その少年こそ、秦国王嬴政(えいせい)であり義理の弟、成蟜(せいきょう)が起こした反乱で王宮を追われていたのでした。

信は驚きを隠せませんでしたが、政は追ってきた刺客、朱凶(しゅきょう)と対峙します。

朱凶と剣を交える政の姿に、信は漂が政の身代わりに王宮に迎えられ、政に間違われ、朱凶に殺された事に気付きます。

政と朱凶の間に割ってはいる信は朱凶と対峙、撃破します。

その後、政と行動を共にする信は朱凶とのやり取りを聞き、政が国王と知り、報酬目当ての少年、河了貂の助けを受け、唯一の味方、昌文君との合流地に向かいます。

その途中で第二の刺客、ムタの襲撃を受け、これを撃破します。

信たちは王族の避暑地に到着、その後、昌文君が合流を果たします。しかし、成蟜は八万の軍勢を整えており、到底太刀打ちできません。

政は400年前まで交流があった「山の民」に助力を請うことを発案します。

山の民との接触を試みるため、山へ分け入りますが、信たちの侵入に気がついた山の民に包囲され、山の都へと連行されます。

そこで対面した山の民の王、楊端和(ようたんわ)と対面、400年前に一方的に国交を断絶され、虐殺された先祖の恨みを理由に信たち全員を処刑しようとします。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『キングダム』ネタバレ・結末の記載がございます。『キングダム』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

しかし、政は些細なことに囚われるなと話し、自分の目的が中華の統一であると語ります。

それでも頑な楊端和に信は先祖の無念を果たすなら、親交を復活させるべきだと語り、楊端和もその想いに答え、政に協力、秦国との同盟の復活を宣言します。

こうして、山の民三千人の軍勢の助力を得て、王宮に向かいます。

政は山の民が味方に加入すると言って王宮に近づけば、 成蟜は招き入れると考えており、 楊端和と50人の手勢に限り、王宮に入る事が出来ました。

不意をつけば8万の軍勢もすぐには対応できないため、そのわずかな時間で成蟜を討とうとしていました。

政が率いる陽動部隊と成蟜を討つ別働隊に別れ、信は別働隊で王宮を目指します。

王宮前の広場で政たち陽動部隊が激戦を繰り広げる中、信たち、別働隊の動きは敵に察知されており、待ち伏せされていました。

その中でも巨魁、ランカイに苦戦しながらも撃破、成蟜がいる玉座の間に向かいます。

政たちも数の優位に押され、苦戦を強いられ、皆、絶望しそうになりますが、政の檄により士気を取り戻します。

王宮の間に辿り着いた信たちは成蟜と対面しますが成蟜は処刑人・左慈を信たちにけしかけます。

圧倒的な強さの左慈の前に苦戦し追い詰められる信ですが、大将軍になる、その想いから立ち上がり、左慈を撃破します。

広場では、王宮の間から逃げ出した成蟜が現れ、成蟜の陣営の兵士達は自分たちが敗北したことを知ります。

成蟜の陣営の兵士達は政たちを全員倒し、氾濫の失敗の事実がなかったことにしようとします。

そこに現れたのはかつて六大将軍と呼ばれ、その最後の生き残り王騎が現れます。

成蟜陣営の兵士達をよそに王騎は政に王の座に返り咲き何をするのかと問いかけます。

楊端和の時と同様に中華の統一を高らかに宣言する政に満足すると王騎は立ち去ろうとします。

成蟜陣営を束ねる魏興は兵士を王騎けしかけますが、一撃で大勢の兵士を倒す王騎の前に勝機を見出せず、自身の刃を政に向けます。

政に刃が届こうとしたとき、信が割って入り、魏興を倒します。

こうして主だった人物を失った成蟜陣営に戦う気力は残っておらず、政は投降を呼びかけ、反乱は終息します。

政は玉座を取り戻し、中華統一への道を踏み出し、信はいずれ戦場へ出て天下の大将軍を目指すことを共に誓います。

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映画『キングダム』は原作とどこが違う?


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

本作を制作するにあたり、舞台となる中国で大規模なロケを行い、徹底的に『キングダム』の世界観を再現するべく、細かな表現にまでこだわっていました。

それでも原作と異なる点や、原作では登場しない場面などが、公開され作品に見ることができました。

実写化された映画と、原作を比較しながら解説をしていきます。

佐藤監督版の映画に合って原作に無い場面


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

佐藤信介監督によって映画化された『キングダム』では、原作では登場しない場面がいくつか存在しました。

売られていく幼い信

本作では信が里典の家で漂と出会う前、幼い信が馬車に乗せられ、奴隷商人に売られていく場面が描かれています。

修行に励む信

漂と別れた後、一人懸命に働くと同時に剣の修行に励む場面があります。その中で、木の人形相手に跳躍し脳天に突きを繰り出す修行をしています。

このシーンがクライマックスで左慈を倒す際の決め技になっている伏線となっています。因みに原作ではこの突き技はランカイに使用しています。

山の都への連行

原作では、山の民に政を連れさらわれ後に、信、河了貂、壁の三人で追いかけた後、捕まってしまいますが、佐藤監督版の映画では兵士も含め全員が連行されます。

また、同盟が復活し、王宮へどう攻め込むか作戦会議する場所も、原作では王族の避暑地で行われますが、映画では、山の都で行われます。

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各キャラクターの登場するタイミングの違い


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

王騎

幼い信が売られていく場面で行軍する王騎軍、および王騎の姿を目にしています。

信はここで「大将軍」と言う存在を知ります。このシーンは原作では登場していません。

ムタ

原作では、避暑地に辿り着いた後、政の命を狙って現れますが、映画では避暑地に向かう途中の竹林で登場します。

また、原作では駆けつけた昌文君により止めを刺されますが、映画では信が完全に倒します。

左慈

映画版では左慈は、ラスボス的な扱いとなっており、クライマックスで信と対峙します。そのため、何度か姿を見せています。

始めは漂を追ってきた朱凶と共に信がいた村に現れます。

2回目は原作どおり、王宮の抜け道の途中で姿を見せ、最後は玉座の間で信たちと対峙します。

ランカイ

原作では成蟜の処刑人として玉座の間で登場しますが、映画では王宮への抜け道の途中で登場し、信たちと戦います。

また、原作では反乱終結の後、山の民と共に行動を共にしますが、映画では完全に倒されてしまいます。

各キャラクターの設定と活躍の違い


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

映画の主人公である信は、驚異的な身体能力を見せ付けますが途中、倒れてしまいます。

そのタイミングが原作では朱凶を倒した後、王族の避暑地に向かう途中に倒れていますが、実写化された映画では、ムタを倒した際に毒矢を受けてしまい倒れます。

その後、政によって運ばれますが、信が意識を取り戻す場所が原作では、避暑地に向かう途中で気がつきますが、映画では避暑地についた後で気がつきます。

河了貂

先祖は山の民でしたが、山を追われ、政と信が出会う場所に近くの黒卑(こくひ)村に住んでいた河了貂は原作で玉座の間から逃げようとする役人に短刀で刺され、体に巻いた甲冑を貫通し負傷します。

その際、傷を手当しようとする壁に実は女の子であったと知られますが本作では体に巻いた甲冑が短刀を防ぎ、女の子とばれることはありませんでした。

また、映画では竭氏が短刀を刺し、信が河了貂の傷を確認しようとします。

昌文君

政に忠誠を誓い、かつては王騎と共に戦場で戦い、後に王宮で大臣を務める昌文君は原作では王族の避暑地に到着したときムタに止めを刺しますが、本作ではすでにムタが倒された後に避暑地に到着します。

また、山の都へは全員で連行されるため、政を追おうと思うものの足の負傷で断念する場面や、信に政の事を託す場面も登場していません。

バジオウ

山の民の中でも特に優秀な戦士ですが、原作では楊端和ほど堪能ではないにしろ、「平地の言葉」を話し、信たちと意思疎通することが出来ます。

しかし、映画では「平地の言葉」を話すことが出来ず、劇中で何事か話しますが、理解することが出来ません。

それでも、信はなんとなく意思疎通が出来ているようでした。

タジフ

山の民の戦士で巨大な岩のハンマーを振り回す巨魁であるタジフは、原作では始めに信とであったときに殴り飛ばされ、その際に仮面の角が折られてしまいます。

それをきっかけに信を戦士として認めるタジフですが、映画ではそのシーンは登場せず、仮面の角がはじめから折れていました。

王騎

秦国六大将軍の生き残りであり「怪鳥」の異名を持つ王騎ですが、原作では王宮前の広場での戦いに介入し、政と話した後、颯爽と立ち去りますが、映画では去り際に信と言葉を交わします。

また、魏興にけしかけられた兵士、十数人を矛の一撃で吹き飛ばし、圧倒的な強さを見せ付けています。

王騎の副官である騰は原作では、王騎の指示で玉座の間から逃げようとする役人たちを逃がさないようにしますが、映画では王騎のそばを離れず、補佐に務めていました。

左慈

映画化されたラスボス左慈ですが、原作では武将から、成蟜陣営の参謀、肆氏(しし)の人斬り長に転じていますが、映画では元は将軍という設定になっています。

魏興

王宮前の広場で成蟜陣営の指揮を執っていた魏興ですが、原作では政たちと成蟜陣営との戦いに割ってはいる王騎の前に立ちはだかり、戦いを挑みます。

王騎に騎馬ごと斬られてしまいますが、映画では敗色が濃厚になる中、政の命を狙い突進したところを信に倒されます。

映画『キングダム』の感想と評価


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

佐藤信介監督の『キングダム』は、漫画を原作とした「実写化」作品ですが、再現度の高さに驚かされます

近年、実写化作品が多く公開される中、「再現度」は毎度注目されますが、本作では単純なキャラクターや物語の再現ではなく、『キングダム』特有の世界観をいかに作り込めるかと言う点に力が入っているのが感じられました。

例えば、衣装や小道具など、原作の再現ではなく、当時の時代的考察を加えて作られており、細かい所にまで『キングダム』らしさが表現されていました。

また、実写化作品では設定や表現の違いも話題なりますが、映画では最後に信が戦った、左慈の設定が元々は「武将」であった点が元は「将軍」ということになっていました

この変更は、「天下の大将軍」を目指す信にとって高い壁となり、左慈の語る「将軍=権力」との思いの違いや強さをより濃く表現することができていました。

まとめ


(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

佐藤信介監督の映画『キングダム』は。原作コミックスの1~5巻で描かれた王弟反乱編が描かれています

王の座を巡る死闘に身を投じ、見事勝利を飾った信と政ですが、彼らはまだ、夢の一歩を踏み出したに過ぎません

これから、信と政は更なる死闘、苦難に立ち向かいます。

そんな信の姿を主演の山崎賢人続編を演じることで表現することを熱望しているようです。

中華の歴史を大きく揺るがす、2人の少年の活躍が再び見れることをファンのひとりとして期待が高まります。

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