圧巻の演奏とダンスに酔いしれる名作!
夢に向かって奮闘する大勢の若者たちの姿をドキュメンタリー・タッチで生き生きと描いた青春群像劇。監督を『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)の名匠アラン・パーカーが務めます。
主要キャストのココを演じるのは『フラッシュダンス』(1983)で主題歌を歌ったアイリーン・キャラ。
人種も育ちも悩みも喜びも異なる若者達が、それぞれの夢に向かって羽ばたこうともがく姿に胸打たれる感動作です。
映画『フェーム』の作品情報

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
【公開】
1980年(アメリカ映画)
【監督】
アラン・パーカー
【脚本】
クリストファー・ゴア
【キャスト】
アイリーン・キャラ、リー・キュレーリ、ローラ・ディーン、ポール・マクレーン、バリー・ミラー、エディ・バース、ジーン・アンソニー・レイ、メグ・ティリー
【作品概要】
芸能専門学校を舞台に、夢を追う若者達をドキュメンタリータッチで描く青春映画。監督は『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)の名匠アラン・パーカー。
劇中で何度も繰り広げられる、圧巻の演奏とダンスシーンは必見です。第53回アカデミー作曲賞を、主題歌「フェーム」はアカデミー歌曲賞を受賞しています。
『フラッシュダンス』(1983)の主題歌「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング」を大ヒットさせたアイリーン・キャラが女子学生のココ役で出演します。
共演はリー・キュレーリ、ローラ・ディーンほか。
映画『フェーム』のあらすじとネタバレ

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
ニューヨークにある芸能専門学校の入学試験を受けるため、さまざまな若者が集まってきました。厳しいオーデションに合格した者たちだけが入学を許されます。
美声の持ち主のココ、俳優志望でゲイであることを隠しているモンゴメリィ、内気なユダヤ系少女ドリス、おしゃベりのダンサー・リサ、音楽の才能に長けているブルーノらの青春と試練が始まりました。
映画『フェーム』の感想と評価

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
圧巻の演奏シーンが映し出す希望と影
舞台芸術高校を舞台に、アーティスト志望の若者達のオーディションから卒業までを描く青春群像劇です。
演劇、音楽、ダンスの学科のそれぞれのシーンが流れるように切り替わっていく、スピーディで鮮烈な構成に魅了されます。
本作の最大の魅力は圧巻の演奏シーンです。第53回アカデミー作曲賞、そして主題歌「フェーム」がアカデミー歌曲賞を受賞しています。若者だけに許される刹那的な彼らの情熱が、見る者の胸をかき乱すのです。
衝撃を受ける最初の音楽シーンは、ランチタイムに突如始まるセッションです。異なる学科が集まる休憩室で、ある子は楽器を演奏し、別の子は高らかに歌い、大勢が踊り狂います。彼らが発する「生きる喜び」にただただ圧倒されることでしょう。
アイリーン・キャラ演じるココの歌声に乗って、道路で踊り狂う若者達のシーンも圧巻です。生きる根源的な喜びを体現する彼らのパッションに、思わず目頭が熱くなります。
希望に満ちて見えながらも、常に影と闇が漂います。誰もが成功出来るわけではない厳しい世界。希望の隣り合わせに必ずある絶望がリアルに浮かび上がります。
卒業を前にして思いがけないトラブルに巻き込まれる者もいて、大人になる厳しさを突きつけられるのですが、卒業式ではそれらをかき消すかのように、彼らの情熱が爆発する感動的なステージが繰り広げられます。
心のままに、自然のままに歌い、演じ、踊る。その情熱は誰にも止められないことを教えてくれる名作です。
ドキュメンタリータッチで描く若者のリアル

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主要キャスト8人に同等にスポットライトが当たるかのような構成が本作の特徴です。はっきりとした主人公は存在せず、それぞれのキャラクターが順にピックアップされていく映像はさながらドキュメンタリーのよう。その手法から、よりリアリティが生まれています。
登場するのは、「多様性」を先取りして体現するかのような若者たちです。ラテン系の歌姫ココ、ユダヤ系の内気な少女ドリス、スラム育ちで優れたダンサーの黒人青年リロイ、前衛的な作曲の才能を持つイタリア青年のブルーノ、貧しい家庭に育った喜劇役者志望のラルフ、役者志望のゲイの青年モンゴメリィ。みんな違うからこそ素晴らしいのだという真実が痛いほど伝わってきます。
人種も生まれ育った環境も何もかもが違う者達が、輝く未来をつかむために必死で学ぶ姿に胸を揺さぶられます。彼らのほとんどは貧困層出身として描かれているところに、アメリカの底力を感じずにはいられません。
生徒それぞれが悩む親との確執も胸を打ちます。息子をこころみない女優の母、幼い娘に障害の残る怪我をさせたろくでなしの父、娘を意のままにしようとする過保護な母。厳しい環境の中、彼らは4年をかけて大きく成長していきます。
最終的に成功者となる者がいるのかどうかもまったく予想できないまま、卒業式シーンで最高潮を迎えて本作はスパッと終わります。誰にもわからない将来こそ、何よりリアルです。それでも、卒業公演の情熱あふれる子供たちの姿を見れば、美しい未来への希望を感じずにはいられないことでしょう。
まとめ

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
夢を追う個性豊かな学生たちの4年間の学校生活を映し出す名作『フェーム』。
どんな夢でも叶えることは簡単ではありませんが、芸能は特に厳しい世界といえるのではないでしょうか。才能にははっきり差がある一方で、上手い下手だけで成功が決まることはありません。
そうとわかっていても、彼らは情熱を持って走り続けます。歌うことが好き、踊ることが好き、演じることが好き、奏でることが好き、という強い本能的な思いのもとに。
実際、アイリーン・キャラやポール・マクレーンにとって本作が出世作となったことを思うと、感慨深く感じます。


































