東野圭吾のミステリー『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』が映画化に!
ミステリー小説の人気作家東野圭吾が生み出した、ダークなヒーローが活躍する新シリーズ「ブラック・ショーマン」。
シリーズの第1弾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』が2025年に映画化決定!
ラスベガスで名を馳せるほどの卓越したマジックと巧みな人間観察能力を持ちながら、金にシビアで息を吐くように嘘をつくという超個性的な元マジシャンが、遭遇した事件の謎を解き明かしていきます。
ブラックショーマンこと神尾武史を演じるのは、「ガリレオ」シリーズでも主役をつとめた福山雅治。そして武史の姪・神尾真世は有村架純が演じます。初タッグを組む2人の演技が見ものです。
映画『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、2025年に全国ロードショー!。映画公開に先駆けて、小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』をネタバレありでご紹介します。
CONTENTS
小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』の主な登場人物
【神尾真世】
主人公。建築会社勤務の女性
【神尾武史】
神尾英一の弟。サムライゼンという名前で、アメリカでマジシャンとして活躍していたことがある。
【神尾英一】
元中学校の教師。真世の父。武史の兄。
【中条健太】
真世の婚約者。建築会社勤務。
【針宮克樹】
マンガ「幻脳ラビリンス」の作者。
【津久見直也】
真世の同級生で釘宮の親友。中学時代に白血病で死去。
【原口浩平】
英一の教え子。酒屋を営む。
【柏木広大】
地元の建築会社の副社長。「幻脳ラビリンス」を利用して町おこしを計画していた。
小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』のあらすじとネタバレ
3月のある日、さびれた町で、殺人事件が起こります。元教師の神尾英一がタオルによる絞殺で自宅で殺されました。
東京で働く英一の娘の真世は、2カ月後に結婚を控えていました。しかし、父親の訃報によって、地元へ帰ることになります。
その頃、地元では真世の出身中学の同窓会が計画されていたため、続々と同級生が集まっていました。
その町は観光客を呼ぶための華々しい計画が進行中。真世の同級生の1人地元の建築会社の副社長となった柏木広大は、同じく同級生の針宮克樹が描いたマンガ『幻脳ラビリンス』を利用して、町おこしを計画していました。
計画は多くの住民の期待を集めていましたが、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫し、町は再興の望みを絶たれてしまっていました。
真世の父・英一は、多くの教え子から慕われていた教師でした。そんな父がなぜ殺されなければならなかったのでしょう。
真世は事件の真相を知りたいと思ったのですが、警察は被害者遺族にも捜査過程をまったく教えてくれません。
困り果てた真世の前に、父の弟で元マジシャンの神尾武史が現れます。武史と真世の父は12歳の年の差があったと言います。
この叔父は、アメリカにわたり、マジシャンのサムライゼンとして有名になりました。ある時帰国して、今は東京に暮らしていると言います。
父の死をきっかけに久しぶりに対面した叔父と姪。姪の真世は、武史の人を喰ったような想像力と鋭い観察力で警察をも欺く推理に驚き、武史と一緒に事件の犯人捜しをすることにしました。
武史はまず事件の前後の関係者たちの時系列を調べました。
2月24日(水)に真世の同級生の桃子が英一の家を訪ねます。津久見直也の追悼会で英一があるサプライズを予定していたそうです。次の日、九重梨々香と釘宮が、英一の家へを訪ねて相談をもちかけます。
3月1日(月)には、同窓会の打ち合わせと称して、桃子、杉下、牧原、沼川といった同級生たちが集まりました。
3月6日(土)に、英一は上京して午後六時に東京キングダムホテルへいきます。その日の午後11時帰宅し、直後に殺害されます。
3月7日(日)原口が英一に何度も電話しますがつながらず、不審に思った原口が翌日の8日(月)に英一宅を訪れて、英一の死体を発見しました。
小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』の感想と評価
コロナ禍の状況を上手く使った背景と構成でストーリーは展開しています。
コロナでしばらくできなかった同窓会が開催され、故郷に帰る予定していた神尾真世。そんな頃、中学教師をしていた真世の父親が殺されるという事件が起こります。
実家へ帰った真世を待っていたのは、何年振りかで会う中学の同級生たちと、音信不通だった父の弟の武史でした。
コロナで観光客も低迷した田舎町をなんとか盛り上げようとした、同級生たちの企画もとん挫。さまざまな悩みを恩師である真世の父親に相談していのは、真世の同級生たちです。
かつてマジシャンであった武史は、鋭い観察力と推理で事件を解決します。
これほどの優れた頭脳とマジシャンの技術がありながら、なぜその仕事を辞めたのか。神尾武史という人物はまだまだ謎の部分が多く、それがまた物語に魅力を注ぎ、このシリーズ、まだまだ続きそう……と、楽しみになります。
武史と警察の対決や武史と真世との口喧嘩が、彼の人間関係性を表します。決して一筋縄でいかない男・神尾武史は、まさしくダークヒーローと呼ぶのに相応しい、でも憎めない、とても個性的なヤツでした。
映画『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』の見どころ
映画の主役・神尾武史を演じるのは、「ガリレオ」シリーズで天才物理学者・湯川学になりきり、『容疑者Xの献身』(2008)『真夏の方程式』(2013)『沈黙のパレード』(2022)と3本の映画を大ヒットに導いた福山雅治。
武史と一緒に事件の謎に挑む姪の神尾真世は、『花束みたいな恋をした』『るろうに剣心最終章TheBeginning』(2021)や『前科者』(2022)の有村架純が演じます。
手がけたのは、「コンフィデンスマンJP」シリーズや、「イチケイのカラス」シリーズなどの田中亮監督。
原作ではアクの強いキャラクターの武史ですが、映画で演じるのは幅広い層に人気のあるイケメン福山雅治です。アツい視線で心の奥底まで見抜かれるのは、ちょっとドキドキするかもしれません。
そんな福山マジシャンに絡んでいくのは、愛くるしい有村の‟真世”です。
初顔合わせの2人だそうですが、かなりいい感じの叔父姪コンビになるのではと、期待が高まります。
映画『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』の作品情報
【日本公開】
2025年(日本映画)
【原作】
東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫刊)
【監督】
田中亮
【キャスト】
福山雅治、有村架純
まとめ
これまでの「ガリレオ」シリーズの主役の物理学者と異なり、こちらの主人公のマジシャンはかなり毒舌で個性的です。
鋭い観察力と人の眼を欺くマジシャンの腕を持ちながら、自分本位な考えしか持たない武史。ラスベガスでマジシャンとして成功したはずなのに、なぜ日本に戻ってきたのでしょう。
大きな謎が残る第1弾ですが、武史の過去はシリーズが進むにつれて明かされていくと思い、原作の第2弾への期待も高まります。
そして映画化されるなら……、ダークヒーローとなる武史をいかに福山雅治がカッコよく演じるか、そしてそんな叔父に対して、有村架純が演じる姪の真世はどこまで彼に大人しくついていけるのでしょうか。
かなりちぐはぐな会話もある凸凹コンビと思え、ユニークな言葉が飛び交う叔父・姪のバトルも見ものです。
映画『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、2025年に全国ロードショー!。