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【ネタバレ】マーベルズ|あらすじ感想評価と結末の解説考察。ラストシーン最後で明かされる“新たな世代”の結成とシリーズの“合流”

  • Writer :
  • 糸魚川悟

“光”でつながった3人のヒーローが宇宙を救う!

「マルチバース(多元宇宙)」の概念を取り入れ、大人の事情を飛び越えたコラボを実現したことで、さらなる世界観の拡張に成功した「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」。

安定したクオリティとエンタメ性によって根強いファンを持つこのシリーズもついに30作以上を超え、ファンたちが次なる展開に期待し始めたころに差しかかりました。

今回はシリーズ33作目にして、本格的にMCUのドラマシリーズが本編につながり始めた『マーベルズ』(2023)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

映画『マーベルズ』の作品情報

【日本公開】
2023年(アメリカ映画)

【原題】
The Marvels

【監督】
ニア・ダコスタ

【脚本】
ニア・ダコスタ、ミーガン・マクドネル、エリッサ・カラシク

【キャスト】
ブリー・ラーソン、テヨナ・パリス、イマン・ヴェラーニ、ザウイ・アシュトン、パク・ソジュン、サミュエル・L・ジャクソン

【作品概要】
ルーム』(2016)でアカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソンが演じた「キャプテン・マーベル」を主軸に、3人のヒーローを主人公に据えたMCUシリーズ33作目。

テヨナ・パリスも出演した『キャンディマン』(2021)を手がけたニア・ダコスタが本作の監督を務めました。

映画『マーベルズ』のあらすじとネタバレ

クリー人の新たなる指導者ダー・ベンは「MB418」と呼ばれる地点で光を操る力を持つバングルを回収します。バングルは対となってこそ大きな力を持つ物でしたが、バングルは片方しかなく、ダー・ベンは残る片方を探すように部下に命じました。

宇宙を放浪し各地の問題を解決する「キャプテン・マーベル」ことキャロルは、フューリーから宇宙全体に電気異常が発生したとの知らせを受け、その発生源である「MB418」へとたどり着きます。

同じくフューリーから連絡を受けた宇宙ステーション「S.A.B.E.R.」所属のエージェントであるモニカも「MB418」に向かい、二人は別々の場所に生じた不自然なジャンプポイントを発見しました。

一方その頃、ジャージーシティに住む「ミズ・マーベル」ことカマラはいつものように、自身が憧れの「キャプテン・マーベル」とともに悪に立ち向かう同人誌を執筆していましたが、自身に能力を授けたバングルが突如光り出します。

キャロルとモニカが奇妙な輝きを放つジャンプポイントに触れた瞬間、モニカ・キャロル・カマラの3人のいる地点が入れ替わりました。

3人が今起きたことに動揺する中、キャロルのいた地点に交換されたモニカはクリー人の兵士に襲撃され、モニカは自身の持つ能力を使い反撃を試みますが、能力を使うことで3人の地点が再び交換されます。

能力を起因とした入れ替わりを察した3人は何とか事態を収束させますが、カマラの家は入れ替わりと戦闘の跡でめちゃくちゃになり、後片付けの最中にフューリーとモニカがカマラの前に現れます。

「S.A.B.E.R.」は各地で活動するヒーローを秘密裏に調査しており、カマラもその対象の一人でした。モニカの持つ電子端末には、カマラの家族構成や能力についての詳しい調査内容が記載されていました。

モニカは入れ替わりの原因が、3人の持つ「光」の能力が量子もつれによって絡まりあったことが原因だと推測。カマラの不用意な能力使用によってその場に現れたキャロルは現状を察し、和平交渉を行っているというダー・ベンを追い、難民となったスクラル人が避難した惑星ターナックスに停泊するクリー人の軍艦に潜入します。

クリー人に見咎められたキャロルは「殺戮者」と呼ばれ敵視されており、戦いの最中に入れ替わったことで、カマラとモニカはクリー人に捕らわれてしまいます。

その場にキャロルが現れ、3人はクリー人たちと戦いを繰り広げますが、カマラと同じバングルを持つダー・ベンはキャロルの光線を全て吸収し反撃をすることで3人から逃れ、惑星の中心街へと逃げ落ちます。

ダー・ベンが「和平交渉は失敗に終わった」と宣言し、バングルの力を使って不安定なジャンプポイントを作り出したことで、街は崩壊。3人はでき得る限りの救助活動を行いますが全員を救い切れず、キャロルの船で脱出したスクラル人は和平交渉を台無しにしたキャロルを責めました。

しかし避難民であったスクラル人たちは頼るあてがなく、キャロルの知り合いであるニュー・アスガルドの国王ヴァルキリーの協力を得てスクラル人は彼女に保護されました。

残された3人でしたが、キャロルは幼少期のモニカと知り合いだったものの、長年姿を見せなかったことで関係は悪化しており、一方でキャロルが“推し”のカマラは終始興奮気味です。

キャロルはカマラの持つバングルが、宇宙全体のジャンプポイントを生成したとされる「量子バングル」であると気づき、ダー・ベンの次なる狙いが水の惑星アラドナだと察しました。

クリー人が住む惑星ハルではあらゆる自然資源が枯渇しており、ダー・ベンはターナックスにジャンプポイントを空けることでハルに空気を取り戻し、次は水を手に入れるべくアラドナを目指していました。

先にアラドナに着いたキャロルたちは、ヤン王子の協力を得てダー・ベンの襲来に備えますが、激しい戦いの中でジャンプポイントを作成されてしまい、アラドナは大量の水を失う結果となってしまいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『マーベルズ』のネタバレ・結末の記載がございます。『マーベルズ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

ダー・ベンを取り逃がしたキャロルは、自身が惑星ハルにしてしまった過去を語ります。

キャロルはかつて、惑星ハルを支配していた人工知能「スプリーム・インテリジェンス」に記憶を改竄され操られていた経緯から、クリー人を解放するために「スプリーム・インテリジェンス」を破壊しました。

しかし「スプリーム・インテリジェンス」の破壊は惑星ハルの内乱の引き金となってしまい、内乱の果てに自然資源が枯渇し、滅亡の一途を辿ることとなったクリー人はキャロルを「殺戮者」と呼ぶようになったのです。

自分の罪と向き合うことを避けていたキャロルの“弱さ”を受け入れたモニカとカマラは、キャロルに強い恨みを持つダー・ベンが次に狙うのは、親交の深いフューリーであると考えます。

その頃、「S.A.B.E.R.」は電磁攻撃によって崩壊が近づいており、300人以上の職員がいるにも関わらず脱出ポッドは150人分しかありませんでした。

猫の姿形をした「フラーケン」と呼ばれるエイリアンであり、口の中に何でも飲み込むことにできる「ポケットディメンション」を持つグースは、最近は特に食べる量も多く、太り気味だとカマラの家族に指摘されます。

フューリーが全職員の避難方法に頭を巡らせている中、ステーション内で見つかった謎の卵の正体がフラーケンの卵だと発覚し、卵から30匹以上のフラーケンたちが孵化。

フューリーはフラーケンたちに職員を飲み込ませ、脱出ポッドが必要な人数を減らす方法を提案。駆けつけたカマラたちにフラーケンたちが従業員を飲み込むのを手伝わせ、脱出ポッドに乗り込みます。無事脱出ポッドは地球へ不時着し、フラーケンたちは飲み込んだ職員を次々と吐き出しました。

やがて次なるダー・ベンの狙いが「太陽」であると確信したキャロルたちは、ダー・ベンを止めるべく太陽付近に停泊したダー・ベンの船へ。ダー・ベンと対峙した3人は入れ替わりの力を駆使しながら、ダー・ベンを圧倒し追い詰めることに成功します。

モニカはキャロルの力を使ってハルに太陽を取り戻す方法を説明し、キャロルは自身の罪を贖うために全力を尽くすと約束しますが、ダー・ベンは隙を突いてカマラのバングルを奪い太陽へと向かいます。

太陽の近くでダー・ベンは二つのバングルを用いたジャンプポイントを作り出しますが、大き過ぎた力はダー・ベンを粉々にしてしまいました。

モニカは新たに空いてしまったのは単なるジャンプポイントではなく、時空を切り裂いた穴だと言い、カマラとキャロルの光のエネルギーを吸収した自分が穴の向こう側で塞ぐしか、宇宙を救う方法はないと実行に移します。

モニカはもとより戻るつもりはなく、彼女を穴から連れ戻そうとするキャロルでしたが、すでに塞がってしまった穴から時空の向こう側にアクセスすることはできませんでした。

モニカとの約束を果たすため、キャロルは自身の能力によって惑星ハルに太陽を取り戻し、地球に帰還したキャロルとカマラはモニカの家に寄り、彼女を待ち続けると約束しました。

数日後、帰宅したケイト・ビショップは家に侵入していたカマラに話しかけられます。

カマラはモニカの持っていた電子端末を拝借していたことから、電子端末の情報から「ホークアイ」の弟子ケイトの正体と活動を知り、彼女に自身の考えるチームの構想を話します。戸惑うケイトでしたが、カマラの構想に惹かれた彼女はチームへの参加を了承しました。

病室で目を覚ましたモニカは、サノスの「デシメーション」によって死に目に会えなかった母に似た女性に看病されていることに感動しますが、彼女は自身の知る母ではなく「バイナリー」と呼ばれる別人であるよ気づきました。

研究者の姿をした獣姿の男性は、モニカが別の宇宙から来たことに気づいており、モニカの変化を「チャールズ」に逐一報告するようバイナリーに伝えました。

映画『マーベルズ』の感想と評価

エンタメ性と後悔の想いが入り乱れる物語

キャプテン・マーベル、モニカ・ランボー、ミズ・マーベルという3人のヒーローをメインに据えた本作の見どころは何と言っても、それぞれのかけ合いと「入れ替わり」要素を多用した意外性のあるアクションです。

アクションシーンでは「入れ替わり」が多用される殺陣が繰り広げられるものの、「画面で観づらい」といったデメリットはほとんど発生しておらず、終始見やすいながらも驚きのあるアクションを堪能できます。

しかし本作はアクションだけでなく、それぞれの「後悔」を主題とした物語展開にも要注目

宇宙全体に危機をもたらし、住民が暮らす他の惑星から資源を奪って崩壊へと追い込むヴィランのダー・ベンですが、その行動理念は全て、自身が守らなければいけない惑星ハルの民のために終始しています。

自分自身が過去に止めることのできなかった「後悔」に突き動かされる彼女は、純粋な悪ではないからこそ何よりも危険な存在となっており、ダー・ベンとの対峙でそれぞれが向き合うことになる「後悔」の物語が大きな魅力となっていました。

MCUドラマや「あのシリーズ」との合流は?

「ミズ・マーベル」ことカマラ・カーンはMCUのドラマシリーズ『ミズ・マーベル』が初登場であり、『マーベルズ』はドラマシリーズで登場した人物が主人公となる初の映画となりました。

その点からも分かるように『マーベルズ』は特にMCUのドラマシリーズとのつながりが深く、未鑑賞でも楽しめる作品ではありますがMCUドラマシリーズを鑑賞することでより楽しめる作品となっています。

前作『キャプテン・マーベル』(2019)で初登場したモニカが、力を覚醒させるまでの過程が描かれた『ワンダヴィジョン』や前述の『ミズ・マーベル』、そして映画ラストに登場したケイトが主人公となる『ホークアイ』は、中でもオススメのドラマシリーズです。

その他にも、エンドクレジット中盤の映像ではモニカが「獣の姿をした男性」と出会う場面が流れました。この男性は「ビースト」ことミュータントのヘンリー・フィリップ・マッコイ(愛称ハンク)であり、非MCUであるマーベル実写映画シリーズ「X-MEN」に登場するキャラクターです。

X-MENのリーダーである「プロフェッサーX」ことチャールズ・エグゼビアの名も映画作中に登場したことで、兼ねてから噂されていた「X-MENとMCUの合流」は確定といえるでしょう。MCU合流作となる『デッドプール3』(2024)でヒュー・ジャックマンが再び演じるとされるウルヴァリンと併せて、今後の展開に期待が膨らむ演出でした。

まとめ

前提としての知識が時間とともに増えていき、ここからシリーズに入っていくのは難しいと言われがちなMCUシリーズ。

しかし、各作品のエンタメ性が強いため、実はどの作品からシリーズに入っても充分すぎるほど楽しめるような映画になっています。

本作『マーベルズ』もその例から漏れないような楽しい作品となっているおり、観賞を躊躇っている人にも強くオススメしたい作品でした。



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