Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2019/03/25
Update

『キャプテンマーベル』ネタバレ感想。 エンドゲームへと続く最強系女子を見よ|最強アメコミ番付評28

  • Writer :
  • 野洲川亮

連載コラム「最強アメコミ番付評」第28回戦

こんにちは、野洲川亮です。

今回は予定を変更して、3月15日に公開された『キャプテン・マーベル』を考察していきます。

MCUシリーズ第21作目にして、初の女性ヒーロー単独主演となる本作の魅力に、ブリ-・ラーソンが演じた“最強系女子”を通して迫っていきます。

【連載コラム】『最強アメコミ番付評』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

『キャプテン・マーベル』のあらすじとネタバレ

(C)2019 MARVEL

宇宙のかなた、惑星ハラにあるクリー帝国で、ヴァース(ブリ-・ラーソン)は悪夢にうなされていました。

6年前以前の記憶が失われているヴァースは、夜ごと見る記憶の一場面に戸惑い、苦しんでいました。

彼女が所属する部隊、スターフォースの隊長ヨン・ログ(ジュード・ロウ)は、そんな彼女に戦士として「過去は忘れ、感情的になるな」と指導します。

クリー星を司る人工知能スプリーム・インテリジェンスは、面会する人間が尊敬する人物へとその姿を変えますが、ヴァースの目にはいつも夢に出てくる謎の女性の姿が見えています。

ある時スターフォースの任務中、変身能力を持ち、凶悪なスクラル人たちの仕掛けた罠にハマったヴァースは、捕らわれの身となり過去の記憶をのぞかれてしまいます。

記憶に中の彼女は、キャロル・ダンヴァースという名の空軍パイロットで、惑星C-53におり、いつも見る夢の女性はウェンディ・ローソン(アネット・ベニング)という名であることが分かります。

自分自身も知らない記憶を見せられ困惑するヴァースは、スクラル人の隙をついて逃走、宇宙船のポッドを奪い脱出します。

そのままスクラル人を追って惑星C53へ向かったヴァースは、脱出ポッドの故障でブロックバスタービデオに墜落、そこは1990年代の地球でした。

通報を受けて駆けつけたのはシールドのエージェント、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)と新人のフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)、そこに現れたスクラル人を追うヴァースを、フューリーも車で追跡します。

光線を放つヴァースや、いつの間にかコールソンに変身していたスクラル人を目にしたフューリーは、事態の異常さと重要さを感じ、ヴァースと共に謎を追いかけることを決意します。

二人はシールドの機密情報を扱う施設へ向かい、ローソンの秘密を探ります。

資料を見てローソンがクリー人であることに気付いたヴァースは、ローソンが死亡した事故の目撃者であるマリア・ランボーを尋ねることにします。

そこへフューリーの上官ケラーに化けたスクラル人の襲撃に遭いますが、グースという名札を付けた猫と共にジェット機で脱出します。

マリアの元を訪れたヴァースは、地球人のキャロル・ダンヴァースだった自分は6年前の事故でローソンと共に死亡し、その後事故は隠蔽されてしまったことを告げられます。

するとそこへスクラル人のリーダー、タロスが現れ、ローソンのラボの場所を知るため、6年前の事故で回収されたブラックボックスの音声を一緒に聞こうと提案します。

その音声を聞き、ヴァースの記憶の秘密が明らかになりました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『キャプテン・マーベル』ネタバレ・結末の記載がございます。『キャプテン・マーベル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

当時、キャロル・ダンヴァースはローソン博士と共に飛行実験中、正体不明の宇宙船から攻撃を受けます。

不時着し負傷したローソンは青い血を流しており、キャロルに自分はクリー人、マー・ヴェルであることを明かしました。

戸惑うキャロルを尻目に、ローソンはエンジンのエネルギーコアを破壊しようとしますが、襲撃者に撃たれ命を落とします。

襲撃者の狙いは博士の研究成果とエネルギー源であり、その正体はキャロルの夢に出ていたスクラル人ではなく、ヨン・ログでした。

事態を把握しきれていないキャロルでしたが、ヨン・ログの狙いがエネルギーコアであると察し、咄嗟にコアを破壊します。

この時、放出されたエネルギーがキャロルの身体へと流れ込み、ヨン・ログはキャロルの力を利用するために記憶を抹消し、ヴァースと名付けたのでした。

全てを知ったキャロルは、スクラル人に協力しすることを決意し、フューリー、マリアと共に、マー・ヴェルの残した座標を元に宇宙へと出発します。

その地点には、マー・ヴェルの宇宙船があり、研究のエネルギー源である四次元キューブ“テッセラクト”、そしてタロスの生き別れた家族を含めたスクラル人たちがひっそりと暮らしていました。

スクラル人たちは安住の地を求め宇宙を放浪していたに過ぎず、クリー人は自分たちに従わないスクラル人を悪人だとキャロルに信じ込ませていたのです。

今までの誤解をタロスに詫びるキャロル、そこへヨン・ログ率いるスターフォースが乱入し、全員が拘束されてしまいます。

スプリーム・インテリジェンスに、再びクリー人に従うことを強いられるキャロル、しかし地球人としての記憶を取り戻し、真の力を覚醒させたキャロルは拘束から抜け出し、スターフォースたちを次々と打ち倒していきます。

猫のグースはクラーケンへと姿を変え、クリー人やテッセラクトを飲み込みます。

グースの力を借り、フューリーとマリアはスクラル人を救出、マリアが操縦する宇宙船で地球へと脱出します。

ヨン・ログはクリー人の部下、ロナンを呼び出し、宇宙船でキャロルもろとも地球を爆撃しようとします。

しかし、真の力に目覚めたキャロルは、ロナンの宇宙船団が放った無数のミサイルを一人で破壊、宇宙船団も爆破し、それを目にしたロナンは退却しました。

力の差を察したヨン・ログは素手の勝負をしようとキャロルを挑発しますが、キャロルの放ったブラストの前にあっさりと敗北、惑星ハラへと送り返されてしまいます。

無事に帰還した一行、キャロルはフューリーに銀河間でも通信できるポケットベルを渡し、緊急の時にはそれで自分を呼び出すようにと伝えました。

そして、マリアたちに別れを告げ、スクラル人たちの安住の地を探すため、共に宇宙へと旅立っていきました。

強く、自由に、ぶっ飛ばす、最強系女子マーベルを体現したブリー・ラーソン

(C)2019 MARVEL

本作はMCUシリーズ第21作目、初めて女性ヒーローが単独で主演を務めた作品となりました(ブラック・ウィドウやスカーレットウィッチも、未だ単独主演作品はない)。

何よりも観客の目を引くのは、ブリ-・ラーソン演じるキャロル・ダンヴァースことキャプテン・マーベルの、イキイキと自由に生きるキャラクター像でしょう。

“外部からの不当な抑圧”が大きなテーマとなっている本作で、キャロル・ダンヴァースは幼少期から現在に至るまで、様々な形でその抑圧と戦い続けています。

これらのシーンは、単なるフェミニズムの主張にとどまらず、男女問わず不当で、不条理な暴力や暴言になど屈する必要はないのだと伝え、自分の可能性を否定する言葉など無視して信念を貫くことの大切さを、私たちに代わって訴えかけてくれます。

このメッセージが明確であるがゆえ、終盤にキャプテン・マーベルが自分を取り巻いてきた“呪いの歴史”を振り返り、過去の自分と共に立ち上がり強さを覚醒させ、呪いをぶっ飛ばしていく展開に心躍る楽しさがあるのです。

主演のブリ-・ラーソンは、記憶を持たず過去を知らないヒロインに過剰な悲壮感を持たせず、快活で豪快、感情的なヒロインを、正にエモーショナルに元気よく演じてくれました。

どんな状況にあっても(他人を陥れることなく)自分が生きたいように生きる、見た目だけではなく、そのキャラクターの芯の強さ、一貫性でカッコ良さを感じさせてくれます。

カッコ良さだけでなく、既存のMCUキャラクターにもいたお調子者たち(スター・ロードやアントマン)とは、また一線を画すユーモアがあり、これまで居なかった新しい立ち位置に君臨したマーベルの次回作以降の飛躍がまた楽しみになりました。

スポンサーリンク

そして物語はエンドゲームへと

参考映像:『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)

エンドクレジットではMCU恒例となったオマケ映像があり、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)で、フューリーが消滅間際にマーベルへのポケベルを起動させた、その後が描かれました。

ポケベルの送信が止まり、生き残ったアベンジャーズの面々が、その意味を図りかねていたところに、キャプテン・マーベルが登場した瞬間で映像は終わります。

すでに公開済みの『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)最新予告編でも、ソーと対面するマーベルが登場しており、すでに予告されていた通り同作でアベンジャーズの一員に加わることは間違いないようです。

おそらく単純な戦闘力では、ソーやハルクたちを凌ぐ史上最強のアベンジャーズとなるマーベルが、どのような活躍を見せてくれるのか、また他のキャラクターとどのような絡みがあるのか、ここは『インフィニティ・ウォー』を成功に導いたルッソ兄弟監督の腕の見せ所でしょう。

そして、本作で登場した脇役たち、スクラル人タロス、女性パイロットのマリア・ランボー、マリアの娘モニカ(原作コミックでは同名キャラが2代目マーベルとなる)、猫のグースなど、この魅力的な面々の再登場も大きな楽しみです。

次回の「最強アメコミ番付評」は…

いかがでしたか。

次回の第29回戦は、『スパイダーマン:スパイダーバース』を考察していきます。

お楽しみに!

【連載コラム】『最強アメコミ番付評』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

映画『マイ・ブックショップ』感想と解説。原作者が結末で描いた“本当に大切なもの”|銀幕の月光遊戯20

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第20回 スペインの女流映画監督イサベル・コイシェが、ブッカー賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの小説を映画化!  1950年代後半のイギリスを舞台に、書店が一軒もない町に …

連載コラム

映画『ジャスト 6.5』あらすじと感想レビュー。イランでは稀なエンターテインメントを追究した作風|TIFF2019リポート17

第32回東京国際映画祭・コンペティション部門『ジャスト6.5』 2019年にて32回目を迎える東京国際映画祭。令和初となる本映画祭が2019年10月28日(月)に開会され、11月5日(火)までの10日 …

連載コラム

映画『プロメテウス』ネタバレ考察と結末の評価感想。エイリアン前日譚の原点回帰で見つめ直したものとは?|SFホラーの伝説エイリアン・シリーズを探る 第5回

連載コラム「SFホラーの伝説『エイリアン』を探る」第5回 『エイリアン』の前日譚として多くの期待を寄せながら、さまざまな物議を醸した問題作『プロメテウス』。 本作は初期作『エイリアン』の物語から時代を …

連載コラム

映画『レッド・ホークス』あらすじと感想レビュー。男の友情が泣かせるトルコ製ミリタリーアクション!|すべての映画はアクションから始まる4

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第4回 日本公開を控える新作から、カルト的評価を得ている知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画はアク …

連載コラム

『ヴェノム』ネタバレ解説。結末エンドロール後の2つのオマケ映像の真相とは⁈|最強アメコミ番付評13

こんにちは、野洲川亮です。 今回は“スパイダーマン最大の宿敵”であり、“マーベル史上屈指のヴィラン”と呼ばれるキャラクターの単独映画化作品『ヴェノム』を考察していきます。 あらすじ、作品の魅力に加え、 …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学