ブルース・ウィリスが災難に巻き込まれる刑事ジョン・マクレーンを演じた人気シリーズ第2弾。
レニー・ハーリンが監督を務めた、1990年製作のアメリカの大ヒットアクション映画『ダイ・ハード2』。
離れて暮らす妻を迎えにワシントン・ダレス空港にやってきた不運の刑事ジョン・マクレーンが、偶然怪しい男たちを見かけたばっかりに、管制塔を制圧したテロリストたちと戦う羽目になってしまった物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
前作『ダイ・ハード』(1989)から1年後のクリスマスを舞台に描いた、ブルース・ウィリス主演の大ヒットアクション映画「ダイ・ハード」シリーズ第2弾『ダイ・ハード2』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ダイ・ハード2』の作品情報
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
【公開】
1990年(アメリカ映画)
【原作】
ウェルター・ウェイジャーの小説『ケネディ空港/着陸不能』
【監督】
レニー・ハーリン
【キャスト】
ブルース・ウィリス、ボニー・ベデリア、ウィリアム・サドラー、ジョン・エイモス、フランコ・ネロ、アート・エヴァンス、デニス・フランツ、ウィリアム・アザートン、レジナルド・ヴェルジョンソン、フレッド・ダルトン・トンプソン、ロバート・パトリック、ヴォンディ・カーティス=ホール、コルム・ミーニイ、ジョン・レグイザモ、トム・バウアー、シーラ・マッカーシー、ドン・ハーヴェイ
【作品概要】
『ダイ・ハード2』は、『エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃』(1988)や『クリフハンガー』(1993)などを手掛けるレニー・ハーリンが監督を務めた、アメリカの大ヒットアクション作品。
ウェルター・ウェイジャーの小説『ケネディ空港/着陸不能』をもとに映画化された、「ダイ・ハード」シリーズ第2弾であり、前作『ダイ・ハード』(1988)の続編です。
前作『ダイ・ハード』(1989)に引き続き、『アルマゲドン』(1998)や「エクスペンダブルズ」シリーズなどに出演するブルース・ウィリスが主演を務めています。
映画『ダイ・ハード2』のあらすじとネタバレ
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
前作『ダイ・ハード』(1989)で起きた、ロサンゼルスにある会社「ナカトミ商事」のビル、「ナカトミ・ビル」でのテロ事件からちょうど1年後のクリスマス。
ロサンゼルス市警察の刑事ジョン・マクレーン警部補は、妻ホリーを迎えに、雪の降るワシントン・ダレス国際空港にやって来ました。
ホリーを待つ間、マクレーンは立ち寄った空港内のバーで、怪しい2人組の男を発見。空港内の貨物室に入っていった男たちを追いかけ、彼らに職務質問するも銃撃戦に発展してしまいます。
銃撃戦の末、1人はベルトコンベアに挟まれ死亡し、もう1人の男はマクレーンに催涙スプレーをかけられ目をやられたものの、マクレーンの追跡を撒きその場から逃げました。
一方ホリーは、クリスマス休暇にマクレーンたち家族のいるワシントンDCに向かうために乗っていた飛行機内で、1年前の事件で怒りを買ったニュース番組「WZDC」のテレビレポーター、リチャード・ソーンバーグと再会。
公の前でホリーに顔を殴られたソーンバーグは、それを理由に裁判所に接近禁止命令を申し立てたため、互いに半径45m以内に近づくことが禁止されていました。
ソーンバーグはそのことを客室乗務員に話し、「あの女の近くに座れば裁判所命令に違反する。君と航空会社を訴えるぞ」と文句を言いました。
ですがソーンバーグは、自分の番組で以前「客室乗務員は頭が空っぽだ」と貶していたことを失念していました。
さらにこのクレームの前に、ソーンバーグは「なぜ自分をエコノミークラスに押し込めるんだ」「それ(ファーストクラスが満席だということ)はいいが、食事はファーストクラスだろ」と客室乗務員に難癖をつけていました。
そのことに辟易としていた客室乗務員は当然、どちらの要望にも応えませんでした。むしろ客室乗務員は彼の顔を殴ったホリーを称賛し、彼女にシャンパンを振る舞いました。
その後マクレーンは、犯罪現場にドッと押し寄せてきた報道陣を見て、なぜ空港警察は犯罪現場を保存しておかないのか疑問に思いました。
本来であれば、鑑識が指紋を採取したり写真を撮ったり、繊維をとったりするために、一帯を封鎖して犯罪現場を保存します。これは警官なら誰もが知っている常識であり義務です。
そのためマクレーンは、空港警察の署長カーマイン・ロレンゾ警部の元へ向かい、なぜ犯罪現場を保存しないのか追及しました。
するとロレンゾは、「わざわざ鑑識が調べなくても分かる。これはただのコソ泥による犯行だ」と言い、クリスマスで空港が1年で1番忙しい時に、犯罪現場を保存するために一帯を封鎖することは容易でないと主張しました。
逆にロレンゾは、そんな一番忙しい時に銃撃戦を起こしたマクレーンを罵倒しました。
マクレーンはロレンゾに、「貨物室に侵入した男たちが、探知器に引っかからない樹脂製の銃グロックを装備していたことから、ただのコソ泥じゃない」と言い、今すぐ空港を封鎖してちゃんとした捜査を行うべきだと忠告しました。
これに対しロレンゾは、こう答えました。「コソ泥を逮捕したことは褒めてやるが、ナカトミ・ビルでのテロ事件で活躍し、テレビに出たからと言ってあんまりデカい顔をするな」「ここは俺のシマで、ボスは俺なんだよ」
納得がいかないマクレーンは男たちの正体を探るため、ロサンゼルスにいる親友の警官アル・パウエルに死んだ男の指紋を送り、FBIとインターポールに照会してもらうことにしました。
その結果、死んだ男の正体はアメリカ国防省の記録によると、ホンジュラスでヘリの事故により2年前に死んだとされている、元アメリカ陸軍軍曹オズワルド・コクランであることが判明。
どこか陰謀めいたものを感じたマクレーンは管制塔に乗り込み、ロレンゾを無視して空港のチーフ管制官エド・トルドーに自分が知り得た情報をもとに事の次第を話します。
「ロレンゾ警部はコソ泥だと説明したと思うが、死んだ男はアメリカ軍隊上がりだった」
「誰かがこの空港を狙ってる」「その目的は、麻薬王の奪還だ」
マクレーンとトルドーが話していると、突然滑走路の着陸誘導灯が消え、進入管制はダウンし、計器着陸誘導装置(ILS)も作動不能に陥り、全システムがダウン。上空にいる航空機が着陸できなくなってしまったのです。
トルドーは全管制官に「コード・レッド(緊急事態)だ」と告げ、着陸態勢に入っていない航空機は他の空港へ誘導し、既に着陸態勢に入っている航空機は上空で待機させるよう命じました。
しかしそれも、もってあと2時間だけです。それ以上は燃料がもたず、上空で待機している航空機は墜落してしまいます。
以下、『ダイ・ハード2』ネタバレ・結末の記載がございます。『ダイ・ハード2』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
この空港を狙って事件を起こしたのは、追放された元アメリカ陸軍特殊部隊所属の大佐ウィリアム・スチュアートと、元軍人である彼の部下たちでした。
テロリストとなったスチュアートたちの目的は、マクレーンが睨んだとおり、南米のバルベルデ共和国からアメリカへ移送される麻薬王ラモン・エスペランザ将軍を奪還し国外逃亡させることです。
時を遡ること2年前、エスペランザは強力な反共産主義者として、アメリカの支援を受けて共産主義者と戦い勝利しました。
共産主義者と戦った勇敢な英雄である彼は、交友関係を築いていたスチュアートたちアメリカ陸軍と、バルベルデ共和国とアメリカにいる狂信的な支持者から「将軍」と敬称で呼ばれていました。
しかしその後、アメリカ国防省の高官から不法な武器の提供を受けていたり、その武器を使って軍隊を率いて近隣諸国を侵略したり。コカインの密輸に資金を流用したりしていたことが発覚し、エスペランザは麻薬王として逮捕されました。
そのエスペランザがアメリカに移送されることをニュースで知ったスチュアートは、入念に練った彼を奪還する計画を実行。
管制システムを全てダウンさせ、管制塔にいるトルドーたちにこう要求しました。「今から58分後にダレス空港に、エスペランザ将軍を乗せた外国の軍用機“FM1”が着陸する」
「この機に誰も近づかせるな」「そして、私が指定する滑走路に安全に着陸させるんだ」
「要求はまだある。燃料満タンのB747貨物仕様機を用意しておけ」「2分間で上空にいる航空機に待機の指示を出せ。それ以降は発信を遮断する」
「将軍の身に何かあれば君たちの責任となる」「システムの復旧を試みれば厳罰に処する。墜落事故を避けたければ我々の要求に従え」
これを受け、トルドーは管制塔の主任技術者レスリー・バーンズと空港にいる特殊部隊「SWAT」を、建設中の新ターミナルにある通路「スカイウォーク」へ向かわせ、システムの復旧を試みることにしました。
しかしそこは、奇襲に最適な場所です。そのためスカイウォークには、ペンキ屋や作業員に扮したスチュアートの部下オライリーとシェルドン、ショックリー、マルキーが待ち受けていました。
このマクレーンの悪い勘は当たり、バーンズと彼を護衛するSWAT隊員5人に、グロックや短機関銃「H&K MP5K」を装備したオライリーたちは奇襲攻撃を仕掛けていました。
SWATとオライリーたちによる銃撃戦の末、スチュアート側はショックリーが、空港側はSWATが全滅し、バーンズも左腕を撃たれてしまいました。
オライリーがバーンズを殺そうとしたその時、空港の用務員マーヴィンに教えてもらった近道を使って駆けつけたマクレーンが登場。
銃撃戦の末、マクレーンはオライリーたちを倒し、バーンズを無事救出しました。しかしその直後、システムの復旧のために使おうとしていた新ターミナルが爆破されてしまったのです。
貨物室に仕掛けた盗聴器を使って、バーンズと管制塔の通話から部下がやられたことを知ったスチュアートは激怒し、トルドーに「君は私の命令を無視した、その罪を償ってもらう」と言いました。
自分の命令を無視した上に、部下も殺したその報復として、スチュアートはトンプソンに命じて、上空で待機していた燃料切れ間近のロンドン発の旅客機ウィンザー114便(ダグラスDC-8-63)の高度を改竄。
そして管制塔の周波数を使い、「システムは復旧した。着陸を許可する、29番滑走路だ」と偽の管制指示を出して墜落させようとします。
それに誰よりも早く気づいたマクレーンは、29番滑走路に降り立ち、ウィンザー114便に必死に上昇するよう指示を出しました。
しかしウィンザー114便のパイロットはそれに全く気づかず、彼の頭上を通過。その直後にやっと高度の異常さに気づきましたが、もう滑走路の地面に衝突する寸前でした。
そのためスチュアートの思惑どおり、ウィンザー114便は墜落。300人の乗客乗員全員が死んでしまいました。
上空では、まだエスペランザが乗る輸送機を含む複数の航空機が旋回を続けています。その中には、ホリーが乗る旅客機ノースイースト140便(ロッキード L-1011トライスター)もあり、燃料が切れるまであと90分しかありません。
やがて政府からの支援として、スチュアートの教官を務めていた経歴がある、アメリカ陸軍の少佐グラントが率いる対テロ特殊部隊が空港に到着。すぐさま空港警察署に指令本部が設置され、会議室でテロ対策を検討します。
同時刻。バーンズは航空機に現在位置を知らせるために、信号音を発信してる無線施設「無線標識」を使えば、スチュアートたちに通話を盗聴されることなく、上空にいる航空機に連絡を取ることができるのではないかと考えました。
その結果、上空の航空機と連絡を取ることに成功。バーンズは管制塔がテロリストに乗っ取られ、アメリカ陸軍の対テロ特殊部隊が対策を検討中であることを伝えた上で、偽の管制指示に騙されないで欲しいと警告しました。
一方スチュアートたちは、レーダーを使ってFM1の位置を特定。護送兵3人を殺害してFM1を強奪したエスペランザに、一番近い滑走路への着陸を誘導します。その通話を、マクレーンに聞かれているとは知らずに………。
マクレーンは入れてもらえなかった会議室での会話を聞くため、マーヴィンに会議室の会話を盗聴できる場所はないか尋ねていました。
その時ちょうど、マーヴィンが偶然貨物室で拾った、盗聴防止ロックが解除された無線機から、2人の通話内容が聞こえてきたのです。
さらにマーヴィンのおかげで、滑走路へ先回りすることができたマクレーンは、FM1から出てきたエスペランザを襲撃。彼を捕まえました。
しかしそこへ、エスペランザを迎えに来たスチュアートとトンプソン、スチュアートの右腕的存在であるガーバー、スチュアートの部下カーンが襲来。
銃撃の末、トンプソンはマクレーンに射殺され、エスペランザは左肩を撃たれてしまいました。ですが残った3人でFM1の操縦室へ追い込み、手榴弾を放り込んでマクレーンを始末しようとします。
間一髪のところで、マクレーンは緊急脱出装置を使ってFM1の操縦室から脱出。駆けつけた消防車によって救助されましたが、グラントから単独行動したことを叱責されました。
そんなマクレーンに、バーンズはこう助言しました。「すぐに空港に現れたってことは、奴らは空港の近くに潜んでいるに違いない」
「12年前に滑走路を延長した時、レーダー管制やILS、地下の配線などいろいろと改装した」「その全ては空港の地下を抜けて、空港西側の住宅地を通過してる」
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
それを聞いたマクレーンは、バーンズと一緒に空港西側の住宅地へ行き、1軒1軒調べていきました。その結果、スチュアートたちのアジトは、住宅地にある古い教会だったことが判明。
そう、スチュアートたちは電力会社の人間に化けて、教会の管理人を殺害。乗っ取った教会をアジトとし、地下の配線を使って管制システムを乗っ取ったのです。
マクレーンは静かに、アジトの周囲を見張っていたスチュアートの部下ベーカーに接近。しかしそこへ、機内電話からかけてきたホリーからの着信が入り、ベーカーにバレてしまいました。
背後から襲い掛かってきたベーカーとの死闘の末、マクレーンは氷柱で彼の左目を潰して倒しました。
その直後、バーンズからの連絡を受け駆けつけたロレンゾとグラントの部隊は、マクレーンたちと合流。スチュアートたちと銃撃戦を繰り広げていきます。
銃撃戦の最中、スチュアートたちはエスペランザを連れて、教会の裏口から脱出し、そこで逃走用に隠しておいたスノーモービルに乗り込み逃走。
それにいち早く気付いたマクレーンは、すぐさま裏口へ向かい、ガーバーとバークを射殺。スノーモービル1台とサブマシンガンを奪い、スチュアートたちを猛追します。
しかし何故かマクレーンの銃撃は効かず、スチュアートたちに一方的に迎え撃たれてしまう始末。スノーモービルは破壊されてしまったものの、マクレーンはまたもや間一髪のところで助かりました。
再びマクレーンを退けたスチュアートたちは、準備が出来た逃走用のB747貨物仕様機が置かれた貨物機の格納庫へ向かいます。管制塔とスチュアートの通話を聞いたグラントの部隊も、彼らが向かった格納庫へ急行しました。
マクレーンは満身創痍になりながら何とか空港に戻り、マーヴィンに空港警察の署長室へ運んでもらいます。先に空港へ戻ってきていたロレンゾに、マクレーンはこう言いました。
「グラントとその部隊はスチュアートの仲間だ。教会での銃撃戦も、スチュアートたちが逃げる時間稼ぐための茶番だ」
しかし、ロレンゾはマクレーンの言葉を信じようとせず、この期に及んでマクレーンを逮捕しようとするのです。
そこでマクレーンは、ロレンゾを目掛けてサブマシンガンを発砲。スチュアートたちとグラントたちが空砲で撃ち合っていたことを証明しました。
事態を把握したロレンゾは激怒し、空港警察の警官全員に完全武装での出動命令を下し、マクレーンと協力して11番格納庫を四方から包囲しようとします。
同時刻。同じ旅客機に乗っていた仲間の無線盗聴器から、空港での事件を知ったソーンバーグは、機内電話を使ってWZDCで扇情的な報道を行いました。
そのせいで空港内はパニック状態に陥ってしまい、ロレンゾたち空港警察は事態を収拾に追われてしまい、またもやマクレーン一人が敵地に乗り込むこととなってしまいました。
マクレーンは雑踏の中、スクープネタを探していたWNTWニュースのテレビレポーター、サマンサ・コールマンとテレビクルーを見つけ、彼女たちに頼んで報道ヘリコプターで運んでもらいます。
そしてマクレーンは、スチュアートたちを乗せた貨物仕様機の離陸を阻止するべく、報道ヘリコプターから主翼へ飛び降り、補助翼の可動部に脱いだ上着を挟んで操縦不能にします。
それに気づいたスチュアートとグラントも主翼に降り、マクレーンと死闘を繰り広げていきました。
死闘の末、マクレーンはグラントを倒すことが出来たものの、軍隊各党の達人であるスチュアートには苦戦を強いられ、主翼から落とされてしまいました。
ですがマクレーンは落とされる直前、咄嗟に主翼の燃料バルブを開けていました。そして漏れ出た燃料を目掛けて、マクレーンは火をつけたライターを投下。
その炎が導火線となり、飛び立つ直前の貨物仕様機へと引火。勝利の笑みを浮かべていたスチュアートたちは断末魔をあげ、爆死しました。
そして貨物仕様機爆発の残火は誘導灯の代わりとなり、燃料切れ間近だったノースイースト140便をはじめ、上空で待機していた他の航空機も続々と着陸しました。
マクレーンはホリーと互いの無事を確かめ合うように抱き合いました。報道後、激怒したホリーにスタンガンを当てられ気絶したものの、ソーンバーグは緊急着陸前に意識を取り戻し、自責の念に駆られました。
着陸後、ソーンバーグはホリーの隣に座っていた老婦人に助けを求めましたが、「バカ者!」と罵倒され踏みつけられました。
マクレーンの元へやって来たロレンゾは、同じ空港警察の警官である弟ヴィトーが交付した、空港の緊急車両スペースに駐車した彼の違反切符を破棄。
マーヴィンが運転するカートで、ホリーと一緒に空港へ戻る彼を見送りました。
映画『ダイ・ハード2』の感想と評価
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
テロリスト相手に孤軍奮闘するマクレーン
前作『ダイ・ハード』(1989)でもそうでしたが、マクレーンは最愛の妻ホリーと会うクリスマスの日に限って、行く場所に現れたテロリストたちとの戦いを強いられてしまいます。
ただマクレーンは、本作のタイトル『ダイ・ハード』の意味である「なかなか死なない」男です。その証拠に、作中ではスチュアートたちとの戦いで何度も死にかけますが、間一髪のところで助かっています。
元軍人のテロリストたち相手でも引けを取らないマクレーンの強さはもちろん、彼の敏腕刑事としての直感と判断力もとても素晴らしいです。
作中、「何でこんな目に…」「いつになったら普通のクリスマスを過ごせるんだ…」と愚痴をこぼしつつ、それでもなんだかんだ頑張って孤軍奮闘するマクレーンが愛おしくてたまりません。
空港の管制塔を占拠したテロリストの正体とその目的
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
マクレーンがホリーを迎えにやって来た、ワシントン・ダレス空港の管制塔を占拠したテロリストの正体は元アメリカ陸軍の特殊部隊所属の兵士スチュアートと彼の部下たちでした。
その目的は、アメリカに移送される麻薬王エスペランザの奪還です。ただ、スチュアートたちはエスペランザと交友関係を築いたと言っても、彼らの関係性は友人同士というより、スチュアートたちがエスペランザを狂信的に慕っているように見えます。
またエスペランザを奪還するためなら、指揮官のスチュアートは躊躇なくウィンザー114便を墜落させ、大勢の人を殺すことだってする冷酷非道な男です。
ですがスチュアートがそうしたのは、大事な部下たちが殺されたことへの報復でもあります。冷酷非道な一面もある一方で、スチュアートは部下想いの熱い男なのです。
そんなスチュアートの兵士としての強さ、指揮官としての優秀さに、敵でありながら思わず感嘆させられます。
まとめ
(C) 1990 Twentieth Century Fox Film Corporation.
間の悪い刑事ジョン・マクレーンが、空港の管制塔を占拠した元軍人のテロリストたち相手に孤軍奮闘する、アメリカのアクション作品でした。
前作『ダイ・ハード』(1989)同様、テロリストたちが占拠する戦場に居合わせてしまったマクレーン演じるブルース・ウィリスが魅せるアクション場面は、どれも大迫力で緊張感のあるものばかりです。「ひょっとしてマクレーンやられちゃうのではないか」とヒヤヒヤさせられます。
また、強力な味方だと思っていたグラントたち対テロ特殊部隊が、テロ事件前日に部隊に加わった臨時隊員テルフォード以外を除いて、実はスチュアートの仲間であったこと。
そしてウィンザー114便を墜落させたスチュアートたちが、貨物仕様機と共に爆死するというのは、作中で特に衝撃的な場面です。
ただその物語のラストで、前作『ダイ・ハード』(1989)同様、自己中心ぶりを見せたソーンバーグが痛い目を見たのは、スカッとした爽快感を味わえます。
2年連続散々なクリスマスを過ごす羽目になったジョン・マクレーンが、空港という限定空間での緊張感あふれる戦いを魅せるアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。