Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

Entry 2024/04/27
Update

【ネタバレ】ゴジラxコング|あらすじ感想結末と評価考察。“新たなる帝国”とは?ゴジラvsコング続編は対立の先の共闘を描く!

  • Writer :
  • 星野しげみ

ゴジラとコングの勇姿再び! 
新たな強敵に両者はタッグを組む!

人類と怪獣が共存する世界を描く「モンスター・ヴァース」シリーズの映画として第5弾になる本作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』が、日本に上陸しました!

前作『ゴジラvsコング』(2021)で両者は戦い、ゴジラは地上、コングは地下空洞とお互いにテリトリーを分けました。

しかし本作では、地底の奥底で新たな敵が全世界を手に入れようと行動をおこします。危険を察知したコングとゴジラは手を組み、怖ろしい敵に立ち向かっていきます。

監督は前作同様にアダム・ウィンガードが務め、主要キャストも前作メンバーですが、ケイリー・ホトル演じるイーウィス族の少女ジアが大切な役割を担い、ケイリーの演技に注目です。

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』その結末はいかなるものか。ネタバレを含めてご紹介します。

映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の作品情報

【日本公開】
2024年(アメリカ映画)

【原題】
Godzilla × Kong:The New Empire

【原案】
テリー・ロッシオ、アダム・ウィンガード、サイモン・バレット

【監督】
アダム・ウィンガード

【脚本】
テリー・ロッシオ、サイモン・バレット、ジェレミー・スレイター

【撮影】
ベン・セレシン

【キャスト】
レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ダン・スティーブンス、ケイリー・ホトル、アレックス・ファーンズ、ハンレイチェル・ハウス、ファラ・チェン

【作品概要】
「モンスター・ヴァース」シリーズの通算5作目となる作品であり『ゴジラvsコング』(2021)の続編。

怪獣と人類が共生する世界。前作で激突したゴジラとコングが、地上世界と地底世界の2つのテリトリーで平和に暮らしていました。ですが、地底の奥深いところにいる新たな敵が動き出したため、ゴジラとコングが協力して敵と戦います。

監督は、前作と同じくアダム・ウィンガード。キャストも前作から続投となるレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ケイリー・ホトルのほか、『美女と野獣』(2017)のダン・スティーブンス、『シャン・チー テン・リングスの伝説』(2021)のファラ・チェンらが出演する。

映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』のあらすじとネタバレ

前作『ゴジラvsコング』(2021)から3年後。ゴジラは地上に棲息する怪獣の脅威を抑え込み、コングは故郷の地下空洞で生活していました。

ある日、地下空洞のモナーク・第1前進基地(コング観察班)で不審な波形の電波信号が感知されました。同じ頃、イーウィス族の生き残りである少女ジアも、同じ波形をイメージとして受け取っていました。

ジアを養子にしていたモナークのアンドリュース博士は、波型の奇妙な一致の理由を探るため、ポッドキャスト「大怪獣の真実」を配信するバーニーに協力を求めます。

2人がモナークの基地へ行くと、虫歯になって思うように力が出ないコングが、地下空洞から来ていました。“怪獣の獣医”トラッカーがコングの虫歯治療にあたり、抜歯した後のコングには人工歯がはめ込まれました。

やがてバーニーは、電波信号が発信されてから休眠中だったゴジラが活動を開始したことからも、それは地下空洞から怪獣たちに送られている救護信号ではという仮説を立てます。

信号の出所を探るため、アンドリュース博士、ジア、バーニー、トラッパーは、パイロットであるミケルの操縦のもと探査機で地下空洞へと向かいました。

一方、虫歯治療を終え地下空洞へ戻ったコングはそこで新たな土地を発見しますが、巨大類人の群れに襲われ、これを撃退。群れに加わっていたミニコングのスーコに、類人たちの棲息地へと案内させます。

地上では、ゴジラが核施設や他の怪獣の放射能エネルギーを吸収し、急速にパワーアップしていました。アンドリュース博士一行は第1前進基地に到着しますが、そこは破壊されていてコングに類似した巨大類人の手形が残されていました。

得体の知れない怪物の襲撃におののく一行。森の中を歩き回っている間にミケルが人食い樹木の餌食になり、ますます恐怖心は募ります。

やがて彼らは輝くベールへと導く遺跡を発見し、その中の寺院で古代に怪獣たちが戦った伝説を描いた壁画を見つけます。

その後、彼らがベールを通り抜けると、イーウィス族に取り囲まれていました。ジアはイーウィス族の「最後」の生き残りではなかったのです。

一行はイーウィス族の故郷であるマレンカに連れられ、女王に謁見。これまでの経緯がわかってきます。

今から1000年前、イーウィス族をほとんど全滅させた怪獣シーモをゴジラが撃退しました。そのシーモを巨大な類人のスカーキングが見つけ、シーモを世界へ解き放そうとしているとしているのです。

この戦いを予期したゴジラは、戦いに備え自身をパワーアップさせていたのです。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意してください。

一方コングはスーコに連れられて、火山地帯へとやって来ました。そこには自分と同タイプの類人が、奴隷のように働かされていました。彼らを支配する者こそが、スカーキングでした。

コングはスカーキングに戦いを挑みますが、スカーキングの命令によって動くシーモの凍結波により片腕に致命的な傷を負い、その場から逃走。

コングはマレンカにいるジアの元へなんとかたどり着き、トラッパーによって負傷した片腕に最新技術の結晶である「ビースト・グローブ」を取り付けてもらいました。

スカーキングとシーモを倒すべく、地上にいるゴジラに助けを求めることを決意。けれども、ゴジラは自分のテリトリーにやってくるコングを受け入れるとは思えません。

この危機的状況を救うためには、イーウィス族の守護神であるモスラの復活が不可欠。そのモスラを復活させるカギは、伝説によって示された少女ジアにあったのです。全てを知ったジアは儀式にのっとってモスラを復活させ、地上へと向かいます。

地上では、突如出現したコングにテリトリーを脅かされたと思ったゴジラが怒り、コングを襲っていました。戦いは果てしなく続くと思われたその時、まばゆいばかりに輝く光と共にモスラが飛んできました。モスラの背にはジアもいます。

モスラは闘う両者の間にはいり諭します。理由を知ったゴジラはコング、モスラとともに地下空洞へと向かいました。

その頃、マレンカはシーモを連れたスカーキングたちに襲われていました。イーウィス族たちは逃げ惑いこれまでかと思われた時に、上空からモスラとコング、そしてゴジラがやって来て大乱闘になります。

戦いは激しく、地下空洞から地上まで皆飛び出してしまいました。それでもなかなか決着がつきません。

スキを見てコングはスカーキングがシーモを操る剣を破壊。支配から解かれたシーモはスカーキングに凍結波を浴びせ、凍り付いたスカーキングをコングは打ち砕きました。

こうして世界征服を試みた地底の邪悪なスカーキングは滅びました。モスラはまた消え、ひと働きしたゴジラは地上に戻ると眠りにつきます。

シーモに乗ったコングとスーコは、地下空洞に戻って来ました。シーモから降りたコングはシーモの頭をなぜてやります。

3頭は笑顔で類人たちに迎えられました。

映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の感想と評価

映画冒頭、コングの住む弱肉強食の地下空洞の様子が映し出され、コングと怪獣たちの激しい戦いシーンにその場から動けなくなります。

さらに地上でも静かに眠るゴジラが目を覚まし、次第に動きが活発に……コングと手話で会話ができる少女ジアも地底からの信号を察知し、地底へ向かったモナークの一行は全世界の破滅を招く恐るべき敵と遭遇。全てを理解したコングは、ゴジラに助けを求めました。

1つ目の見どころは、このゴジラとコングの共闘です。

前作『ゴジラvsコング』(2021)で、双方譲らない激しい戦いぶりをみせた2頭が、今回では全世界を救うために手を組んで、地底の奥底に潜んでいた恐るべき敵と戦います

ゴジラは危険を察知して自らエネルギーをため込んでパワーアップを図ります。一方のコングも、負傷がきっかけで腕に「ビースト・グローブ」という新たな力を手にし、パンチ力は一段とアップ。前作よりも一段とパワーアップした2頭ですから、その迫力や雄叫びも強化されています。

そしてセリフなしの感情表現も見もの。怪獣たちのそれぞれの気持ちは感情豊かに表情に表され、何とも親近感の湧くゴジラとコングになっていました。

2つめの見どころは、ジアによるモスラの復活が挙げられます。

地底の奥底に書き記されていたイーウィス族の伝説では、地上のイーウィス族の生き残りがモスラを復活させることができるというのです。

「地上のイーウィス族の生き残り」とは必然的にジアを指します。コングに力を与える役割をするモスラの復活を、ジアは厳かにしかも神秘的にやり遂げました。モスラがゴジラとコングの前に登場するシーンは、圧巻の美しさを持っています。

また、本作には仲間を求めるコングの「寂しさ」も随所に組まれています

それゆえ、コングとミニコングのスーコとのやりとりは微笑ましく、敵対視していたスーコが次第にコングへ味方するようになっていくさまにホッとすることでしょう。

戦が終結すれば、ゴジラは地上に戻り、コングは再び地下空間へ大団円のラストに拍手喝采

コングとスーコのコンビもまた何かやってくれそうな予感がし、次回作への期待が高まります。

まとめ

前作『ゴジラVSコング』(2021)同様、激しい戦いシーンが続く『ゴジラ×コング 新たなる帝国』。ですが、今回は対決(VS)ではなく、共闘(×)でした

こんな最強コンビの敵は、やはり最強といえます。ゴジラ&コングに対して、邪悪な巨大猿人のスカーキングとすべての物を凍らせる衝撃波を放つ怪獣シーモ。4頭がぶつかり合う大迫力の決戦は必見です。

また、はらはらする迫力満点の戦いの場は、地下空洞だけにとどまらず、ローマ、フランス、北極海、エジプト、リオデジャネイロと世界各国に展開し、スケールの大きさにも驚くことでしょう。



関連記事

アクション映画

007黄金銃を持つ男|ネタバレあらすじ感想と結末の解説評価。ブリット・エクランド演じるボンドガールの魅力満載のシリーズ9弾!

大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第9作! ガイ・ハミルトンが監督を務めた、1974年製作のイギリス・アメリカ合作の大人気スパイアクション映画『007/黄金銃を持つ男』。 「007」ことMI …

アクション映画

『007カジノ・ロワイヤル』ネタバレあらすじ感想と結末評価解説。ヴェスパーはなぜ裏切り最後に死んだ?ダニエルクレイグ版ボンドの第1弾作品

大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第21作! マーティン・キャンベルが監督を務めた、2006年製作のイギリス・アメリカ・チェコ合作のスパイアクション映画『007/カジノ・ロワイヤル』。 チェ …

アクション映画

『オーバーエベレスト』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。アクション映画で役所広司らしい演技力を魅せる

ヒマラヤ救助隊が、世界を揺るがす陰謀を阻止するアクション映画 ユー・フェイが脚本・監督を務めた初の映画監督作品であり、2019年製作の日本・中国合作のスペクタクル・エンターテインメント・アクション映画 …

アクション映画

映画『アントマン&ワスプ』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

大人気コミック「マーベル」の実写映画化プロジェクト『マーベル・シネマティック・ユニバース』こと、『MCU』。 『アントマン』は『MCU』の一部作品で、本編以外にも『シビル・ウォー』にて、キャプテン・ア …

アクション映画

映画『ホースソルジャー』あらすじネタバレ感想とラスト結末の評価。西部劇や戦争娯楽作品として楽しみとは⁈

アメリカ同時多発テロから17年。本国のみならず全世界を震撼させたニュース映像で見た誰もが、生涯あの映像を忘れることはできないのではないでしょうか。 映画『ホース・ソルジャー』には、あのニュース映像が使 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学