エマ・ワトソン主演の映画『美女と野獣』は、ディズニーが実写化作品として、初めて制作配給を担った作品。
実写ならではの迫力ある映像や華やかな装飾、野獣のふとした人間味溢れる表情が見どころになっています。
映画『美女と野獣』の作品情報
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Beauty and the Beast
【監督】
ビル・コンドン
【キャスト】
エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ケビン・クライン、ルーク・エバンス、ジョシュ・ギャッド
【作品概要】
名作ディズニーアニメ『美女と野獣』を、『ハリーポッター』シリーズのエマ・ワトソン主演で実写映画化。
『ドリームガールズ』のビル・コンドンがメガホンを取り、王子役をテレビシリーズ「ダウントン・アビー」のダン・スティーブンス、町一番のハンサム男ガストン役を「ホビット」シリーズのルーク・エバンスがそれぞれ演じるほか、燭台のルミエール役でユアン・マクレガー、時計のコグスワース役でイアン・マッケラン、ポット夫人役でエマ・トンプソンが出演。
呪いで野獣の姿に変えられた王子と、美しく聡明なヒロインのベルが惹かれあっていく姿を描いています。
映画『美女と野獣』のあらすじとネタバレ
昔、フランスの美しい城に、若く麗しい王子が住んでいましたが、その王子は身勝手で薄情。
村々から美しいものを集めては、宴を行っていました。
ところが、ある嵐の晩に寒さをしのがせてほしいと一人の老婆がやって来ます。
その老婆を見た王子は、その醜さを嘲笑い、お礼にと差し出された一輪のバラとともに彼女を冷たく突き放します。
老婆は「外見にだまされるな。美は内側に宿るのだから」と忠告すると美しい魔女に姿を変え、王子は謝るものの醜い野獣に、家来たちも家具に姿を変えられました。
魔女が差し出したバラは魔法のバラで、「最後の花びらが散るまでに本当の愛を知ることができれば呪いは解ける」と伝えると消え去っていきました。
かつて王子だった野獣は希望を失い、魔法により、世間から王子たちは忘れ去られました。
歳月が経ち、ある小さな村。
村に住むベルは、本が大好きで冒険を夢見る教養ある女性ですが、村の人々は彼女を理解せず、変わり者だと噂しています。
ベルに一目ぼれしたガストンは、村の英雄。村の女たちがガストンに夢中でも、ガストンは目もくれません。
ベルはガストンの乱暴さや無教養を嫌っていて、彼が誘ってもちっともなびきません。
ガストンは村の物乞いのアガットを指差し「未婚のまま父親が死んだら、物乞いになるしかなくなるぞ」とベルを脅します。
仕事で村を離れていたベルの父モーリスは、山道で狼に襲われ逃げ回っているうち、大きな城に辿り着きました。
城の中へ入ったモーリスに、ティーカップが近づいてきてしゃべりかけます。驚いたモーリスは急いで馬を走らせ帰ろうとしました。
その時、ベルがバラの花をお土産に欲しいと言っていた事を思い出します。
城の庭からバラの花を一輪とった瞬間、モーリスは何者かに襲われ、その音に驚いた馬は逃げ去ってしまいました。
帰ってきた馬を見て、ベルはモーリスが一緒ではないことを心配し、馬に乗り父のいる城へ向かいます。
城の中へ入ったベルは「呪いを解くのはあの子かも」と言う誰かの声を聞き、声のほうへ向かいますが、そこには時計と燭台があるだけ。
燭台を手に城を探索するベル。牢獄に捕らえられていたモーリスと再会したものの、モーリスは城を離れろと言います。
暗闇から「そいつがバラを盗んだから投獄した」と言う声が聞こえてきたので、ベルは父ではなく、バラを頼んだ自分を罰してと頼みます。
向かってきた声の主に、持っていた燭台の明かりを近づけたベル。
照らされたのは恐ろしい野獣の顔。
一瞬たじろいだベルですが、父親の身代わりとなり囚われの身となるのでした。
野獣の家来、燭台のルミエールは、ベルが“呪いを解くための女性”と考え、時計コグスワースが引き留めるのを無視して彼女を牢獄から出してあげます。
映画『美女と野獣』の感想と評価
最初は傲慢で自分勝手だった野獣が、ベルとの交流により、不器用ながらとても人間的な存在に成長していきます。
演じたダン・スティーブンスの印象的な“瞳”の演技により、野獣のキャラクターが多面的に、とても鮮やかに描かれています。
またベルを演じたエマ・ワトソンも、彼女の持つ知的な美しさとぴったり合っています。
アニメの実写版ということで話題になった本作。
アニメに忠実に作ってある美術は素晴らしく、アニメ版から見た方は、その再現度に息を飲むんじゃないでしょうか。
ただ、ルミエールやポット夫人、チップなどの変身させられた家来たちの表情がリアルに寄せてあるため、分かりづらいのが玉に瑕。
アニメ版では生き生きした表情を見せている分、こちらでももう少し戯画化して欲しかったというファンもいるかもしれません。
しかし、ラストの野獣が息を吹き返して王子に戻るシーンは、うまく伏線を回収していました。
まさかアガットが魔女だったとは…。見ていたこちらも魔法にかけられたようですよ。
吹き替え版と字幕版の両方見たのですが、どちらのキャストの歌声も美しく、物語の中へ誘ってくれました。
まとめ
ディズニーの名作アニメーション映画『美女と野獣』のリメイクである本作。
外見の“美しさ”に囚われ野獣に変えられた王子と、自分の価値観を信じて突き進むベル。
アニメ版を見た人もそうでない人も楽しめる、豪華絢爛な一作。
細部まで描かれたお城全体の迫力や、ドレスの美しさ、装飾品ぜひを堪能して下さい。